愛媛で失敗しない厄払い｜厄年の考え方から健康・防災まで暮らしを守る方法

愛媛で厄払いを考え始めたときに知っておきたい「基本」と気持ちの整え方
エリアと移動手段で選ぶ愛媛の厄払いスポット｜松山・東予・南予の考え方
ライフイベント別・愛媛で厄払いをどう活かす？（転職・結婚・出産ほか）
予約・初穂料・郵送祈祷まで｜愛媛の厄払い「実務」まるごと安心ガイド
厄払いのあと一年を整える「愛媛らしい」日常の厄落としアイデア
まとめ

愛媛で厄払いを考え始めたときに知っておきたい「基本」と気持ちの整え方

「今年、厄年らしい」と言われて、少し落ち着かない気分になっていませんか。愛媛には、椿神社・石鎚神社・大山祇神社・和霊神社・やくよけ大師遍照院など、厄除けやご祈祷で知られる社寺がたくさんあります。でも、いざ自分が行こうとすると、「どこを選べばいいのか」「初穂料はいくらくらいなのか」「郵送でお願いする方法はあるのか」「行ったあと何を意識して過ごせばいいのか」など、分からないことだらけになりがちです。

この文章では、愛媛で暮らす目線から、厄年の基本的な考え方、エリア別の寺社の選び方、転職や結婚・出産、親の年祝いなどライフイベントとの付き合い方、初穂料や郵送祈祷の実務的なポイント、そして厄払いのあと一年をどう整えていくかまでを、なるべくやさしい言葉でまとめました。「厄払い＝怖いことを避ける儀式」ではなく、「これからの自分と家族の暮らしを整えるきっかけ」として使えるように、ひとつずつ整理していきます。

厄年の年齢と「数え年・満年齢」のギャップを愛媛の神社でどう確認するか

「どうやら自分、厄年らしい」と聞いても、まずつまずきやすいのが年齢の数え方です。多くの神社では、いまでも「数え年」で厄年を出しています。数え年は、生まれた年を1歳とし、お正月を迎えるたびに年齢が1つ増える数え方です。一方、ふだん私たちが使っているのは「満年齢」で、生まれた日を0歳として誕生日ごとに1歳ずつ増えていきます。

一般的には、本厄とされる年齢は次のように説明されることが多いです（数え年の例）。

男性：25歳・42歳・61歳
女性：19歳・33歳・37歳・61歳

特に男性42歳と女性33歳を「大厄」として、少し重く見ている神社もあります。

ただし、これは全国どこでもまったく同じというわけではありません。神社ごとに、

数え年を使うか、満年齢を使うか
女性61歳を厄年に含めるかどうか
前厄・本厄・後厄をどこまで広くとるか

といった基準が少しずつ違います。愛媛の椿神社（伊豫豆比古命神社）では、その年の厄年表を毎年公開しており、公式サイトや境内の掲示で確認できます。

いちばん確実なのは、「行く予定の神社やお寺の厄年表を必ず見る」ことです。

公式サイトに厄年表があれば、スクリーンショットを撮っておく
境内に表が貼ってあれば、写真を撮っておく
分からなければ、授与所や受付で聞いてしまう

この3つを意識しておくだけで、「自分はいま前厄なのか本厄なのか」がハッキリして、不安がかなり減ります。家族の分もひと目で分かるので、親やきょうだいの節目を意識するきっかけにもなります。

「今年は厄年らしい」と言われたときにまずやりたい簡単メモワーク

厄年と聞くと、「すぐ祈祷に行かなきゃ」と焦ってしまいがちですが、その前に3〜5分だけ、自分の状態を書き出してみるのがおすすめです。ノートかコピー用紙を1枚用意して、真ん中に「今年の自分」と大きく書きます。そのまわりに、

体
仕事・学校
お金
家族・パートナー
心の元気

という5つの丸を描き、それぞれのそばに気になることを箇条書きしてみます。

たとえば「体」のところには「肩こりがひどい」「健診を2年サボっている」など、「仕事・学校」のところには「残業が多い」「クラス替えが不安」など、短い言葉で構いません。こんなふうに書き出してみると、頭の中でぐるぐるしていた不安が少し整理されてきます。

終わったら、項目ごとに「これは何とかしたい」と感じるものに丸を付けます。丸が多い場所が、その年に特に整えたいテーマです。

体に丸が多い → 健康診断や生活習慣の見直し
お金に丸が多い → 保険や家計簿、貯金の仕組み

といった具合に、具体的な行動の方向が見えてきます。厄払いでお願いする内容も、単に「災いが起きませんように」だけでなく、「体調を整える行動を続けられますように」「家計と仕事のバランスを保てますように」と、少し具体的に書けるようになります。祈祷が終わったあとも、このメモをときどき見返すと、「あのとき決めたこと、ちゃんと続けられているかな」と振り返る材料になります。

医学・統計から見る「厄年」とリスクの関係を冷静に押さえる

「厄年に事故が増える」「病気になりやすい」といった考え方は、科学的に証明されているわけではありません。ただ、医学や統計の面から見ると、40代以降に生活習慣病やメンタル不調が増えていくこと、加齢にともなって転倒や交通事故のリスクが上がることは、多くのデータで示されています。

愛媛県警の令和6年の交通事故統計を見ると、「交差点での事故が986件で、全体の約47.5％」「高齢者が第1当事者となった事故が595件で、全体の約28.7％」「高齢者が第1当事者の事故による死者は25人で、全体の約48.1％」と報告されています。つまり、年齢が上がるほど、交差点や夜間などでの事故に巻き込まれやすくなる傾向は、実際に数字として現れています。

昔の人は、こういった細かい統計は持っていませんでしたが、身近な人の体験を通じて「この年頃は無理がたたりやすい」「家族や仕事の責任も増えて、気持ちが乱れやすい」といった感覚をつかんでいました。その経験則が、「厄年」という形で今につながっていると考えると、納得しやすいかもしれません。

大切なのは、「厄年＝必ず悪いことが起きる」と怖がるのではなく、「体と生活を見直すのにちょうどいいタイミング」と受けとめることです。

健康診断を受ける
睡眠と食事のリズムを整える
運転を少し慎重にする

こうした現実的な行動をとることで、数字上のリスクを減らしていくことができます。体調に不安があるときは、自己判断で我慢せず、必ず医師や専門機関に相談してください。

家族や職場から「行った方がいいよ」と言われたときの上手な距離感

厄払いに対する温度感は、人によってかなり違います。親世代や祖父母世代は「厄年なんだから絶対行きなさい」と強く言う一方で、自分自身はそこまで強い信仰心がない、ということもよくあります。

こういうとき、大事なのは「どちらかが間違っている」と決めつけないことです。信じる度合いは人それぞれなので、正解を一つに絞る必要はありません。おすすめなのは、早めに自分のスタンスを言葉にしておくことです。

たとえば、次のような言い方なら、お互いの気持ちを尊重しながら話し合いやすくなります。

「すごく信じているわけではないけれど、区切りとして一度行ってみようかなと思っている」
「今年は仕事が忙しいから、時期を少しずらして春か秋に行こうと思っている」
「祈祷まではしなくても、参拝だけなら行きたい」

職場で「厄払いどうする？」と話題になった場合も同じです。みんなで行くのが楽しそうなら一緒に行けばいいですし、体調や家庭の事情で難しければ、「今回は遠慮して、家族と別の日に行こうと思っています」と正直に伝えれば十分です。

厄払いは、行かないからといって人間性を疑われるようなものではありません。逆に、行ったからといって何もかも保証されるわけでもありません。「自分が納得できる範囲で、できることをする」くらいの距離感を意識しておくと、周りの意見に振り回されにくくなります。

行くかどうか決めるための「お金・時間・体調」セルフチェック

最後に、「行ったほうがいいのは分かるけれど、実際どう決めるか分からない」という人向けに、簡単なチェック表を用意しておきます。紙でもスマホのメモでも構いません。次の5つに、YESかNOで印をつけてみてください。

質問	YES	NO
① 今年〜来年にかけて、転職・引越し・結婚など大きな変化がある
② 朝起きて「疲れが残っている」と感じる日が週3日以上ある
③ 健康診断や歯科検診に1年以上行っていない
④ 車の点検や保険の確認をここ数年していない
⑤ 家族やパートナーが「ぜひ行ってほしい」と強く望んでいる

YESが3つ以上なら、「厄払いをきっかけに生活を見直す」と考えて、一度祈祷の予定を立ててみる価値は十分あります。YESが0〜2でも、「今年は健康診断と車の点検を優先して、祈祷は来年落ち着いてから」など、自分なりの優先順位を決めればOKです。

大切なのは、時間・お金・体力のどれかを犠牲にし過ぎないことです。生活費を圧迫するほどの初穂料を無理に出したり、体調が悪いのに人混みに出かけたりする必要はありません。体調に不安がある場合は、必ず医師の判断を優先してください。そのうえで、「この範囲なら自分も家族も納得できる」と思える線を探していきましょう。

エリアと移動手段で選ぶ愛媛の厄払いスポット｜松山・東予・南予の考え方

松山都市圏で仕事帰りに寄りやすい神社・お寺を探すときのポイント

松山周辺で厄払いを考えるとき、まず意識したいのは「通いやすさ」です。松山市内には、椿神社（伊豫豆比古命神社）、石手寺、伊佐爾波神社など、有名で歴史のある社寺がいくつもあります。椿神社では、厄祓いを含む各種ご祈祷を毎日9時〜16時ごろまで受け付けており、厄年表や祈祷料（個人の場合1件1万円以上）が公式サイトで案内されています。仕事帰りに行くなら、次のポイントを意識して候補を絞ると失敗しにくくなります。

職場からのルート上にあるか、帰宅方向と大きく逆向きにならないか
駐車場に入りやすいか、出やすいか（朝夕の渋滞も確認）
電車やバスを使う場合、最寄りの駅・停留所から10〜15分以内で歩けるか

松山は平野部が広い一方で、細い路地や一方通行が集まっているエリアもあります。運転や土地勘に自信がない場合は、駐車場から社殿までの距離が短く、道順が分かりやすいところを選ぶと安心です。

また、仕事の前に行くのか、終わってから行くのかで動き方も変わります。朝一番なら比較的空いていて、落ち着いた雰囲気のなかで祈祷を受けられることが多いです。夕方に行く場合は、受付終了の時間を必ず公式サイトや電話で確認し、余裕をもって到着できるようにしてください。

今治・西条エリアで「山の神さま」「海の神さま」どちらを選ぶか迷ったら

東予エリアは、瀬戸内海に面した今治・新居浜・西条と、石鎚山系の山々が近い内陸部が隣り合う地域です。海にゆかりの深い大山祇神社（今治市大三島町）や、石鎚山を御神体とする石鎚神社など、「海の守り」「山の守り」を感じさせる社がそれぞれあります。

どちらに行くか迷ったときは、次の3つを基準に考えてみてください。

自分の暮らしとのつながり
　ふだん海に近い場所で働いている、漁業や造船、港湾関係の仕事をしている人は、海上安全や大漁を祈る海の神さまに親しみを感じるかもしれません。山の近くで暮らしている人や、登山・キャンプが好きな人は、山の神さまのもとで深呼吸すると気持ちが落ち着くことがあります。
移動時間と体力
　大山祇神社や石鎚神社本社のように、自然の中にある社は雰囲気が素晴らしい反面、階段や坂道が多い場合があります。足腰に不安がある人や、小さな子ども・高齢の家族と一緒のときは、駐車場から拝殿までの距離や段差を公式サイトやマップで確認し、「無理なく歩けるか」をチェックしておきましょう。
その日一日をどう過ごしたいか
　海の景色を眺めながらドライブしたいのか、山の空気の中でゆっくり過ごしたいのか。せっかく時間をかけて出かけるなら、「この景色の中で一年のことを考えたい」と思える場所を選ぶと、心の満足度がぐっと上がります。

どちらか一つに決めなくても、「今年は海にゆかりのある神社、次の厄年では山の神社」と、長いスパンで見て順番にお参りしていくのも良い方法です。その年の体調や家族の予定にあわせて、無理のない選び方をしていきましょう。

南予（宇和島・八幡浜ほか）で家族と無理なく通える場所の見つけ方

南予エリアには、宇和島市の和霊神社をはじめ、各地に地元の人が長く大切にしてきた社寺が点在しています。和霊神社は、宇和島藩主と家臣との歴史に関わる神社で、地元の守り神として信仰されてきました。そのほかにも、町ごとに八幡さまや観音さまが祀られた場所があり、地域によって「昔から家族でお参りしているところ」が違います。

家族で厄払いに行く場合、いちばん大切なのは「みんなが無理なく動ける距離かどうか」です。

車で片道30〜40分以内に着けるか
駐車場から社殿まで、階段や坂道がきつすぎないか
途中に休憩できるコンビニや道の駅があるか

小さな子どもや高齢の家族がいる場合は、とくにこの3点を意識しておきたいところです。参拝の前後に、近くの道の駅や温泉に寄る計画を立てておくと、厄払いが「家族の小さな旅」に変わり、思い出にも残りやすくなります。

また、南予は山あいの道や海岸線のカーブが多い地域でもあります。大雨や霧の日は視界が悪くなり、運転の負担が大きくなることがあるので、当日の天候を見て「今日はやめておこう」「別の日にしよう」と柔軟に予定を変えることも大切です。災害警戒区域や避難情報は、愛媛県や各市町の公式サイト・ハザードマップで最新の情報を確認しておきましょう。

車移動の人が多い愛媛であえて電車・バスを使った方がラクなケース

愛媛では日常生活の多くを車で移動する人が多く、厄払いも「車で行く」のが自然な選択になりがちです。ただし、椿神社や石鎚神社、初詣時期の大山祇神社など、一部の有名な場所では、年末年始や大きな祭りの前後に周辺道路が大変混み合うことがあります。そうしたときは、むしろ公共交通を使った方がラクな場合もあります。

渋滞で1時間以上動かないより、電車やバスでスムーズに移動した方が時間を読みやすい
運転に集中しなくて良いので、車内で一年の振り返りや家族との会話に時間を使える
帰り道の長時間運転による疲れや眠気を避けられる

特に、はじめて行く神社で土地勘がない場合や、雪・雨・夜間など運転条件がよくないときは、公共交通＋徒歩という組み合わせも選択肢に入れておきたいところです。

また、石鎚神社のように、特定の日程で交通規制やご祈祷の時間変更が行われる場合もあります。行く前に必ず公式サイトで最新の案内をチェックし、「今年は車で近くまで行けるのか」「どの時間帯が混みやすいのか」を確認してから予定を立てましょう。

氏神さまと有名な社をどう組み合わせるか｜二か所参拝の考え方

「せっかく厄払いをするなら、有名な神社やお寺に行ってみたい」と思う一方で、「自宅近くの氏神さまにもお参りしたい」という気持ちもあるかもしれません。どちらを優先するか迷ったときに便利なのが、「二か所参拝」の考え方です。

まず、自宅や職場の近くにある氏神さまにお参りし、日ごろのお礼を伝える
そのうえで、厄払いの祈祷は、自分や家族の事情に合わせて選んだ寺社で受ける

たとえば、

普段のお守り → 近所の神社
節目の厄祓い・交通安全・家内安全の祈祷 → 椿神社・大山祇神社・石鎚神社・やくよけ大師遍照院など、目的に合わせた寺社

というように、役割を分けるイメージです。

二か所参拝は、「どこに行けば一番ご利益があるか」を競うためのものではありません。自分の暮らす土地と、特別なご縁を感じる場所の両方を大切にするための方法です。年に何度も無理に行く必要はなく、

年始に氏神さま
誕生日や厄年の節目に大きな寺社

といったペースで続けるだけでも、心の中に「自分の拠り所」ができていきます。

ライフイベント別・愛媛で厄払いをどう活かす？（転職・結婚・出産ほか）

20〜30代の転職・異動・独立と重なる厄年のとらえ方

20〜30代の厄年は、就職・転職・部署異動、一人暮らしのスタート、Uターン・Iターンといった大きな変化と重なりやすい時期です。愛媛でも、松山や今治で働きながら、いつか地元に戻ることを考えている人や、逆に県外から移住してくる人が少しずつ増えています。

この年代で厄払いを考えるとき、「失敗を避けるためのお祓い」というより、「自分で選んだ道を応援してもらう儀式」ととらえると、気持ちが前向きになります。祈願の用紙には、

「仕事で自分の力を発揮できますように」
「新しい環境で、よい人間関係を築けますように」
「健康を大きく崩さず、働き続ける体力を保てますように」

といった、行動の土台になる願いを書いてみるとよいでしょう。

また、この時期は貯金がまだ少なかったり、引越しや家具の購入などで出費が増えたりしがちです。無理をして何度も祈祷に行くより、1回だけしっかり祈祷を受け、その日を「これから1年、仕事と生活を整えるスタートの日」と決めるほうが、心にも家計にもやさしいです。帰り道のカフェや自宅で、「この1年にやりたいこと」「体調面で気をつけたいこと」をノートに書き出せば、厄払いが単なるイベントではなく、自分の人生計画の一部として残っていきます。

結婚・パートナーシップの節目に「二人で厄払い」するときの注意点

結婚や同棲のタイミングで、「二人で厄払いに行こうか」という話になることがあります。特にどちらか一方が大厄の年だと、親や親戚から「二人そろってお参りしておいで」とすすめられることも多いでしょう。

二人で行く場合、前もって話しておきたいポイントは次の3つです。

どの土地の神さまに挨拶するか
　お互いの出身地が違う場合、「今回は住んでいる場所の近く、次は帰省したときにそれぞれの地元で」というように、順番を決めておくと揉めにくくなります。愛媛出身どうしなら、「松山側の実家に合わせて椿神社」「今治側の実家に合わせて大山祇神社」など、縁のある場所を話し合って決めていきましょう。
費用をどう分担するか
　初穂料をどちらが出すかは、人によって考え方が違います。「今年は自分が出すから、来年の初詣は相手に任せる」「家計からまとめて出す」など、あらかじめ決めておくと安心です。無理のない金額にして、家計に負担をかけ過ぎないようにしてください。
祈願の内容をどう書くか
　「厄除け」だけでなく、「家内安全」「夫婦円満」「良縁成就」などを組み合わせて、「健康と暮らしの土台が安定しますように」といった広めの願い方にすると、今後ライフステージが変わっても違和感がありません。

二人で厄払いに行くこと自体が、今後の暮らしについて話し合うきっかけにもなります。帰り道に、「これからどんな生活を送りたいか」「どのくらいのペースで神社やお寺に行きたいか」などを話してみるのもおすすめです。

妊娠・出産・子育て期の厄払い｜無理をしないタイミングと参拝の工夫

妊娠中や出産直後の時期は、厄払いに行きたくても体力が追いつかないことがあります。特に冬の冷え込みが強い日や、真夏の暑さが厳しい日、人混みの中を長時間歩くのは妊婦さんや赤ちゃんにとって大きな負担です。

この時期にいちばん大事なのは、「無理を絶対にしない」という前提を守ることです。

医師から安静を指示されているときは、参拝より体の安定を最優先にする
産後すぐで体力が戻っていないときは、その年はパートナーや家族だけで代わりにお参りしてもらう
赤ちゃんがもう少し大きくなってから、「お礼参り」として家族でゆっくり参拝する

といった柔らかい考え方で十分です。

どうしても一緒に行きたい場合は、

比較的暖かい時間帯を選ぶ
駐車場から社殿までの距離が短い神社を選ぶ
授乳室やオムツ替えスペースが近くにあるか確認する

といった点を事前にチェックしておきましょう。近くのショッピングセンターや道の駅と組み合わせて、「往復＋参拝で2〜3時間以内に収まるプラン」にしておくと、子どもも大人も疲れにくくなります。

妊娠・出産・子育てに関しては、とくに医学的な判断が重要です。少しでも不安があるときは、自己判断を避け、必ず担当の医師や助産師に相談したうえで行動してください。

親の還暦・古希など長寿祝いとセットで厄除けを考えるとき

親世代が60歳（還暦）、70歳（古希）、77歳（喜寿）といった節目を迎えるときに、「お祝いをかねて厄除けや長寿祈願をお願いしよう」と考える人も多いと思います。神社によっては、こうした年齢を「年祝い」として、専用の祈祷を行っているところもあります。

このタイミングで意識したいのは、「主役である親の希望を中心に考える」ことです。

昔からお参りしてきた地元の神社がいいのか
旅行もかねて、前から行ってみたかった有名な神社に行きたいのか
長時間の移動や階段がどのくらい負担になるか

などを、ゆっくり話し合ってみてください。

祈願の内容としては、「厄除け」「健康長寿」「家内安全」をまとめてお願いするケースが多いです。当日は、祈祷だけで終わらせず、写真を撮ったり、近くで食事をしたりして、「祈祷＋家族の時間」をひとつのイベントとして楽しむと、本人にとっても良い思い出になります。

高齢の家族を連れて行く場合は、足元の段差やトイレの場所、休憩できるベンチなども事前に確認しておくと安心です。体調が不安定なときは、日程を変更したり、今年は子や孫だけでお参りして、後日お札を渡す形にしたりと、柔軟に調整していきましょう。

自営業・フリーランス・農業・漁業など働き方別に祈り方を整える

自営業やフリーランス、農業・漁業、観光業など、自分で仕事のペースを決める働き方をしている人にとっては、仕事と生活が強く結びついています。売上の波がそのまま家計にひびくことも多く、厄年の不安が「仕事がうまくいかなくなったらどうしよう」という心配と重なりやすいかもしれません。

こうした働き方の人が厄払いを考えるときは、「仕事の成功だけをお願いしない」のが一つのポイントです。

商売繁盛・企業安全・海上安全・五穀豊穣など、業種に合った願い
それを支える心身の健康、家族の安定、人間関係の整理

両方をバランスよく祈願に盛り込むと、地に足のついたお願いになっていきます。大山祇神社では家内安全・厄祓い・海上安全・五穀豊穣など、幅広い願意を受け付けており、祈祷内容を選べるようになっています。

また、厄払いの日を「仕事の棚卸しの日」と決めてしまうのもおすすめです。祈祷の前後で、

1年間の売上・経費をざっくり振り返る
取引先との関係で気になる点を書き出す
来年の目標や改善したいことをノートにまとめる

といったことを行うと、祈りと具体的な行動計画が結びつきます。お札は事務所や作業場の目につきやすい場所に置き、月に一度くらい、「今月も無事に仕事ができました」と報告する時間をとると、心のリズムが整っていきます。

予約・初穂料・郵送祈祷まで｜愛媛の厄払い「実務」まるごと安心ガイド

いつ行く？愛媛の寺社に多い「年始〜節分」と通年受付の違い

厄払いは「正月から節分までに行くもの」というイメージが強いですが、実際には一年を通して祈祷を受け付けている寺社も多くあります。椿神社や大山祇神社、石鎚神社などでは、基本的に毎日、ご祈祷を随時奉仕しており、年末年始や祭礼時のみ時間が変わる形が一般的です。

ざっくりとしたイメージは、次のようになります。

年始〜節分：
　参拝者が多く、厄払いの空気感を強く味わえる時期。待ち時間は長くなりがち。
春〜初夏：
　気候が安定していて、境内の緑もきれいな時期。平日であれば比較的ゆったりした雰囲気で祈祷を受けられることが多い。
秋：
　祭礼や七五三など行事が続くが、日時を選べば落ち着いて参拝できる時期。

重要なのは、「いつまでに行かないと意味がない」と思い込みすぎないことです。その年のうちで、自分や家族の予定と体調に無理がないタイミングを選べば十分です。

ただし、特定の日程にしか厄除けの大祭を行わない寺社もあります。最新の受付時間や行事予定は、必ず各寺社の公式サイトや社務所への問い合わせで確認してください。情報は年によって変わることがあります。

初穂料・祈祷料の目安と「いくら包むか」迷ったときの考え方

厄払いを考えるとき、多くの人が悩むのが「初穂料はいくら包めばいいのか」という点です。全国的には、個人の厄除け祈祷で5,000〜10,000円程度という設定がよく見られます。

愛媛の主な寺社を例にとると、

椿神社：厄祓いを含むご祈祷料は1件10,000円以上（目安が明記されている）
大山祇神社：個人の祈祷は5,000円以上と案内されている
やくよけ大師遍照院：厄除祈祷料はお一人5,000円と示されている

といった形で、金額の目安が公式に示されているところが多いです。

迷ったときは、

一人で受けるとき → 5,000円〜1万円を基準に、寺社の案内に合わせる
夫婦や家族でまとめて受けるとき → 1万円〜、家計に無理のない範囲で設定する
「どうしても厳しい」と感じるとき → 今年は参拝とお賽銭だけにして、祈祷は生活が落ち着いた年に改めて考える

というように決めてみてください。

大切なのは、初穂料の多い少ないで祈りの真剣さが決まるわけではない、ということです。家計が苦しいのに無理をして高額を納めるより、「今の自分にできる範囲で、感謝とお願いを形にする」くらいの気持ちで十分です。金額について不安があれば、授与所で「ご案内の金額でよろしいでしょうか」と一言確認すると、気持ちが楽になります。

服装・持ち物・お札の置き場所｜一人暮らし・賃貸でも困らない準備

祈祷を受けるときの服装は、「フォーマル過ぎず、神さまの前に出ても失礼にならない程度」をイメージすると分かりやすいです。椿神社のよくある質問でも、「サンダルや短パンは避け、ご神前にふさわしい服装で」と案内されています。

具体的には、

襟付きのシャツやブラウス
落ち着いた色のニット
清潔感のあるパンツやスカート
冬場はコートを着ていても問題ないが、拝殿に上がるときは脱ぐ

といった服装であれば、多くの寺社で問題なく祈祷を受けられます。ダメージジーンズや極端に露出の多い服、ビーチサンダルなどは避けたほうが安心です。

持ち物としては、

初穂料を入れる封筒（「初穂料」「玉串料」と書くことが多い）
ハンカチ・ティッシュ
数珠（持っていれば）
メモ帳とペン（受付時間や説明をメモするため）

があれば十分です。

祈祷のあとに授与されるお札は、「目線より少し高く、落ち着いた場所」に置くのが一般的です。持ち家で立派な神棚があればそこに納めるのが一番ですが、一人暮らしや賃貸でも、

本棚の上段に白い紙や布を敷いて置く
タンスや冷蔵庫の上を簡易的なスペースとして使う

といった形で工夫できます。大切なのは、ほこりまみれの場所や、テレビのすぐ横など、騒がしい場所を避けることです。毎朝「おはようございます」、家を出る前に「行ってきます」と心の中で挨拶する習慣をつけると、お札が「暮らしのリズムを整えるスイッチ」になっていきます。

石鎚神社や大山祇神社・遍照院などで広がる郵送祈祷の使い方

「行きたい寺社はあるけれど、距離や体調の問題でどうしても参拝が難しい」という人向けに、近年は郵送による祈祷を受け付ける寺社が増えています。愛媛でも、

石鎚神社：郵送による御祈願・御守の授与について、申込方法（ファックス・メール・現金書留など）を公式サイトで案内している
大山祇神社：遠方や事情で参拝できない人向けに「郵送祈祷受付」を行っているやくよけ大師遍照院：参拝できない人は現金書留などで申し込み、祈祷札を郵送してもらえる仕組みがある

といった例があります。

一般的な流れは、

寺社の公式サイトで郵送祈祷の案内ページを確認する
申込書をダウンロードするか、案内に沿ってメール・FAX・手紙などで申し込む
指定の方法（振込・現金書留など）で初穂料を納める
神社・お寺側で祈祷が行われ、お札やお守りが自宅に届く

という形です。

全国的にも、お守りや御札をオンライン授与や郵送で受け取れる寺社は増えていますが、対応していない場所もまだまだ多く、方法や金額は各寺社によってかなり違います。

そのため、

郵送祈祷を行っているかどうか
申込方法や受付期間
初穂料や送料

といった点は、必ず最新の公式情報を確認してください。記事執筆時点での情報は、時間が経つと変わる可能性があります。疑問がある場合は、メールや電話で社務所に問い合わせるのが一番確実です。

古いお守りやお札をどうするか｜地元と旅行先どちらに預ける？

厄払いのあと、1年ほど経つと気になってくるのが、「お札やお守りをどうやってお返しするか」という問題です。基本的には、授与されてから1年を目安に、感謝の気持ちを込めてお返しするのが一般的とされています。

返す場所としては、

お札やお守りを授かった元の寺社
それが難しければ、自宅近くの神社やお寺の納札所

のどちらかがよく選ばれます。旅行先の神社でいただいたお守りを、次の旅行のタイミングまで大切に持ち、数年後にまとめてお返しする人もいます。

お札やお守りは信仰の対象なので、家庭ごみとして捨てるのは避けたほうがよいとされています。どうしても神社に行くことが難しい事情がない限り、どこか一つの寺社に持って行き、「一年間守っていただきありがとうございました」と一礼して納めるようにしましょう。

納め方が分からない場合は、授与所で「古いお守りをお返ししたいのですが」と声をかければ、係の方が案内してくれます。火を使って自宅でお焚き上げをしようとすると、火災の危険がありますので避けてください。

厄払いのあと一年を整える「愛媛らしい」日常の厄落としアイデア

健康診断と歯医者・眼科をセットで予約する「体のメンテ」習慣

厄払いを終えたあと、「やりっぱなし」で終わらせないためにすぐできるのが、「体のメンテナンスの予約」をまとめて入れてしまうことです。

おすすめは、次の3つをセットにして予定帳に書き込む方法です。

年に1回の健康診断（職場や自治体の検診）
歯科の定期検診
眼科のチェック（視力・眼圧・疲れ目など）

愛媛のように車で移動する時間が長くなりがちな地域では、視力や目の疲れ具合がそのまま運転の安全に関わります。県の交通事故統計を見ると、交差点事故が全体の約47.5％を占め、死亡事故の約半分で高齢者が第1当事者になっていることが分かります。こうした数字を「こわい」と感じるより、「だからこそ視力や体の状態を早めに整えておこう」と前向きに使うイメージです。

厄払いの日を、「今年の健康メンテナンスのスタートの日」と位置づけて、その日のうちに予約を入れてしまうと、「行かなきゃな」と思いつつ放置してしまう状況を防ぎやすくなります。検診の結果に不安があった場合は、必ず医師の説明をよく聞き、必要に応じて専門医や保健師に相談してください。

台風・大雨・地震を見すえた防災準備と車の点検を見直す

愛媛県は、台風の通過や梅雨前線の停滞による大雨の影響を受けることがあり、土砂災害や洪水のリスクを抱えています。県のサイトでは、東予・中予・南予それぞれの市町ごとに土砂災害警戒区域が一覧で公開され、ハザードマップも確認できるようになっています。

厄払いを「災いを遠ざけるきっかけ」と考えるなら、防災の見直しとも相性が良いタイミングです。

飲料水・非常食・懐中電灯・電池・モバイルバッテリーなどの備蓄をチェック
自宅や職場周辺の避難所や避難経路をハザードマップで再確認
車のタイヤの溝・ブレーキ・ライト・ワイパーの状態を点検

こうした準備は、一度で完璧にしようとすると大変ですが、1〜2時間かけて最低限のセットを整えるだけでも安心感はかなり変わります。特に車の点検は、普段そのままにしがちな部分です。タイヤの空気圧や溝の深さ、ライトの切れ、ワイパーの拭きムラなどをチェックしておくと、大雨の日の視界が大きく変わります。

災害情報や避難指示については、必ず自治体や気象台、警察・消防などの公式発表を確認し、SNSなどの未確認情報だけを頼りにしないようにしてください。

家計・仕事・人間関係を整理するための「月一小さな棚卸し」

厄払いを受けたあと、「気持ちを整えた状態をキープする」ために役立つのが、月に一度の「小さな棚卸しノート」です。やり方はとてもシンプルで、毎月同じ日にノートを開き、次の3つを書くだけです。

今月うれしかったこと・助かったこと（3つ）
今月しんどかったこと・困ったこと（3つ）
来月試してみたい小さな工夫（1〜2つ）

これを、「体」「お金」「仕事・学校」「家族・友人」の4つの項目に分けて書いても構いません。

書き続けていると、「この人と話すと元気が出る」「この時間帯の残業が続くと体調を崩しやすい」「この出費は自分にとって大事な投資だ」といった、自分なりのパターンが見えてきます。

厄払いでいただいたお札の近くにノートを置いておき、書き終わったあとに「今月も大きな事故なく過ごせました」と一言だけ心の中で報告してみてください。神さまに「成績表」を見せる感覚で振り返ると、自分の行動を無理なく改善していきやすくなります。

仕事や家計で悩みが大きいときは、このノートをもとに、ファイナンシャルプランナーや産業医、カウンセラーなど専門家に相談するのもよい方法です。

近所の氏神さまやお地蔵さんとゆるく付き合う月次参拝のすすめ

大きな神社や有名なお寺に行くのは年に1〜2回でも、近所の小さな神社やお地蔵さんには、月に一度くらいのペースで挨拶に行くと、心の落ち着き方が変わってきます。

やり方はとても簡単です。

月のはじめや給料日のあとなど、決めやすい日を一つ選ぶ
散歩がてら立ち寄り、鳥居の前で軽く一礼する
手水舎があれば手を清め、二礼二拍手一礼（神社の場合）でお参りする
「今月もよろしくお願いします」「先月も無事に過ごせました」と短く伝える

これだけで十分です。長いお願いごとをする必要はありません。

愛媛には、大きくは知られていなくても、地域の人が毎朝掃除をしているような小さな社やお地蔵さんがたくさんあります。そうした場所に、日常の数分だけでも通うことで、「何かあったらとりあえずここで一息つこう」という拠点ができます。

忙しいときは、境内まで行かなくても、通りすがりに軽く会釈するだけでもかまいません。「厄払いのときだけ神社に駆け込む」のではなく、普段からゆるくつながっていると、心がじわじわと安定していきます。

来年以降の節目（七五三・厄年・還暦など）をざっくり書き出す

厄年のタイミングは、一生の中で何度も訪れます。また、子どもの七五三、受験、就職、親の還暦や古希など、家族のイベントも重なってきます。そこでおすすめなのが、「これから10年くらいの節目をざっくり書き出しておく」ことです。

ノートの横軸に西暦や年号、縦軸に家族の名前を書き、

子どもの七五三・入学・卒業
自分とパートナーの厄年
親世代の還暦・古希・喜寿
住宅ローンの見直しや転職したい時期

などを埋めていきます。

書き出してみると、「この年は家族全員イベントだらけだな」「ここは少し落ち着いているから、旅行や大きな祈祷を考えられそう」といった全体像が見えてきます。厄払いもその中に組み込んで、

この年は祈祷中心
この年は参拝とお礼で十分

といったように、家計と体力のバランスを考えた計画が立てやすくなります。

こうした長期的な見通しは、実際にその歳になったときの不安を少し和らげてくれます。「将来の節目は、完全には読めないけれど、大まかな準備のイメージは持っている」という安心感は、日々の判断にも良い影響を与えてくれます。

まとめ

愛媛で厄払いを考えるとき、大事なのは「どの神社・お寺が一番効くか」を競うことではなく、「自分と家族の暮らしにとって、どんな節目にしたいか」を考えることです。厄年そのものは科学的な事実ではありませんが、年齢によって体や環境のリスクが変わってくることは、医学や統計のデータからも分かっています。

松山・東予・南予には、椿神社・石鎚神社・大山祇神社・和霊神社・やくよけ大師遍照院など、さまざまな歴史と役割を持つ社寺があります。その中から、

通いやすさ（距離・階段・交通手段）
自分や家族の暮らしとのつながり
祈祷内容や郵送祈祷の有無

といった条件をもとに、自分たちに合った場所を選んでいけば十分です。情報は年によって変わるため、必ず最新の公式案内を確認することも忘れないようにしましょう。

厄払いそのものより大切なのは、そのあと一年をどう過ごすかです。健康診断や歯科・眼科の検診、防災グッズや車の点検、家計や働き方の見直し、月一回の小さな棚卸しノート、近所の神社への気軽な参拝…。どれも地味な行動ですが、積み重ねるほど「自分にできる備えはやっている」という静かな自信につながります。

厄払いをきっかけに、愛媛の風景や社寺とのご縁を楽しみながら、自分にとってちょうど良いペースで暮らしを整えていけたら、それだけでこの一年は、少し過ごしやすくなるはずです。