① 2026年の徳島で初詣に行く前に知っておきたいこと

2026年の年明け、あなたはどこで初めての一礼を捧げますか。徳島には、阿波一宮の大麻比古神社や厄除けで名高い薬王寺、四国お遍路の出発点である霊山寺、ロープウェイで向かう雲辺寺や太龍寺など、新しい一年を迎えるのにふさわしい場所が数多くあります。さらに、大浜海岸のだるま朝日、鳴門「渦の道」からの海上のご来光、眉山や津峯神社の山頂からの初日の出など、景色とあわせて楽しめるスポットも豊富です。一方で、三が日の混雑や駐車場、寒さへの不安もつきものです。この記事では、「徳島」「初詣」「2026年」をキーワードに、定番神社・寺院の特徴、初日の出スポット、家族やカップル、一人旅向けのモデルコース、予算の目安や服装・防寒のポイントまでまとめて紹介します。読み終わるころには、「今年はここに行ってみよう」という具体的なイメージが自然と浮かんでくるはずです。
1-1 2026年(令和8年)のカレンダーと初詣に行きやすい日
まずは、2026年のお正月の並びをざっくり頭に入れておくと予定が立てやすくなります。2026年は干支で言うと丙午の午年で、1月1日は木曜日・元日・大安です。2025年12月31日が水曜日、2026年1月2日が金曜日、3日が土曜日、4日が日曜日、5日が月曜日という並びになっています。多くの会社や学校では、1月4日まで休みというパターンが想像しやすく、三が日に加えて4日の日曜日まで人出が集中する可能性が高い年です。
例年の徳島の初詣の傾向を見ると、元日は終日混雑、2日と3日は昼前後を中心にピーク、4日以降になると少しずつ落ち着いていきます。ただし、実際には1月15日頃までを「初詣」として受け止めている神社やお寺も多く、三が日に行けなかったからといってご利益が減るという考え方は一般的ではありません。むしろ近年は、混雑を避けてゆっくり参拝してもらうために、分散参拝を勧めるところが増えています。
そのため、「元日は近所の氏神様」「人気スポットは1月の二週目にゆっくり」というように、日を分けて計画するのも十分ありです。家族や友人と予定を合わせるのが難しい場合は、代表者がご祈祷などの正式参拝を受けてお札を授かり、別の日にみんなでお参りに行くやり方もよく行われています。「三が日に絶対行かないといけない」という思い込みをいったん横に置いて、無理のない日程を考えてみてください。
1-2 三が日の時間帯別混雑イメージと比較的空きやすいタイミング
同じ元日でも、何時ごろに行くかで混み具合は大きく変わります。徳島の代表的な神社やお寺の三が日の傾向を、おおまかに時間帯ごとに整理しておきます。
まず、年越し直後の0時から2時ごろまでは、除夜の鐘があるお寺やカウントダウンイベントを行うスポットが混雑する一方で、多くの神社はまだ参拝待ちが短めのところもあります。大麻比古神社のような大規模な神社でも、「年明けすぐの時間帯は比較的動きやすい」と感じる人は少なくありません。
初日の出前後の早朝6時から9時ごろは、眉山ロープウェイや大浜海岸、津峯神社など、初日の出スポット周辺がかなり混み合います。大鳴門橋の「渦の道」でも、ここ数年は1月1日6時30分からの特別早朝開館「初日の出 in 渦の道」が行われており、2025年も多くの人が訪れました。2026年も同様の企画が想定されていますが、この記事では2025年までの実績をもとに紹介しているので、実際に行く場合は直前に公式サイトで開催有無と時間を必ず確認してください。
昼前から15時ごろまでは、大麻比古神社や薬王寺、霊山寺といった人気の寺社が軒並みピークで、駐車場待ちや参拝列で1時間近くかかることもあります。少し落ち着くのが15時から18時ごろで、日没前後の時間帯です。家族連れなら、朝はゆっくりして昼食を早めに済ませ、14時ごろから動き始めると、混雑と寒さのバランスが取りやすくなります。
19時以降になると、元日でも人の数はかなり減り、ライトアップされた境内を落ち着いて歩けるところも増えてきます。仕事や家事の都合で昼間に行けない人は、あえて元日の夜や2日・3日の夜を狙うのも現実的な選択肢です。時間帯を少しずらすだけでも、見える景色や感じ方はかなり変わってきます。
1-3 徳島の1月の気温と服装・防寒の考え方
徳島市の1月の平年値を見ると、平均気温はおよそ6〜7度、最高気温が10度前後、最低気温が3度前後という数字になっています。数字だけを見ると「思ったほど寒くなさそうだ」と感じるかもしれませんが、初詣や初日の出は夜明け前や夕方以降に屋外で長時間立っていることが多く、体感温度は実際の気温よりかなり低く感じられます。
特に海風が吹き付ける大浜海岸や渦の道、津峯神社のような高台は、同じ気温でも街中より一段階寒いと思っておいた方が安全です。海風と標高の影響で、風速が少し増えるだけでも体感温度が大きく下がります。
服装は、厚手のコート一枚で調整するよりも、薄手のものを重ねる「レイヤー」を意識しましょう。例えば、発熱素材のインナー、長袖シャツやニット、薄手のフリース、その上に防風性の高いコートという組み合わせです。必要に応じて一枚ずつ脱ぎ着できるので、昼間に気温が上がっても対応しやすくなります。
足元は、厚手の靴下と履き慣れたスニーカーやブーツが安心です。ヒールの高い靴は、砂利道や階段が多い境内には向きません。首・手首・足首をしっかり守ると体感温度がぐっと変わるので、マフラーやネックウォーマー、手袋、タイツなども忘れずに用意したいところです。
さらに、貼るカイロを腰や背中、足の裏に仕込んでおくと、冷え方がかなり違います。昼間に参拝する場合でも、列に並んでいる時間は思った以上に長くなりがちです。脱ぎ着しやすい格好で出かけ、混雑や天候に合わせて調整できるようにしておくと安心です。
1-4 参拝マナーと神社とお寺の基本的な違い
初詣で意外と気になるのが、「ここは拍手をしていいのか」「どこからどう歩けばよいのか」といった作法です。細かいところまで完璧である必要はありませんが、基本を知っておくと、初めて行く神社やお寺でも落ち着いて参拝できます。
まず神社では、鳥居をくぐる前に一礼し、参道の中央を避けて左右どちらかを歩きます。中央は神さまの通り道とされているためです。手水舎では、柄杓で水をすくい、左手・右手の順に清め、左手に受けた水で口をすすぎます。柄杓の柄の部分を軽く流してから元の位置に戻すのが一般的な順番です。
拝殿の前に来たら、お賽銭を入れ、鈴があれば鳴らし、二礼二拍手一礼の順で拝礼します。このとき、お願い事を長々と並べるよりも「今年は健康に気をつけて仕事に励みますので、見守ってください」のように、簡潔な報告と決意を伝えるイメージで手を合わせると気持ちがまとまりやすくなります。
一方、お寺には通常鳥居がなく、入口で合掌して軽く一礼するのが基本です。お賽銭を入れたあと、胸の前で静かに手を合わせて祈ります。お寺では拍手はしない形が一般的なので、そこだけ気をつけておくと安心です。また、寺院によってはロウソクや線香、おみくじを引く順番などの案内が掲示されていることもあります。境内に説明板が出ている場合は、それに従うのが一番確実です。
混雑時には、手水を簡略化したり、鈴を鳴らさない人も多いので、周りの流れを見ながら無理のない範囲で行えば十分です。大事なのは、心を落ち着けて手を合わせることです。
1-5 子ども連れ・シニアと一緒に行くときのポイント
家族全員で出かける初詣は思い出に残りますが、子どもや高齢の家族と一緒だと、どうしても疲れやすくなります。ちょっとした工夫で、負担をぐっと減らすことができます。
小さな子どもと一緒の場合は、出発前に「今年は勉強を頑張る」「サッカーでレギュラーになる」など、お願いごとを一つに絞って一緒に考えておくと、列に並んでいる時間も会話が続きます。お参りの時間が近づいてきたら、「さっき決めたお願いを心の中で言ってみよう」と声をかけると、子どもも気持ちを切り替えやすくなります。
ベビーカーは、広い参道のある大麻比古神社や霊山寺ならおおむね問題なく使えますが、階段が多い薬王寺などでは抱っこひもと併用した方が安心です。トイレの位置は、参拝前に必ずチェックしておき、列に並ぶ前に一度行っておくと慌てずにすみます。混雑しているとトイレまでたどり着くのにも時間がかかるので、「少し早めに済ませる」を意識しておくと良いでしょう。
シニアや足腰が弱い家族と一緒のときは、駐車場から本殿までの距離と段差の有無がとても大事です。大麻比古神社や霊山寺は比較的平坦な道が多く歩きやすい一方で、薬王寺や太龍寺、雲辺寺は階段や坂道が多い場所です。山上の寺に行きたい場合は、ロープウェイや山麓からの送迎などをうまく利用して、歩く距離を短くする計画を立てると良いでしょう。
また、三が日の昼間のような混雑ピークは、立ちっぱなしの時間が長くなり体力を消耗します。家族の体調に合わせて、早朝や夕方など比較的人が少ない時間帯を選ぶ、途中で必ず温かい飲み物を飲む時間をつくるなど、無理をしない計画をあらかじめ決めておくと、みんなが笑顔で帰宅しやすくなります。
② 徳島の定番人気スポットで迎える2026年の初詣
2-1 阿波一宮・大麻比古神社のご利益と初詣の特徴
鳴門市大麻町にある大麻比古神社は、古くから阿波国一宮として崇敬されてきた神社です。地元では「おおあささん」「おおさはん」といった呼び名でも親しまれています。境内の奥には樹齢千年以上とも伝わる巨大なクスノキがそびえ立ち、参道の最初には高さ約14.6メートルという堂々とした大鳥居が構えています。参道は約800メートルあり、年の初めに歩くと背筋が自然と伸びるような雰囲気があります。
ご祭神の大麻比古大神は、農業や産業、道案内の神として信仰されてきました。交通安全や厄除け、仕事運、家内安全など、生活全般の「道を開く」ご利益があるとされており、お守りの種類も豊富です。毎年正月三が日だけで20万人を超える参拝者が訪れると言われ、徳島県内の初詣スポットの中でもトップクラスの人出になります。
アクセスは、JR板東駅から徒歩約15分、徳島自動車道や高松自動車道からの車アクセスも整っています。境内には普段から約1000台分の駐車場があり、正月は周辺に臨時駐車場も用意されますが、それでも三が日の昼間は周辺道路に大きな渋滞が発生するのが定番です。過去の状況を見ると、元日と2日の10時から15時ごろが特に混みやすく、到着までに1時間以上かかることもあります。
混雑を少しでも避けたいなら、元日の早朝か夕方以降、あるいは4日以降の土日に日程をずらす方法が現実的です。境内は比較的平坦な石畳や砂利道で、歩きやすい靴であれば子どもから高齢の人までゆっくり参拝できます。徳島でどこか一か所だけ選ぶなら、候補に必ず挙がる王道の神社です。
2-2 四国お遍路一番札所・霊山寺で「スタート運」をもらう
同じ鳴門市大麻町にある霊山寺は、四国八十八ヶ所霊場の第一番札所として全国に知られています。地元では「一番さん」と呼ばれ、お遍路のスタート地点として多くの巡礼者が一年を通して訪れます。2026年の初詣でも、健康祈願や一年の安全を願う人、お遍路を始めたいと考えている人など、さまざまな目的の参拝者が集まることが予想されます。
霊山寺の本尊は釈迦如来で、無病息災や身体健全のご利益があると言われています。境内に入ると、池にかかった橋を渡り、仁王門、本堂、大師堂、多宝塔と続きます。大麻比古神社と比べると人出は少し落ち着いており、静かな雰囲気の中で手を合わせたい人には向いている場所です。
納経時間は、近年はおおむね朝7〜8時ごろから夕方17時ごろまでという運用がされており、元日も夜通し参拝できる年が多いです。ただし、時間帯や対応内容は年によって多少変わることがあるため、2026年正月に行く場合は事前に公式情報を確認するのがおすすめです。
アクセスは、JR板東駅から徒歩約10〜15分で、徳島駅から板東駅までは普通列車で20分前後です。駅から寺までは住宅街や田畑の中を歩く道で、道標もしっかり出ています。霊山寺の門前には、白衣や菅笠、納経帳などお遍路用品をほとんど一式そろえられる店も並んでいます。初詣をきっかけに「今年は一度だけでもお遍路に挑戦してみよう」という気持ちがわいたら、ここで道具をそろえてみるのも良いきっかけになります。
2-3 厄除けの寺・薬王寺で一年の不安をすっきり手放す
徳島県南部、美波町の日和佐にある薬王寺は、四国八十八ヶ所霊場第二十三番札所であり、全国的にも有名な厄除けの寺です。弘法大師空海が42歳の厄年のときに訪れ、自ら本尊の厄除薬師如来を刻んで開いたという伝承が残っています。そのことから、厄除根本祈願所として歴代の天皇や多くの人々の信仰を集めてきました。
境内には、女厄坂33段、男厄坂42段、還暦厄坂61段という石段があり、それぞれの段の上に一枚ずつ賽銭を置きながら登る独特の風習があります。階段の下には、経文を書いた小石が埋められているとも伝えられており、厄を一段ずつ落としながら上がっていくイメージです。正月三が日には、この厄坂を目当てにした参拝者が全国から訪れ、近年の報道では三が日だけで約20万人前後の人出となっています。
薬王寺はJR日和佐駅から徒歩5〜10分と、車がなくても訪れやすい立地です。普通車350〜500台ほどの無料駐車場も整備されていますが、三が日の昼間は周辺道路に交通規制が敷かれ、渋滞が発生します。事前に交通規制図を確認し、誘導に従うことが大切です。
階段が多い寺なので、歩きやすい靴と両手のあく服装が必須です。本堂からは日和佐の町並みや大浜海岸が一望でき、海と山と町をまとめて見渡せる景色が広がります。厄年の人はもちろん、何となく運気の流れを変えたい人や、健康面の不安を少しでも軽くしたい人にとって、気持ちの切り替えがしやすい場所です。
2-4 雲辺寺と太龍寺、ロープウェイで行く山上の寺院
徳島とその周辺には、ロープウェイで山上に向かう特別感のある寺院があります。代表的なのが、三好市にある雲辺寺と、那賀町にある太龍寺です。
雲辺寺は四国八十八ヶ所霊場第六十六番札所で、霊場の中でも最も標高の高い寺として知られています。山頂の標高はおよそ900メートルを超え、山頂駅の標高は約916メートルです。香川県側から運行されている雲辺寺ロープウェイは、全長約2,594メートル、高低差約657メートルで、山麓駅から山頂駅まで約7分の空中散歩が楽しめます。冬場には雪景色になることも多く、正月に訪れると白銀の境内で凛とした空気を味わえます。ロープウェイの往復料金は2025年11月時点で大人2,200円、小児1,100円前後です。
太龍寺は四国霊場第二十一番札所で、「西の高野」と呼ばれる山上の名刹です。太龍寺ロープウェイは全長2,775メートルと西日本でもトップクラスの長さを誇り、山麓駅から山上駅まで約10分。眼下に那賀川の流れや山里の景色が続きます。往復料金は2025年11月時点で大人2,600円前後で、初詣シーズンには元日の早朝に初日の出に合わせた特別運行が行われてきました。2025年元日も早朝運行が実施されており、この記事ではその実績をもとに2026年も同様の運行が見込まれる前提で紹介しています。ただし、時間帯や運行本数は毎年微調整が入るため、出かける前に公式サイトで必ず最新情報を確認しておきたいところです。
どちらの寺も、山上ならではの澄んだ空気と眺望が魅力で、人混みの中での初詣が苦手な人には特におすすめです。ただし、ロープウェイ乗り場までの道路は山道で、積雪や凍結の可能性もあるので、車で行く場合はスタッドレスタイヤやチェーンなど安全対策をしっかりしておきましょう。日が落ちると一気に路面温度が下がるので、夕方遅くの山道運転は控えめにし、暗くなる前に下山する心がけも大切です。
2-5 ご利益別・エリア別で選ぶ徳島の主な初詣スポット一覧
ここまでに登場した徳島の代表的な初詣スポットを、ご利益とエリア別に整理しておきます。どこに行くか迷ったときの参考にしてください。
北部エリアでは、鳴門市の大麻比古神社が厄除けや交通安全、開運、家内安全を幅広く祈れる阿波一宮として人気です。同じ鳴門市の霊山寺は、お遍路のスタート地点として「新しいことを始めたい」「一年の出発点を大事にしたい」というときに向いています。徳島市周辺では、眉山山頂の小さな祠や、徳島市内の各氏神社も、地元の人にとって大切な場所です。
南部エリアには、厄除けの薬王寺と、初日の出スポットとして知られる大浜海岸、そして少し西に足を伸ばせば那賀町の太龍寺があります。阿南市方面では、津峯神社が海と山の景色を同時に楽しめる高台の神社として人気です。スカイラインの通行料が無料になったことで、以前よりも車で行きやすくなっています。
西部・山間部に目を向けると、雲辺寺のほかにも、祖谷の地域の小さな社や寺が静かな初詣の場所になっています。ご利益の面で見ると、「厄除け」を重視するなら薬王寺、「人生の岐路や開運」を意識するなら大麻比古神社や太龍寺、「旅の安全や無病息災」を願うなら霊山寺や雲辺寺が代表的な選択肢です。
もちろん、どの寺社でも基本的なご利益は重なっています。住んでいる場所からのアクセスと、お願いしたい内容、そして景色や雰囲気を総合して、自分や家族に合った一か所を選ぶと、満足度の高い初詣になります。
③ 初日の出も楽しめる徳島の絶景スポット
3-1 大浜海岸と薬王寺を組み合わせた南部王道コース
徳島県南部、美波町の日和佐にある大浜海岸は、ウミガメの産卵地として全国的に知られている砂浜です。日本の渚百選にも選ばれており、太平洋に面した水平線からゆっくりと朝日が昇っていく様子を間近に見ることができます。気温や風の条件がそろうと、海面近くの空気が冷えて太陽の下の部分が海面とつながって見える「だるま朝日」と呼ばれる現象が現れることがあり、これを目的にカメラを構える人も少なくありません。
近年は、元日に地元の太鼓演奏や振る舞いなどのイベントが行われる年もあり、日の出の時間帯には県内外から多くの人が集まります。2024年、2025年も同様の催しが行われており、2026年も何らかの形で企画されることが想像されますが、具体的な内容や開始時間は年ごとに変わるため、年末に最新の案内をチェックしておくと安心です。
大浜海岸から徒歩圏内には、先ほど紹介した薬王寺があります。日和佐駅から薬王寺までは徒歩5〜10分、大浜海岸までは駅から20分ほどで、ゆっくり歩いても回れる距離です。おすすめは、前日に日和佐に宿泊し、元日の早朝に大浜海岸で初日の出を見てから薬王寺に向かう流れです。
だるま朝日が見られればもちろんうれしいですが、たとえ条件がそろわなくても、暗い砂浜から少しずつ明るくなっていく空と海を眺める時間は、それだけで特別な体験になります。参拝のあとは、薬王寺に隣接する温泉施設で冷えた体を温めることもできるので、南部エリアで一日完結させたい人にとって王道の組み合わせと言えるでしょう。
3-2 鳴門「渦の道」から眺める海上45メートルのご来光
鳴門市の大鳴門橋の橋桁部分に作られている「渦の道」は、海面から約45メートルの高さにある全長約450メートルの遊歩道です。床の一部がガラス張りになっており、真下に渦潮が巻く鳴門海峡の海を覗き込むことができます。ふだんは日中の観光スポットという印象が強い場所ですが、近年は毎年1月1日に「初日の出 in 渦の道」といった特別イベントが行われ、早朝から開館して海上からご来光を眺められる企画が続いています。
2025年には、6時30分からの特別早朝開館が実施され、大人510円前後の入場料で、多くの人が橋の上からの初日の出を楽しみました。この記事では2025年までの実績をもとに紹介しており、2026年も似た時間帯と料金で開催されることが想定されますが、天候や社会状況によって時間変更・中止になる可能性もあるため、参加したい場合は12月に公式サイトで詳細を確認しておく必要があります。
渦の道がある鳴門公園周辺には、エスカヒル鳴門などの展望施設や、鳴門海峡を一望できる飲食店、土産物店が集まっています。初日の出を見たあと、そのまま公園内を散策したり、鳴門鯛や鳴門金時を使った料理で温かい朝食をとることもできます。その後、車で20〜30分ほど走れば大麻比古神社にも到着できるので、初日の出と初詣の両方を鳴門エリアで完結させたい人には特に便利です。
海風が強く寒さが厳しくなることが多い場所なので、帽子やネックウォーマー、手袋などを忘れずに持って行きましょう。橋の上は思っている以上に風を受けるので、フード付きのアウターや、風を通しにくい素材のコートがあると安心です。
3-3 眉山ロープウェイで徳島市街と吉野川を一望する朝
徳島市のシンボルとも言える眉山は、標高およそ290メートルの小高い山です。山頂へは、徳島市中心部の阿波おどり会館から眉山ロープウェイが運行されており、約6分の空中散歩で一気に上まで登ることができます。山頂からは、徳島市街地や吉野川、新町川、助任川の流れ、天気の良い日には遠くに淡路島や大鳴門橋を見渡すこともできるパノラマが広がります。
近年、元日の早朝にはこのロープウェイが特別ダイヤで運行され、山頂から初日の出を拝めるようにする企画が行われています。2025年には、元日の運行時間が朝6時から夕方までと案内されていました。2026年も同じようなイメージでの運行が予想されますが、具体的な始発時刻や料金は毎年微調整が入るため、事前の確認が欠かせません。
料金の目安としては、2025年の時点でロープウェイ往復が大人1,500円程度、小学生以下800円程度となっていました。徳島駅から阿波おどり会館までは徒歩圏内で、車がなくてもアクセスしやすいのが眉山の大きな利点です。
初日の出を見終わったあとは、徳島市内のカフェやモーニングを提供する店に立ち寄り、その日の午後に少し離れた神社へ初詣に行くという流れも組みやすくなります。朝の山頂は想像以上に風が冷たく、日の出を待つ間じっとしている時間が長いので、しっかりした防寒と、温かい飲み物が入った水筒を持って行くと心強いです。
3-4 津峯神社や山頂からの初日の出スポットいろいろ
阿南市にある津峯神社は、橘湾を見下ろす津峯山の山上に鎮座する神社です。境内からは「阿波の松島」と呼ばれる橘湾の島々や、紀伊水道の広がり、天候がよければ遠く鳴門海峡や和歌山方面まで見渡せると言われています。元日には早朝から多くの参拝者が訪れ、山頂から水平線に昇る初日の出を拝もうとする人でにぎわいます。
津峯神社へは、津峯スカイラインを通って車で山頂近くまで上がるルートが一般的です。この津峯スカイラインは、かつては普通車で往復600円前後の通行料が必要な有料道路でしたが、2025年4月から通行料が無料になり、現在は料金不要で山麓から山頂近くまでドライブできる道路になっています。通行料の負担がなくなったことで、以前よりも気軽に津峯神社に足を運べるようになりました。
スカイラインの山頂付近には駐車場があり、そこから本殿までは坂道と石段を少し歩きます。山頂の駐車場から続く石段は、暗い時間帯や雨上がりには滑りやすくなることがあるため、歩きやすい靴と両手のあく装備で向かうのがおすすめです。スカイライン自体には通行時間帯の制限が設けられているので、早朝や夜遅くに走る場合は、公式情報で最新の通行時間を確認してから向かうと安心です。
阿南市周辺では、ほかにも小さな山頂や海岸沿いの公園があり、地元の人たちが初日の出を眺めるスポットになっています。徳島県は東側がほぼ太平洋に面しているため、海に向かって開けた場所を選べば、どこでも比較的きれいな日の出を見ることができます。混雑や移動時間をできるだけ抑えたい人は、あえて有名スポットにこだわらず、自宅から車で30分以内の海岸や高台を探してみるのも一つの方法です。
日頃からウォーキングやドライブで気になる場所を見つけたら、スマートフォンに位置情報をメモしておくと、年末に候補がいくつか残っていて計画が立てやすくなります。津峯神社のような有名スポットと、自分だけの「近場の初日の出スポット」を組み合わせてみると、毎年少しずつ違った楽しみ方ができるはずです。
3-5 初日の出を見に行くときの持ち物と寒さ対策チェック
初日の出を見に行くときに一番つらいのは寒さです。徳島の1月の平均最低気温は3度前後ですが、日の出前の海岸や山頂では、体感温度が氷点下付近まで下がることも珍しくありません。特に風が強い日には、同じ気温でも一気に冷え込みがきつく感じられます。
持ち物の基本は、まず暖かい服装です。インナー、長袖シャツ、ニット、フリース、防風性の高いコートといった重ね着に加え、マフラーやネックウォーマー、ニット帽、手袋はほぼ必須アイテムです。足元は、厚手の靴下を二重にしてもいいくらいで、靴の中に入れるタイプのカイロを用意しておくと安心です。その上で、貼るカイロを腰や背中に、手に持つカイロをポケットにそれぞれ用意すると、冷え方がかなり違います。
荷物の中には、温かい飲み物を入れた水筒、チョコレートや羊羹など一口でエネルギーを補給できるおやつ、小さな懐中電灯やヘッドライト、スマートフォン用のモバイルバッテリーも入れておくと心強いです。暗い砂浜や山道では、足元が見えにくく転びやすくなるので、ライトは必ず1本は用意しておきたいところです。
また、撮影用のカメラを持って行く場合は、レンズの曇りやバッテリーの消耗にも注意が必要です。寒さが厳しいとバッテリーの持ち時間が短くなるため、予備を多めに持って行き、撮影の合間にはポケットに入れて温めておくと長持ちします。
無理に長時間粘るより、ある程度満足したら早めに温かい室内に移動するくらいの気持ちでいた方が、体調を崩しにくくなります。初日の出は毎年あり、天候によっては見えないこともあります。ひとつの年にすべてをかけすぎず、「また来年も来よう」と思える余力を残しておくことも大切です。
④ シーン別・徳島初詣2026おすすめモデルコース
4-1 ファミリー向け、鳴門エリアで半日たっぷり楽しむコース
小学生くらいまでの子どもがいる家族にとっては、長時間の移動や行列はできるだけ避けたいところです。鳴門エリアは、初詣スポットと観光施設がコンパクトにまとまっているため、半日から一日で無理なく楽しむことができます。
朝は少し早めに出発し、9時前後には大麻比古神社の駐車場に着くイメージで動くと、三が日でも比較的スムーズです。境内では、まず家族全員で拝殿にお参りし、そのあとでそれぞれお守りやおみくじを楽しむ、という順番にすると、子どもも「自分の番」が分かりやすくなります。
大人が参拝の列に並んでいる間、ほかの家族は少し離れた場所で写真を撮ったり、屋台で温かい飲み物や軽食を買ったりして待つ方法もあります。混雑しているときは、代表者だけが列に並び、参拝が近づいてきたら家族に合流してもらう形にすれば、子どもが長時間退屈せずに済みます。
参拝が終わったら、車で鳴門公園方面へ移動し、渦の道や周辺の展望台、遊具のある公園などをゆっくり回ります。鳴門公園周辺には、ワカメや鳴門鯛を使った料理を出す店や、鳴門金時を使ったスイーツが人気の店が多く、子どもにとっても楽しみの多いエリアです。天気が良ければ、海を眺めながらのんびり散歩するだけでも十分な気分転換になります。
帰り道は、鳴門の道の駅などに立ち寄り、お土産を選ぶ時間を少しとっておくと、子どもも飽きずに最後まで付き合ってくれやすくなります。半日コースとはいえ、移動時間や食事の時間も含めると意外とあっという間に夕方になるので、予定は欲張りすぎず、「大麻比古神社+鳴門公園周辺」に絞るくらいがちょうど良い分量です。
4-2 カップル向け、渦の道の初日の出と鳴門の海カフェコース
早起きが苦にならないカップルなら、渦の道の初日の出イベントを中心にした鳴門デートコースがおすすめです。前日の夜のうちに鳴門市内または徳島市内に宿泊し、元日の朝4時半〜5時ごろに車で鳴門公園へ向かいます。
渦の道の特別早朝開館は2025年には6時30分から行われており、2026年も似た時間帯になる可能性があります。入場開始時間や人数制限が設定される場合もあるため、事前の確認は欠かせません。開館時間より少し早めに並び、海上45メートルの遊歩道からゆっくりと明るくなっていく空と海を眺めていると、橋の向こう側から太陽が顔を出す様子を遮るものなく見ることができます。
初日の出を見終わったあとは、鳴門公園内のカフェや飲食店で温かい朝食をとりながら、ゆっくりと体を温めます。その後、少し休んでから大麻比古神社へ車で移動し、初詣を済ませる流れが定番です。
ドライブが好きなカップルなら、午前中に大麻比古神社でお参りをしてから、午後に再び鳴門の海沿いをのんびり走り、夕方の静かな鳴門公園を散歩するという順番に変えても面白いでしょう。晴れていれば、朝と夕方で全く違う表情の海を見ることができます。
どちらの場合も、大晦日から元日にかけては睡眠時間が短くなりがちなので、事前にしっかり休んでおき、運転がつらくなったら無理をせずサービスエリアや道の駅でこまめに休憩を挟むことが大切です。運転を二人で交代しながら進むと、体力的にも気持ち的にも余裕が生まれます。
4-3 一人旅・ソロ活で回る鳴門の寺社と町歩きコース
一人でゆっくり初詣をしたい人には、電車と徒歩を中心にした鳴門の寺社めぐりコースをおすすめします。徳島駅からJRで鳴門方面に向かい、途中の板東駅で下車すると、大麻比古神社が徒歩圏内です。駅から神社までは徒歩15分ほどで、田畑の広がるのどかな道を歩いていると、だんだんと大きな鳥居が見えてきます。
朝早めの時間帯に行けば、人出が多い日でも境内をゆっくり見て回ることができます。参拝を終えたら、駅に戻る前に周辺の小道を少し歩いてみると、昔ながらの民家や畑、阿波らしい雰囲気の町並みに出会えることもあります。
その後、霊山寺へ向かうには、板東駅から再び列車に乗って最寄り駅まで行き、徒歩で向かう方法のほか、時間帯によってはタクシーを利用する選択肢もあります。霊山寺は、大麻比古神社からそれほど離れていない場所にあり、お遍路さんの姿を見かけることも多い寺です。
境内のベンチに腰掛けて、納経所の横で静かにお茶を飲んでいると、旅人の出入りを眺めながら自分の一年についてゆっくり考える時間が生まれます。一人旅の良さは、予定を自由に変えられるところです。天候や気分に合わせて「今日は霊山寺だけにして、徳島市内の喫茶店で読書して過ごそう」といった判断がしやすいのも魅力です。
スマートフォンだけに頼りすぎず、紙の地図や時刻表を一枚持って歩くと、予想外のお店や路地にふらっと入りたくなったときにも安心です。初詣をきっかけに、自分のペースで歩く「徳島の小さな旅」を楽しんでみてください。
4-4 車なしで行く南部エリア、薬王寺と大浜海岸コース
車を持っていない人や運転に自信がない人でも、徳島南部の魅力的な初詣スポットに公共交通機関だけで行くことができます。徳島駅からJR牟岐線の特急列車に乗れば、約1時間で日和佐駅に到着します。普通列車の場合は少し時間がかかりますが、その分沿線の景色をのんびり眺めながらの旅になります。
日和佐駅から薬王寺までは、商店街や住宅街を抜けて徒歩5〜10分程度です。まずは薬王寺で厄除け祈願や参拝を行い、境内から町と海を見下ろす景色を味わいます。午前中の早い時間にお参りしておくと、厄坂を登っているあいだも人が少なく、自分のペースで進むことができます。
その後、大浜海岸までは徒歩で20分ほどです。道中には土産物店や飲食店、ウミガメの資料館などがあり、寄り道しながら歩くのも楽しい時間になります。元日の初日の出を狙うなら、前日に日和佐に宿泊しておき、早朝に海岸へ向かうプランが現実的です。
初日の出を見たあと薬王寺に戻って参拝する順番にするか、先に薬王寺でお参りを済ませてから翌朝海岸に向かうかは、体力と天候を見ながら決めると良いでしょう。帰りの列車は、三が日の昼間は混むこともあるので、一本早めの便に乗るつもりで動くと安心です。
車がないからといって諦める必要はなく、電車と徒歩だけでも十分に充実した南部の初詣旅を楽しめます。荷物を必要最低限にして身軽に歩けば、思いがけず心に残る風景に出会えるかもしれません。
4-5 ご利益重視で回る厄除け・開運・無病息災ハシゴ参拝コース
一年のはじめにどうしても運気を整えたい、節目の年を迎えるのでしっかりお参りしておきたい、という人には、ご利益を意識したハシゴ参拝コースも選択肢になります。
例えば、早朝に薬王寺で厄除け祈願を受け、そのあと近くの温泉で一休みし、午後から北の鳴門エリアへ移動して大麻比古神社と霊山寺に参拝するという流れです。朝のうちに薬王寺の厄坂を登り、護摩祈祷や厄除け祈願を受けておけば、身体と気持ちの両方が軽くなった状態で次の寺社へ向かえます。
移動は車であれば徳島自動車道や国道を使っておよそ2時間前後、公共交通機関の場合は日和佐から徳島駅に戻り、そこから鳴門方面へ向かうことになります。午後は大麻比古神社で交通安全や家内安全、仕事の運を祈り、時間に余裕があれば霊山寺で無病息災や旅の安全を願うと、一日で「厄除け」「開運」「健康」という三つのテーマをカバーできます。
ただし、一日で長距離を移動し複数の寺社を回るコースは、どうしても体力的な負担が大きくなります。特に運転する人は疲労がたまりやすいので、休憩をこまめに挟み、無理に予定を詰め込みすぎないように注意したいところです。どうしてもすべてを一日で回るのが大変だと感じたら、薬王寺を別の日に切り離して、二日に分けて参拝する形にしても問題ありません。
大切なのは、形式的にたくさん回ることではなく、自分が納得できる形で神社やお寺に向き合うことです。「ここだけは外せない」という一か所を決めたうえで、余裕があればもう一つ足すくらいの気持ちで計画すると、心にも体にも無理のない初詣になります。
⑤ 2026年版・徳島初詣Q&Aとお役立ち情報まとめ
5-1 三が日に行けなくても大丈夫かと日程選びの考え方
「三が日に行かないと初詣にならないのでは」と心配する人もいますが、実際にはそんなことはありません。多くの神社やお寺では、元日から松の内とされる1月7日頃まで、あるいは1月15日頃までの間に行う参拝を初詣として案内しています。徳島でも、新型コロナ以降は特に分散参拝が呼びかけられるようになり、三が日以外の参拝者も目立って増えました。
人混みが苦手な人や、仕事柄どうしても三が日に休めない人は、あえて1月の第二週や、仕事帰りに寄れる夕方の時間帯を狙った方が、落ち着いてお参りしやすくなります。2026年のカレンダーでは、1月1日が木曜日、2日が金曜日、3日が土曜日、4日が日曜日という並びになるため、2日と3日に人出が集中し、4日も家族連れでにぎわうことが予想されます。
混雑が苦手なら、1月5日の月曜日以降の平日の夜や、その週末にゆっくり参拝する方法も十分現実的です。ご祈祷などの正式参拝を希望する場合は、受付時間が決まっていることが多いので、事前に時間を確認してから出かけると安心です。
「どうしてもこの日に行かなければならない」という考えに縛られすぎず、体調や天候を見ながら柔軟に日程を選ぶことが、気持ちのよい初詣につながります。
5-2 駐車場・交通規制・渋滞をできるだけ減らすコツ
徳島で車を使って初詣に出かけるとき、一番気になるのが駐車場と渋滞の問題です。大麻比古神社は普段から約1000台分の駐車場を持ち、正月は周辺に臨時駐車場も用意されますが、それでも三が日の昼前後には長い渋滞が発生します。
薬王寺周辺も、350〜500台ほどの無料駐車場があるものの、三が日には周辺道路が一方通行や通行止めになることが多く、事前に交通規制図を確認しておかないと、思わぬ遠回りになることがあります。太龍寺ロープウェイや雲辺寺ロープウェイも、元旦や連休中は駐車場がいっぱいになることがあり、山道で待機することになると負担が大きくなります。
こうした混雑を少しでも避けるコツは、「早めに動く」「少し離れた場所に停めて歩く」「公共交通機関を組み合わせる」の三つです。具体的には、元日や2日に車で大麻比古神社や薬王寺に行く場合、8時前には現地に着くように出発すると、渋滞に巻き込まれる可能性がかなり下がります。
また、神社やお寺に隣接した駐車場にこだわらず、少し離れた臨時駐車場や駅周辺の駐車場に停めてから歩く発想を持つと、結果的に早く到着できることも少なくありません。運転に不安がある場合は、最寄り駅まで電車で行き、そこから徒歩やタクシーで向かう方法も検討してみる価値があります。
徳島県内のJRの旅客路線はすべて非電化で、電力で走る「電車」ではなくディーゼル車が走っています。このため、地元では今でも「汽車」と呼ぶ人も多いです。JR四国の徳島エリアの鉄道では、2025年時点では交通系ICカードは利用できませんが、2026年春からは徳島市内などの路線バスでICOCAが使えるようになる計画も公表されています(鉄道ではなくバスが対象です)。鉄道を使う場合は、乗車券の購入方法や本数を事前に確認しておくと安心です。
5-3 初詣の後に立ち寄りたい温泉・カフェ・徳島グルメ
初詣や初日の出で冷えた体をそのままにしておくと、あとからどっと疲れが出やすくなります。せっかく出かけるなら、帰りに温泉やカフェ、地元グルメもセットで楽しんでしまう方が、満足度が高くなります。
南部エリアでは、薬王寺に隣接する薬王寺温泉が代表的な存在です。弘法大師ゆかりの霊水をルーツに持つとされる含硫黄ナトリウム塩化物冷鉱泉で、神経痛や冷え性などに良いとされています。日帰り入浴が可能で、2025年時点では大人650円前後で利用でき、食事処も併設されています。初詣のあとにそのまま温泉に浸かれば、一日の疲れがかなり和らぎます。
鳴門エリアでは、鳴門公園や渦の道周辺に、鳴門鯛やワカメを使った海鮮料理、鳴門金時を使ったスイーツを提供する店がいくつもあり、観光と食事を一度に楽しめます。海を眺めながらの食事は、旅行の満足度をぐっと高めてくれます。
徳島市内では、眉山ロープウェイの麓から徒歩圏に朝から営業している喫茶店やカフェがあり、阿波尾鶏を使った料理や徳島ラーメンなど、ご当地メニューを気軽に味わえます。お正月は営業時間がイレギュラーになることも多いため、気になる店があれば事前に公式サイトや電話で開店時間を確認しておくと安心です。
初詣の予定を立てるときに、「帰りにどの温泉に寄るか」「何を食べるか」をセットで考えておくと、混雑や寒さの大変さも不思議と軽く感じられます。体が温まり、おいしいものを食べてから家に帰れば、「行ってよかった」という気持ちがより強く残ります。
5-4 いくらぐらいかかる?モデル別のざっくり予算感
お正月の外出は何かとお金がかかります。あらかじめだいたいの予算感をつかんでおくと、当日になって慌てずにすみます。ここでは、代表的なモデルコースごとに、一人あたりのざっくりした目安を考えてみます(ガソリン代や高速料金は除きます)。
徳島市内から車で大麻比古神社に日帰りで初詣に行く場合、お賽銭やおみくじ、お守りを合わせて一人あたり2,000〜3,000円程度で収まることが多いでしょう。駐車場は基本的に無料ですが、臨時駐車場やコインパーキングを利用する場合は、数百円の追加を見込んでおくと安心です。
渦の道の初日の出イベントと大麻比古神社を組み合わせる場合は、渦の道の入場料約500円に加え、朝食やカフェ代を含めて4,000〜6,000円程度を見込んでおくと安心です。写真撮影やお土産を買う予定がある場合は、もう少し余裕を持たせてもよいでしょう。
南部の薬王寺と大浜海岸を電車で回す日帰りコースでは、徳島駅から日和佐駅までの往復運賃と、薬王寺の参拝、お守り、温泉の入浴料や食事代を合わせて、一人7,000〜9,000円ほどが目安になります。宿泊する場合は、これに宿泊費が加わります。
太龍寺ロープウェイや雲辺寺ロープウェイを利用する山上の寺院コースでは、ロープウェイの往復料金として2,000〜2,600円前後がかかり、ほかにお守りや食事代を加えると5,000〜7,000円程度になります。家族で動く場合は、この金額に人数分の食事代と、必要なお守りやおみくじの分を加えて考えます。
現金を多めに持ち歩くのが不安な場合は、クレジットカードや交通系ICカードが使える店を事前にチェックしておき、現金は一人5,000〜1万円程度を目安に用意しておくとバランスが取りやすくなります。屋台や小さな売店では現金のみの場合が多いので、その分だけは忘れずに用意しておきたいところです。
5-5 体調管理と安全対策、混雑時期に気をつけたいこと
最後に、初詣シーズンを安全に乗り切るためのポイントをまとめておきます。まず大切なのは、無理をしないことです。寒い場所で長時間立っていると、思っている以上に体力を消耗します。睡眠不足のまま早朝から動き回ると、頭がぼんやりした状態で運転する危険も増します。
大晦日から元日にかけて出かける場合は、どこかのタイミングで必ず仮眠の時間を確保し、運転を一人に任せきりにしないようにしたいところです。また、人が多い場所では、風邪やインフルエンザなどの感染症にも注意が必要です。屋外であっても、長い列に密集して並ぶ場面では、マスクを着けておくと安心感が違います。
境内の手水舎やおみくじの箱など、不特定多数が触れる場所も多いため、ポケットサイズのアルコールスプレーやウェットティッシュを持ち歩き、こまめに手指を清潔に保つと良いでしょう。冷えからくる体調不良を防ぐためにも、温かい飲み物を少しずつ飲む習慣をつけておくと安心です。
足元については、薬王寺の厄坂や山上の寺院の石段、早朝の海岸のぬれた岩場などが滑りやすいポイントです。手すりがあるところでは必ず手を添え、急いで追い越したりせず、「ゆっくり進む」「譲り合う」ことを心がけたいものです。
小さな子どもと一緒のときは、はぐれたときの待ち合わせ場所を決めておく、連絡先を書いた紙をポケットに入れておくといった備えも役に立ちます。スマートフォンを持っている子どもには、電池残量をこまめに確認する習慣を伝えておくと安心です。
せっかく一年の始まりを祝う時間なので、周りの人への配慮と、自分自身の体調管理の両方を意識して、気持ちよく過ごしたいところです。
まとめ
2026年の徳島で初詣と初日の出を楽しむためのポイントをまとめると、まずこの年は丙午の午年で、1月1日が木曜日というカレンダーの並びになります。そのため、2日と3日の金・土曜、4日の日曜に人出が集中しやすいと考えられますが、実際には1月15日頃までを「初詣」として受け止める寺社も多く、三が日に行けなくても問題はありません。
人気の参拝先としては、阿波一宮の大麻比古神社、厄除けの薬王寺、四国お遍路一番札所の霊山寺、山上にある雲辺寺や太龍寺などがあり、それぞれご利益や雰囲気に個性があります。初日の出スポットとしては、大浜海岸と薬王寺を組み合わせた南部コース、鳴門の渦の道と大麻比古神社を組み合わせた北部コース、眉山ロープウェイから徳島市街を一望する市内コース、津峯神社から橘湾を見渡す阿南コースなどがあり、好みや体力、移動手段に応じて選ぶことができます。
混雑や渋滞を避けるには、早朝や夕方の時間帯、三が日以外の日程、少し離れた臨時駐車場や公共交通機関の活用が有効です。徳島の1月は平均気温こそ6〜7度と穏やかに見えますが、早朝や夜は体感温度がぐっと下がるため、重ね着とカイロを中心としたしっかりした防寒が欠かせません。温泉やカフェ、地元の食事処をうまく組み合わせれば、初詣そのものだけでなく、一日全体が印象に残る旅になります。
大切なのは、「あれもこれも」と詰め込みすぎず、自分たちのペースで一年の始まりを味わうことです。この記事を参考に、それぞれの家族や仲間に合った徳島の初詣プランを考えてみてください。


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