1. 2026年に山口で初詣へ行く前に知っておきたいこと

「2026年の初詣は、どこに行こうかな」。そんなふうに考えたとき、候補としてぜひ思い浮かべてほしいのが山口県です。日本で最初の天神さまとされる防府天満宮、海と歴史を一度に味わえる下関の住吉神社と赤間神宮、豊富な種類のお守りで知られる琴崎八幡宮、「西のお伊勢さま」の山口大神宮、そして萩・長門エリアの志都岐山神社や東光寺など、個性豊かな社寺が県内各地に点在しています。
この記事では、「山口」「初詣」「2026年」というキーワードをもとに、代表的なスポットやご利益別のおすすめコース、混雑を避けるコツ、家族連れでの注意点、参拝マナーや豆知識まで、まとめてわかりやすく紹介しました。にぎやかな雰囲気を楽しみたい人も、静かに一年を見つめ直したい人も、自分にぴったりの初詣の過ごし方がきっと見つかるはずです。2026年のスタートを、山口での初詣とともに、少しだけ特別なものにしてみませんか。
1-1. 2026年のお正月カレンダーと参拝のベストタイミング
2026年の元日は木曜日です。カレンダー上では、1月1日(木)から4日(日)までが続けて休みになる形なので、多くの会社や学校で4連休になるケースが多いと考えられます(もちろん業種によって違いはあります)。そのため、初詣に出かける人の動きも、この4日間に集中しやすいと予想できます。
例年、多くの神社・寺院で人が特に多くなるのは、12月31日の夜から元日の深夜・早朝にかけてと、元日の日中です。大みそかの23時ごろから元日の2時ごろまでは「年越しの瞬間を神社で迎えたい」という人が集まり、さらに元日の10〜15時ごろは家族連れが一気に増えます。2026年も同じような傾向になると見ておくと、混雑具合を予想しやすくなります。
混雑を少しでも避けたいなら、元日の早朝(7〜9時ごろ)か、2日・3日の夕方〜夜の時間帯がおすすめです。寒さが心配であれば、2日・3日の10〜11時台など、ピークより少し早い時間に動くと、行列が短くて済むことが多いです。また、近年は「正月三が日以外の初詣」も広く認められていて、多くの神社では1月中のお参りを「初詣」のつもりで受け入れています。人混みが苦手な人や、小さな子ども・高齢の家族と一緒のときは、思い切って1月の平日を選ぶのも良い方法です。
1-2. 山口県内のエリア別の雰囲気の違いをざっくりチェック
山口県と一口に言っても、エリアによって初詣の雰囲気はかなり違います。まず、下関・宇部・周南など瀬戸内側のエリアは、人口が多く交通の便もよい地域です。遠石八幡宮(周南市)や琴崎八幡宮(宇部市)、住吉神社や赤間神宮(下関市)など、初詣の人気スポットが集まっていて、正月三が日はとてもにぎやかです。屋台や露店が並び、「お祭りのような雰囲気を味わいたい」という人にはぴったりのエリアです。
山口市や防府市周辺は、歴史ある社寺が多く、落ち着いた空気と観光要素がちょうどよく混ざった地域です。「日本で最初の天神さま」とされる防府天満宮や、「西のお伊勢さま」と呼ばれる山口大神宮、そして国宝の五重塔がある瑠璃光寺など、静かで格式を感じる場所が多いのが特徴です。派手さよりも、「一年の始まりに心を整えたい」という人に向いたエリアと言えます。
一方、日本海側の萩・長門エリアは、冬になると空気がキリッと冷たくなり、独特の雰囲気に包まれます。萩城跡の志都岐山神社や、石灯籠が並ぶ東光寺など、歴史好きにはたまらないスポットが多く、初詣と一緒に城下町の散策や史跡めぐりを楽しめるのが魅力です。人出も瀬戸内側ほど極端には増えにくいので、旅気分を味わいながらゆったりお参りしたい人におすすめです。
1-3. 車?電車?初詣の移動手段と選び方のコツ
山口県は日常生活でも車で移動する人が多く、初詣もマイカーで出かける家庭がたくさんあります。ただ、人気の防府天満宮・遠石八幡宮・琴崎八幡宮・住吉神社・赤間神宮などでは、正月三が日の昼間を中心に周辺道路がかなり混み合います。近年、防府天満宮周辺では正月期間に交通規制が行われる年もありました。2026年に出かけるときも、防府市や警察、神社の公式サイトや広報で最新の規制情報を確認してから計画を立てると安心です。
渋滞を少しでも避けたい場合は、鉄道と徒歩・バスを組み合わせる方法も検討してみてください。防府天満宮ならJR防府駅からバスや徒歩でアクセスできますし、遠石八幡宮はJR櫛ケ浜駅から徒歩圏内です。住吉神社や赤間神宮も、下関駅や新下関駅から路線バスを使って向かうことができます。車を置いて公共交通機関を使えば、帰りに渋滞や駐車場待ちに悩まされる時間を減らすことができます。
どうしても車で行きたい場合は、「神社のすぐそばに停める」ことにこだわらず、少し離れたコインパーキングや臨時駐車場を選ぶのも一つの方法です。歩く距離は増えますが、出入りのしやすい駐車場なら、帰りに車が列から動かない…というストレスをかなり減らせます。ナビアプリでルートや駐車場を事前にチェックし、「混んでいたときの第2・第3候補」まで考えておくと、当日の気持ちの余裕がぐっと違ってきます。
1-4. 子ども連れ・三世代でお参りするときのポイント
家族みんなで初詣に行くときは、子どもや高齢の家族のペースにあわせた計画づくりが大切です。特に、防府天満宮・遠石八幡宮・琴崎八幡宮のような人気の神社では、ピーク時には拝殿まで30分〜1時間以上並ぶこともあります。人が多い時間帯に行くと、それだけで体力を消耗してしまうので、できるだけ早朝や2日・3日の比較的落ち着いた時間帯を選ぶと負担が軽くなります。
小さな子どもがいると、「ベビーカーか、抱っこひもか」で迷う人も多いと思います。境内への階段が多い神社では、ベビーカーがかえって大変なこともあります。事前に写真や公式サイトの境内図、口コミサイトの写真などで、段差の多さや参道の様子をチェックしておくと安心です。授乳室やおむつ替えができる場所、バリアフリーのトイレの有無なども、可能であれば調べておくと当日慌てずに済みます。
三世代でのお参りでは、無理に一度で全部まわろうとせず、「参拝→ちょっと休憩→屋台や観光」というふうに、こまめに休む時間を組み込んでおくのがコツです。ホットドリンクやカイロを用意しておくと、待ち時間に体が冷えにくくなります。写真を撮る係や、列に並ぶ係など、家族それぞれに簡単な役割を決めておくと、お互いに助け合いながら動きやすくなります。
1-5. 安心して初詣に行くための服装・持ち物チェックリスト
山口県の1月は、場所によって気温差はあるものの、どこも空気が冷たく、特に朝晩はかなり冷え込みます。瀬戸内側は比較的穏やかですが、日本海側の萩・長門エリアは風が強く、体感温度がぐっと下がることが多いです。初詣は外で立ちっぱなしになる時間が長くなりがちなので、「少し着込みすぎかな」と感じるくらいの服装でちょうどよいことが多いです。
おすすめの服装は、厚手のコートやダウンジャケットに加え、マフラー・帽子・手袋をセットにした重ね着スタイルです。体の正面だけでなく、首元・手首・足首の3か所をしっかり温めると、体全体が冷えにくくなります。足元は滑りにくいスニーカーやショートブーツがおすすめです。ヒールの高い靴は、石段や砂利道が多い境内では歩きづらく、転倒の危険もあるので避けた方が無難です。
持ち物として用意しておくと便利なのは、次のようなものです。
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小銭(お賽銭用。事前に10円玉・50円玉・100円玉などを数枚準備)
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カイロ(貼るタイプと、ポケットに入れるタイプ)
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ポケットティッシュとウェットティッシュ
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エコバッグ(お守りやお札、授与品をまとめて入れる用)
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予備マスクやハンカチ
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モバイルバッテリー(写真や地図アプリをたくさん使う人は必須)
また、スマホで写真を撮ることが多い人は、手袋をしたまま操作しやすいタッチパネル対応の手袋があると便利です。日が沈むと一気に寒さが増すので、夕方以降に参拝する予定の人は、日中以上に防寒を意識して準備しておくと安心です。
2. 定番から行きたい!山口県の代表的な初詣スポット案内
2-1. 防府天満宮:学業成就で知られる日本最初の天神さま
防府市にある防府天満宮は、「日本で最初に創建された天神さま」として広く知られています。菅原道真公をまつる神社の中でも特に格式が高く、京都の北野天満宮・福岡の太宰府天満宮とともに「日本三大天神(日本三天神)」の一つに数えられることが多い場所です。学問の神様として信仰されており、受験生や学生、その家族にとっては心強い存在です。
境内には朱色の社殿が並び、石段を上っていくと、防府の町並みと周防灘を見下ろすことができます。合格祈願用の絵馬が所狭しとかけられていて、一つひとつの文字から、受験生たちの真剣な思いが伝わってきます。合格鉛筆や学業成就のお守りなど、受験シーズンにうれしい授与品も多く、近年の報道では、正月三が日で約40万〜47万人が参拝したと紹介されることもあります。年や天候によって差はありますが、山口県内でもトップクラスの人出です。
その分、三が日の昼間は大変混み合うので、参拝の時間帯選びが重要になります。混雑を少しでも避けたい人は、元日の早朝か、2日・3日の午前中、または夕方以降を狙うと比較的動きやすくなります。JR防府駅からはバスや徒歩でアクセスできるため、「行きは電車+徒歩、帰りは家族に迎えに来てもらう」といった組み合わせも取りやすい場所です。2026年に参拝する場合も、最新の交通規制情報や駐車場案内を公式サイトや市の広報で確認してから出かけると安心です。
2-2. 住吉神社&赤間神宮(下関):海と歴史を感じるお参りコース
下関市には、初詣で人気のスポットがいくつかあります。その中でも特に知られているのが、「長門國一宮 住吉神社」と「赤間神宮」です。住吉神社は、全国にある住吉神社の中でも由緒の深い神社で、日本三大住吉の一つに数えられることがあります。主祭神は海の神様で、古くから海上安全・航海安全の守り神として信仰されてきました。現代では、船や車、飛行機など、広い意味での「移動の安全」を願う人たちが多く訪れます。
境内には国宝に指定された本殿があり、その建築様式は専門家からも高く評価されています。正月の澄んだ空気の中、立派な社殿を見上げると、自然と背筋が伸びるような気持ちになります。一方の赤間神宮は、壇ノ浦の合戦で亡くなった幼い安徳天皇をまつる神社で、竜宮城を思わせる朱塗りの社殿が印象的です。海に面した立地で、境内から関門海峡を望むことができ、天気が良ければ海と橋のコントラストがとてもきれいです。
この二つの神社は、車で回るとセットで訪れやすい距離にあります。午前中に住吉神社でしっかりお参りし、午後は赤間神宮で景色と歴史を味わうコースにすると、下関らしい海と歴史の雰囲気を一日で満喫できます。下関駅周辺からバスを使って回ることもできるので、運転に自信のない人でも訪れやすいエリアです。初詣のついでに、唐戸市場で海鮮を味わったり、門司港まで足をのばしたりと、観光要素も組み込みやすいのが魅力です。
2-3. 遠石八幡宮・琴崎八幡宮:一年の安全を願う八幡さまめぐり
周南市の遠石八幡宮と宇部市の琴崎八幡宮は、どちらも山口県を代表する八幡さまです。八幡神社は全国各地にありますが、この二社は地域の守り神として特に厚く信仰されており、初詣の参拝者数も県内上位の多さを誇ります。旅行サイトやニュースの「初詣特集」でも、山口県の代表的な初詣スポットとしてよく名前が挙がる神社です。
遠石八幡宮は、およそ1300年の歴史があると言われる古社で、厄除け・家内安全・交通安全・安産など、暮らしに身近なご利益が多いことでも知られています。石段を上った先の境内からは、周南の町並みや周防灘を一望することができ、天気の良い日にはとても気持ちの良い景色が広がります。正月三が日には20万人前後の人が訪れたというデータもあり、多くの人が一年のスタートにこの神社を選んでいることがわかります。
宇部市の琴崎八幡宮は、「お守りの種類が非常に多い神社」として有名です。令和7年正月時点の公式情報では、971種類ものお守りを頒布しており、「日本一とも言われる」と紹介されています。学業成就や商売繁盛はもちろん、ペット用や趣味に関するものなど、生活のさまざまな場面に寄り添ったお守りが並んでいて、授与所を眺めているだけでも楽しい気分になります。近年の報道では、三が日で20万人以上の参拝者があったと紹介されることもあり、宇部市内だけでなく県内外から多くの人が訪れます。
どちらも車で行きやすい場所ですが、三が日は周辺道路の渋滞が発生しやすいので、時間帯をずらすか、少し離れた駐車場を利用する計画を立てておくと安心です。遠石八幡宮と琴崎八幡宮を同じ日に回る「八幡さまはしご参拝」も、一年の安全をしっかり願いたい人にはおすすめです。
2-4. 山口大神宮と瑠璃光寺周辺:静かに心を整えたい人におすすめ
山口市の山口大神宮は、伊勢神宮から神霊を勧請して創建された神社で、「西のお伊勢さま」として親しまれてきました。内宮と外宮があり、伊勢神宮と同じ神明造の社殿が静かな森の中に立っています。観光客であふれ返るようなにぎやかさはありませんが、その分、落ち着いた空気の中でじっくりと手を合わせることができる場所です。
境内は緑が多く、石段や参道を歩いていると、普段の忙しさから少し離れた気持ちになれます。年始の混雑も、県内の超有名スポットと比べると穏やかなことが多く、「人混みが苦手だけれど、きちんとお参りはしたい」という人にぴったりです。健康・病気平癒・安産などのご利益で信仰される多賀神社や安産石など、ゆっくり巡りたいスポットもあります。
山口大神宮から車で数分の場所には、国宝の五重塔で知られる瑠璃光寺があります。香山公園の中に立つ五重塔は、日本三名塔の一つに数えられることもある美しい建物で、夜間ライトアップが行われる時期もあります。冬の澄んだ空気の中で見る五重塔は、春や秋とはまた違った落ち着いた魅力があります。山口大神宮で初詣を済ませてから、瑠璃光寺周辺をゆっくり散策し、一年の計画や目標を静かに考える時間をつくる。そんな過ごし方も、山口市エリアならではの楽しみ方と言えるでしょう。
2-5. 萩・長門エリアの社寺めぐり:志都岐山神社や東光寺など
歴史や城下町の雰囲気が好きな人には、萩・長門エリアでの初詣旅がおすすめです。萩市の志都岐山神社は、萩城跡(指月公園)の一角にあり、毛利元就をはじめとした毛利家の歴代藩主をまつる神社です。かつては県社として崇敬を集め、今もなお地元の人々の信仰を集めています。城跡の石垣や海、山に囲まれた落ち着いた空気の中でのお参りは、にぎやかな初詣とは少し違う、しみじみとした味わいがあります。
同じく萩市にある東光寺は、萩藩三代以降の奇数代藩主の菩提寺として知られる黄檗宗の寺院です。山門から本堂へと続く道の両側には、約500基の石灯籠が並び、その光景は圧巻です。総門・三門・鐘楼・大雄宝殿など、多くの建物が国の重要文化財に指定されています。夏の「万灯会」が有名ですが、冬の静かな境内もまた格別で、冷たい空気の中で手を合わせていると、自然と心が落ち着いてきます。
時間に余裕があれば、城下町の古い町並みや松下村塾など、幕末ゆかりのスポットもあわせて歩いてみてください。初詣と一緒に、萩の歴史を丸ごと味わうことができ、「ただお参りをするだけ」の一日とはまったく違う思い出になります。萩・長門エリアは、瀬戸内側ほど交通量が多くないため、三が日でも比較的ゆったりと回りやすいのも魅力です。
3. テーマで選ぶ!ご利益別おすすめ初詣ルート
3-1. 合格祈願・学業成就におすすめのコース
受験生がいる家庭にとって、お正月の一大イベントといえば合格祈願です。山口県で学業成就といえば、やはり防府天満宮は外せません。学問の神様・菅原道真公をまつる防府天満宮では、合格祈願のご祈祷、合格鉛筆、学業成就のお守りなど、受験生を応援する授与品が数多く用意されています。最近の年では、年末から「予祝詣(よしゅくもうで)」といって、三が日を避けた分散参拝も案内されることがあります。年末に一足早く合格祈願を済ませておくのも一つの方法です。
合格祈願をしっかりしたい人には、「防府天満宮+琴崎八幡宮」の組み合わせもおすすめです。琴崎八幡宮というと家内安全や商売繁盛のイメージが強いかもしれませんが、学業成就や合格祈願のお守りも数多くそろっています。自分用と家族用、友人への応援として渡す用など、用途に合わせて選べるのがうれしいところです。
一日のモデルプランとしては、午前中に防府天満宮でご祈祷と参拝を行い、境内の茶屋や防府市内で昼食をとったあと、午後に宇部方面へ移動して琴崎八幡宮を参拝する流れが考えられます。移動時間はそれなりにかかりますが、その道中で「これまでどれだけ頑張ってきたか」「これからどう過ごすか」を家族でゆっくり話す時間にすると、受験生にとってきっと忘れられない一日になるはずです。
3-2. 縁結び・良縁成就を願うときのコース
恋愛成就や良縁祈願を中心に初詣をしたい人には、「静かな神社」と「景色の良い神社」を組み合わせたコースがおすすめです。たとえば、午前中に山口市の山口大神宮を参拝し、午後から下関の赤間神宮へ向かうプランです。山口大神宮は、人とのご縁や仕事とのご縁など、人生全体の「つながり」を整えたいときにもぴったりの場所で、静かな境内で心を落ち着かせながら祈ることができます。
一方、赤間神宮は、朱色の社殿と海の景色が印象的な神社です。境内から関門海峡を眺めながら、「今年はどんな出会いがあるだろう」と新しい気持ちで一年を思い描く時間は、とても前向きな気分にさせてくれます。おみくじを引いて結果をわいわい話したあと、唐戸市場や門司港レトロを散策すれば、一日を通して「ご縁」と「旅」を楽しめるコースになります。
また、琴崎八幡宮には縁結びに関するお守りも用意されています。恋愛だけでなく、仕事や友人関係など、幅広い「良いご縁」を願いたい人には、こうしたお守りを携帯することも心の支えになります。自分の今の状況に合わせて、「どんな縁を大切にしたいのか」を考えながらお守りを選ぶと、持っているだけで気持ちが整う一品になるでしょう。
3-3. 金運・商売繁盛を願うなら巡りたい場所
金運アップや商売繁盛をテーマに初詣をしたい人に人気なのが、宇部市の琴崎八幡宮と岩国市の岩國白蛇神社を組み合わせたコースです。琴崎八幡宮では、商売繁盛や事業繁栄を願う企業や個人事業主が多く、仕事運に関するお守りも充実しています。一年の売上目標や仕事の目標を心の中で整理しながら参拝すると、新しい一年への気合いも入りやすくなります。
岩國白蛇神社は、国の天然記念物「岩国のシロヘビ」をまつる神社として知られています。白いヘビは昔から「金運の象徴」とされており、この神社では金運上昇や財運招福を願う人が多く訪れます。白蛇をモチーフにしたお守りや絵馬も人気で、「お金との付き合い方を見直したい」「貯金をがんばりたい」と思っている人にはぴったりのスポットです。
遠方から山口県に来る場合は、周南市の遠石八幡宮と宇部市の琴崎八幡宮を組み合わせるコースもおすすめです。遠石八幡宮で家内安全や仕事の無事を願い、そのあと琴崎八幡宮で具体的な金運・商売運の上昇をお願いする流れにすれば、気持ちの上でも「土台」と「攻め」の両方を意識した一年のスタートになります。参拝のあとは、お金の使い方や投資・貯金の計画をノートにまとめてみると、お願い事がより現実的な行動につながっていきます。
3-4. 交通安全・海上安全を願うときに行きたい神社
車を使うことが多い山口県では、交通安全の祈願も大切なテーマです。交通安全を願うなら、遠石八幡宮や琴崎八幡宮はもちろん、下関の住吉神社もおすすめです。住吉神社は、古くから海上安全・航海安全の神様として信仰されてきた神社で、近年では車やバイク、飛行機など、あらゆる「移動の安全」を願う人たちが参拝に訪れます。
家族で車を使う機会が多い家庭では、車のお祓い(車両祈祷)を受けるのも良い方法です。多くの神社で、新車のお祓いや一年の交通安全祈願を受け付けています。正月三が日は特に混み合うため、受け付け時間や必要な手順は、事前に公式サイトや電話で確認しておくと安心です。予約制の場合や、車両の待機場所が決まっている場合もあるので、自分たちのスケジュールに合わせて申し込みましょう。
海の近くにある神社の場合、初詣の帰りに海沿いの道をドライブするのもおすすめです。「今年も安全運転を心がけよう」と家族で話しながら車を走らせると、自然と意識が変わってきます。単に「事故にあいませんように」と願うだけでなく、「スピードを出しすぎない」「疲れたら休む」など、自分たちでできる具体的な行動もその場で決めてしまうと、祈願の効果が日常の生活にまでしっかりつながっていきます。
3-5. 家内安全・安産祈願で訪れたいスポット
家族みんなが元気に一年を過ごせるように願いたいときは、家内安全や安産祈願で知られる神社を選ぶのがおすすめです。琴崎八幡宮や遠石八幡宮では、家内安全・健康長寿・安産などの祈願が広く行われており、妊婦さんや小さな子ども連れの家族も多く訪れます。ご祈祷を受ける場合は、受付時間や服装の注意点を事前に確認し、時間に余裕を持って出かけると落ち着いて参拝できます。
山口大神宮の境内にある多賀神社には、「安産石」と呼ばれる石があります。健康や病気平癒、安産などを願って撫でる人も多く、静かな環境の中でゆっくり手を合わせることができます。人混みや大きな音が苦手な妊婦さんや乳幼児連れの家庭には、このような落ち着いた雰囲気の神社が向いています。
萩の東光寺のような寺院も、心を静かに整えたいときにおすすめです。石灯籠が並ぶ境内を歩いていると、自然と自分自身や家族のことをゆっくり考える時間が生まれます。神社とお寺は信仰の形が少し違いますが、「家族が無事でありますように」と願う気持ちは同じです。神社で家内安全や安産祈願をし、お寺で感謝や決意を改めて心に刻むという二段構えの初詣も、山口ならではの豊かな過ごし方と言えるでしょう。
4. 混雑が苦手な人のための、2026年山口・穴場初詣プラン
4-1. 時間帯をずらすだけで快適になる参拝テクニック
混雑が苦手な人にとって、「初詣=人混みでぐったり」というイメージはできれば避けたいものです。しかし、行く時間帯を少し工夫するだけで、同じ神社でも驚くほど快適に参拝できることがあります。ポイントは、「多くの人が動く時間を避ける」ことです。
例年、多くの神社・寺院で人が集中するのは、大みそかの深夜(23時〜1時ごろ)と、元日の午前10時〜午後3時ごろです。この時間帯を外して、元日の早朝(7〜9時ごろ)や、2日・3日の夕方以降を狙えば、同じ人気神社でも行列がかなり短く感じられるはずです。早起きが得意な人は「初日の出前後に参拝して、帰ってからゆっくりおせち」というスタイルも良いでしょう。
さらに混雑を避けたい場合は、「正月三が日以外に初詣をする」という選択肢もあります。近年、多くの神社や自治体が、分散参拝のために「1月中ならいつでも初詣として構いません」といった呼びかけを行っています。三が日を避ければ、駐車場や参道もかなり余裕があり、御朱印やお守りも慌てずに受け取ることができます。仕事や学校の予定と相談しながら、自分たちにとって無理のないタイミングを選ぶことが大切です。
4-2. 比較的人出が少ない小さな社寺の楽しみ方
大規模な有名神社は魅力的ですが、どうしても人が多くなります。静かにお参りしたい人や、人混みが得意でない人には、地域の小さな神社やお寺を訪れる初詣もおすすめです。住宅地の中にある氏神さまや、観光ガイドにはあまり大きく取り上げられていないお寺などは、三が日でも比較的落ち着いた雰囲気のことが多いです。
萩の城下町の中にも、小さな社やお堂が点在しています。志都岐山神社のように歴史的な背景を持ちながらも、観光客が多すぎず、ゆっくり参拝できる場所もあります。こうした場所では、おみくじやお守りの種類は大きな神社ほど多くないかもしれませんが、その分、地元の人々の生活と密着した「日常の祈り」の場としての温かさが感じられます。
小さな社寺を回るときは、「何か特別なご利益を求める」というよりも、「一年の始まりに、感謝の気持ちと小さな決意を伝えに行く」という感覚で訪れてみると良いでしょう。境内の案内板や碑文をじっくり読んで、その土地の歴史や物語に触れるのも楽しい時間です。大きなイベントはなくても、自分だけの静かな初詣の思い出を作ることができます。
4-3. 車でも安心、駐車場を確保しやすい場所の選び方
「どうしても車で行きたいけれど、渋滞や駐車場探しはできるだけ避けたい」という人は、あらかじめ駐車の作戦を立てておくと、当日のストレスが大きく減ります。コツは、「神社に一番近い駐車場」にこだわりすぎないことです。神社の目の前の駐車場は便利ですが、その分混み合い、出るときにも大渋滞になりがちです。
代わりに、駅周辺や少し離れたエリアのコインパーキングに車を停めて、そこから徒歩やバスで神社に向かう方法を検討してみてください。防府天満宮ならJR防府駅周辺、遠石八幡宮ならJR櫛ケ浜駅周辺といったように、鉄道駅の近くには比較的余裕のある駐車場が見つかることが多いです。体力に余裕があるなら、「少し歩く代わりに、行き帰りの渋滞を減らす」という考え方に切り替えると、結果的に時間の節約にもなります。
また、大規模な初詣スポットでは、自治体や神社が臨時駐車場やシャトルバスを用意することがあります。これらの情報は、公式サイトや広報資料、観光案内ページなどで事前に告知されることが多いので、2026年に出かける前に一度はチェックしておきたいところです。駐車場を選ぶときは、「帰りに出やすい場所かどうか」も重要です。出口が1か所しかない狭い駐車場より、少し歩いても出入りしやすい駐車場の方が、スムーズに帰路につきやすくなります。
4-4. 宿とセットで楽しむ「泊まりがけ初詣」という過ごし方
2026年の正月は、カレンダー上で4連休を取りやすい並びになっています。そのため、「初詣は旅もかねて、泊まりがけでゆっくり行く」というプランも立てやすい年です。山口県には、湯田温泉・長門湯本温泉・俵山温泉・阿知須温泉など、多くの温泉地があります。温泉宿に泊まり、夜や朝の比較的空いている時間に近くの神社へ初詣に行くスタイルなら、移動の疲れを温泉でいやしつつ、新年をのんびり迎えることができます。
たとえば、長門湯本温泉に宿を取り、翌日に長門エリアや萩の社寺を巡るコース。あるいは、湯田温泉に泊まって山口大神宮や瑠璃光寺を訪れるコースなど、温泉と初詣を組み合わせたプランはいくつも考えられます。宿によっては、「初詣に便利な時間帯の送迎バス」や「年越しそば付きのプラン」など、正月ならではのサービスを用意しているところもあるので、宿選びの際にチェックしてみると楽しいでしょう。
泊まりがけなら、初詣の時間帯を柔軟に選べるのも大きなメリットです。夕食後に少し休んでから、深夜に歩いて近くの神社へお参りに行き、戻ってきてから温泉につかって体を温めてから寝る。あるいは、早朝の澄んだ空気の中で参拝を済ませ、朝風呂と朝食をゆっくり楽しむ。どちらのパターンも、日帰りではなかなか味わえない贅沢な時間の使い方です。
4-5. ゆっくり御朱印をいただきたい人向けのポイント
御朱印集めが好きな人にとって、初詣は新しい御朱印帳をスタートさせる良いタイミングです。ただし、正月三が日はどこの社務所も大忙しで、御朱印をお願いする列が長くなることがあります。書き手の方も一枚一枚ていねいに書いているので、どうしても時間がかかるのは仕方のないところです。御朱印を受けたい場合は、「待つ時間も含めて楽しむ」くらいの余裕を持っておきましょう。
ゆっくり御朱印をいただきたい人には、1月中旬以降の落ち着いた時期に参拝することをおすすめします。東光寺のような寺院では、季節ごとにデザインの違う御朱印を用意していることもあり、タイミングを変えて何度か訪れる楽しみ方もあります。萩の神社・お寺をいくつかまとめて回り、「萩御朱印ツアー」のような一日を作るのも面白いプランです。
御朱印をお願いするときは、御朱印帳をあらかじめ開いて、印を押してほしいページをすぐ出せる状態にしておきます。順番が回ってきたら、軽く一礼して「お願いします」と手渡し、受け取るときには「ありがとうございました」と一言添えると、双方気持ちよくやり取りができます。写真を撮る場合は、御朱印帳を地面に直置きするより、ベンチや机の上に置くか、手に持った状態で撮る方が、よりていねいな扱いになります。
5. 初詣をもっと楽しむためのマナーと豆知識
5-1. 神社とお寺での基本の作法をやさしくおさらい
初詣のとき、「作法を間違えたら失礼かな」と不安になる人もいるかもしれません。ですが、基本さえ押さえておけば大丈夫です。まず神社の場合、鳥居の前で軽く一礼してからくぐり、参道の真ん中は神様の通り道とされるので、少し端を歩くようにします。手水舎では、ひしゃくで水をすくい、左手・右手・口の順に清め、最後にひしゃくの柄を流して元に戻します。
拝殿の前では、お賽銭をそっと入れ、鈴があれば軽く鳴らしてから姿勢を正します。その後、「二礼二拍手一礼」が一般的な作法です。深く二回おじぎをし、胸の前で二回手をたたき、最後にもう一度深くおじぎをします。お願いごとは心の中で静かに伝えましょう。「〜してください」だけでなく、「〜できるように自分も努力します」と付け加えると、気持ちの中での覚悟が少し強くなります。
お寺の場合も、基本的な流れは似ていますが、拍手をしない点が大きな違いです。山門の前で軽く一礼してからくぐり、手水舎で手と口を清めます。本堂の前ではお賽銭を入れ、静かに手を合わせて合掌し、一礼します。拍手は打たず、心の中でご本尊に祈りを捧げます。東光寺のような歴史あるお寺では、境内に作法の説明が掲示されていることも多いので、初めての人でも落ち着いてお参りできます。
5-2. お賽銭・おみくじ・お守りの意味を知ろう
お賽銭は、神様や仏さまに「お願いします」という料金ではなく、「いつも見守っていただいてありがとうございます」という感謝を表すお供えです。金額の多さがそのまま願いの重さを決めるわけではありません。5円・50円など「ご縁」にちなんだ金額を入れる人もいれば、その年に自分が大切にしたい数字を選ぶ人もいます。大切なのは、無理のない範囲で、自分の気持ちがこもる額を入れることです。
おみくじは、吉・凶の文字だけに一喜一憂しがちですが、本当に大事なのは中に書かれた内容です。たとえ凶が出ても、「こういうところに気をつければ、もっと良い一年になるよ」というアドバイスだと思って、落ち着いて全文を読んでみてください。気になった一文だけスマホで写真を撮っておき、紙そのものは境内の指定された場所に結んで帰る人も多いです。
お守りは、小さな袋の中に神様や仏さまの力を分けてもらった、とても大切なものです。カバンや財布、通学・通勤バッグなど、日常的に持ち歩くものにつけておくとよいでしょう。琴崎八幡宮のようにお守りの種類が多い神社では、ついついあれもこれも欲しくなりますが、「今の自分や家族に一番必要なものはどれか」を考えながら選んでみてください。そうすると、お守りを見るたびに、そのときの気持ちや決意を思い出せる存在になります。
5-3. 古いお守りやお札はどうする?納め方とタイミング
「去年のお守りやお札が家にたくさん残っているけれど、どうしたらいいのだろう」と悩んでいる人は少なくありません。一般的には、お守りやお札は一年を目安に神社やお寺に返納するのがよいとされています。初詣のときに、新しいお守りをいただくタイミングで、古いものを「古札納所」や「お焚き上げ」と書かれた箱に納めれば問題ありません。
本来受けた神社・お寺に返すのが理想ですが、別の神社・お寺でも受け付けてくれることが多いです。心配な場合は、社務所や寺務所で「他の場所のお守りも一緒に納めてよいでしょうか」と一言たずねてみてください。遠方の神社のお守りで、どうしても持って行くのが難しい場合は、白い紙に包み、感謝の気持ちをこめてから一般ごみとして処分する、という考え方もあります。
年末のうちに一度神社を訪れ、古いお守りを納めて一年の感謝を伝え、年が明けてから新しいお守りを受け取るという流れにすると、気持ちのうえで一年の区切りがつけやすくなります。防府天満宮など、年末から参拝者が増え始める神社では、12月のうちに古いお守りだけ先に納めておくと、三が日の荷物が少なくて済むというメリットもあります。
5-4. 写真撮影のOK・NGとSNSに投稿するときのマナー
初詣では、きれいな社殿や家族の笑顔など、思わず写真に収めたくなる場面がたくさんあります。ただし、神社やお寺は「祈りの場」ですから、撮影のマナーにも少し気を配りたいところです。多くの場所では、境内での撮影は問題ありませんが、本殿や拝殿の中、御神体がまつられている場所など、撮影禁止のエリアが決められていることがあります。案内板や掲示をよく確認し、禁止されている場所ではカメラやスマホを向けないようにしましょう。
また、他の参拝者の顔がはっきり写っている写真をSNSに投稿するのは、できるだけ避けた方が無難です。どうしても写り込んでしまった場合は、スタンプやぼかしを入れてから投稿するなど、プライバシーに配慮した一工夫を意識したいところです。特に子どもの顔が写っている場合は、親の立場から見ても気になる部分なので注意が必要です。
御朱印やおみくじを撮るときも、御朱印帳を地面に直に置いて撮るより、手に持つか、ベンチや机の上に置いて撮影する方が丁寧な扱いになります。また、スマホの連写音やフラッシュが周囲の人の邪魔にならないよう、設定を確認しておくと良いでしょう。「自分がされて嫌な撮られ方を、誰かにしない」という意識を持っていれば、大きくマナーを外すことはありません。
5-5. 2026年の一年を気持ちよくスタートするための心構え
最後に、初詣をより意味のある時間にするための心構えについて考えてみましょう。初詣は、「お願いごとをする場所」というイメージが強いかもしれませんが、それだけではありません。むしろ「一年のスタートラインに立つ場所」ととらえると、参拝の時間がぐっと深いものになります。
神社やお寺に向かう前に、少しだけ時間をとって「去年できたこと」「反省していること」「今年挑戦したいこと」をノートやスマホに書き出してみてください。書き出しておくと、いざ手を合わせたときに、伝えたいことが自然と言葉になって出てきます。「〜できますように」と願うだけでなく、「〜できるようにこう行動します」と心の中で付け加えれば、自分自身との約束としての意味も出てきます。
参拝の列に並んでいる間や、帰り道の車の中も、実はとても貴重な時間です。家族や友人と「今年はこんなことをしてみたい」「ここに旅行に行きたい」と話したり、一人でじっくり将来のことを考えたりすることで、自然と気持ちが前向きになっていきます。お願いごとがすぐに叶うかどうかは別として、「新しい一年をどう生きたいか」をしっかりイメージし直すこと。そのきっかけを与えてくれるのが、初詣という時間なのかもしれません。
まとめ
山口県は、人口あたりの神社の数が全国でも上位に入る「神社密度の高い県」として紹介されることが多く、防府天満宮・遠石八幡宮・琴崎八幡宮・住吉神社・赤間神宮・山口大神宮・志都岐山神社・東光寺など、魅力的な社寺が数多くあります。にぎやかな雰囲気を楽しみたい人にも、静かな空間で心を整えたい人にも、それぞれに合った場所が見つかるのが山口の良いところです。
2026年のお正月は、カレンダーの並び的にも連休を取りやすく、日帰りの初詣だけでなく、温泉とセットにした泊まりがけの旅を計画しやすい年です。混雑が苦手な人は時間帯や日程をずらし、家族構成や体力に合わせて移動手段を選び、ご利益のテーマに合わせて社寺を組み合わせることで、自分たちだけのオリジナルな初詣プランを作ることができます。
大切なのは、「どこにお参りに行くか」だけではなく、「どんな気持ちで一年を始めたいか」です。本記事で紹介したスポットやコース、注意点やマナーを参考にしながら、自分や家族にとって心から納得のいく初詣の形を考えてみてください。山口の社寺での初詣が、2026年の良いスタートとなり、一年を通して支えになる思い出になりますように。


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