1. 徳島で厄払いを考えたらまず決めたい3つのこと

徳島で厄払いをしようと思ったとき、「どの神社やお寺に行けばいいのか」「車がないと無理なのか」「子どもや親を連れて行っても大丈夫なのか」など、気になることがいくつも出てきます。ネットで調べても、厄年の年齢表や一般的なマナーは出てきますが、「徳島で、自分はどこにどう行けばいいのか」という具体的なイメージまではわきにくいかもしれません。
このページでは、徳島に住んでいる人や、里帰り・Uターンで戻ってくる人が、自分の生活スタイルに合った厄払いを選べるように、「車なしで行けるコース」「ドライブと組み合わせる一日プラン」「子連れ・三世代での工夫」「厄払い後の一年の整え方」までを、一つの記事としてまとめました。大麻比古神社・薬王寺・津峯神社・西照神社など、徳島を代表する社寺の特徴やアクセスも紹介しています。厄年をただ不安に感じるのではなく、「これからの一年を整えるチャンス」として前向きにとらえるきっかけにしてみてください。
1-1 どこに住んでいる?エリア別の動き方イメージ
同じ徳島県内でも、徳島市・鳴門などの東部、吉野川沿いから美馬・三好までの西部、阿南・美波・牟岐などの南部では、距離感や移動手段がかなり違います。まずは「自分が普段動いているエリア」と「そこから向かいやすい方向」をイメージしておくと、厄払いの候補がぐっと絞りやすくなります。
鳴門・板野エリアに近い人なら、阿波國一之宮として知られる大麻比古神社が有力候補です。徳島県や観光サイトでは、大麻比古大神と猿田彦大神を祀り、阿波の総鎮守的な存在として紹介されています。安産や交通安全、方除、厄除などのご祈願を通年で受け付けているとされ、厄払いの場としてもよく名前が挙がります。
南部に住んでいる人なら、美波町日和佐の薬王寺が身近です。薬王寺は四国八十八ヶ所霊場の第23番札所で、高野山真言宗の別格本山。寺の案内では、「厄除根本御祈願所」として全国的に厄除の祈願で知られていることが説明されています。境内には女厄坂33段、男厄坂42段、還暦厄坂61段の石段があり、一段ずつ賽銭を供えながら登っていくスタイルが特徴的です。
阿南エリアなら、津峯山の山頂に鎮座する津峯神社が候補に入ります。津峯山の8合目までは、自動車専用道路「津峯スカイライン」が通じており、2025年4月からは通行料が無料になりました。8合目の駐車場からは、約300段の石段または参詣リフトを使って山頂の社殿に向かいます。山の上から海と町並みを見渡せることでも知られています。
西部、特に美馬・三好周辺に住んでいる人には、美馬市脇町の大滝山山頂付近に鎮座する西照神社も選択肢になります。公式の案内では、月夜見大神を主祭神とし、「神代時代より神の発祥地として知られる厄除総本宮」と紹介されています。月の神さまにご縁のある社として語られることもあり、静かな山上の空気の中で厄除けの祈願ができる場所です。
このように、「同じ徳島で厄払い」と言っても、住んでいる場所によって現実的に行きやすい社は変わってきます。ここで紹介している寺社も、あくまで代表的な一例です。自宅からの距離や移動手段、家族の予定などを踏まえ、「自分たちにとって無理のない範囲」を基準に候補を絞っていきましょう。
1-2 車あり・なしで変わる参拝先の選び方
徳島はどうしても車中心の生活になりがちなので、車の有無で行ける場所の幅が大きく変わります。まずは、「公共交通で行ける寺社」と「車があった方が現実的な寺社」を分けて考えてみましょう。
公共交通で比較的行きやすいのは、鉄道の駅から徒歩圏にある場所です。大麻比古神社は、JR高徳線・板東駅から徒歩で向かうことができます。観光サイトやブログなどでは「徒歩15分」「徒歩20分」「徒歩25分」「徒歩30分」「徒歩40分」と表記に幅があり、実際にはどのルートを通るか、どのくらいのペースで歩くかによって所要時間が変わります。ざっくり言うと、駅から神社までおよそ1km前後〜1.5km弱はあると考えておくとよく、目安としては「徒歩20〜30分前後(人によってはもう少しかかることもある)」くらいの感覚で計画すると安心です。
板東駅自体は、通常ダイヤでは普通列車のみが停車する駅です。ただし過去には、大麻比古神社の初詣客の利便性を考え、特急「うずしお」が三が日に臨時停車した年もあります。毎年必ず実施されるわけではなく、ダイヤ改正やその年の運行方針で変わる可能性があるため、「特急利用で行ける年なのかどうか」は、その都度JR四国の最新の時刻表や公式発表を確認する必要があります。
薬王寺については、JR牟岐線・日和佐駅から徒歩で行くことができます。観光の案内では、おおよそ0.4〜0.7kmほど、徒歩約5〜10分前後の距離感で紹介されていることが多いです。駅から薬王寺の山門までは、信号待ちや写真撮影の時間を含めて、余裕を持って10分程度を見込んでおくとよいでしょう。
一方、津峯神社や西照神社は、車があった方が圧倒的に動きやすい立地です。津峯神社は津峯スカイラインで8合目まで上がる必要があり、西照神社は大滝山の山頂付近まで山道を進む必要があります。両社ともタクシーを利用することはできますが、本数や料金を考えると、実際にはマイカーやレンタカーで行く人が大多数という印象です。
車がない人は、徳島駅から公共交通で動ける大麻比古神社や薬王寺を基本ルートとして考えつつ、「家族に車を出してもらえる日」や「レンタカーを借りられるタイミング」に津峯神社や西照神社を組み込む、という形で計画すると現実的です。車がある人でも、山道や慣れない道の運転に自信がない場合は、明るい時間帯と天候の良い日を選び、無理なスケジュールやギリギリの時間設定を避けることが大切です。
1-3 ひとり・カップル・家族連れ、誰と行くかを決める
厄払いは、一人で静かに向き合いたい人もいれば、家族やパートナーと一緒に受けたい人もいます。誰と行くかによって、選ぶ場所と当日の過ごし方は自然と変わってきます。最初に「誰と行く会にするか」を決めておくと、候補も絞りやすくなります。
一人で行く場合は、移動時間も含めて「自分の棚おろしの日」にしやすいのが魅力です。たとえば徳島駅から高徳線に乗って板東駅まで行き、徒歩で大麻比古神社に向かう道のりは、今年のことを静かに考えるのにちょうどよい距離感です。薬王寺の石段を一段ずつ登りながら、心配ごとを一つずつ置いていくイメージで参拝するのも、心の整理に向いています。
カップルで行くなら、これからの暮らしや仕事のことを話しやすい場所を選ぶのもおすすめです。大麻比古神社や津峯神社のように、厄除けだけでなく家内安全・交通安全などの祈願も行っている神社で、「これからの生活が安全で穏やかなものになりますように」と一緒に祈ると、今後の目標を共有しやすくなります。
家族で行く場合は、誰が本厄・前厄・後厄にあたるのかを確認しつつ、家内安全や子どもの健やかな成長の祈願もあわせてお願いするケースが多いです。祖父母世代も一緒の場合は、階段や坂道の少ない場所を選んだり、こまめな休憩時間を組み込んだりして、体力的に無理のないスケジュールにすることが大切です。「全員でてっぺんまで行くこと」にこだわりすぎず、「できる範囲で一緒に過ごす」くらいの感覚で考えると、みんなが心地よく過ごせます。
1-4 行く時期の考え方(正月だけじゃない徳島の厄払い)
厄払いというと、正月三が日や節分のイメージが強いかもしれません。実際、徳島県内の多くの寺社でも、年始や節分の前後に厄除けの祈祷を受ける人が集中します。ただ、厄除けのご祈祷そのものは、一部の特別な日を除いて、年間を通じて受け付けている寺社がほとんどです。
大麻比古神社では、安産祈願、交通安全、方除、厄除などの祈願を年間を通して受け付けていると案内されています。薬王寺や津峯神社、西照神社といった寺社も、それぞれ年間行事の予定はあるものの、基本的には一年中厄除け祈願を受け付けています。時期によって予約の有無や混雑具合が変わるため、「必ずこの日でなければいけない」というより、「自分と家族にとって動きやすい日を選ぶ」ことの方が重要です。
厄年のタイミングについて、神社や寺院の解説では、「年のはじめや節分までの時期に祈祷を受ける人が多い」としつつ、「厳密な決まりではなく、都合に合わせて受けても差し支えない」といった説明が多く見られます。節分を一年の区切りと考える神社もあれば、誕生日を境とする寺社もあるなど、地域や社寺ごとの違いもあります。そのため、「この日を逃したらアウト」というより、「落ち着いて行けるタイミングを見つける」意識で選ぶとよいでしょう。
混雑を避けたい人は、あえて正月や節分を外し、春や秋の平日などを選ぶ方法もあります。山の上にある寺社に行く場合は、真夏の炎天下や雪・凍結の可能性がある真冬を避け、朝晩が涼しい季節の午前中を選ぶと、体力的な負担が少なくなります。自分の予定と体調、天候を総合的に見て、「無理なく行ける日」を探してみてください。
1-5 厄年の基本をざっくり押さえる
厄払いを考えるとき、一度は「そもそも厄年って何歳?」という疑問が浮かぶと思います。一般的によく使われる表は、数え年で、男性の本厄が25歳・42歳・61歳、女性の本厄が19歳・33歳・37歳・61歳とされるものです。この前後の年を前厄・後厄とし、3年間を慎重に過ごす時期とする考え方が広く知られています。
ただし、厄年の年齢や数え方には地域差があります。たとえば、子どもの厄として「4歳・13歳」を重く見る地域があったり、70歳・77歳・88歳など、長寿の節目を厄年として扱う地域もあります。また、数え年ではなく満年齢で考えるケースや、前厄・後厄を含めない寺社もあります。同じ徳島県内でも、神社ごとに厄年表の細かい違いがあることも珍しくありません。
厄年は「その年に必ず災難が起きる」と決められているものではありません。伝統的な考え方では、家庭や社会の中で役割が大きくなり、心身の負担も増えやすい年代と重なるため、「いつも以上に慎重に過ごした方が良い年」とされてきました。実際にその年だけ事故や病気が統計的に増えるといった、はっきりとした科学的根拠があるわけではないとされます。
そのため、「厄年だから不幸になる」という受け止め方をする必要はありません。むしろ、「忙しくなりがちな年だからこそ、生活や健康を見直すタイミング」と考える方が現実的です。体調の不安や心の不調がある場合は、寺社での祈祷とあわせて医療機関や専門家に相談することも大切です。厄払いは心の支えにはなりますが、診察や治療の代わりにはなりません。
この記事で紹介している厄年の年齢は、あくまで「全国的によく使われる目安」です。実際に参拝するときは、必ずその神社やお寺が出している厄年表や案内を確認し、「自分はどこに当てはまるのか」をそこでチェックするようにしてください。
2. 車がない人向け:電車・バスで行ける徳島の厄払いスポットと半日コース
2-1 徳島市内から行く大麻比古神社コース(鳴門方面)
車がない人でも、徳島市内から半日〜一日で行ける厄払いコースは十分に組めます。その代表的な例が、徳島駅から高徳線に乗って大麻比古神社へ向かう鳴門方面のコースです。
流れとしては、まず徳島駅からJR高徳線の普通列車に乗り、板東駅で下車します。所要時間は乗る列車によって多少変わりますが、おおよそ20〜40分前後が一つの目安です。途中駅で長く停車する便などもあるため、最新の時刻表や経路検索アプリで、行きと帰りの時間を必ず事前に確認しておきましょう。
板東駅から大麻比古神社までは徒歩で向かいます。案内によって徒歩時間の表記が異なり、「徒歩15分」「徒歩20分」「徒歩25分」「徒歩30分」「徒歩40分」とまちまちですが、実際には人によって歩くペースも違いますし、寄り道をするかどうかでも変わります。道路やルートにもよりますが、駅から神社までおよそ1〜1.5km前後あると考えておき、「徒歩20〜30分前後(ゆっくり歩くともう少しかかることもある)」くらいの幅を見込んで計画すると安心です。
神社に着いたら、まずは手水舎で手と口を清め、拝殿で参拝します。そのあと、厄除けのご祈祷を希望する場合は社務所で申し込みを行います。ご祈祷は1日に複数回行われていることが多いですが、時期によって時間帯が変わることもあるため、事前に公式サイトや電話で確認しておくと安心です。
ご祈祷を受けたあとは、ご神木の大きなクスノキを眺めたり、境内の摂社や末社を巡ったりしつつ、「今年はどんな一年にしたいか」を落ち着いて考える時間をとってみてください。体力と時間に余裕があれば、近くの霊山寺(一番札所)まで歩いてみるのも一つの選択肢です。
帰りは板東駅から再び高徳線に乗り、徳島駅に戻ります。板東駅は無人駅で、列車の本数もそれほど多くはありません。帰りの列車の時刻は、あらかじめ2本分くらい候補を決めておき、早めに駅に着くように境内を出ると、慌てずに済みます。
2-2 徳島駅周辺で完結させるお参り+カフェコース
「仕事や家事で丸一日は難しい」「体力的に長距離移動は不安」という人は、徳島駅周辺だけで完結する厄払いのコースも十分考えられます。徳島市内には、地域の氏神さまを祀る神社が複数あり、バスやタクシーを使えば短時間で行くことができます。
例えば、徳島市雑賀町の徳島縣護國神社は、徳島駅からバスや車でアクセスできる神社です。護国神社は、戦没者の御霊をお祀りすることを主な役割としつつ、厄除けや家内安全、商売繁昌などのご祈願も行っています。境内には大きな鳥居や広い参道があり、落ち着いた雰囲気の中で祈祷を受けることができます。
午前中に徳島縣護國神社で参拝とご祈祷を済ませたら、徳島駅周辺に戻り、駅ビルや周辺のカフェで昼食をとる流れにすると、移動時間をおさえつつ、心の切り替えもしやすくなります。カフェでは、手帳やスマホを開き、「今年大事にしたいこと」「気をつけたいこと」を箇条書きにしてみると、厄払いをきっかけにした目標づくりがスムーズになります。
時間に余裕があれば、阿波おどり会館から眉山ロープウェイに乗り、眉山山頂へ向かうこともできます。山頂のすぐ近くには、学問の神さま・菅原道真公を祀る眉山天神社があり、受験や資格試験、仕事のスキルアップなどを願って参拝する人も多い場所です。山頂から徳島市内を一望し、学業や仕事のことをゆっくり考える時間をとるのも良い流れです。
2-3 南部方面への列車旅、薬王寺で厄除け+海辺散歩
もう少し遠出したい人には、徳島駅からJR牟岐線に乗って南部の日和佐へ向かい、薬王寺を参拝する列車旅が合います。厄除けで知られる寺院と、海の景色をセットで楽しめるのが魅力です。
徳島駅から日和佐駅までの所要時間は、乗る列車によって違いがありますが、普通列車でおおよそ1時間30〜40分前後の便が多いです。ただ、途中駅での待ち時間が長い便に乗ると、2時間近くかかるケースもあります。牟岐線は本数がそれほど多くないため、「どの便に乗ると何分かかるのか」を、JR四国の公式サイトや時刻表アプリで事前に確認し、行きと帰りの便をそれぞれ2本ずつくらい候補にしておくと安心です。
日和佐駅から薬王寺までは、おおよそ0.4〜0.7kmほどの距離と案内されることが多く、徒歩で5〜10分前後です。実際には信号待ちや写真撮影の時間もあるので、余裕を持って10分程度を見込んでおくとよいでしょう。駅からは、薬王寺の山門や石段が見える方向に歩いていくと、迷いにくいです。
薬王寺の境内に入ると、女厄坂33段・男厄坂42段・還暦厄坂61段と続く石段があります。それぞれの段を一段ずつ登りながら、1円玉や小銭を置いていく風習があり、「厄を一段ずつ払っていく」という意味が込められているとされます。石段は場所によって勾配がきつく感じられるところもあるので、自分のペースで、途中途中で休憩しながら登るのがポイントです。
ご祈祷を受ける場合は、受付時間や申し込み方法を事前に公式サイトで確認しておきましょう。繁忙期には待ち時間が発生することもあるので、余裕を持ったスケジュールにしておくのがおすすめです。参拝が終わったら、日和佐の海辺を散歩したり、日和佐城のあたりから港や町並みを眺めたりする時間をとると、心の整理がしやすくなります。帰りの列車の時刻までは、駅近くのカフェでゆっくり過ごすのも良いでしょう。
2-4 学生さん向け、友だちと行きやすい低予算プラン
学生や社会人になりたての人が厄年に当たると、「お金にあまり余裕はないけれど、きちんと厄払いはしておきたい」という悩みが出てきます。そんなときは、交通費と初穂料を無理のない範囲に収めながら、友人と一緒に行くプランを考えてみましょう。
厄除けの初穂料については、全国的な相場として5,000〜10,000円がよく紹介されています。徳島県内の寺社でも、この範囲内で金額を設定しているところが多く、金額が明示されている場合はその案内に従えば問題ありません。「お気持ちで」と書かれている場合は、自分の状況に合わせて決めてよいことがほとんどです。
交通費を抑えるには、徳島駅から電車1本で行ける大麻比古神社や薬王寺をベースにしたコースが現実的です。たとえば、徳島駅から高徳線で板東駅へ行き、徒歩で大麻比古神社に向かって厄払いを受ける。帰りに板東駅近くのコンビニで軽く食事をとり、再び徳島駅へ戻るといった流れなら、1日の総額をかなり抑えられます。
友だちと2〜3人で行けば、道中の電車の中でも気兼ねなく話ができますし、祈祷の前後に不安なことを共有しやすくなります。「今こんなことで悩んでいる」「こういう一年にしたい」と話をする時間自体が、厄払いの一部のような役割を果たすこともあります。大切なのは、金額の多い少ないよりも、「自分で決めた形で、きちんと感謝と決意の気持ちを込めて参拝する」ことです。
2-5 公共交通で行くときの予約と時間の読み方
電車やバスで厄払いに行くときは、時間の見積もり方が大切になります。地方路線の場合、バスが1〜2時間に1本というところもあり、乗り遅れると大きく予定が狂ってしまいます。まずは行きと帰りの便をそれぞれ2本ずつほど候補として控えておき、どちらでも間に合うくらいの余裕をもったスケジュールを組むと安心です。
ご祈祷については、予約不要で当日受付の寺社と、事前予約を推奨している寺社があります。大麻比古神社や薬王寺のように参拝者が多い寺社では、正月や節分の前後、大安の午前中などは混み合いやすいので、事前に公式サイトで受付時間や混雑状況の情報を確認しておきましょう。不安な場合は、電話で「この日に厄払いを受けたいのですが、何時ごろに伺うのがよいでしょうか」と問い合わせておくと、当日の流れをイメージしやすくなります。
時間の見積もりとしては、「神社や寺院に到着してから、受付・待ち時間・ご祈祷・授与品の受け取り・境内散策」をすべて含めて、少なくとも1時間半〜2時間程度は見ておいた方が安心です。写真撮影や、ゆっくりおみくじを読む時間まで含めると、2〜3時間を想定しておくと余裕があります。スマホの充電切れや電波状況の悪化に備え、紙のメモに時刻表と神社の電話番号を書いておくと、万が一のときも落ち着いて対処しやすくなります。
3. 車がある人向け:ドライブと組み合わせる厄払いモデルコース
3-1 鳴門IC発、大麻比古神社と周辺スポットをめぐる
高速道路を利用できる人なら、鳴門ICを起点としたドライブ厄払いコースが組みやすくなります。鳴門ICから大麻比古神社までは、一般道でおよそ20分前後。徳島道や神戸淡路鳴門自動車道を経由してくる人にとってもアクセスしやすい立地です。
一日の流れの例としては、まず朝に鳴門IC付近を出発し、そのまま大麻比古神社へ直行。到着したら、先に社務所で厄除けや交通安全のご祈祷を申し込み、待ち時間の間に参道や境内を散策します。ご祈祷が終わったあとは、ご神木のクスノキの前で写真を撮ったり、境内の摂社・末社をゆっくり回ったりして、心を落ち着ける時間をとるとよいでしょう。
その後、時間と体力に余裕があれば、近くの霊山寺に立ち寄り、お遍路の雰囲気を少し味わってから鳴門市内へ向かいます。昼食は鳴門市内の海鮮料理店やカフェでとり、午後は鳴門公園や大鳴門橋の展望台で、渦潮や海の景色を楽しみます。最後は渋滞が本格的になる前に高速道路に乗り、早めに帰路につくよう意識すると、体力的にも余裕が持てます。
移動時間はナビの表示よりも少し余裕を見て、「片道+30分くらい」をイメージしておくと、休憩や道に迷う時間も含めて考えやすくなります。大麻比古神社のご祈祷時間に遅れないよう、午前中の早めの時間帯で一度スケジュールを組んでみるとよいでしょう。
3-2 阿南の津峯神社で山上の景色と厄除けを楽しむ
阿南方面に車で向かえる人には、津峯神社を目的地にしたドライブも人気があります。津峯神社は阿南市津乃峰町にある津峯山の山頂に鎮座しており、山の8合目までは津峯スカイラインでアクセスします。2025年4月からはスカイラインの通行料が無料になり、通行時間は6:00〜22:00と案内されています。
8合目の駐車場から山頂の社殿までは、およそ300段の石段を登るルートと、参詣リフトを利用するルートがあります。リフトの運行時間は9:00〜17:00で、料金は往復500円、片道上り350円、下り200円といった設定がされています(料金や時間は変更される場合もあるので、出発前に最新の情報を確認してください)。強風や雷、点検などの理由で運休になることもあるため、特に遠方から行く場合は、公式の情報や観光サイトを確認しておくと安心です。
津峯神社は、賀志波比売大神を主祭神とし、延命長寿・海上安全・交通安全・家内安全・厄除などの祈願が行われていると紹介されています。山上からは橘湾や紀伊水道を見渡せるスポットもあり、天気のよい日は特に気持ちのいい景色が楽しめます。
午前中の早い時間に参拝とご祈祷を済ませ、そのあと阿南市内で昼食をとり、午後は海沿いを少しドライブして道の駅や温泉施設に立ち寄る、という一日プランにすると、無理のないスケジュールになります。スカイラインや山道では速度を控えめにし、カーブの手前で早めに減速することが大切です。冬場や雨の日は、路面の凍結・滑りやすさにも注意し、必要ならスタッドレスタイヤやチェーンなども検討しておきましょう。
3-3 美馬の西照神社へ、月の神さまに手を合わせる一日ドライブ
時間と体力に余裕がある人には、美馬市脇町の西照神社へ向かうドライブも選択肢になります。西照神社は、阿讃山脈の大滝山(標高946m)山頂近くに鎮座しており、「月神の宮」として紹介されることもあります。主祭神は月夜見大神で、宗像三女神や宇迦之御魂大神なども祀られています。
アクセスとしては、最寄り駅がJR穴吹駅で、そこからタクシーで25分ほど、あるいは徳島自動車道の脇町ICから車で約25分という案内が多く見られます。さらに国道193号から山道へ入り、約40分ほどかけて山頂付近へ進むルートが一般的です。公共交通のみで往復するのは現実的にはかなり難しく、多くの場合はマイカーかレンタカー、あるいは地元の知人に送迎してもらう形での参拝になります。
山道はカーブが多く、場所によっては道幅も狭くなります。冬場や雨の多い時期は路面が滑りやすくなるため、天気予報や道路情報を確認し、「今日は安全に登れそうか」を出発前にチェックしておきましょう。場合によっては、無理をせず別の日に変更する判断も必要です。
モデルコースとしては、朝の早い時間に徳島市内を出発し、高速道路と一般道を乗り継いで西照神社へ向かいます。山道に入る前にコンビニなどで休憩と飲み物の買い出しをしておくと安心です。山頂近くの駐車場に車を停めたら、澄んだ空気の中を少し歩き、本殿で厄除けのご祈祷を受けます。
下山後は、美馬市脇町の「うだつの町並み」に立ち寄り、古い町家を眺めながら散策したり、カフェで昼食やお茶を楽しんだりすると、一日の満足度が高まります。帰り道は日没前に山を降りることを意識し、夜の山道を運転しなくて済むように時間配分をしておくのがポイントです。
3-4 雨の日でも楽しめる屋内寄り道アイデア
厄払いの予定を立てたものの、当日が雨になってしまうこともあります。そんなときでも楽しめるように、「晴れバージョン」と「雨バージョン」の寄り道先をあらかじめ用意しておくと安心です。
大麻比古神社周辺であれば、鳴門市内のドイツ館や美術館、資料館など、屋内でゆっくり過ごせる施設があります。参拝を済ませたあと、天候に応じてこれらの施設に立ち寄り、展示を楽しんだりカフェで休憩したりするコースに切り替えることができます。
阿南・美波方面では、薬王寺の近くに薬王寺温泉があり、参拝後に温泉で体を温めてから帰るプランも考えられます。また、国道沿いの道の駅や温泉施設、屋内型の遊び場なども雨の日の寄り道先として役立ちます。美馬方面では、うだつの町並みの中にある資料館やカフェ、ギャラリーなど、屋内で過ごせる場所がいくつかあります。
雨のドライブは視界が悪くなることも多いため、予定していた屋外スポットを無理に詰め込まず、「参拝+屋内施設+早めの帰宅」といったシンプルな構成にしておく方が安全です。ワイパーとライトの状態を事前に確認し、雨の日はいつもよりスピードを落として走ることを心がけましょう。
3-5 安全第一でドライブ参拝をするための準備と心がまえ
ドライブで厄払いに出かけるとき、多くの人が交通安全の祈願もあわせて受けます。大麻比古神社や津峯神社などでは、車のお祓いや交通安全祈願のご祈祷が行われており、新車を購入したときや長距離ドライブの前に受ける人もいます。
ただし、いくら神社で祈祷を受けても、実際の運転が荒かったり、無理なスケジュールを組んだりしていては意味がありません。出発前には、タイヤの空気圧や溝の状態、ブレーキの効き、ライト類の点灯などを確認し、必要なら事前に整備工場でチェックしてもらいましょう。
長距離を運転する場合は、2時間に1回程度の休憩を目安とし、サービスエリアや道の駅でしっかり体を伸ばすことが大切です。眠気を感じたら、無理をせず安全な場所に停車して仮眠をとるようにしてください。ご祈祷の予約時間に遅れそうなときでも、スピードを上げてしまうのは危険です。時間が読めなくなった場合は、寺社に電話をして事情を説明し、時間を調整してもらう方が結果的に安全です。
交通安全祈願のお守りやステッカーを受けた場合は、車に貼る場所や置く場所を決め、運転前に一呼吸おいて手を合わせる習慣をつけると、気持ちの切り替えにも役立ちます。「安全運転そのものが、厄を遠ざける行動の一つ」だと意識しておくと、自然と慎重な運転になっていきます。
4. 子連れ・三世代で行く徳島の厄払い:設備・段差・所要時間の考え方
4-1 ベビーカーや抱っこで行きやすい神社・お寺のポイント
小さな子どもを連れて厄払いに行くとき、「ベビーカーは使えるのか」「どれくらい階段があるのか」「授乳やおむつ替えはどこでできるのか」といった点が心配になります。徳島の寺社は自然豊かな場所に建てられていることが多く、どうしても坂道や石段が多めです。
その中で、大麻比古神社は比較的平らな場所に社殿が建ち、参道や境内も広く整備されているため、ベビーカーでも動きやすい方です。ただし全く段差がないわけではないので、長時間の移動は抱っこひもと併用するのがおすすめです。
薬王寺や津峯神社、西照神社は、いずれも山の斜面や山頂近くに位置しており、長い石段や坂道があります。薬王寺の厄坂や、津峯神社の約300段の石段、西照神社近くの山道は、大人でもそれなりに体力を使うルートです。こうした場所では、ベビーカーをメインの移動手段と考えるより、「境内の一部だけベビーカーを使い、基本は抱っこひも主体」と割り切った方が安全です。
事前に寺社の公式サイトや観光サイトの写真を確認し、「駐車場から社務所までの距離と段差」「境内の雰囲気」「トイレの位置」などをイメージしておきましょう。不安な点があれば、事前に電話をして「ベビーカーでどの範囲まで行けますか」「授乳スペースやおむつ替えできる場所は近くにありますか」と聞いておくと、当日の負担がぐっと減ります。
4-2 階段の多い薬王寺や山の上の神社を無理なく楽しむコツ
薬王寺の女厄坂・男厄坂・還暦厄坂は、それぞれ33段・42段・61段で構成されています。特に男厄坂は途中から勾配がきつく、下から見上げると「なかなかの段数だな」と感じる人も多いと思います。津峯神社の石段も約300段あり、8合目から山頂まで、ゆっくり登ってもそれなりの時間と体力を使います。西照神社は駐車場が山頂近くまで整備されていますが、それでも坂道や段差がゼロというわけではありません。
こうした段数の多い場所で無理なく過ごすためのコツは、「全員で一気に登り切ろうとしないこと」です。体力に不安がある家族は、途中の休憩所や駐車場横のベンチで待ち、代表で一人または数人が頂上の社殿まで参拝に行く形でも十分です。「全員そろって参拝しないと意味がない」という決まりはありません。
薬王寺の石段を登るときは、小さな子どもと一緒に「一段登るごとに数を数える」「ここまで登ったら写真を撮る」など、小さな目標を決めておくと、ゲーム感覚で楽しめます。無理に早く登りきろうとせず、「10段登ったら休憩」「気になる景色があったら立ち止まって眺める」といったペースで動いてみてください。
津峯神社では、参詣リフトを利用する選択肢もあります。リフトを使えば石段の一部をショートカットできるため、足腰に不安がある人や小さな子ども連れには心強い設備です。ただし、天候や点検などで運休になることもあるため、出発前に運行情報を確認しておくことが大切です。
4-3 授乳・おむつ替え・休憩スポットの探し方
授乳やおむつ替えが必要な場合、神社やお寺の境内に専用の授乳室があるケースはそれほど多くありません。そのため、「周辺の施設も含めて休憩スポットを考える」という発想が大切になります。
徳島市や鳴門市のような市街地では、ショッピングモールや大型スーパーのベビールーム、多目的トイレが大きな助けになります。阿南・美波方面でも、国道沿いの道の駅や一部のコンビニに多目的トイレが設置されているところがあります。事前に地図アプリや自治体の子育て支援ページなどで「授乳室」「ベビーコーナー」「多目的トイレ」といったキーワードを検索しておき、候補をいくつかメモしておくと安心です。
休憩は、子どもが限界を迎えてから取るより、「少し早いかな」というタイミングで小まめにとる方が、結果的に全体の移動がスムーズになります。車で移動する場合は、「出発前」「目的地の近くに着いたとき」「帰り道の途中」と、最低でも三回は短い休憩を入れるイメージで予定を立てておくと、大人も子どもも楽になります。
4-4 祖父母世代と一緒に行く日のゆったりスケジュール例
祖父母世代と一緒に厄払いに行くときは、若い世代に合わせた観光欲を優先しすぎず、「全員が無理をしないで済む一日」を基準に考えるのがおすすめです。ここでは、大麻比古神社に三世代で行く場合のイメージを一つ挙げてみます。
朝はあまり早すぎる時間にせず、普段の生活リズムから大きくずれない起床時間にします。9時半〜10時ごろに現地近くに着くように出発し、まずはトイレ休憩や飲み物の補充をしてから境内へ入ります。ご祈祷の受付を済ませ、待ち時間のあいだにベンチで座って過ごせるように、ひざ掛けや防寒具も用意しておくと安心です。
ご祈祷のあとは、境内で写真撮影をしたり、ご神木の近くで静かに過ごしたりする時間をとりますが、あまり歩き回りすぎず、「撮りたい場所を数カ所決めておく」くらいの動き方がちょうど良いでしょう。昼食は早めにとり、午後は長時間の観光を入れず、短いドライブや道の駅での休憩程度にして、そのまま早めに帰宅します。
薬王寺や津峯神社、西照神社に三世代で行く場合も、「誰がどこまで登るか」を事前に共有しておくとスムーズです。祖父母は山門や駐車場付近のベンチで待ち、若い世代が代表で石段を登る形をあらかじめ決めておけば、当日になって「どうする?」と長時間話し合う必要がなくなります。
4-5 子どもにどう伝える?厄払いの意味をやさしく話すヒント
子どもと一緒に厄払いに行くと、必ずといっていいほど「どうしてここに来たの?」「お金を置いているのは何のため?」といった質問が出てきます。そのとき、難しい言葉で説明する必要はありません。
たとえば、「これからも家族みんなが元気でいられますようにって、神さまや仏さまにごあいさつしに来たんだよ」「大人になる途中には、ちょっと気をつけた方がいい時期があるって昔から言われていて、そのときに無事に過ごせますようにってお願いしているんだよ」といった言い方をすれば、子どもにもイメージしやすく伝わります。
厄年についても、「科学の実験で絶対にこうだって決まった話ではなくて、昔の人が経験から『この年は無理をしすぎない方がいいかもしれない』って考えるようになったんだ」と伝えると、必要以上に怖がらせずに説明できます。薬王寺の石段を登るときは、「一段登るごとに、心配ごとを少しずつ置いていくイメージでやってみようか」と声をかけ、子どもと一緒に段数を数えながら登ると、自然と行事に参加している感覚を持ちやすくなります。
神社やお寺でのマナーについては、「走り回らない」「大きな声を出さない」「順番を抜かない」「写真を撮っていいかどうかは大人に確認する」といった具体的なルールを事前に伝えておくと、子ども自身もどう行動すればよいか分かりやすくなります。
5. 厄払いをきっかけに一年を整える徳島流の過ごし方
5-1 参拝後1週間でやっておきたいこと(お礼・片づけ・お守り)
厄払いの祈祷を受けて無事に帰ってきたら、そのまま日常に戻る前に、1週間くらいを目安に「身の回りを整える時間」を少しとってみると、一年のスタートが整えやすくなります。
まずは、いただいた御札やお守りの置き場所を決めましょう。神社本庁や各地の神社庁の案内では、お神札は神棚にお祀りし、家の中でも清浄で家族が手を合わせやすい場所に置くことがすすめられています。神棚がない家庭でも、目線より少し高い棚や、本棚の上、タンスの上など、「自然と目に入る高い位置」を選ぶとよいとされています。向きは南向きや東向きがよいとされることが多いですが、最優先は「手を合わせやすい場所であるかどうか」です。
古い御札やお守りが家のあちこちに分散している場合は、このタイミングで一度集めて整理してみてください。本来は授かった神社やお寺に返納するのが基本ですが、遠方で難しい場合は、郵送で受け付けている寺社もあります。一方で、郵送での返納を認めていないところもあるため、「返納は郵送で受け付けていますか」と事前に公式情報や電話で確認することが大切です。
あわせて、家の中の片づけにも少し手をつけてみてください。すべてを一気にやる必要はありません。「この棚だけ」「この引き出しだけ」と範囲を決めて、使っていないもの・壊れたもの・要るかどうか迷っていたものを選別していくだけでも、気分が大きく変わります。窓を開けて風を通し、カーテンを洗うなど、「空気を入れ替える」行動も、気持ちの切り替えに役立ちます。
5-2 月1回のお参りで心をリセットする小さな習慣
厄払いは一年の始まりや節目のタイミングに行うことが多い行事ですが、それだけで一年間の心の状態が守られるわけではありません。日々の暮らしの中で、小さな「心のリセット」の時間を持つことも大切です。
神社本庁の解説では、神棚やお神札を通じて日々神さまを身近に感じ、「朝起きたときや出かける前、何かあったときに手を合わせること」の大切さが伝えられています。そこからヒントを得て、「月に一度くらいのペースで近所の氏神さまにお参りする」という自分なりの習慣をつくるのも一つの方法です。
月1回という数字はあくまで一つの目安であり、必ず守らなければならない決まりがあるわけではありません。「給料日の前後」「月初めの休日」「なんとなく気持ちが重いとき」など、自分の生活リズムに合ったタイミングを選んでみてください。お賽銭の額も少額でかまいません。「今月もなんとか過ごせました」「今、こういうことに挑戦しようとしています」と短く報告するつもりで手を合わせると、気持ちがすっきりすることがあります。
5-3 健康・お金・人間関係を見直す「徳島ならでは」のアイデア
厄年は、体調や生活習慣、お金の使い方、人との関係を見直す良いきっかけにもなります。徳島という土地柄を考えると、まず見直しやすいのは「移動の仕方」かもしれません。車中心の生活が当たり前になっていると、自分がどれだけ歩いていないか、意外と気づきにくいものです。
できる範囲で、買い物の一部を徒歩や自転車に変えてみる、近所の神社やお寺まであえて歩いて行ってみる、といったことから始めるのも一つです。大麻比古神社や薬王寺の参道や石段を歩くだけでも、普段あまり使っていない筋肉を少し動かすことができます。ただし、持病がある人や体調に不安がある人は、必ず医師の指示を優先し、無理をしないことを前提にしてください。
お金の面では、厄払いの初穂料や旅費をきっかけに、「この一年でどんな出費を減らしたいか」「どんなものにはしっかりお金をかけたいか」を考えてみるのも良いタイミングです。固定費やサブスク、なんとなく続けているサービスを一度書き出してみると、「これは今の自分にはいらないかもしれない」と気づくものが見つかることがあります。厄払いの費用はけっして小さくありませんが、「これから一年を落ち着いて過ごすための準備費」と考えると、心の整理もしやすくなります。
人間関係の見直しでは、「ありがとう」や「ごめんね」を言葉にする回数を少し増やす、「なかなか連絡できていなかった人に短いメッセージを送ってみる」といった行動が、自分の心にも周りの人にも良い影響を与えることがあります。厄払いをきっかけに、「これからの一年は、どんな人とどんな距離感で付き合っていきたいか」を静かに考えてみる時間をとるのも、意味のある使い方です。
5-4 どうしても行けない年の代わりの過ごし方
仕事の繁忙期が重なったり、家族の介護があったり、体調の問題を抱えていたりすると、「今年はどうしても徳島まで厄払いに行けそうにない」という年も出てきます。その場合でも、「何もできない」と考える必要はありません。
お神札やお守りについては、神社によっては郵送で授与を行っていたり、古いお札の返納を郵送で受け付けていたりするところもあります。まずは参拝したい神社や、お札をいただいた神社の公式サイトを確認し、「郵送での対応が可能かどうか」「どういう手順か」を確認してみてください。ただし、郵送での返納を認めていない神社もありますので、自己判断でいきなり送らず、「郵送返納は可能ですか」と事前に問い合わせをすることが大切です。
また、自宅でできることとして、部屋の掃除や片づけ、換気、布団やカーテンの洗濯などをまとめて行うのも、心身のリフレッシュに役立ちます。小さなことに見えますが、「よく使う場所が少し整っている」だけでも、日々のストレスは変わってきます。
体調が悪い場合や、心の不調が続く場合には、寺社での祈祷よりも、まず医療機関や専門家の診断・相談を優先してください。信仰は心の支えになりますが、病気の治療や具体的な支援に代わるものではありません。来年以降に状態が落ち着いてから、「今度の厄年の節目には徳島に行こう」と目標を決めておくのも、一つの希望の持ち方です。
5-5 よくある不安Q&A(服装・初穂料・写真撮影など)
最後に、厄払いの前によく出てくる疑問を、まとめて整理しておきます。
〔Q1〕服装はどの程度きちんとしていけばいい?
フォーマルなスーツでなければいけない、という決まりはありませんが、「目上の人に会っても失礼にならない程度」の服装がよいとされています。露出が多すぎる服や、極端にラフな服装は避け、落ち着いた色のシャツやニット、スラックス、控えめなスカートなどを選ぶとよいでしょう。靴は歩きやすく、石段や砂利道でも安定して歩けるものをおすすめします。
〔Q2〕初穂料はいくらぐらい包めばいい?
厄払いの初穂料は、全国的な目安として5,000〜10,000円がよく紹介されています。徳島県内の寺社でも、この範囲内の金額を設定しているところがほとんどです。金額がパンフレットや公式サイトに明示されている場合は、その案内に従いましょう。「お気持ちで」となっている場合は、自分の無理のない範囲で決めてかまいません。のし袋を使う場合は、紅白の水引がついたものか白い封筒を用意し、「初穂料」または「玉串料」と書いたうえで、氏名を記入します。
〔Q3〕ご祈祷中や境内で写真を撮ってもいい?
境内の多くの場所では写真撮影が可能ですが、本殿・拝殿の内部や、祭壇のすぐ近くは撮影禁止としている寺社が多くあります。撮影禁止マークや注意書きがないかを必ず確認し、分からない場合は社務所で「どこまで撮影して大丈夫か」を尋ねましょう。また、ほかの参拝者が写り込まないよう配慮することや、フラッシュ撮影を控えることも大切です。
〔Q4〕厄払いを受けたら、本当に厄がなくなるの?
厄払いは、伝統的な信仰にもとづく行事であり、「祈祷を受けたから必ず災難が起きない」と科学的に保証できるものではありません。ただ、多くの人が「気持ちの区切りがついた」「一年を丁寧に過ごそうという気持ちになれた」と感じているのも事実です。厄払いはあくまで心の支えや、生活を見直すきっかけの一つと考え、健康診断や生活習慣の見直し、人間関係の調整などの具体的な行動と合わせていくことが大切です。
〔Q5〕厄年や祈祷のルールは全国共通?
厄年の年齢や、前厄・本厄・後厄の扱い、ご祈祷の作法や時期については、全国共通の絶対的な決まりがあるわけではありません。地域や寺社ごとに細かな違いがあるため、最終的には「実際に参拝する寺社の案内に従う」のが一番確実です。この記事で紹介した年齢や流れはあくまで一般的な目安なので、疑問に思ったことがあれば、遠慮せず社務所で聞いてみてください。
まとめ
徳島で厄払いをしようとするとき、「どこに行けばいいのか」「車がない場合でも行けるのか」「家族や子どもを連れて行っても大丈夫なのか」といった疑問が次々に浮かびます。本記事では、大麻比古神社・薬王寺・津峯神社・西照神社・徳島縣護國神社・眉山天神社など、徳島県内で厄除けや祈願の場として知られる社寺を取り上げ、車の有無や同行者にあわせたモデルコースとして整理しました。
厄年の年齢や考え方、初穂料の目安、服装やマナー、お札やお守りの扱い方、参拝後1週間の過ごし方などもあわせて説明し、「厄年=怖い年」ではなく、「人生の節目として、自分の暮らしと向き合うためのタイミング」として捉える視点を紹介しました。徳島の山や海、町並みに囲まれた神社やお寺で、静かに手を合わせる時間は、忙しい日々の中でつい後回しにしがちな「自分の本音」に向き合うきっかけにもなります。
大切なのは、「行かなければ不幸になる」と焦ることではなく、「この一年をどう過ごしたいか」を自分の言葉で考え、そのスタート地点として厄払いを位置づけることです。住んでいる場所や移動手段、家族の状況に合わせて、無理のない形で徳島の厄払いを取り入れ、自分らしい一年の始まり方を選んでみてください。


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