鳥取で「蛇」とご縁を結ぶならここ!巳年の基本知識と開運の考え方

「巳年だから、ヘビにゆかりのある場所に行ってみたい。」
そんな気持ちで地図を眺めると、鳥取県には思った以上にたくさんの「蛇スポット」があることに気づきます。鳥取砂丘のすぐそばで白蛇と弁財天の物語が語られる多鯰ヶ池。山あいの若桜町で、白蛇や金色のカエルが神の使いとして親しまれてきた江嶋神社。森の中の小さな祠、双六原 白蛇弁財天。さらに、蛇の輪伝説が伝わる豊乗寺や、お初の大蛇伝説が残る赤松池、ヤマタノオロチゆかりの船通山など、数え上げればきりがありません。
ヘビは、脱皮をくり返すことから「生まれ変わり」や「再スタート」の象徴とされ、弁財天の使いとして金運や学びの神さまとも結びついてきました。鳥取の蛇ゆかりスポットを巡ることは、ただ運気を上げるだけでなく、自分の生き方やお金との向き合い方を見つめ直す旅にもなります。
この記事では、「鳥取」「蛇」「巳年」「神社仏閣」というキーワードをもとに、各地に残る伝説や物語を紹介しながら、実際のアクセスや参拝のポイント、モデルコースまで分かりやすくまとめました。巳年に鳥取旅行を計画している人はもちろん、「いつか行ってみたい」と思っている人の旅のイメージづくりにも役立つ内容になっています。
巳年ってどんな年?干支とヘビの意味をやさしく解説
干支は「子・丑・寅…」と12の動物が出てきますが、その六番目が「巳」で、動物はヘビです。暦の上では、十二支は方角や時間、季節の流れも表していて、「巳」はちょうど朝の10時ごろ、季節でいえば初夏の手前あたりに当たります。少しずつ気温が上がり、ものごとが伸び始めるタイミングなので、「巳」は変化や成長をイメージさせる存在として大切にされてきました。
ヘビそのものにも、昔からさまざまな意味が重ねられてきました。体が長くてくねくねと曲がる様子は「流れ」を思わせ、川や水の神さまと結びつけられました。さらに、定期的に古い皮を脱ぎ捨てて新しい姿になることから「生まれ変わり」「再スタート」の象徴ともされています。田んぼの近くや水辺に現れるヘビは、稲を食べるネズミを退治してくれる存在としてもありがたがられ、「怖いけれど、どこか頼もしい生き物」として畏敬の対象になってきました。
巳年は、こうしたヘビのイメージを借りて、「環境や自分の気持ちを少しずつ変えていくのに向いた年」と考えられます。急な大変身を目指すというより、生活習慣を整えたり、勉強を始めたり、将来のための貯金や準備をコツコツ続けたりといった、地味だけれど大事な行動に追い風が吹く年、というイメージです。
なぜヘビは「金運・財運」の象徴なのか
日本で「ヘビ=お金」というイメージが広まった背景には、七福神の一柱である弁財天の存在があります。弁財天はもともとインドの水の女神がルーツで、日本では「弁才天」と書いて音楽や芸能、知恵の神さまとして信仰されました。その後、名前の「財」の字とも結びついて「財運・金運」の神さまとしても親しまれるようになります。この弁財天の使い、あるいは化身とされたのが白蛇です。多鯰ヶ池弁天宮や江嶋神社など、「弁天さま」と「白蛇」がセットで登場する場所は全国に多くあります。
ヘビの見た目も、お金のイメージと相性が良いと考えられてきました。とぐろを巻いた姿は「輪=縁」や「円=お金」がぐるぐる回って戻ってくる様子にも見えますし、長く続く体は「長寿」や「長く続くご縁」を連想させます。さらに、日本各地で「ヘビの抜け殻を財布に入れておくと金運が上がる」と言われるのも、古い皮を脱いで新しい姿になるヘビの力にあやかって、「自分のお金の流れも更新したい」という願いを重ねたものだと考えられます。
このように、ヘビは単に「お金が増えますように」という願いの象徴というより、「お金との付き合い方を変えるきっかけをくれる存在」として信じられてきました。鳥取の蛇ゆかりスポットを巡るときも、「一攫千金」を狙うのではなく、「お金のことをきちんと考えなおすための旅」として向き合うと、景色や物語の受け取り方が大きく変わってきます。
巳年にお参りしたいタイミングと「巳の日」「己巳の日」って?
巳年そのものも特別ですが、さらに意識しておきたいのが暦の上の「巳の日」と「己巳の日」です。干支は年だけでなく、日付にも順番に割り当てられていて、12日に一度めぐってくるのが「巳の日」です。この日は弁財天とご縁の深い吉日とされ、金運・芸事・学びなど、弁財天の得意分野に関するお願いごとをするのに良い日と言われています。
さらに、その巳の日の中でも特に力が強いとされるのが「己巳の日」です。十干十二支が組み合わさると60通りになりますが、そのひとつが「己巳(つちのとみ)」。約60日に一度のペースでやって来るこの日は、「弁財天のご縁日」「巳の日の中でも最上級の吉日」として、多くの弁天さまで特別な祭りや祈祷が行われます。
旅行の計画を立てるときは、カレンダーアプリや暦サイトで「巳の日」「己巳の日」をチェックしておくと、参拝のタイミングを合わせやすくなります。どうしても日程が合わない場合は、旅の前後で近い巳の日を選び、自宅近くの弁天さまにお参りしたり、日記にお願いごとを書いておいたりするのも良い方法です。「暦を意識する」という小さなひと手間が、日常のなかで開運モードに切り替えるスイッチになってくれます。
巳年におすすめのお願いごと・叶いやすいテーマ
巳年や巳の日にお願いごとをするときは、ヘビの性質をイメージしながらテーマを決めると考えやすくなります。ヘビは、外見こそ大きく変わらないように見えても、実は定期的に脱皮しながら少しずつ成長しています。同じように、「いきなり環境をひっくり返す」よりも、「今の場所にいながら、自分の中身を少しずつ変えていく」ことを願うのが向いていると言えます。
具体的には、仕事なら「今の職場で役割をレベルアップしたい」「専門分野を深めたい」、お金なら「貯金や投資の仕組みを整えたい」「ムダな出費を減らしたい」、人間関係なら「信頼できる仲間を増やしたい」「家族との関係を少し良くしたい」といった願いです。いずれもコツコツした行動が必要ですが、巳年はそうした努力が実りやすい年だと考えられています。
もちろん金運のお願いも相性が良いですが、「宝くじを当てたい」など一点だけに絞るより、「必要なときに必要なお金が巡ってくる自分になりたい」「お金を上手に使って、周りの人も自分も笑顔にできるようになりたい」といった、少し長い目線のお願いにすると、行動にもつながりやすくなります。お願いごとを書き出してみて、「これは本当に叶えたいことか」と自分に問い直してみると、言葉が自然とシンプルになっていくはずです。
鳥取×巳年旅を楽しむための基本マナーと服装・持ち物
鳥取で蛇ゆかりの神社仏閣や池を巡るときは、観光というより「信仰の場を訪ねる」という意識を少しだけ持っておくと、旅の雰囲気がぐっと良くなります。服装は、派手すぎる必要はありませんが、清潔感のあるものが基本です。短すぎるズボンや肩の大きく開いた服はできるだけ避け、動きやすいロングパンツやロングスカート、歩きやすいスニーカーなどを選ぶと安心です。山あいにある江嶋神社や双六原 白蛇弁財天は、道がぬかるむこともあるので、滑りにくい靴だとなお良いでしょう。
持ち物としては、小銭(賽銭用)、ハンカチやタオル、雨具、歩きやすい服装に合う薄手の上着などがあると便利です。御朱印を集めたい人は、ご朱印帳も忘れずに。多鯰ヶ池弁天宮では、巳の日に生卵やお酒をお供えする習慣が紹介されていることがありますが、現地の最新の案内をよく確認し、無理のない範囲で行うようにしましょう。
参拝の作法は、どこの神社でもほぼ共通です。鳥居をくぐる前に軽く一礼し、参道はできるだけ中央を避けて歩きます。手水舎があれば、柄杓で左手→右手→口→柄杓の順に軽く清めます。拝殿の前では賽銭箱に静かにお賽銭を入れ、鈴があれば鳴らし、二礼二拍手一礼が基本です。写真を撮るときは「撮影禁止」の表示がないか確認し、他の参拝者のじゃまにならないように気をつけたいところです。
多鯰ヶ池弁天宮(お種弁天)で金運アップ!白蛇伝説とお参りルート
多鯰ヶ池ってどんな場所?鳥取砂丘からのアクセスと雰囲気
多鯰ヶ池(たねがいけ)は、鳥取砂丘の南側に広がる静かな堰止湖です。周囲約3.4キロメートル、水深は最も深いところで17.3メートルとされ、山陰地方の池としてはかなりの深さがあります。砂丘を流れる雨水などがたまってできたとされ、「砂丘のオアシス」と表現されることもあります。
アクセスは鳥取駅から砂丘方面行きのバスに乗り、鳥取砂丘の停留所で下車して徒歩圏内。車なら鳥取自動車道・鳥取ICから約20〜30分ほどで到着します。砂丘トンネルを抜けたあたりから、多鯰ヶ池と砂丘、日本海が一度に見渡せるポイントもあり、晴れた日には特に印象的な景色が楽しめます。
池のまわりには散策路があり、一部は遊歩道として整備されています。春は新緑、夏は濃い緑と水面のコントラスト、秋は紅葉、冬は静かな雪景色と、季節ごとに違った表情を見せてくれるのが魅力です。観光の中心である鳥取砂丘から少し離れるだけで、同じエリアとは思えないほど落ち着いた空気に包まれるので、「砂丘のにぎわい+多鯰ヶ池の静けさ」をセットで楽しむ人も増えています。
白蛇「お種伝説」と弁財天信仰の関係
多鯰ヶ池のほとりに建つ多鯰ヶ池弁天宮は、地元では「お種弁天」と呼ばれています。ここには、使用人の女性「お種」と白蛇にまつわる伝説が語り継がれています。代表的なストーリーでは、お金持ちの家で働いていたお種が、空腹で倒れそうな仲間たちを助けるため、多鯰ヶ池の小島に実る柿を取って食べさせようとします。そのとき、お種は白蛇の姿に変わり、水面を渡って柿を運んでいたところを人に見られ、自分の正体を知られてしまいます。驚きと悲しみから、お種は姿を消し、多鯰ヶ池の主となったと伝えられています。
その後、お種をなぐさめるために、池のほとりに小さな祠が建てられ、これが現在のお種社の原型になったとされます。ここには、豊穣や芸事、財運を司る弁財天もともに祀られており、「白蛇の化身であるお種」と「財や芸の女神さま」である弁財天が重なる形で信仰されてきました。
この物語は、ただ怖いだけの怪談ではありません。「目の前の人を助けたい」というお種の優しさや、人に正体を知られてしまう悲しみ、姿を変えても人々を見守り続ける白蛇の存在など、いくつもの感情が折り重なった話として受け取ることができます。池の静かな水面と、森の中にひっそり立つ社を目の前にすると、伝説の世界と現実の境目が少しあいまいになる感覚を味わえるはずです。
お種弁天のお参りの順番と、それぞれの社の意味
多鯰ヶ池弁天宮には拝殿のほかに、お種を祀る小さな社など、いくつかの祠があります。詳しい作法は現地の案内や社務所の方の説明に従うのがいちばんですが、一般的には次のような順番でお参りすると良いとされています。
まず、鳥居をくぐる前に軽く一礼し、参道を進んで拝殿で二礼二拍手一礼を行います。ここでは、弁財天や多鯰ヶ池そのものに感謝の気持ちを伝えるイメージで手を合わせると良いでしょう。その後、お種の社へ向かいます。お種の社の前では、同じお願いごとを心の中で唱えながら、社のまわりを時計回りに三周し、そのたびに二礼二拍手一礼を行う方法がよく紹介されています。
この「三周する」という行為は、ただの儀式というより、自分の願いを何度も言葉にしながら、心を整える時間だと考えると分かりやすくなります。歩きながら「本当に叶えたいことは何か」「叶ったあとの自分はどうなっていたいか」を具体的にイメージしてみると、願いごとがよりはっきりしてきます。
境内には、ほかにも池に向かって建つ小さな祠や、石碑などが点在しています。それぞれに由来がありますが、難しく考えすぎず、「ここでは健康のこと」「ここでは家族のこと」と自分のテーマを決めて、感謝の気持ちで手を合わせるのが一番大切です。
巳の日・己巳の日の特別な過ごし方とご利益の考え方
巳の日や己巳の日に多鯰ヶ池弁天宮を訪ねる場合は、一日の流れを少しだけ特別なものにしてみましょう。たとえば、いつもより少し早く起きて、午前中の静かな時間帯にお参りするようにします。巳の日には社務所が開き、白蛇や弁財天にちなんだお守りやおみくじが授与されることも多いので、ゆっくり選ぶ楽しみもあります。
お願いごとは、欲張らずに一つか二つにしぼるのがおすすめです。紙やノートに箇条書きし、言葉を整理してから参拝すると、自分の心の中も整理されていきます。お種の社を三周しながら同じ願いをくり返していると、「本当に叶えたいことはこれなんだな」と自然に確信が持てるはずです。
ご利益については、「参拝したから絶対にお金が増える」「必ず昇進する」といった考え方より、「お参りをきっかけに、自分がどう行動を変えるか」が大切です。たとえば、金運を願ったなら家計簿や貯金の仕組みを整える、仕事運なら勉強や提案など現実的な一歩を踏み出す、といった具合です。その行動を支えてくれる存在としてお種や弁財天をイメージすると、ご利益という言葉の意味が少し広く、深く感じられるようになります。
参拝ついでに楽しみたい多鯰ヶ池の絶景&アクティビティ
多鯰ヶ池周辺には、参拝とあわせて楽しめるスポットがたくさんあります。まず外せないのが、池越しに砂丘と日本海を眺める景色です。夕方、太陽が傾いてくる時間帯になると、水面がオレンジ色に染まり、砂丘の稜線が影絵のように浮かび上がります。池の静けさと、砂丘のダイナミックな風景の対比が印象的で、写真撮影が好きな人にも人気のエリアです。
池のまわりの遊歩道を歩いてみると、小さな祠やベンチ、昔ながらのあずまやなどがあり、途中で腰をおろして水面を眺めることができます。季節によっては水鳥の姿も見られ、時間を忘れてしまうような穏やかなひとときを過ごせます。
鳥取砂丘のアクティビティと組み合わせるのもおすすめです。午前中に砂丘で散策やラクダ乗り、サンドボードなどを楽しみ、午後に多鯰ヶ池弁天宮でゆっくり参拝と散歩、という流れにすると、体も心も満足できる一日になります。近くには梨の直売所や食事処も多く、鳥取名物の海鮮や梨スイーツを味わうこともできます。参拝後にカフェでノートを開き、今日感じたことや願いごとを書き留めておくと、旅の記憶がいっそう鮮やかになります。
若桜町・江嶋神社(若桜弁天)で白蛇とカエルにご挨拶
山あいのパワースポット・江嶋神社への行き方と境内の様子
江嶋神社(えじまじんじゃ)は、鳥取県八頭郡若桜町の山あいにある小さな社で、「若桜弁天」「弁天さん」といった名前でも親しまれています。若桜鉄道の終点・若桜駅からは約4キロメートルほどの距離で、徒歩なら1時間ちょっと、自転車や車ならもう少し短時間でたどり着けます。鳥取市中心部から車で向かう場合は、国道29号を南へ進み、若桜の町を抜けて山側へ入っていきます。
駐車スペースは神社近くに数台分ありますが、道が細い場所もあるので、運転に自信のない人は若桜駅周辺に車を置き、町歩きとセットで訪ねるのも一つの方法です。参道は緩やかな坂道で、石段もそこまで多くありませんが、雨の後はすべりやすくなるため、やはりスニーカーなど歩きやすい靴が安心です。
境内は大きくはありませんが、入口の鳥居をくぐると、背の高い木々がまわりを囲み、空気の温度が少し下がったような感覚になります。拝殿の奥には、ご神体である大きな岩「弁天岩」があり、この岩のまわりに白蛇や金色の蛇、金色のカエルが現れたという伝説が伝えられています。
山の静けさと、どこか素朴な雰囲気があり、観光地というより昔から地域の人に守られてきた祈りの場だと感じられる空間です。
白蛇・金色蛇・カエルが伝えるメッセージとは?
江嶋神社が巳年に注目される大きな理由は、白蛇や金色の蛇、金色のカエルにまつわる話が伝えられているからです。古い記録によると、かつて弁天岩の周りには赤黒い蛇やカエルが多く棲んでいたとされ、やがて白蛇や金色の蛇、金色のカエルなどが「神さまの使い」として信仰されるようになったと言われます。
白蛇は、先ほどの多鯰ヶ池と同じように「神の使い」「浄化」「再生」の象徴とされます。金色の蛇やカエルは金運や豊かさの象徴であり、「無事帰る」「お金が帰る」といった言葉遊びとも結びついて、旅の安全や家計の安定を願う人にも親しまれています。境内には白蛇やカエルの像も置かれており、どこか愛嬌のある表情が印象的です。
こうした生き物は、苦手な人にとっては少し怖く感じられるかもしれませんが、ここでは「自然の力をあらわすシンボル」として受け止めてみるとよいでしょう。森と水、岩のエネルギーが形を変えて現れた存在だとイメージすると、ただ怖いだけではなく、自分を守ってくれる心強い存在として感じられるかもしれません。
商売繁盛&縁結び祈願の楽しみ方と「草履奉納」のならわし
江嶋神社は、財宝神である弁財天(市杵嶋姫命)を主祭神とする社で、商売繁盛のご利益で知られています。同時に、縁結びのスポットとしても人気があります。その象徴的な習わしが「草履奉納」です。伝えられているところでは、恋人同士が草履を抱いて弁天岩の周りを回り、二人の草履に願いごとを書いて奉納すると、恋愛が成就すると言われています。
草履は「歩み」を象徴する道具です。二人で同じ草履を抱いて歩くことで、「これからも一緒に歩いていきたい」という願いを形にして神さまに伝える行為だと考えると、とても分かりやすくなります。
商売繁盛を願う人は、会社名や屋号、やりたい仕事の内容などを書いたメモを財布やスマートフォンのメモに入れておき、拝殿の前でそれを思い浮かべながら手を合わせると良いでしょう。「売り上げが増えますように」という言葉に、「お客様に喜んでもらえる仕事ができますように」「長く続けられる形に整えられますように」といった願いを少し足してみると、気持ちが落ち着き、自分がやるべき行動も見えやすくなります。
弁天大祭や巳年ならではのイベント情報の見つけ方
江嶋神社では、正月や巳年など節目のタイミングに、地域の人たちが集まる行事が行われることがあります。毎年の決まった大規模な祭りが全国ニュースに出るような神社ではありませんが、若桜町の観光サイトや、因幡伯耆國開運神社巡りの情報ページなどで、期間限定の御朱印やスタンプラリーが企画されることがあります。
最新情報を知りたいときは、次のような方法が役立ちます。
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若桜町観光協会や若桜鉄道の公式サイト・SNSをチェックする
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鳥取県公式観光サイト「とっとり旅」のイベント欄を確認する
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若桜駅や近くの道の駅に置かれているパンフレットを集める
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「江嶋神社 若桜 弁天 巳年」「若桜 弁財天 イベント」などで検索してみる
巳年には、江嶋神社をふくむ干支ゆかりの神社を巡るスタンプラリーが組まれることもあります。旅行前に軽く調べておくと、「せっかくだからこの時期に行ってみよう」と日程を合わせやすくなり、旅の楽しみがひとつ増えます。
江嶋神社周辺で立ち寄りたい若桜の観光スポット
江嶋神社を訪ねたら、若桜の町も一緒に歩いてみると、旅の満足度がぐっと上がります。若桜駅は木造の駅舎が残るレトロな雰囲気で、駅構内には古い機関車や転車台など、鉄道好きにうれしい見どころもあります。
駅から町なかへ歩いていくと、古い町家をいかしたカフェや雑貨店、地元の食材を使った飲食店などが並びます。冬場は近くのスキー場に向かう人でにぎわい、春は桜、夏は川遊び、秋は紅葉と、季節ごとに違う表情を楽しめるエリアです。
時間に余裕があれば、若桜神社にも立ち寄ってみましょう。若桜神社の境内には江嶋神社を向いた末社が祀られており、「町の神さま」と「山の弁天さま」がゆるやかにつながっていることを感じられます。 まず若桜神社で町全体の安全と旅の無事を祈り、その後に江嶋神社でより個人的な願いを伝える、という順番にすると、心の中で自然とスイッチが切り替わる感覚があるかもしれません。
帰り道には、地元の和菓子やおみやげを少し買っておくと、家に帰ってからも若桜で過ごした時間を思い出せます。
鳥取県内の「蛇ゆかり」スポットいろいろ巡りプラン
双六原 白蛇弁財天ってどんなところ?森の中の静かな社
双六原 白蛇弁財天(そうろくばら しろへびべんざいてん)は、鳥取市双六原の山あいにひっそりとたたずむ小さな祠です。吉岡温泉からそれほど離れておらず、車で向かうと道路脇に数台分の駐車スペースがあります。そこから山道を10分ほど歩いて行くと、木々の間に小さな鳥居と社が現れます。
この祠は、戦後まもなく建てられたものが老朽化し、2008年に地元の人たちによって再建されたと伝えられています。 昔から吉岡温泉の湯治客が「商売繁盛」や「お金が貯まる」ご利益を願って参拝していたとされ、「知る人ぞ知る金運スポット」としてひそかに人気が出てきています。
多鯰ヶ池弁天宮と比べると、観光的な施設や案内板は最小限で、森の静けさの中に小さな社がひとつあるだけ、というシンプルな空間です。そのぶん、自分の足音や風の音、鳥の鳴き声などがはっきり聞こえ、手を合わせる瞬間に集中しやすいのが魅力です。
豊乗寺や船通山など、蛇・龍とご縁のある自然スポット
鳥取県内には、ヘビや大蛇、龍にまつわる話が残る寺社や山もいくつかあります。その一つが、智頭町にある古刹・豊乗寺(ぶじょうじ)です。豊乗寺は国宝の普賢菩薩像で知られるお寺ですが、周辺には「清美」という女性が大蛇になって池に沈んだ、いわゆる「蛇の輪伝説」が語り継がれています。清美の恨みをおさめるために供養を続けたところ、やがてその輪は縁結びの象徴としてもとらえられるようになったとされます。
また、鳥取県と島根県の県境にある船通山(せんつうざん)は、古事記に登場するヤマタノオロチ伝説の舞台として知られています。スサノオノミコトが高天原から降り立った「鳥髪の地」がこの山であり、ここから斐伊川を下る途中で、八つの頭と尾を持つ大蛇と出会ったとされています。山頂には「天叢雲剣出顕之地」の碑が建てられ、毎年夏には関連する行事も行われています。
こうした場所は、ヘビそのものというより、「大蛇や龍」というもう少しスケールの大きな存在と向き合うスポットです。山歩きが好きな人なら、神話の舞台を実際に歩いてみることで、日本の物語の世界がぐっと身近に感じられるでしょう。
赤松池の蛇伝説に見る「水」と「ヘビ」の深い関係
大山町にある赤松池(あかまついけ)も、蛇にまつわる伝説が残る場所です。中世の縁起書『大山縁起』には、この池には人の手が入っておらず、蛇が住んでいると恐れられていたという記述があります。
有名なのが「赤松の池伝説」です。松江藩の家臣・松浦頼母が子どもを授かりたいと願い、赤松池大明神に祈願したところ、やがて娘のお初が生まれます。お初は美しく賢い娘に育ち、のちに殿さまの側室にと望まれますが、ある日、池のほとりで髪をとかしていると、髪がするすると伸びて水面をはうほど長くなり、そのまま池の中央へ引き込まれてしまいます。驚いた人々が祈り続けると、腰から下が大蛇の姿になったお初が現れ、自分はこの池の大蛇であり、これからは赤松池大明神として、人々の願いをかなえると告げて再び池に消えた、と伝えられています。
現在、赤松池のほとりにはお初の像が御神体として祀られ、雨乞いや五穀豊穣、水の神としての信仰を集めています。どんなに日照りが続いても池の水が枯れないと言い伝えられており、「水を守る大蛇」の物語として大切にされてきました。
多鯰ヶ池や赤松池のように、「池+蛇+女性」の組み合わせの伝説は日本各地にあります。水の恵みと怖さ、両方を人々に伝えるために生まれた物語だと考えると、「水」と「ヘビ」がどれだけ深く結びついてきたかがよく分かります。
日帰りでもOK!東部エリアで巡る巳年モデルコース
鳥取東部エリアには、巳年に訪ねたいスポットがぎゅっと集まっています。時間があまり取れない人向けに、日帰りでも楽しめるモデルコースをまとめてみましょう。
| 時間帯 | 場所 | エリア | キーワード | ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 朝 | 多鯰ヶ池弁天宮 | 鳥取市 | 白蛇・弁財天・お種伝説 | 砂丘の近くで金運と再生を祈る |
| 昼前 | 鳥取砂丘 | 鳥取市 | 大自然・砂の景観 | 散策やアクティビティでリフレッシュ |
| 昼食 | 鳥取市内 | 鳥取市 | 海鮮・梨など | 地元グルメでエネルギーチャージ |
| 午後 | 双六原 白蛇弁財天 | 鳥取市双六原 | 森の祠・白蛇 | 静かな森で心を整える |
| 夕方 | 吉岡温泉 | 鳥取市 | 温泉・湯治文化 | 旅のしめくくりにひと風呂 |
車があると移動が楽ですが、バスやタクシーを組み合わせても比較的回りやすいルートです。多鯰ヶ池弁天宮と鳥取砂丘は徒歩圏内でセットにしやすく、双六原 白蛇弁財天と吉岡温泉は距離が近いので、温泉でゆっくり休みながら一日の余韻を味わえます。
車でぐるっと1泊2日、巳年パワースポット周遊プラン
もう少し時間に余裕があるなら、東部から中部・西部へと足を伸ばし、蛇ゆかりのスポットを一気に巡る1泊2日の周遊プランもおすすめです。
【1日目】
朝に鳥取市へ入り、多鯰ヶ池弁天宮で参拝。その後、鳥取砂丘で散策やアクティビティを楽しみ、昼食は市内で海鮮や鳥取和牛など地元グルメを味わいます。午後は双六原 白蛇弁財天で静かに手を合わせ、夜は吉岡温泉の宿に泊まって、温泉と地元の料理で体を休めます。
【2日目】
朝、若桜町へ移動し、若桜神社と江嶋神社を参拝。若桜の町で昼食や町歩きを楽しんだあと、智頭町の豊乗寺へ向かい、国宝の仏像や蛇の輪伝説に思いをはせます。さらに時間と体力に余裕があれば、西へ移動して大山町の赤松池を訪ね、お初の物語と池の静けさを味わいながら、旅の最後の祈りを捧げます。その後、米子方面や鳥取市方面へ戻って解散です。
距離はそれなりにありますが、高速道路や主要国道を利用すれば、無理のないスケジュールで回れます。東部の白蛇や弁天さまから始まり、山の龍神、大蛇の伝説の池へと続くルートは、「水」と「ヘビ」をテーマにした物語の旅と言ってもいいでしょう。
巳年の旅をもっと楽しく!ご利益を育てる過ごし方と注意点
ヘビモチーフのお守り・御朱印・御朱印帳の選び方
巳年の旅では、ヘビや白蛇モチーフのお守りや御朱印を集める楽しみも大きなポイントになります。多鯰ヶ池弁天宮では、白蛇をかたどったおみくじや、弁財天にちなんだ金運のお守りが授与されていることがあります。江嶋神社のような干支ゆかりの社では、巳年限定デザインの御朱印が用意される年もあり、旅の思い出として人気です。
御朱印帳は、最初からヘビ柄にこだわる必要はありませんが、もし気に入ったデザインが見つかったら、旅のテーマと合わせて選ぶと気持ちが高まります。色で選ぶときは、金運を意識して黄色や金色、浄化を意識して白や水色など、自分なりの意味づけをしてみると楽しくなります。
お守りはたくさん持てばよいわけではなく、「これは」というものを目的別に少数持つのが理想です。金運なら弁財天のお守り、旅の安全なら交通安全守り、学びなら学業成就のお守りなど、自分のテーマに合うものを選びましょう。家に帰ったら、お守りや御朱印を玄関や机のそばなど、普段よく目にする場所に置いておくと、旅先で感じた気持ちを思い出しやすくなります。
写真撮影のマナーと「ここは撮らない方がいい」ポイント
神社仏閣や池のほとりは、写真映えする景色が多い場所です。白蛇の像やカエルの像、鳥居や弁天岩など、ついカメラを向けたくなるものがたくさんあります。ただし、撮影にはいくつか注意点があります。
まず、境内に「撮影禁止」「立入禁止」といった表示がある場所では、必ずそのルールに従いましょう。ご神体そのものや本殿の内部、祭祀の様子などは、撮影を控えるのが基本です。禁止マークがなくても、「ここは撮らない方がいいかも」と感じる場所では、無理をせず目で見ることを優先するのが安全です。
また、他の参拝者の正面から何枚も写真を撮るのは、相手にとって失礼になることがあります。人が写り込む場合は、後ろ姿だけにする、顔がはっきり分からない角度を選ぶ、あとから加工でぼかすなど、相手のプライバシーに配慮した撮り方を心がけたいところです。
白蛇やカエルの像を撮影するときも、「ちょっと撮らせてもらいます」と心の中であいさつしてからカメラを構えると、自分の気持ちが落ち着き、写真にも不思議とその雰囲気が写り込みます。
金運だけじゃない!再生・変化・学びのパワーを受け取るコツ
巳年の旅というと、つい「金運アップ」に意識が向きがちですが、ヘビの力はそれだけではありません。脱皮をくりかえすヘビは、「古い自分を手放し、新しい自分に生まれ変わる」象徴でもあります。多鯰ヶ池のお種の伝説や、赤松池のお初の物語、豊乗寺の蛇の輪伝説などを読み直してみると、そこには嫉妬や後悔、優しさや感謝など、人間らしい感情がたくさん描かれています。
こうした物語に触れながら自分の人生を振り返ってみると、「本当は変えたいけれどそのままにしている習慣」や「手放したいけれど、まだ握りしめている考え方」に気づくことがあります。旅の途中や帰りの電車の中で、ノートやスマートフォンに「これから変えたいこと」「続けたいこと」を書き出してみると、ヘビの脱皮のイメージが、自分の行動に自然と結びついていきます。
金運は、そうした変化と学びが積み重なった先に訪れる「結果の一つ」と考えることもできます。まずは心や生活の土台を整え、日々の選択を少しずつ良い方向に変えていくこと。それが、ヘビの力を上手に受け取る近道と言えるでしょう。
旅の記録を残すノート術&開運アクションの続け方
巳年の旅の効果を長く続けるには、旅の記録を少し丁寧に残すのがおすすめです。難しい日記を書く必要はありません。1冊のノートを用意して、訪れた神社や池ごとに1ページずつ使っていきます。日付と場所、お願いごと、おみくじの内容、印象に残った景色や言葉を、箇条書きでもいいので書き留めていきます。
御朱印をもらった場合は、そのページに貼るか、近いページに写真を印刷して貼っておくと、見返したときに記憶がよみがえりやすくなります。多鯰ヶ池では「お金との付き合い方を整える」、江嶋神社では「人とのご縁を大切にする」、赤松池では「水の大切さを忘れない」といった具合に、場所ごとに「これから続けるアクション」を一つ決めて書き込んでおくと、旅が終わったあとも開運モードを持続しやすくなります。
家に帰ってからは、月に一度でもノートを開き、「今このアクションはできているかな?」と確認してみましょう。できていなかったことに気づいたら、その場でできる小さな一歩を決めれば十分です。大切なのは、反省して落ち込むことではなく、「今からまた始めればいい」と気持ちを切り替えることです。
巳年が終わったあとも、ご縁をつなぎ続ける鳥取通いのすすめ
巳年のあいだに鳥取の蛇ゆかりスポットを巡っていると、「一度きりの旅で終わらせるにはもったいない」と感じる場所がいくつも出てきます。多鯰ヶ池の季節ごとの風景、江嶋神社の静かな朝の空気、赤松池の水面や周囲の田んぼ、双六原 白蛇弁財天の森の匂い…。どれも、その時々の季節や天気によって表情が変わり、何度訪れても新鮮な発見があります。
巳年が終わったあとも、12日に一度は巳の日が、60日に一度は己巳の日が必ず巡ってきます。「今年の春は多鯰ヶ池、夏は江嶋神社、秋は赤松池、冬は豊乗寺」といった具合に、季節ごとに訪ねる場所を決めておくと、自然と鳥取に通うきっかけが生まれます。
何度も通ううちに、地元のお店の人と顔なじみになったり、季節ごとの行事に詳しくなったりして、「旅先」だったはずの鳥取が、少しずつ「第二のふるさと」のように感じられてくるかもしれません。そうなると、開運という言葉を意識しなくても、「ここに来ると落ち着く」「またがんばろうと思える」という感覚が自然と生まれてきます。
ヘビが地面をはいながら、長い時間をかけて少しずつ進んでいくように、人とのご縁や土地とのつながりも、急には育ちません。巳年の旅を一つのきっかけとして、鳥取との長いお付き合いを始めてみてはいかがでしょうか。
まとめ
鳥取県には、多鯰ヶ池弁天宮や江嶋神社、双六原 白蛇弁財天、豊乗寺、赤松池、船通山など、ヘビや大蛇、龍にまつわる物語が残る場所が数多くあります。それぞれの場所には、金運や商売繁盛といった分かりやすいご利益だけでなく、水の恵みへの感謝や、人の感情の揺れ動き、再生や学びといったテーマが静かに息づいています。
巳年や巳の日にこうしたスポットを巡ることは、自分の人生やお金との付き合い方を見直すきっかけにもなります。多鯰ヶ池でお種の伝説に触れ、江嶋神社で白蛇やカエルの像に手を合わせ、赤松池でお初の物語を思い浮かべる。その一つひとつの時間が、心の中の「古い皮」を少しずつ脱ぎ捨て、新しい自分へと変わっていく助けになってくれるはずです。
大切なのは、旅を終えたあとの日々の過ごし方です。ノートを開いて旅の記録を振り返り、小さな開運アクションを続けていくことで、ご利益はゆっくりと育っていきます。ヘビのようにあせらず、それでも着実に一歩ずつ進むイメージで、鳥取とのご縁をこれからも深めていってみてください。


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