第1章:そもそも「厄年」と「厄払い」って何?基礎からサクッと理解しよう

「厄年って、本当に何か起こるの?」「茨城で厄払いに行くなら、どこがいいんだろう?」──そんなモヤモヤを抱えたまま、新しい一年を迎えていませんか。厄年は、昔から「人生の節目」とされてきた大切なタイミングです。ただ何となく怖がるのではなく、意味や仕組みをきちんと知っておくことで、不安を必要以上にふくらませず、むしろ自分や家族を守るチャンスに変えることができます。
この記事では、厄年の基礎知識や前厄・本厄・後厄の違いから、茨城で厄払いに人気の神社・お寺、初めての人でも迷わない当日の流れ、厄払いをより前向きなものにするコツ、そしてよくある失敗と注意点までを丁寧に解説します。「とりあえず有名なところに行けばいいや」ではなく、自分に合ったスタイルで、落ち着いて厄払いに臨みたい人のためのガイドです。読み終わるころには、「厄年=ただ怖い年」というイメージが、「自分を丁寧に整えるための特別な一年」に変わっているはずです。
1-1:厄年は本当に「悪い年」なの?意味と由来をわかりやすく解説
「厄年」と聞くと、「事故にあう年」「病気になりやすい年」というイメージが強いかもしれません。でも、もともとの考え方は少し違います。厄年は「人生の節目で、心や体のバランスが崩れやすい時期だから、いつも以上に気をつけよう」という、いわば注意喚起のサインのようなものです。昔の日本では、今より医療も発達しておらず、年齢ごとの体力や立場の変化が大きな意味を持っていました。そうした中で、「特に無理をしない方がいい年齢」を示す目安として、厄年という考え方が育ってきたとされています。
特に有名なのが、男性の42歳・女性の33歳です。これらは「大厄」と呼ばれ、もっとも注意したい年とされています。仕事や家庭での責任が増え、ストレスもたまりやすい年代ですよね。体力の衰えも少しずつ感じ始め、「昔と同じ無茶がきかない」と自覚する人も多い時期です。そんな時期に、「一度立ち止まって、自分や家族を守る行動を取ろう」という意味で、厄年が意識されてきました。
つまり、「厄年だから必ず悪いことが起こる」というより、「変化が多くてトラブルが起きやすいかもしれない年だから、慎重にすごそう」という考え方に近いのです。その心構えを整えるための行動のひとつが、神社やお寺で受ける「厄払い」です。ご祈祷を受けることで、「これからの一年、無事に過ごせますように」と神さまや仏さまに祈るのと同時に、自分自身に対しても「気をつけていこう」と宣言するような意味があります。
「なんとなく不安なまま一年をスタートさせる」のと、「きちんとお参りして、気持ちを切り替えてから過ごす」のとでは、心の軽さがかなり違います。茨城には、歴史ある厄除けの社寺がたくさんあります。不安をゼロにするというより、「安心材料を増やして、前向きに一年を過ごしたい」という感覚で厄払いを受けてみると、ちょうど良い距離感で向き合えるはずです。
1-2:男性・女性の厄年一覧(早見表つき)|数え年の数え方もチェック
厄年は、今の誕生日基準の「満年齢」ではなく、「数え年」で考えるのが一般的です。数え年とは、生まれたときに1歳とし、その後はお正月を迎えるたびに1歳ずつ年を重ねていく数え方です。ざっくり言えば「満年齢+1歳」と考えると分かりやすいですが、誕生日の前後などでずれる場合もあります。
ここでは、大人になってからよく話題に上がる代表的な厄年をまとめておきます。神社や地域によって細かな違いはありますが、目安としてチェックしてみてください。
| 性別 | 区分 | 前の年(前厄) | 本人の年(本厄) | 次の年(後厄) | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 男性 | 小厄 | 24歳(数え) | 25歳 | 26歳 | 20代の節目 |
| 男性 | 大厄 | 41歳 | 42歳 | 43歳 | もっとも注意したい年 |
| 男性 | 厄 | 60歳 | 61歳 | 62歳 | 還暦の節目 |
| 女性 | 小厄 | 18歳 | 19歳 | 20歳 | 成人前後 |
| 女性 | 大厄 | 32歳 | 33歳 | 34歳 | 仕事・家庭ともに多忙 |
| 女性 | 厄 | 36歳 | 37歳 | 38歳 | 働き盛りのタイミング |
| 女性 | 厄 | 60歳 | 61歳 | 62歳 | 体調の変化が出やすい時期 |
※すべて「数え年」の目安です。
なお、神社によっては4歳・13歳など、子どもの年齢を厄年として挙げるところもあります。ここで挙げた表は「成人以降の代表的な厄年」の一覧と考えてください。
自分が厄年に該当するかどうかを簡単に知りたい場合は、多くの神社やお寺の公式サイトに「今年の厄年一覧」が載っていますし、境内に大きな表が掲示されていることも多いです。「この年で合っているのかな?」と不安な方は、一度そうした表を確認すると安心です。
1-3:前厄・本厄・後厄の違いと、それぞれいつ厄払いに行けばいい?
厄年は1年だけではなく、「前厄」「本厄」「後厄」の3年間で考えるのが一般的です。イメージとしては、
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前厄:厄年に入る前の準備期間。変化の兆しが出始める時期
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本厄:もっとも注意したいメインの一年
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後厄:厄が明けていく途中の一年。気を緩めすぎたくない時期
という感じです。
多くの人が厄払いを受けるのは、本厄の年の年始から節分にかけての時期です。この頃は、神社やお寺側も厄除けのご祈祷体制が整っており、専用のお札やお守りも用意されていることが多いです。ただ、前厄の年から毎年欠かさずお参りする人も少なくありません。
「どのタイミングが一番いいの?」という質問に対して、一般的によく言われるのは、
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本厄の年の年始〜節分前後
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どうしてもその時期が難しい場合は、それ以外の都合の良い日
という考え方です。節分は、旧暦での年の変わり目(立春の前日)にあたります。そのため、「節分までに厄払いを済ませておく」という考え方が残っており、混雑もこの時期に集中しがちです。
ただし、仕事や家庭の事情でその時期に行けない人も多いですよね。多くの社寺は「厄払いは基本的にいつでも受け付けています」としているので、無理に混雑した日を選ぶ必要はありません。前厄・本厄・後厄のうち、「自分がいちばん気持ちを切り替えたいと感じるタイミング」で受ける、という考え方で大丈夫です。
1-4:神社とお寺、厄払いはどっちに行けばいい?違いと選び方
厄払いを考えたときに、よく迷うのが「神社とお寺のどちらに行けばいいのか」という点です。結論から言うと、どちらを選んでも問題ありません。神社は「神さま」を、お寺は「仏さま(ご本尊)」をおまつりする場所ですが、どちらも「一年の無事を祈る場」であることに変わりはないからです。
雰囲気の違いで言えば、神社は空気がスッキリとしていて、ご祈祷も比較的シンプルな流れのところが多いです。お祓いのあと、祝詞を奏上して、玉串を捧げるといった形ですね。一方、お寺では、読経の時間が長かったり、護摩木を焚いて炎の前で祈る「護摩祈祷」が行われることもあります。炎の迫力やお経の響きが印象的で、厳かな雰囲気を好む人には向いています。
茨城の場合、鹿島神宮や大杉神社、笠間稲荷神社などの神社はもちろん、村松山虚空蔵堂のような、厄除けで知られるお寺も人気があります。どちらが「正解」ということはないので、次のようなポイントで選ぶと良いでしょう。
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子どものころから家族でお参りしている場所かどうか
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地元の人から「厄除けで有名」と聞く場所かどうか
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実際に行ってみて、落ち着く・好きだと感じるかどうか
信仰の世界には、「ご縁」や「相性」という考え方もあります。ネットの口コミや有名度だけで決めるより、「ここならお願いしたい」と素直に思える場所を選ぶと、後悔が少ないはずです。
1-5:よくある勘違いQ&A|「行かなかったらどうなる?」など素朴な疑問
厄年や厄払いについては、日常会話の中でもいろいろな噂が飛び交います。ここでは、特に質問の多いポイントをいくつか整理しておきます。
Q1:厄払いに行かなかったら、本当に悪いことが起こるの?
A:厄払いに行かなかったからといって、必ず不幸が起こると証明されているわけではありません。ただ、「厄年だから」と不安な気持ちを抱えたまま一年を過ごすと、ちょっとしたトラブルにも過敏に反応してしまいがちです。気持ちをスッキリさせるためにお参りする、という考え方でとらえると良いでしょう。
Q2:一度厄払いをすれば、前厄から後厄まで3年分まとめて大丈夫?
A:多くの社寺では、「その年の無事」を祈る形でご祈祷を行っています。そのため、基本的には一年ごとに受ける前提です。ただし、前厄・本厄・後厄すべてで受ける人もいれば、本厄だけの人もいます。経済的・時間的な負担もあるので、自分が納得できるペースで構いません。
Q3:友だちや家族と一緒に行っても大丈夫?服装はスーツ必須?
A:友だち同士、夫婦や親子で一緒に厄払いを受ける人はたくさんいます。服装は、多くの場所ではスーツ必須ではありませんが、「あまりにカジュアルすぎない清潔な服」が安心です。ジーンズやスニーカーでも問題ないところは多いですが、フォーマルな服装を勧めている神社・お寺もあります。気になる場合は、公式サイトの案内をチェックしたり、事前に問い合わせておくとよいでしょう。
Q4:厄払いを受ければ、何もしなくてもすべてうまくいく?
A:厄払いは魔法ではありません。あくまで「守ってください」とお願いすると同時に、自分も気をつけて生活するための区切りの儀式です。健康診断を受ける、無理をしない、人との関係を大切にするなど、日々の行動とセットで考えることで、より安心して過ごせるようになります。
第2章:茨城で厄払いに人気の神社7選|ご利益・特徴・場所をチェック
2-1:大杉神社(稲敷市)|日本唯一の「夢むすび大明神」と強力な厄除け
稲敷市にある大杉神社は、「あんば様」の愛称で親しまれている有名な神社です。主祭神は大国主大神などで、日本唯一の「夢むすび大明神」とされており、悪い夢や不吉な予感を断ち切り、良い方向へ導いてくれると伝えられています。厄除け・方位除け・八方除け・星除けなどの祈祷がとても盛んで、茨城の中でも「厄払いといえば大杉神社」と名前が挙がることが多い場所です。
境内に足を踏み入れると、極彩色の社殿や多くの摂社・末社が並び、どこを見ても目を引かれます。華やかな装飾ですが、派手さというより「守られている」ような安心感のある雰囲気で、散策しているだけでも心が落ち着いてくる人が多いようです。
ご祈祷を受けるときは、社務所で申込用紙に必要事項を書き、初穂料を納めます。祈願の内容は、厄除けや方位除け、家内安全、商売繁盛などから選べます。受付時間や金額の設定は季節や行事によって変わることもあるため、出かける前に一度公式サイトを確認しておくと安心です。
アクセスは、車がとても便利です。近くに駐車場も整備されていますが、正月・節分・大きな祭りの時期は混み合うので、時間に余裕を持って向かいましょう。特に混雑を避けたい人は、平日の午前中など、比較的すいている時間帯を狙うのがおすすめです。
「最近なんとなくツイていない」「悪い夢を繰り返し見て不安」という人には、夢と厄の両方をすっきりさせてくれそうな心強いスポットです。ご祈祷を受けたあと、ゆっくり境内を歩きながら、これからの一年にどんな日々を送りたいか静かに考えてみるのも良い時間になります。
2-2:鹿島神宮(鹿嶋市)|東国最古級のパワースポットで厄を祓う
鹿嶋市の鹿島神宮は、日本でも屈指の古社として知られています。創建は神武天皇の時代とも伝えられ、東国を守る要の神社として信仰を集めてきました。御祭神は「武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ)」で、武道や勝負の神さまとしても有名です。サッカー日本代表が勝利祈願に訪れる場所としても知られ、スポーツや仕事など「ここ一番の勝負に強くなりたい」と願う人が多く参拝します。
境内はとても広く、鳥居をくぐってから拝殿まで続く参道には、背の高い杉の木が立ち並んでいます。足元の砂利を踏む音や、木々の間を抜ける風の音を聞きながら歩いていると、自然と気持ちが落ち着き、「ここは特別な場所だな」と感じる人も多いでしょう。奥宮や要石、御手洗池など、歴史や伝説にまつわるスポットも多く、厄払いだけでなく境内散策そのものを楽しめます。
鹿島神宮では、厄除け・家内安全・交通安全など、さまざまな祈祷が行われています。社務所で申し込みをすると、一定人数が集まりしだい、祈祷殿や本殿に案内される流れが一般的です。初穂料の設定は公式サイトで確認できますが、厄除けの場合も複数の金額から選べるようになっていることが多いです。
アクセスは、JR鹿島線の鹿島神宮駅から徒歩圏内で、電車でも比較的行きやすい立地です。車で行く場合は、周辺に有料・無料の駐車場があり、観光シーズンには警備員の方が誘導してくれることもあります。ただし、初詣や大きな祭りの日は非常に混雑するので、早めの時間帯に動くか、日にちをずらすと安心です。
「厄払いをしつつ、強いパワーをもらいたい」「新しい挑戦の前に、気持ちを整えたい」と考えている人に、とてもおすすめの神社です。
2-3:笠間稲荷神社(笠間市)|日本三大稲荷のひとつとされる開運&厄除けスポット
笠間市の笠間稲荷神社は、京都の伏見稲荷大社や佐賀の祐徳稲荷神社などと並んで、「日本三大稲荷」のひとつに数えられることが多い神社です(日本三大稲荷の組み合わせにはいくつか説がありますが、その中の有力な一説に挙げられています)。ご祭神は宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)で、商売繁盛・五穀豊穣・開運招福の神さまとして広く信仰されています。
「稲荷神社=商売繁盛」のイメージが強いかもしれませんが、笠間稲荷神社では厄除けや家内安全のご祈祷を受ける人も多く、県内外から多くの参拝者が訪れます。境内にはキツネをモチーフにした石像やお守りがたくさんあり、歩いているだけでも楽しい発見がある場所です。
ご祈祷は社務所で受け付けており、厄除け・家内安全・商売繁盛など、複数の祈願を合わせて申し込むこともできます。初穂料の金額は数段階に分かれていることが多く、金額によって授与されるお札やお守りの大きさ、内容が変わります。多くの神社では5,000〜10,000円あたりがひとつの目安ですが、3,000円台から設定されている場合や、それ以上のコースが用意されていることもあるので、自分が無理なく納められる範囲を選びましょう。
笠間といえば、笠間焼や栗スイーツでも知られています。厄払いをしたあとに、門前の飲食店でランチを楽しんだり、笠間焼のギャラリーを巡ったりと、一日かけてゆっくり過ごすのもおすすめです。「せっかく厄払いに行くなら、気分転換もかねてちょっとした小旅行にしたい」という人にはぴったりのスポットです。
電車で向かう場合は、JR笠間駅からバスなどでアクセスするルートが一般的です。車で行く場合は、周辺に複数の駐車場がありますが、イベント開催時や紅葉・菊まつりのシーズンは大変混み合います。時間に余裕を持って計画しておくと安心です。
2-4:泉神社(日立市)&酒列磯前神社(ひたちなか市)|水と海の浄化パワーを感じる場所
日立市にある泉神社は、その名の通り、美しい湧き水で知られる神社です。境内の湧水は透明度が高く、周囲の緑とあいまって、とても静かで清らかな空気を作り出しています。「平成の名水百選」にも選ばれており、水面を見つめているだけで、心の中まで洗われるような感覚を味わえる場所です。厄除けや心身浄化の祈願に訪れる人も多く、「落ち着いた環境で静かにお参りしたい」という人に特に向いています。
一方、ひたちなか市の酒列磯前神社は、海に近いロケーションと、参道をおおうように続く並木道が特徴的な神社です。海側から吹いてくる風が心地よく、境内に立つと「海のそばにいるんだな」と肌で感じます。宝くじ当選祈願で有名になった神社ですが、厄除け・海上安全・家内安全など、さまざまな祈願が行われています。
この二つの神社に共通しているのは、「水」のイメージです。泉神社では湧き水の透明感、酒列磯前神社では海と潮風のエネルギーが印象的で、どちらも「浄化」というキーワードが似合う場所です。厄払いを受けるかどうかに関わらず、日頃の疲れをリセットしたいときにも訪れてみたいスポットです。
車でのアクセスもしやすく、ドライブコースとして組み込む人も多いです。たとえば、「午前中に酒列磯前神社で参拝→お昼は海の近くで食事→午後は泉神社で静かな時間を過ごす」といったルートも可能です。せわしない日常から少し離れて、海と水の力を感じながら、自分の心と向き合う一日を過ごしてみてはいかがでしょうか。
2-5:守谷総鎮守 八坂神社・村松山虚空蔵堂など|エリア別おすすめスポット
茨城は南北に広く、「できれば自宅から通いやすい場所で厄払いを受けたい」という人も多いはずです。ここでは、エリアごとの代表的なスポットをいくつかピックアップしておきます。
守谷総鎮守 八坂神社(守谷市)
守谷市にある八坂神社は、その名の通り「守谷総鎮守」として地域の人々に親しまれています。御祭神は素戔嗚尊(すさのおのみこと)で、厄除け・疫病除け・家内安全などのご利益が信じられています。つくばエクスプレスや関東鉄道常総線の守谷駅からも近く、県南エリアに住んでいる人にはとても便利な立地です。日々の通勤や買い物のついでにお参りしやすい距離感も魅力です。
村松山虚空蔵堂(那珂郡東海村)
村松山虚空蔵堂は、日本三大虚空蔵のひとつとされるお寺で、特に十三詣りや厄除け、方位除けで知られています。堂内で行われる護摩祈祷は炎の迫力があり、目の前で護摩木が燃えていく様子を見ていると、自分の中の不安や迷いも一緒に燃やしてもらっているような気持ちになります。神社とはまた違った雰囲気を味わいたい人におすすめです。
水戸周辺の社寺
県庁所在地である水戸市周辺にも、厄除けの祈祷を行う社寺がいくつもあります。黄門さまゆかりのスポットや、市街地からアクセスしやすい神社など、選択肢は豊富です。通勤ルートに近い場所や、自分が子どものころからお参りしていた場所を選ぶと、特別な安心感が得られます。
どこに行くか迷ったときは、「通いやすさ」「何かあったときにまたお礼に行ける距離か」を基準に考えるのもひとつの方法です。一度だけ行って終わり、ではなく、折にふれてお参りしたくなる場所とご縁を結べると、長い目で見たときに心強い存在になってくれます。
第3章:茨城での厄払いの流れ|初めてでも迷わないリアルな体験ステップ
3-1:事前準備編|服装・初穂料(祈祷料)の目安・予約の有無
初めて厄払いに行くときは、「何を用意して、どんな格好で行けばいいの?」と不安になりますよね。まず準備しておきたいポイントは、大きく分けて「服装」「初穂料(または祈祷料)」「予約の確認」の3つです。
服装については、多くの神社やお寺ではスーツ必須ではありません。ただ、カジュアルすぎる格好は避けたいところです。男性なら、シャツにジャケットや落ち着いた色のチノパン、女性ならブラウスやカーディガンとスカート、きれいめのパンツスタイルなどが無難です。ジーパンやスニーカーでも、汚れや破れがなく落ち着いたデザインなら受け付けてくれる場所は多いですが、なかには「なるべくフォーマルな服装で」と案内している寺社もあります。心配な場合は、公式サイトの案内や予約時の説明を事前に確認し、指示があればそれに従うようにしましょう。
次に初穂料の目安です。厄除けの祈祷料は神社やお寺によってさまざまですが、5,000〜10,000円の範囲を設定しているところが比較的多い印象です。一方で、3,000円から受け付けている場所や、20,000円以上の特別祈祷コースを用意しているところもあります。金額によって、お札の大きさやお守りの内容、名前の読み上げの有無などが変わる場合もあるので、受付で案内をよく確認しましょう。大切なのは、「自分が無理なく、気持ちよく納められる金額」を選ぶことです。
最後に、予約の有無です。大きな神社では、厄払いを含むご祈祷を「随時受付」としているところも多く、その場合は直接社務所に行けば大丈夫です。ただし、土日祝日や年始、節分前後は混雑するため、受付時間の締め切りが早まることもあります。また、お寺の護摩祈祷などは、決まった時間にまとめて行う方式や、事前予約制のところもあります。出かける前に、公式サイトや電話で、「受付時間」「予約が必要かどうか」を確認しておくと安心です。
3-2:当日の流れ|受付からご祈祷終了までのタイムライン
当日の流れをあらかじめイメージしておくと、「次はどうすればいいんだろう」と慌てずにすみます。一般的な神社での厄払いの流れを、順を追って紹介します。
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鳥居をくぐり、手水舎で身を清める
神社に到着したら、まずは鳥居で一礼してからくぐります。境内に入ったら、手水舎(ちょうずや)で手と口を清めましょう。柄杓で水をすくい、左手→右手→口→左手→柄杓の柄の順にすすぐのが基本です。 -
本殿・拝殿に軽くお参りする
いきなり社務所に行くのではなく、先に本殿または拝殿へ行き、「これからご祈祷を受けさせていただきます」と心の中で挨拶するつもりでお参りします。二礼二拍手一礼をして、今日ここまで来られたことへの感謝も伝えておくと、気持ちが整います。 -
社務所で申し込みをする
社務所や祈祷受付の窓口で、「厄除けの祈祷をお願いします」と伝えます。申込書に氏名・住所・生年月日・祈願内容(厄除け、家内安全など)を記入し、初穂料を納めます。家族や複数人でまとめて祈祷を受ける場合は、人数分の名前を書き込むことになります。 -
待合所で待機する
受付が終わると、控室や待合所で順番が呼ばれるのを待ちます。一定人数が集まったタイミングで、まとめて本殿や祈祷殿に案内される形式が多いです。待ち時間のあいだは、スマホの電源を切るかマナーモードにしておき、静かに待ちましょう。 -
本殿・祈祷殿でご祈祷を受ける
神職の方の案内に従って席につき、祝詞奏上やお祓いを受けます。玉串奉奠(たまぐしほうてん)を行う場合は、前の人の動きを真似すれば大丈夫です。分からないときは、事前に軽く説明してくれることも多いので、あまり身構えなくて大丈夫です。 -
授与品(お札・お守りなど)を受け取る
ご祈祷が終わると、社務所や出口でお札やお守り、御神酒などが入った授与品を受け取ります。家に持ち帰ってからの祀り方は、次の項目で説明します。
この流れを頭の中でイメージしておくだけでも、当日の不安はかなり減ります。お寺の護摩祈祷の場合も、受付→待機→本堂で護摩→授与品という大まかな流れは似ていることが多いです。
3-3:ご祈祷中のマナー|座り方・拍手・合掌などの基本動作
ご祈祷中は、「間違えたら失礼なのでは…」と緊張してしまいがちですが、そこまで完璧を目指さなくて大丈夫です。基本的なポイントを押さえ、落ち着いて参加することがいちばん大切です。
まず、座り方です。畳の上で行われる場合は正座が基本ですが、長時間になると足がしびれてしまう人も多いですよね。最近は、「つらい方は足を崩しても構いません」と案内してくれるところも増えています。その場合でも、だらしなく前に投げ出さず、横に崩すなど、できるだけきれいに座ることを意識しましょう。椅子席の場合は、背もたれに深くもたれすぎず、背筋を軽く伸ばして座ると、きちんとした印象になります。
神社での二礼二拍手一礼は、お参りの基本的な作法です。ご祈祷の前後に行うよう指示されることもあります。
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深くおじぎを2回する
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胸の高さで手を合わせ、肩幅くらいに手を開いて2回拍手する
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手を静かに合わせて祈り、最後にもう一度深くおじぎをする
もしタイミングが分からなくなったら、神職さんや前の人の動きを見て真似すれば問題ありません。
お寺での祈祷の場合は、合掌して静かにお経を聞きます。手のひらと指先をそろえ、胸の前でピタッと合わせるように意識すると、きれいな合掌になります。途中で居眠りをしないよう、前日はしっかり睡眠をとっておくと安心です。
そして何より大切なのは、スマホなどの電子機器の音を必ず切っておくことです。バイブレーションの振動音も意外と目立つので、できれば電源を切るくらいの気持ちで臨みましょう。
3-4:授与品(お札・お守り)の扱い方と、家での祀り方
厄払いを受けると、お札やお守り、御神酒などの授与品をいただくことが多いです。なかでも気をつけたいのが、お札とお守りの扱い方です。
お札は、できれば「目線より少し上」の高さにお祀りするのが基本です。家に神棚がある場合は、神棚の中央や一番上の段など、もっとも大切に扱う場所にお供えします。神棚がない場合でも、タンスや本棚の上など、手が届きやすく、生活動線から少し離れた清潔な場所を選びましょう。小さな台や白い布を敷き、その上にお札を立てかけたり、専用のスタンドを使うと安定します。向きは、できれば南向きか東向きが良いとされていますが、住宅の構造上むずかしい場合は、「家族が自然に手を合わせられる位置」を優先して構いません。
お守りは、常に身につけておきたいものは、カバンや財布、ポーチの中など、自分の近くに置いておくと良いでしょう。車のお守りなら、ダッシュボードの上やバックミラー付近など、運転中に視界に入る場所につける人も多いです。ただし、強い摩擦で袋が破れたり、雨ざらしになる場所は避けましょう。
よく相談されるのが、「お札やお守りは、1年経ったらどうすればいいのか」という点です。多くの神社・お寺では、いただいてから1年を目安に、新しいものと受け替えるよう案内しています。その際、古いお札やお守りは、いただいた社寺に返納し、お焚き上げをしてもらうのが一般的です。遠方でなかなか行けない場合は、近くの神社に相談してみると、まとめてお焚き上げを受け付けてくれることもあります。
3-5:厄払い後に意識したい過ごし方|「気持ちの整え方」と考え方
厄払いは、ご祈祷を受けた瞬間で終わり、というものではありません。そこからの一年をどう過ごすかによって、意味合いがぐっと深まります。せっかく厄払いで気持ちをリセットしたなら、日常生活の中でも「自分を大切にする」意識を少し高めてみましょう。
健康面では、定期的な健康診断を受ける、早寝早起きを意識する、暴飲暴食を控えるなど、小さなことからで構いません。「前から少し気になっていた症状」を放置せず、早めに病院で相談するクセをつけるだけでも、リスクを大きく減らすことができます。
人間関係では、感情的な言い争いをさける、イライラしたときは一度深呼吸する、相手の良いところを意識して見るなど、こちらも少しの意識で変えられることがたくさんあります。「厄年だからこそ、言葉づかいや態度にいつも以上に気をつけよう」と心に決めて過ごすと、自分も周りも穏やかな気持ちでいられる時間が増えていきます。
心の面でおすすめなのが、「感謝ノート」をつける習慣です。寝る前に、その日あった良かったことや感謝したいことを3つ書き出してみましょう。「今日は大きなことは何もなかったな」と思う日でも、「無事に一日を終えられた」「ご飯がおいしかった」「天気が良かった」など、小さな感謝のタネは必ず見つかるはずです。書き続けるうちに、意識が「不安」から「ありがたいこと」へ少しずつ移っていきます。
厄年は、単に「悪い年」ではなく、自分の生活や心の状態を見直すチャンスの年でもあります。茨城で厄払いを受けつつ、日々の暮らしの中でも「自分を大切にする行動」を少しずつ増やしていきましょう。
第4章:厄払いをもっと効果的にするコツ|日取り・方角・過ごし方
4-1:いつ行くのが良い?大安・節分・誕生日…おすすめのタイミング
厄払いを受けるタイミングとしてよく選ばれるのは、次のような時期です。
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新年(1月)から節分まで
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節分当日やその前後の日
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自分の誕生日の近く
新年から節分までは、「新しい一年の無事を祈る」という意味でも分かりやすく、多くの神社やお寺がこの時期に厄除けのご祈祷を重点的に行っています。特に節分は、旧暦での年の変わり目であり、「厄を払って新しい春を迎える」という行事が古くから行われてきました。そのため、節分前後は厄払いのピークシーズンになります。
六曜(大安・友引・仏滅など)を気にする人も多いですが、神社やお寺の立場としては「いつお参りしても大丈夫」というところがほとんどです。どうしても気になる人は大安や友引を選べばよいですし、「人の少ない落ち着いた日に行きたい」という場合は、あえて大安を外すのもひとつの方法です。平日の午前中などは比較的すいていることが多く、ゆっくりお参りしたい人には向いています。
自分の誕生日の近くを選ぶ人も少なくありません。誕生日は、一年の節目であり、「今日からまた新しい一年が始まる日」です。厄年の期間と重なっているなら、誕生日の前後で厄払いを受けることで、「生まれ直したような気持ちでスタートできる」と感じる人もいます。
大切なのは、「自分が気持ちよくお参りできる日」を選ぶことです。仕事や家庭の都合を考えながら、「この日なら、落ち着いて神さまや仏さまに向き合えそうだな」と感じる日を選びましょう。
4-2:方位や神社との「相性」は気にした方がいい?基本の考え方
厄年や厄払いの話になると、「方位」や「相性」の話題もよく出てきます。「家から見て北東は鬼門だから、その方向にある神社はどうなの?」「自宅の方位と相性の良い方角に行った方がいいの?」といった疑問を持つ人も多いでしょう。
たしかに、昔から家の向きや方角を重視する考え方はあり、「鬼門」「裏鬼門」といった言葉も有名です。ただ、現代の生活では、家や職場、学校、交通手段などをすべて方角優先で決めるのは現実的ではありません。あまりに方位ばかり気にしすぎると、生活そのものが窮屈になってしまう可能性もあります。
神社やお寺との「相性」については、もっとシンプルに考えて大丈夫です。実際に行ってみて、
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空気が落ち着いていると感じるか
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なぜか居心地が良く、また来たいと思えるか
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ご祭神やご本尊の由来やストーリーに共感できるか
といった、自分の感覚を大切にしてみましょう。そういう場所とは、不思議と長くご縁が続きやすいものです。
もちろん、方位や相性を大切にしたい人は、その考え方を否定する必要はありません。ただ、「こうしないといけない」と自分を縛りすぎるのではなく、「参考程度にしておき、最終的には自分が安心できる選択をする」というバランス感覚が大事です。
4-3:厄年にやっておきたい「身の回りの整理」と生活習慣の見直し
厄年は、「運気が悪くなる年」というより、「これまでの生活を見直すチャンスの年」として活用すると、とても前向きに過ごせます。特におすすめなのが、身の回りの整理と生活習慣の見直しです。
まず、身の回りの物の整理です。長年使っていない服や、壊れたまま放置されている家電、読まなくなった雑誌や本などを思い切って処分してみましょう。物が減ると部屋がスッキリするだけでなく、掃除もしやすくなり、つまづきや転倒といった家庭内の事故を防ぐことにもつながります。気に入った物だけに囲まれて暮らすと、自然と気持ちも軽くなっていきます。
次に、健康習慣の見直しです。夜更かしが続いていないか、偏った食事が習慣になっていないか、運動不足があまりにもひどくなっていないか、一度立ち止まってチェックしてみましょう。いきなり完璧な生活に変えようとすると続かないので、「駅ではエレベーターではなく階段を使う」「甘い飲み物を一日一本までにする」「寝る前のスマホ時間を15分だけ短くする」など、小さなところから始めるのがおすすめです。
さらに、人間関係の整理も大切です。会うたびに疲れてしまう相手からは、少し距離を置く勇気も必要かもしれません。一方で、支えてくれている家族や友人とは、あらためて感謝の気持ちを伝えたり、一緒に食事をする機会を作ったりすると、関係がより深まります。
厄払いで運を「上げてもらう」だけでなく、自分の生活を整えることでトラブルのタネを減らしていく。この二つを同時に進めていくことで、厄年はむしろ「今後の人生の基盤を整える年」になっていきます。
4-4:お礼参りは必要?行くタイミングと簡単な作法
厄払いを受けたあと、「お礼参りに行くべきなのか」が気になる人も多いと思います。結論としては、行けるなら行くのがおすすめですが、「行かなかったからといって必ず悪いことが起こる」というようなものではありません。
お礼参りに行くタイミングとして分かりやすいのは、
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厄年の一年が大きな事故や病気なく過ごせたと感じたとき
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年が明けて、新しいお札やお守りをいただくとき
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新しい生活の節目(転職・引っ越しなど)を迎えたとき
などです。そのときに、「前に厄払いをお願いした神社・お寺」に再び足を運び、「おかげさまで無事に過ごせました」と感謝の気持ちを伝えましょう。作法は難しく考えなくて大丈夫で、通常のお参りと同じように、手水で清めてから二礼二拍手一礼をするだけで十分です。
古いお札やお守りを持っている場合は、その神社・お寺に返納し、新しいものを受けるとスッキリします。返納用の箱やお焚き上げの受付場所が分からない場合は、社務所で「古いお札をお返ししたいのですが」と声をかければ案内してもらえます。
遠方でどうしても行くのが難しいときは、郵送での返納を受け付けている場合もあります。公式サイトに案内が載っていることが多いので、一度確認してみると良いでしょう。
4-5:厄払いだけじゃない「心の厄落とし」習慣(感謝ノート・寄付など)
「厄」を、単に「不運」だけでなく、「心のモヤモヤ」や「ストレス」といった広い意味でとらえてみると、日常の中でできる「厄落とし」の方法がたくさん見えてきます。
先ほど少し触れた感謝ノートは、心の厄落としとして特におすすめです。用意するのは、普通のノートとペンだけ。寝る前に、その日良かったことや感謝したいことを3つ書き出してみましょう。最初のうちは「そんなに出てこないかも」と思うかもしれませんが、続けているうちに、意外と小さな「うれしいこと」がたくさんあったことに気づき始めます。
もうひとつ、心を軽くしてくれるのが、寄付やボランティアです。大きな金額でなくても、募金箱に少しだけ入れてみる、地元の清掃活動に参加してみるなど、「誰かの役に立つ行動」をすることで、「自分にはできることがある」という感覚が生まれます。これは、厄年で不安になりがちな気持ちを支えてくれる、大きな力になります。
また、SNSやニュースから一時的に距離を置く「デジタルデトックス」も、立派な厄落としです。ネガティブな情報に長時間触れていると、知らないうちに心が疲れてしまいます。週に一日だけでも「SNSを見ない日」を作ってみると、頭がスッキリして、眠りの質が良くなったと感じる人も多いです。
茨城の神社やお寺で厄払いを受けることに加えて、こうした日常の「心の厄落とし」も取り入れていくと、厄年の一年を前向きに、そして穏やかな気持ちで過ごしやすくなります。
第5章:よくある失敗と注意点|茨城で厄払いをするときに気をつけたいこと
5-1:よくある失敗① 受付時間・アクセスを調べずに行ってしまうケース
実際のところ、厄払いで一番多い失敗は、内容そのものより「準備不足」によるものかもしれません。なかでも多いのが、「受付時間をきちんと調べずに出かけてしまう」ケースです。
多くの神社やお寺では、ご祈祷の受付時間が「9時〜16時」のように決められています。しかし、日によっては法要や結婚式が入っていたり、繁忙期には早めに受付を締め切ることもあります。「午後に着けば何とかなるだろう」と軽く考えて出かけた結果、到着したのが締め切り時間ギリギリで、その日はもう受けられなかった…という話は、意外とよく聞きます。
また、交通手段についての確認も大切です。茨城は車社会の地域が多いとはいえ、人気の神社やお寺の周辺道路は、正月や週末になると渋滞しがちです。駐車場が満車になっており、空きが出るまで長時間待つこともあります。電車とバスで行く場合は、行きだけでなく「帰りのバスの時刻」も確認しておきましょう。ご祈祷の時間が思ったより長く、バスを一本逃してしまうと、次がかなり先…というパターンもあり得ます。
出発前に、
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祈祷受付時間
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アクセスルート(車・電車・バス)
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駐車場の有無とだいたいの台数
この3点だけでも公式サイトなどでチェックしておくと、当日の安心感がぐっと高まります。
5-2:よくある失敗② 金額だけで選んでしまい、モヤモヤが残るケース
厄払いの祈祷料は、5,000円・7,000円・10,000円…と、いくつかの金額が用意されていることが多いです。金額によって、お札の大きさや種類、名前の読み上げの有無、授与品の内容などが変わる場合もあります。
ここでありがちなのが、金額だけを見て「一番安いのでいいや」と選び、あとになって「本当にこれで良かったのかな」とモヤモヤしてしまうケースです。逆に、「高い方がご利益がありそう」と考えて無理をして高額のコースを選び、家計にダメージが残ってしまうケースもあります。
大切なのは、「金額そのもの」ではなく、「自分が納得してお供えできるかどうか」です。祈祷料は、神さまや仏さまへの感謝の気持ちや、お世話になる神社・お寺の活動を支えるためのお供えという側面もあります。金額が高いほどご利益が大きくなる、と考える必要はありません。
迷ったときは、受付の方に「皆さんどのくらいの金額を選ばれることが多いですか?」と聞いてみるのも良い方法です。多くの神社やお寺では、無理に高額をすすめることはなく、「だいたいこのあたりが多いですよ」と教えてくれます。自分の気持ちとお財布の両方が晴れやかになる金額を選ぶことが、結果的にいちばん安心して一年を過ごすことにつながります。
5-3:お守り・お札の返納を忘れたときはどうする?正しい対処法
「前年のお札やお守りを返し忘れたまま、新しい厄払いを受けてしまった」というのも、よくある悩みのひとつです。理想を言えば、毎年新しいお札やお守りをいただくタイミングで、古いものをお焚き上げに出すのが一番スムーズです。しかし、実際には忙しさなどから、つい忘れてしまうこともあります。
もし返納を忘れていたことに気づいたら、その時点で大丈夫です。次にその神社やお寺にお参りできる機会が来たときに、古いお札やお守りを持参して返納しましょう。境内には「古札納所」と書かれた箱が置かれていることが多いので、そこに納めればOKです。分からない場合は、社務所で「古いお札をお返ししたいのですが」と聞けば、丁寧に教えてもらえます。
遠方でなかなか行けない場合は、近くの神社が他社のお札のお焚き上げもまとめて受け付けていることがあります。ただし、対応は場所によって異なるので、事前に電話で確認しましょう。どうしても返納先に困る場合は、白い紙に包んで粗塩をひとつまみふり、感謝の言葉を心の中で伝えてから、地域のルールに従って処分するという方法もありますが、可能であればお焚き上げをお願いしたいところです。
5-4:写真撮影やSNS投稿での注意ポイント(境内でNGな場所とは?)
いまは、神社やお寺でも写真を撮ってSNSに投稿する人が増えています。確かに、木漏れ日のきれいな参道や、立派な社殿を背景にした写真はとても映えますよね。ただし、いくつか気をつけたいマナーがあります。
まず、もっとも注意が必要なのは「ご祈祷中の撮影」です。本殿や本堂の中でご祈祷が行われている最中に、スマホやカメラを向けるのは基本的にNGです。多くの神社やお寺では、そもそも内部の撮影を禁止しているか、許可制にしています。たとえ禁止の表示が見当たらなくても、祈りの場では撮影を控えるのが無難です。
また、ほかの参拝者の顔がはっきり写り込む写真を、断りなくSNSにアップするのも避けた方がいいでしょう。どうしても背景に人が写り込んでしまう場合は、遠目のシルエットになるように撮ったり、公開前にスタンプやぼかし加工を入れるなどの配慮をすると安心です。
お札やお守りを撮影して投稿すること自体は問題ない場合が多いですが、名前や住所が書かれている部分がそのまま写っていると、個人情報の面でリスクがあります。写真を撮るときは、名前の部分を隠すか、あとから加工で隠すようにしましょう。
境内によっては、「この先撮影禁止」と表示された場所もあります。特に、御神体に近いエリアや、本堂の内側などは撮影を禁止していることが多いので、案内板をよく確認し、分からなければ社務所に尋ねるのが安心です。
5-5:こんな人は要チェック!混雑を避けたい人向けの神社選び&時間帯
「人混みが苦手」「小さな子ども連れだから、できるだけすいているときに行きたい」という人にとって、厄払いの混雑は大きな悩みどころです。少しでも落ち着いてお参りしたい場合は、次のポイントを意識してみてください。
まず、県内でも特に有名な大きな神社・お寺は、どうしても正月三が日や節分の前後に混み合います。人が多い分、活気があって好き、という人もいますが、ゆっくりご祈祷を受けたい人には少し大変かもしれません。その場合は、同じ神社でも「平日の午前中」「大安以外の日」など、ピークを外した時間帯を狙うと、かなり雰囲気が変わります。
もうひとつの方法は、あえて中規模〜小規模の社寺を選ぶことです。観光ガイドに大きく載っていなくても、地元では「厄除けで有名」と知られている場所が各エリアにあります。職場の同僚や家族、近所の人に「このあたりで厄払いといえばどこ?」と聞いてみると、思わぬ穴場を教えてもらえるかもしれません。
そして、時期そのものを少しずらすのも有効です。「厄払いは必ず年始に行かなければならない」という決まりはなく、多くの神社・お寺では一年を通して厄除けの祈祷を受け付けています。どうしても混雑が苦手な人は、春や秋など、比較的落ち着いた季節を選ぶのも良いでしょう。
自分の性格や家族の事情に合わせて、「どんな環境なら落ち着いてお参りできるか」を考え、それに合った場所と時間帯を選ぶことが大切です。
まとめ
茨城での厄払いは、「どの神社・お寺に行くか」「いつ行くか」といった選択ももちろん大事ですが、それ以上に重要なのは、「これからの一年をどんな気持ちで過ごしたいか」という、自分自身のスタンスです。
厄年は、決して「不幸が決まっている年」ではなく、人生の節目として、健康や生活習慣、人間関係を見直すきっかけにできる年でもあります。男性42歳・女性33歳といった大厄に限らず、20代や60代の節目も含めて、「今の自分を整えるタイミング」として受け止めると、心の持ち方がグッと楽になります。
茨城には、大杉神社や鹿島神宮、笠間稲荷神社、泉神社や酒列磯前神社、守谷総鎮守 八坂神社、村松山虚空蔵堂など、個性豊かで頼りになる社寺がたくさんあります。アクセスのしやすさや雰囲気、自分との相性を考えながら、「ここならお願いしたい」と思える場所を選んでみてください。
厄払いを受けたあとは、生活習慣の見直しや身の回りの整理、感謝ノートや寄付、デジタルデトックスなど、日々の小さな行動を通して「心の厄落とし」に取り組んでいくと、より安心して一年を過ごせます。神社やお寺に守られているという感覚と、自分自身の行動で自分を守る意識。その二つがそろえば、厄年は「怖い年」ではなく、「人生の土台を整えるための特別な一年」へと変わっていきます。


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