鳥取×午年|馬ゆかりの社寺ベスト5と名馬伝説を網羅【石馬・池月・牛馬市】

鳥取 馬 午年 うま 未分類
  1. 午年こそ参拝したい「馬」ゆかりのスポット5選(鳥取)
    1. 米子・天神垣神社の「石馬(国指定重要文化財)」に会う
    2. 大山・大神山神社:拝殿の御神馬と牛馬守護の歴史
    3. 鳥取市河原・神馬神社:「麒麟獅子舞」と“神馬”の地名を訪ねて
    4. 琴浦・神崎神社:地域で親しまれる牛馬の守護神
    5. 岩美・千束八幡神社:名馬「池月」の像と絵馬の物語
  2. 物語でわかる「うま」と因幡・伯耆の歴史
    1. 駟馳山と名馬伝説:池月が生まれたとされる里の記憶
    2. 古墳時代の石馬が語る交流史(天神垣神社)
    3. 大山寺と牛馬市:大山が育んだ畜産・交易と信仰
    4. 白馬に乗った勝宿大明神(鳥取市・加知弥神社の伝承)
    5. 馬頭観音の石仏をたずねて(伯耆町・日南町)
  3. 午年のお願いを叶える参拝・御朱印・絵馬の楽しみ方
    1. 「馬」モチーフのお守りと御神馬の撫で方
    2. 願いが届く絵馬の書き方と奉納マナー
    3. 御朱印めぐりのコツ:効率よく回る順番
    4. 午年ならではの開運アクション(方角・日取りの考え方)
    5. 家畜守護から交通安全まで:祈願テーマのヒント
  4. はじめてでも安心!行き方・モデルコース・ベストシーズン
    1. 米子発1日モデル:天神垣 → 大神山 → 千束八幡
    2. 鳥取市発ハーフデー:神馬神社 → 加知弥神社
    3. 祭りと合わせて行く:八朔綱引き・麒麟獅子舞・波止の祭
    4. 冬の大山ドライブの注意点と持ち物チェック
    5. 鳥取ならではの寄り道:大山寺参道、市場、温泉
  5. 小ネタ&Q&A:うま好きがさらに楽しむために
    1. そもそも午(うま)年ってどんな年?
    2. 「神馬」「駟馳」「池月」…馬の字・言葉の豆知識
    3. 祈りの対象としての馬:神道と仏教のちがい
    4. 写真の撮り方とマナー:御神馬・仏像の前で
    5. 子どもと行くときのポイント(トイレ・歩きやすさ)
  6. まとめ

午年こそ参拝したい「馬」ゆかりのスポット5選(鳥取)

鳥取 馬 午年 うま

午年にどこへ参ろう——そう迷ったら、鳥取の「馬」ゆかりをまるっと巡る旅を。古墳の上に立っていた石の馬、名馬が生まれたと語られる駟馳山、畜産と交易を育んだ大神山の牛馬市、そして今も路傍で旅人を見守る馬頭観音。社寺と物語をやさしくつないでいけば、願いは自然と走り出します。本記事では、確かな資料にもとづき、見どころ・来歴・回り方・安全のポイントまでまとめました。地図にピンを打ち、歩きやすい靴に履き替えたら、鳥取の風の中へ。石畳のリズムに合わせて、あなたの一年も軽やかに歩み始めます。

米子・天神垣神社の「石馬(国指定重要文化財)」に会う

米子市淀江町に鎮まる天神垣(あめのかみがき)神社には、古墳時代後期(6世紀後半)の石造馬「石馬(いしうま)」が大切に伝わっています。大山で採れる角閃石安山岩を一塊から彫り出した本作は、体長約150cm・高さ約90cmほど。鞍や鐙、腹帯まで細部が刻まれ、かつて赤色顔料が施されていた痕跡も確認できます。元は近くの上淀石馬谷古墳に伴う遺物と考えられ、本州では唯一の石馬例として1959年(昭和34年)12月18日に国の重要文化財(考古資料)に指定されました。現在は社内で収蔵管理されており、拝観は常時ではありません。見学の可否や解説は、近隣の「上淀白鳳の丘展示館」に事前連絡して確認するのが確実です。境内は素朴で、石段を上がると山里の静けさが包みます。1500年前の“馬”と向き合う時間は、午年の節目にこそ味わいたい原体験。参拝後は石馬谷古墳群や展示館も合わせて巡ると、石人・石馬文化が山陰に伝わった背景まで立体的に理解できます。

大山・大神山神社:拝殿の御神馬と牛馬守護の歴史

伯耆の霊峰・大山の中腹に鎮まる大神山神社(だいせんじんじゃ/本社・奥宮)は、大己貴神を祀り、産業発展・五穀豊穣とともに「畜産・牛馬守護」の御神徳で知られてきました。自然石を敷き詰めた参道は約700mにおよび、「日本一長いとされる自然石の石畳」と案内される名所。森の匂いに包まれながら踏みしめる一歩一歩は、牛馬の安全と足腰健脚を祈って山を上り下りした人々の記憶へとつながります。奥宮の社殿は権現造の大建築で、本殿・幣殿・拝殿が国の重要文化財。権現造として国内最大級のスケールを誇り、厳かな気配に背筋が伸びます。特定の“撫でる御神馬像”があるというより、牛馬市や畜産を守ってきた大山信仰そのものを体感する場所。冬は積雪、春は新緑、秋は紅葉と四季折々に表情が変わるため、滑りにくい靴・防寒具の準備を。参拝時間や通行規制は季節で変わることがあるので、最新の公式案内で確かめてから出かけましょう。

鳥取市河原・神馬神社:「麒麟獅子舞」と“神馬”の地名を訪ねて

鳥取市河原町に鎮座する神馬(かんば)神社は、社名からして“神の馬”を思わせる一社。祭神は経津主神・武甕槌神・保食神で、地域の氏神として長く敬われてきました。例祭は毎年10月17日。さらに10月第4土曜日には、鳥取東部を代表する伝統芸能「麒麟獅子舞」が奉納され、太鼓の鼓動とともに秋空の下で鮮やかな舞が披露されます。境内には素朴な社叢が広がり、茅の輪神事や「神馬荒神」など土地の信仰が息づきます。参道を歩けば、神社の周辺に“神馬(かんば)”という地名が残っていることにも気づくはず。午年の祈りとしては、交通安全や勝負運に加えて、保食神の御神徳にちなみ「食と健康の巡り」を願うのも好相性です。杉の香りが清々しい山腹の社で深呼吸し、絵馬に今年の“走り方”を書き留めれば、旅の時間がすっと引き締まります。静かな環境のため、祭礼時の撮影は祭具や舞人の動線を妨げない位置から慎み深く行いましょう。

琴浦・神崎神社:地域で親しまれる牛馬の守護神

東伯郡琴浦町赤碕の神崎神社(かんざきじんじゃ)は、古くは「三宝大荒神」と称され、家内安全・海上安全と並び「牛馬の守護神」として近郷から広く信仰を集めてきました。日本海に開けた港町の気風と荒神信仰の力強さが重なり、社前に立つと潮の香りとともに背筋が伸びます。毎年7月27・28日に行われる「波止(はと)のまつり」でも知られ、神輿や稚児行列、海の安全を祈る神事が町を彩ります。午年の願掛けでは、仕事や学業で背負う“荷”をしっかり運ぶ力、家族や仲間と“綱”でつながる結束を授かる意を込める参拝者が多い印象。授与所では交通安全守や健脚守を受けられる時期があるので、頒布の有無は出発前に最新情報を確認しておくと安心です。境内では社殿や狛犬、海に向く鳥居など撮影スポットも豊富。風の強い日もあるため、参道での三脚は安全を最優先に、混雑時は使用を控える配慮も大切です。

岩美・千束八幡神社:名馬「池月」の像と絵馬の物語

山陰海岸ジオパークの海景が美しい岩美町には、千束八幡神社(せんぞくはちまんじんじゃ)が鎮座し、境内には名馬「池月(いけづき)」の像と絵馬が奉納されています。池月は『宇治川先陣』で名高い名馬で、その生誕地がこの周辺に広がっていた牧(まき)だと伝わります。鳥取東部の小高い山「しちやま」はのちに“馬”の字をあてて「駟馳山(しちやま)」と記され、名馬を産した地の記憶が地名に刻まれました。社前の像や絵馬の前で手を合わせると、武将が鬨の声とともに駆けた時代の息吹がふっと戻ってくるよう。午年の祈りとしては、瞬発力だけでなく“最後まで走り切る持久力”を願うのがおすすめです。参拝後は浦富海岸の展望台や砂丘方面へドライブすれば、馬が往来した古道と海の眺めが一枚の地図の上でつながって見えてきます。社務・授与の対応は日によって異なるため、訪問前に最新情報を確認の上、敬虔な気持ちで参りましょう。


物語でわかる「うま」と因幡・伯耆の歴史

駟馳山と名馬伝説:池月が生まれたとされる里の記憶

鳥取県東部の海に寄り添う丘陵「しちやま」は、古くから牧が営まれ良馬を産した土地柄として知られ、のちに四頭立ての“駟”の字を冠して「駟馳山(しちやま)」と書かれるようになりました。ここで生まれたと伝わる名馬が、宇治川合戦で名を馳せた池月。青黒い毛並みに月影のような白斑を持つと伝えられ、武将とともに戦場を駆け抜けた逸話は、地域の誇りとして今も語り継がれています。山陰道の要衝であったこの地域では、馬は移動・輸送・防衛のインフラであり、牧や市の発達と密接に関わってきました。地名や社寺の縁起、奉納絵馬に“馬”が登場するのは、生活そのものが馬とともにあったからにほかなりません。現在の駟馳山周辺は里山歩きに程よい標高で、海風が抜ける散策路も心地よいエリア。千束八幡神社の参拝と合わせれば、伝承世界の手ざわりがいっそう濃く感じられるでしょう。

古墳時代の石馬が語る交流史(天神垣神社)

天神垣神社の石馬は、近くの上淀石馬谷古墳(全長約61mの前方後円墳)に伴う遺物と考えられ、製作は6世紀後半。九州北部で例が多い「石人・石馬」文化が日本海沿岸交易を通して山陰へ伝わったことを示す、極めて重要な考古資料です。本州では唯一の石馬例として1959年に国の重要文化財に指定。鞍や手綱の表現は、当時の馬具の普及と支配層の権威を象徴します。江戸期には「石馬大明神」として人々の願いを受け、考古遺物が生活信仰に溶け込む過程を今に伝える存在でもあります。学芸員の解説に沿って観察すると、石材の選択、工具痕、彩色の痕跡など見所は尽きません。午年にこの石馬へ手を合わせることは、古墳文化・海上交流・地域信仰が一本の線でつながる体験そのもの。古墳群の墳丘に残る植生や周辺の水系にも目を配れば、石馬が生まれた社会の輪郭が浮かび上がります。

大山寺と牛馬市:大山が育んだ畜産・交易と信仰

大山信仰は地蔵信仰と結び、牛馬の安全を祈る文化を広範に育みました。山麓では放牧が行われ、街道筋の宿場では牛馬の売買が活発化。江戸中期には大山寺の庇護のもと、境内下の広場「博労座(ばくろうざ)」で牛馬市が定例開催されるようになります。やがて西日本各地から人と牛馬が集まり、江戸後期には「日本三大牛馬市」の一つと称されるまでに発展。近代に入ると開催回数は年5回へ増え、明治期には年間1万頭超が取引され国内最大規模の市に数えられました。祈りが市を生み、市が地域経済を支え、経済がまた信仰を厚くする——この循環は“山の神と生業の協働”という大山のユニークさを物語ります。参道の自然石を踏みしめると、牛馬を曳いた往時の足音が聞こえるよう。博労座の地名は今も残り、日本遺産の解説や展示を読むと、祭礼・物流・金融が一体となっていたダイナミズムまで感じ取れます。

白馬に乗った勝宿大明神(鳥取市・加知弥神社の伝承)

鳥取市鹿野町の加知弥(加知彌)神社は延喜式内社として古く、地域では「勝宿(かししゅく)さん」と親しまれてきました。伝承によると、ある年の大水の際、白馬にまたがった勝宿大明神が現れて堤を蹴り上げ、氾濫を食い止めたと伝えられます。社の周囲には“ひづめの跡”として語られる地点も残り、人々は水を制する馬の霊威に守られてきたと感じてきたのです。こうした白馬のモチーフは全国の神社にも見られますが、鹿野の物語は「城下町の暮らし」「農と川」「祈り」の距離感が近いのが特徴。午年にこの社へ詣でるなら、災害からの守護や地域の安寧、日々の暮らしの足腰を支える力を願うのがよいでしょう。城下の古い町並みと合わせて歩けば、伝承が土地の記憶として息づいていることを肌で感じられます。写真撮影の際は周辺の生活道路に配慮し、参道では車の乗り入れを控えるなど、地域のルールを守ることが大切です。

馬頭観音の石仏をたずねて(伯耆町・日南町)

山陰の街道沿いには今も馬頭観音の石塔・石像が点在します。馬頭観音は観音菩薩が憤怒相を示す姿で、荷を運ぶ牛馬や旅人の安全を守る慈悲の象徴。伯耆町や日南町の山間部では、峠の分岐や橋のたもとに祀られ、往来の無事を見守ってきました。例えば米子・淀江の文化財台帳には、三面八臂の馬頭観音石像が記録され、馬方や運送業に携わる人々の信仰が読み取れます。参拝の際は供花や線香を強要する必要はなく、合掌して道中の安全に感謝を捧げるだけで十分。石仏は風雨にさらされ劣化しやすいので、触れたり上に乗ったりは厳禁です。午年の旅で馬頭観音を訪ねることは、単なる“名所巡り”を超え、道と仕事を支えた見えない手に敬意を払う行為そのもの。地元の教育委員会がまとめた分布図を持って歩けば、道路網の発達史や集落の成り立ちまで見えてきます。


午年のお願いを叶える参拝・御朱印・絵馬の楽しみ方

「馬」モチーフのお守りと御神馬の撫で方

馬は古来、スピードや前進だけでなく「運ぶ」「働く」「つなぐ」象徴でした。授与所で見かける馬モチーフのお守りは、健脚祈願・交通安全・勝負運・仕事運など幅広い願意をカバーします。身につける場所は、バッグの内側や車内の見えにくい位置など、日常で擦れにくい箇所が長持ちのコツ。境内に御神馬像がある場合、頭や顔をむやみに撫でるのは避け、横から軽く会釈するのが上品です。写真は混雑時を外し、他の参拝者の祈りを妨げない角度から。午年の祈願文は「一気に駆ける」より「地道に歩を進める」を軸に、「毎朝10分のストレッチを続ける」「週2回は車間距離をより意識」といった小さな行動に落とし込むと、馬の“脚”のご利益と結びつきやすくなります。帰宅後は靴の手入れをし、通勤経路の“無駄な段差”を避けるルートに変えるなど、足元から整える実践を添えましょう。

願いが届く絵馬の書き方と奉納マナー

絵馬は「誰に」「何を」「いつまでに」を短く、肯定形で書くと伝わりやすくなります。例:「大神山の大神様へ/資格合格に向けて毎日30分学ぶ/令和○年○月まで」。文字は太く、ゆっくり、呼吸を整えながら筆先を進めると気持ちも落ち着きます。左上に日付、右下に氏名(フルネームまたはイニシャル)を添えると整った印象に。奉納は社殿に一礼→静かに掛ける→半歩下がって会釈の順。人気の社では掲出スペースが限られるため、長文やイラストは控えめにし、続きの決意表明は御朱印帳や手帳にメモすると実行性が上がります。個人情報の写り込みを避けるため、写真を撮る場合は自分の絵馬のみをアップで。午年らしく、具体的な“習慣化”を一つだけ書き添えると、帰宅後にぶれない指針になります。年が改まったら古い絵馬を納め、新しい課題に合わせて書き直すのも良い区切りです。

御朱印めぐりのコツ:効率よく回る順番

“馬ゆかり”の鳥取を巡るなら、地理の弧を描くように「西部(米子・大山)→東部(岩美・鳥取市)→中部(琴浦)」の順が移動効率に優れます。朝は米子市の天神垣神社から始め、上淀白鳳の丘展示館の受付時間に合わせて石馬の拝観可否を確認。次に大山へ向かい、奥宮の自然石参道を往復します。昼は麓で休憩し、午後は東へ移動して岩美の千束八幡神社、鳥取市内で神馬神社へ参拝。翌日に中部の琴浦・神崎神社を加えると余裕が生まれます。御朱印は授与所の対応時間が限られるため、公式サイトやSNSで最新情報を必ずチェック。書き置きをいただく可能性もあるので、折れを防ぐA5のクリアファイルを携帯しましょう。冬季の大山方面は積雪や凍結が常態化するため、冬タイヤ・チェーンは必携。山陰道や国道9号の通行情報を確認し、悪天候時は無理をしない判断が何よりの“安全祈願”です。

午年ならではの開運アクション(方角・日取りの考え方)

暦注を生活に取り入れるなら、「始める」「続ける」に向いた日を味方につけましょう。六曜なら大安や友引、吉日では一粒万倍日・天赦日・天恩日などが有名ですが、予定の都合や天候、安全面を最優先にするのが大前提。午年は勢いがテーマにされがちですが、実際に成果に結びつくのは“継続”。そこで参拝前に「3週間続ける小さな行動」を一つ決め、参拝日にスタートするのがおすすめです。例えば、毎朝のストレッチ、通勤の信号での完全停止、1日10分の片付け——いずれも“脚・道・運ぶ”に通じる馬の象徴と相性が良い行動です。方角にこだわる場合も、遠回りして体力や時間を消費するより、無理のないルートで安全に到着することが最上の吉。帰宅後に日記へ感じたことと具体的な次の一歩を書き留め、翌週に見返す仕組みを作れば、神仏への祈りが確実な習慣へと変わります。

家畜守護から交通安全まで:祈願テーマのヒント

馬ゆかりの社寺では、家畜やペットの健康祈願、交通安全、足腰健脚、仕事や学業の“走力”向上など、多彩な願意が見られます。農や畜産に関わる人は、飼養衛生の実践(消毒・ワクチン・給餌管理)とセットで祈ると心構えが整います。ドライバーは「出発10分前行動」「車間2秒」「歩行者優先」の3原則を誓うと実効性が上がります。ウォーキングやランニングを習慣化したい人は、参拝を“ゼロ日”とし、帰宅後に靴を磨き直して道具から整えるのがおすすめ。願いを絵馬に託したら、翌週の予定表に「小さな実行タスク」を1つだけ固定枠で入れること。目標が大きいほど、行動は小さく、しかし確実に——これは、重い荷を確実に運ぶ馬の仕事術と同じです。社寺から授与された護符は身近な場所にそっと置き、月初めに一度、埃を払って姿勢を正す時間をつくりましょう。


はじめてでも安心!行き方・モデルコース・ベストシーズン

米子発1日モデル:天神垣 → 大神山 → 千束八幡

米子駅周辺からスタートし、朝いちばんに天神垣神社へ。上淀白鳳の丘展示館の受付時間と石馬の拝観可否を確認し、境内で静かに合掌。次は大山へ移動し、奥宮の駐車場から自然石の参道(約700m)を歩いて参拝します。石畳は濡れると滑りやすいため、靴底のグリップが効く歩きやすい靴が安心。山麓で地元食材の昼食をいただいたら、東へ移動して岩美の千束八幡神社へ。池月の像と絵馬に挨拶し、浦富海岸の展望スポットで夕景を眺めれば、馬の伝承と海の景観が一日の記憶に重なります。所要の目安は全行程で約7~9時間。休憩は2時間に1回を目安にこまめに取り、体調と天候に応じて無理なく調整しましょう。帰路は鳥取自動車道・山陰道の交通情報を確認し、夜間は動物の飛び出しに注意して安全運転で。

鳥取市発ハーフデー:神馬神社 → 加知弥神社

鳥取市中心部から午前の半日で回るなら、まずは河原町の神馬神社へ。杉木立の参道を抜けると静謐な社叢が広がり、10月第4土曜日の麒麟獅子舞を想像しながら社頭で一礼。次に城下町・鹿野の加知弥神社へ移動します。延喜式内社としての歴史、白馬に乗った勝宿大明神の水害救済伝承、そして“ひづめの跡”の語りをたどると、馬が暮らしを守った実感が湧いてきます。市街地からのアクセスが容易で、時間に余裕があれば鹿野の町並み散策や千代川沿いの景観も楽しめます。社務や授与品は日によって対応が変わることがあるため、出発前に公式の最新情報を確認し、駐車場の案内に従って安全に参拝しましょう。半日コースでも“馬の守り”を感じる濃い時間が過ごせるはずです。

祭りと合わせて行く:八朔綱引き・麒麟獅子舞・波止の祭

旅の満足度を高めるコツは、地域の行事に日程を合わせること。米子市淀江地域の「上淀の八朔綱引き」は、毎年9月第1日曜日に開催される国選択無形民俗文化財で、巨大な藁蛇「クチナワサン」を担いで荒神を巡り、その年の豊凶を占う綱引きを行います。鳥取東部では神馬神社をはじめ各地で10月第4土曜日に「麒麟獅子舞」が奉納され、赤と金の獅子が舞う姿は圧巻。琴浦町赤碕の「波止のまつり」は毎年7月27・28日、海上安全と豊漁を祈る神事が町を包みます。いずれも年により催しや時間が変わるため、必ず直前の公式案内で確認を。混雑時は駐車場やトイレが限られるので、早めの到着・小銭の用意・歩きやすい靴が三種の神器です。撮影はフラッシュや三脚の使用を控え、舞や神事の進行を妨げない位置から静かに楽しみましょう。

冬の大山ドライブの注意点と持ち物チェック

冬季の大山エリアは積雪と路面凍結が当たり前。山陰の湿った雪は重く、晴れ間でも日陰は凍りやすいのが特徴です。出発前に必ず冬タイヤ(スタッドレス)またはチェーンを用意し、駆動方式にかかわらず“止まれる装備”を最優先に。ワイパー凍結防止のため撥水ガラス&解氷スプレー、窓の曇り止め、手袋・帽子・カイロを携帯。歩行時は滑りにくい靴と替え靴下、参道では両手を空けるためリュックが安心です。スマホの電池は寒さで急速に減るためモバイルバッテリーは必須。天気が急変したら撤退をためらわない判断を。神社周辺の駐車場は除雪状況が日によって違うので、現地の案内に従いましょう。無理をしないことが、何よりの“安全祈願”の実践です。帰路は給油を早めに行い、積雪で渋滞が発生しても落ち着いて安全第一で帰宅を。

鳥取ならではの寄り道:大山寺参道、市場、温泉

大山寺の参道には、精進料理やご当地食材を活かした食事処、名物の乳製品・焼き菓子の店が軒を連ねます。牛馬と深く関わってきた地域だけに、酪農文化の味わいは必食。米子や境港の市場では、新鮮な白イカやベニズワイ、岩美の海では海藻や貝類など季節の恵みが手に入ります。温泉は東郷温泉・はわい温泉・三朝温泉・岩井温泉など名湯が多く、参道や石畳で疲れた脚をじんわり癒すのに最適。土産には御朱印帳カバーや絵馬柄のハンカチ、靴磨きセットのミニキットも“午年旅の継続”を後押ししてくれます。寄り道は“安全が確保できる範囲で短く楽しく”。日没が早い冬季は16時を目安に峠を越え、夜間走行を減らす計画にしましょう。旅程に余白を残すことで、社寺での祈りの時間が濃くなり、慌ただしさから解放された満足度の高い一日になります。


小ネタ&Q&A:うま好きがさらに楽しむために

そもそも午(うま)年ってどんな年?

十二支の7番目にあたる午は、12年に一度巡る節目。干支のイメージから“勢い”“前進”が語られますが、実生活で成果につながりやすいのは、速さよりも「継続して進む」姿勢です。馬は重い荷を着実に運ぶ働き者。午年におすすめなのは、祈りを「毎日の小さな行動」に接続することです。例えば、朝のストレッチで脚を整える、徒歩10分の買い物は車を使わず歩く、通勤路で無理な追い越しをしない——いずれも“脚”“道”“運ぶ”に通じる行いで、神仏への誓いが生活に定着します。参拝の日取りは大安や一粒万倍日・天赦日などを参考にしつつも、天候と体調、安全面を最優先に。祈った直後の24時間の過ごし方を丁寧にし、帰宅してから1週間の計画に「小さな継続」を1つ加える。このリズムが、午年らしい前進力を生みます。

「神馬」「駟馳」「池月」…馬の字・言葉の豆知識

「神馬(しんめ/しんめい)」は神に奉納される馬、あるいは神に仕える馬を指し、社殿脇の厩に白馬をつなぐ風習も各地に伝わります。地名や社号に“神馬”が残る場所では、馬が生活と信仰の中心にあった歴史の証拠。「駟馳(しち)」は四頭立ての早馬が駆ける意で、鳥取では小高い山“しちやま”に後から馬偏の字が当てられ「駟馳山」と表記されました。名馬「池月」は宇治川の先陣争いで名高く、青黒い毛並みに月影のような白斑を持ったと伝承されます。千束八幡神社の像や絵馬に親しむ前に、こうした言葉の背景を知っておくと、欄間の彫り物や奉納絵馬の図柄、社名のニュアンスが一段と味わい深く感じられます。旅ノートの欄外に簡単な語彙メモを作れば、次に別の土地を訪れたときの読み解き力も上がります。

祈りの対象としての馬:神道と仏教のちがい

神道では、雨乞い・豊作祈願・厄除けなどの折に神馬を奉納し、馬は「願いを神に運ぶ存在」として尊ばれました。これに対し仏教では、憤怒相の馬頭観音が畜生道を救う慈悲の化身として、牛馬や旅人の安全、そして亡くなった家畜の供養の対象となります。山陰では大山信仰と地蔵信仰が重なり、牛馬市という“祈り×経済”の文化が育ちました。街道沿いの辻・峠・橋詰に馬頭観音の石像が置かれ、荷を引く馬や往来の無事を見守ってきたのです。社寺で馬の像や馬頭観音を見かけたら、背景にある宗教的意味の層を思い浮かべてみましょう。同じ“馬”でも、神道では現世利益を運ぶ使い、仏教では苦しみを救う慈悲。二つの視点を持つと、旅先の一体一体が語りかけてくる物語の深さが変わります。

写真の撮り方とマナー:御神馬・仏像の前で

社寺での撮影は、祈りの場であることを最優先に考えます。まず社殿や仏像は、場所によって撮影禁止やフラッシュ禁止の掲示があります。掲示がなくても、御祈祷や祭事の最中は撮影を控えるのが礼儀。御神馬像を撮るときは正面からの“どアップ”より、参道や森、石畳を入れて空気感を写すと印象的です。人が写り込む場合は顔が識別できない角度で。絵馬や御朱印の写真は、個人情報(氏名・住所)が映らないよう十分注意します。三脚は混雑時や狭い参道では極力使わず、手ブレは息を止めてシャッターを切る、脇を締めるなど基本動作で対応。帰宅後にSNSへ上げる際は、位置情報の公開範囲を限定し、地域の生活に配慮を。祈りの空気を保てれば、写真にも不思議と清々しさが宿ります。

子どもと行くときのポイント(トイレ・歩きやすさ)

家族での参拝は、子どもの歩幅と集中力に合わせた計画が鍵。大山の自然石参道は滑りやすい箇所があるため、手をつなぎ、歩幅の小さい階段は一段ずつ確実に。事前に最寄りのトイレ位置を確認し、混雑前に早めの休憩を。おやつと飲み物はこぼれにくい容器で持参し、ゴミは必ず持ち帰ります。写真を撮る役目を子どもに任せ、“馬さがしクイズ”(欄間の馬、石像の馬、絵馬の馬など)を仕込むと飽きにくく、学びが深まります。祈願は家族で一つに絞り、帰宅後の実行計画を一緒に作ると達成感が共有できます。社務所では小声で挨拶をし、列に並ぶ・走らない・触れないの三原則を徹底。安全と礼節を守る体験そのものが、子どもにとっての“学びの参拝”になります。


まとめ

鳥取の「馬」ゆかりをていねいに辿ると、古墳時代の石馬から名馬伝説、大神山の信仰と牛馬市、里に息づく馬頭観音まで、1500年もの時間が一本の道でつながっていることが見えてきます。午年の参拝は、“勢い”を求めるだけでなく、土地の人々が馬に託してきた「働く」「運ぶ」「支える」という実直な祈りを自分の暮らしに重ねる絶好の機会。自然石の参道を一歩ずつ進み、絵馬に願いを記し、帰宅後の小さな行動に落とし込む——その繰り返しが、確かな前進力を生みます。海と山が近い鳥取で、あなたの“うまくいく”物語を始めてみませんか。

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