厄年と「厄払い」の基礎と準備

「今年は厄年と言われたけれど、いつ・どこへ・いくら持って行けばいいのか分からない」——そんな疑問に、関東エリアの実務情報で応えるためのガイドです。2025年の節分は2月2日、立春は2月3日。東京・神奈川・千葉・埼玉・北関東それぞれの定番寺社、初穂料の相場、予約や郵送・オンラインの可否、所要時間、作法・マナー、混雑回避、授与品の祀り方までを一気に解説しました。読み終えた時には、そのまま使える参拝計画が完成しているはず。無理のない日取りと準備で、心 quiet に一年のスタートを切りましょう。
厄年(本厄・前厄・後厄)の年齢早見と数え方(男女別)
日本では、体調や生活環境が変わりやすい節目の年齢を「厄年」と呼び、一般に男性は数え年で25・42・61歳、女性は19・33・37・61歳が本厄とされています。前後の年を前厄・後厄とし、三年間を通して気を引き締めて過ごす考え方が広く知られています。数え年は「生まれた瞬間を1歳、以後は元日に1歳加える」方式なので、誕生日より前なら満年齢+2、後なら満年齢+1が目安です。地域や社寺で細部の違いがあるため、参拝先の年齢表を事前に確認すると安心です。なお「大厄」は男性42歳・女性33歳とされ、転職・転居・出産・親の介護など人生の変化が重なりやすい時期でもあります。厄年は「怖い年」ではなく、健康診断や家計の見直し、学び直しなど日々の整えを意識するための合図。お参りをきっかけに、生活を見直す前向きな一年にしていきましょう。
「厄払い」と「厄除け」の違いと選び方
用語は似ていますが、伝統的に「厄払い(厄祓い)」は神社でお祓いを受けて身心を清めることを指し、「厄除け」はお寺で護摩(ごま)などの修法により災厄を遠ざける祈願を指す、と説明されてきました。とはいえ現代では神社でも「厄除」、寺院でも「厄払い」と表記されることがあり、実務上はほぼ同義で使われることもしばしばです。選び方に正解はなく、①通いやすさ(自宅・職場からの距離、最寄り駅や駐車場)②ご縁(氏神・菩提寺・家族のゆかり)③受付方法(当日・予約・郵送/オンライン対応)④雰囲気(静かな昇殿祈願か、護摩の火で力強く祈るか)で決めれば十分。家族の事情や体調、混雑状況に合わせて、負担のない形を選びましょう。迷ったら、まず近隣の氏神様へ参拝して感謝とご挨拶をし、そのうえで厄除に著名な寺社へ向かう、という順路もおすすめです。
いつ行く?大安・正月・節分・立春の考え方
もっとも混雑するのは正月の松の内から節分の頃です。昔から「節分までに厄祓い」という風習が残る地域が多く、今もこの時期に祈願が集中します。2025年は立春が2月3日(月)、節分はその前日の2月2日(日)です。吉日を気にする場合は大安・友引などの暦注を参考にして構いませんが、厄祓いは「心身を整えて臨める日」が何より大切。多くの神社仏閣は通年で受け付けているため、ピークを外した平日や朝一番を選べば、静かで落ち着いた参拝がしやすくなります。家族の予定が合わなければ単独で参拝しても問題ありませんし、引っ越しや就職、子どもの入学と合わせるのも良い節目になります。雨天や猛暑日は比較的空いているため、足元や熱中症対策をしたうえで狙うのも実践的なコツです。
服装・持ち物・初穂料の包み方(のし袋の書き方)
装いは「清潔・控えめ・安全」を合言葉に。スーツやジャケット、きれいめなワンピース、襟付きシャツに長ズボンなど、動きやすく落ち着いた服装が基本です。帽子は社殿内では脱ぎ、極端な露出やサンダル、音の出るアクセサリーは避けましょう。持ち物は、のし袋・現金・筆記具・身分証・ハンカチ・体温調整用の上着・雨具・飲料・車両祓いなら車検証。のし袋は白無地または紅白蝶結びの水引で、表書きは神社なら「御初穂料」または「祈祷料」、寺院なら「御護摩料」など、氏名を楷書で。金額は社寺の案内に従い、相場感の範囲で無理のない額を納めます。封入は新札に限る必要はありませんが、折れや汚れのない紙幣が望ましいでしょう。混雑期は屋外で並ぶことも多いため、季節の防寒・暑さ対策を忘れずに。授与所の支払い方法は「現金のみ」の運用が多いので、必ず十分な現金を用意しておきます。
当日の流れ(受付→待機→ご祈祷→授与品)
多くの寺社の基本的な段取りは共通しています。入口近くの受付で申込書に住所・氏名・生年月日・願意(厄除・厄難消除・方位除など)を記入し、のし袋または所定の封筒で初穂料(護摩料)を納めます。次に待合所で呼び出しを待ち、案内に従って社殿・本堂へ。神社では修祓・祝詞奏上・玉串拝礼、寺院では読経・護摩修行・加持といった流れで、祈祷自体は概ね20〜40分程度です。終了後は授与所でお札やお守り、撤下品を受け取り、注意事項の説明を聞きます。車両祓いを併せる場合は、駐車場所の指示に従い、車内の清掃・安全確認をして臨むとスムーズです。社殿内は撮影不可のことが多く、スマートフォンは必ずマナーモードに。混雑期は待ち時間が延びやすいので、受付時間の締切より早めに到着し、集合の目安を同伴者と共有しておくと安心です。
関東の定番スポットをエリア別に紹介(神社・寺)
東京の定番(明治神宮/神田明神/西新井大師 など)
東京で代表格といえば明治神宮・神田明神・西新井大師です。明治神宮は原宿駅至近ながら杜の静けさが守られ、個人の祈願は受付9:00〜16:20、実施は「随時」。混雑時は案内まで待つことがありますが、スタッフの誘導が丁寧で初めてでも迷いません。神田明神は都心の守り神として著名で、個人の祈祷は9:00〜15:45受付、初穂料は1万円から。社殿内は写真・動画撮影ができません。商売繁盛の印象が強い神社ですが、厄除や家内安全の祈祷も多くの人が受けています。西新井大師(總持寺)は真言宗の名刹で、護摩祈願は厄除の定番。護摩札は5,000円よりが目安で、原則として年中毎日行われます(大掃除や年末の一部日程を除く)。火の気迫に身を委ねたい人には特におすすめ。いずれの寺社も最寄り駅からの道順が分かりやすく、境内に休憩所や授与所が整っており、初めての厄祓いでも安心感があります。
神奈川の定番(川崎大師/寒川神社 など)
神奈川なら「厄除けのお大師さま」で全国的に知られる川崎大師(平間寺)と、相模国一之宮の寒川神社が双璧です。川崎大師は本堂での護摩修行が迫力満点で、祈祷料は段階制。遠方や事情で来院できない人に向け、オンライン申込で護摩札を受け取れる窓口も整備されています。京急・JRの最寄りから参道商店街を歩く楽しさも魅力。寒川神社は「全国唯一の八方除の守護神」として篤く信仰され、方位・地相・家相・厄など広く災いを除く祈願が行われます。広い駐車場と清浄感のある境内は家族連れにも評判で、初めての昇殿でも落ち着いて参拝できます。県内では他にも鶴岡八幡宮、江島神社など見どころが多く、観光と合わせた一日計画を立てやすいのが神奈川の良さ。混雑期は早朝到着と屋外待機の防寒対策が成功の鍵です。
千葉・埼玉の定番(成田山新勝寺/川越氷川神社 など)
千葉の成田山新勝寺は、不動明王の前で毎日護摩が修される関東屈指の霊場。厄難消除の願意で祈願する参拝者が年間を通して多く、成田駅からのアクセスも良好です。境内は広く、待ち時間も気になりにくい配置。埼玉の川越氷川神社は、家内安全・人生儀礼の祈願で知られ、個人向けは9:00〜16:00受付、初穂料は5,000円よりが目安。小江戸の町並みへ歩いて行けるため、参拝と散策をセットにしやすいのが魅力です。周辺には喜多院・中院など寺社が点在し、古都の空気を感じながら一日を過ごせます。いずれも混雑が予想される日の昼前後は避け、朝一番または夕方前に到着すると、昇殿までがスムーズ。交通系ICの残高や帰りの電車の時刻も事前にチェックしておくと、余裕を持った移動ができます。
北関東の定番(佐野厄除け大師/笠間稲荷神社 など)
北関東で厄除といえば栃木の佐野厄除け大師(惣宗寺)が代表格。厄除・方位除の祈願で長い歴史を持ち、郵送による申込にも対応しています。関越・東北道からの車アクセスが良く、広い駐車場と周辺のアウトレットや名物グルメも相まって家族で参拝しやすいのが特徴。茨城の笠間稲荷神社は日本三大稲荷の一つに数えられ、五穀豊穣・商売繁昌のご神徳で知られつつ、厄除の祈祷も随時。北関東は自動車移動が前提になりやすいため、休日の交通規制や周辺道路の渋滞情報、駐車場の満空を事前に確認してから出発するのが成功のコツです。子ども連れなら、境内で走り回らないルールを共有し、ベビーカーで段差を回避できる動線をチェック。寒い時期は温かい飲み物とブランケットを携行すると待ち時間が快適です。
混雑回避のコツと時間帯(朝いち・平日・節分前後)
混雑のピークは正月三が日と節分前後。ここを避けるなら、①朝いち(受付開始と同時)に到着、②平日を選ぶ、③あえて雨天・猛暑日など人出が少ないコンディションを狙う、の三点が効果的です。大型の寺社では受付締切が早まることもあるため、公式の案内で「受付最終時刻」を前日に再確認し、30分前行動を心がけましょう。代表者が受付に並び、同伴者は待合で休む役割分担も有効。公共交通機関を使う場合は、到着後すぐに帰りの時刻表を確認しておくと安心です。写真撮影は境内でも人の動線を妨げない場所で最小限にし、社殿内は撮影不可が一般的。授与所や参道の混雑は回転が早いので、焦らずスタッフの指示に従えば短時間で進みます。節分当日付近は特に賑わうため、日時の自由が利くなら1〜2週ずらすのが賢明です。
費用・予約・所要時間のリアル
初穂料(祈祷料)の相場と金額の決め方
個人の厄祓い(厄除)の相場は、おおむね5,000〜10,000円が目安です。具体例として、東京の西新井大師では護摩札が5,000円より、神田明神では個人祈祷が1万円からという運用。金額によって木札のサイズや授与品の内容が変わる場合があり、家族や会社単位の団体祈祷では別枠が設定されていることもあります。金額の決め方に迷ったら、①参拝先の掲示・Webの案内、②自分や家族の負担にならない額、③初穂料の使われ方(社殿の維持や神事の運営)への理解、の三点で判断すると納得感が生まれます。のし袋は「御初穂料」「祈祷料」「御護摩料」のいずれかを用い、氏名を楷書で。受付で直接納める形が基本です。なお高額であるほどご利益が強いという考えは本来の趣旨と異なり、感謝と誠意のこもった“等身大のお供え”で十分です。
予約の有無:事前申込・当日受付・郵送祈祷の流れ
都市部の多くは当日受付制で、受付時間内に申込書の記入と初穂料の納入を済ませれば、その日のうちに祈祷を受けられます。明治神宮は個人祈願を随時奉仕(受付9:00〜16:20)、神田明神は9:00〜15:45受付。寺院では定時刻の護摩を複数回行うところが多く、西新井大師のように日中に数回の回が設定されます。遠方や体調の事情で参拝が難しい場合は、郵送やオンラインによる申込に対応する社寺を選ぶ方法があります。神田明神は郵送による祈祷受付、川崎大師はオンラインで護摩札申込・配送の窓口を設けており、授与品を後日受け取る形で“いまこの場で祈る”ことが可能です。郵送・オンラインの場合でも、住所氏名・願意・生年月日など必要事項の記載は共通。祈願の結果報告やお札のまつり方も同封の案内に従えば安心です。
ご祈祷の所要時間と滞在目安(移動+待ち時間)
祈祷そのものの時間は20〜40分が目安です。神社では修祓・祝詞奏上・玉串拝礼、寺院では読経・護摩修行・加持といった流れで、いずれも丁寧に進みます。混雑状況によって入場待ち・呼び出し待ちが生じるため、受付から授与品受け取りまでを含めた滞在時間は60〜90分を見ておくと余裕があります。正月や節分前後などの繁忙期は、待合室が満席になり外で待つことも。天候に応じて防寒・暑さ対策、雨具を準備しましょう。子ども連れなら、並ぶ前にトイレと水分補給を済ませ、静かに座っていられる準備(上着や小さな読み物)を。車で移動する場合は、駐車場の入出庫に意外と時間がかかるので、予定表には往復の“移動バッファ”を必ず確保しておくと安心です。終了後は境内で気持ちを整え、撮影可能な場所で記念写真を撮ってから帰路につくと良い記念になります。
授与品(お札・お守り)の種類と納め方
授与品は、木札(神札・護摩札)・紙札・お守り・厄除守・交通安全守・撤下品など。木札には氏名と願意が記される場合があり、自宅では清浄で高い場所におまつりします。神棚がある家庭では、中央に神宮大麻、向かって右に氏神、左に崇敬神社という並びが基本とされます。神棚がない場合でも、目線より高いタンスや棚の上に白い紙を敷くなどして丁寧に安置すれば問題ありません。寺院の護摩札も同様に、直射日光や湿気を避け、家族が自然に手を合わせやすい場所へ。お守りはバッグや財布、車内など身近なところに。お札・お守りは一年を目安に新しいものへ取り替えるのが一般的で、古いものは受けた寺社、または近隣の納札所へ納めます。地域によっては小正月の「どんど焼き」でお焚き上げを行いますが、持ち込みの可否や分別は寺社の掲示に従ってください。
キャッシュレス事情と現金準備のポイント
ここ数年でキャッシュレス対応が進みましたが、祈祷の初穂料(護摩料)については今も「現金のみ」の寺社が多数派です。一方で、授与所や境内の飲食・物販施設はクレジットカードや交通系IC・QR決済に対応する例も増えています。したがって基本方針は「十分な現金+必要に応じてキャッシュレス」。現金はつり銭が出ないように用意し、のし袋と一緒にA5サイズの封筒にまとめておくとスムーズです。オンラインや郵送の申込では、クレジットカード決済・銀行振込に対応しているケースもあるため、事前に公式の案内を確認しましょう。なお、境内のレストランや土産店がキャッシュレス可でも、授与所の運用は別ということが珍しくありません。レジ前で慌てないよう、到着したらまず掲示の「お支払い方法」を確認する癖をつけておくと安心です。
作法とNG集:知らないと損するマナー
参道・手水・拝礼の作法(神社/寺のちがい)
鳥居や山門をくぐる前に一礼し、参道は中央(正中)を避けて歩きます。手水舎では柄杓で左手・右手の順に清め、左手に水を受けて口をすすぎ、再び左手を清め、最後に柄の部分を洗って柄杓を伏せて戻します。神社の拝礼は基本が「二拝二拍手一拝」。深く二度礼をし、胸の前で二度拍手、願いを静かに伝えてから最後に一礼します。寺院では合掌一礼が基本で、拍手は打ちません。線香・灯明の供養を行う寺もありますので、案内板や係の指示に従いましょう。歩き食べや大声の会話、通路での長時間の撮影は避け、境内の静けさを守る姿勢が大切です。玉串拝礼では、玉串の根元が自分側に来るよう受け取り、時計回りに回して根元を神前に向けて供えます。所作に不安があっても、気持ちを込めて丁寧に行えば十分に伝わります。
服装マナー:スーツ/きれいめカジュアル/子ども連れの注意
服装の基本は「清潔で動きやすいきちんと感」。スーツやジャケット、ダークトーンの落ち着いた装いなら間違いありません。夏は襟付きシャツに薄手の羽織、冬はコートの脱ぎ着で温度調整を。露出の多い服やサンダル、極端にダメージのあるジーンズ、派手なロゴは避けましょう。アクセサリーは音が出ないものに。子ども連れは、着脱しやすい上着・滑りにくい靴・小さな読み物を用意し、待ち時間に備えます。参道や石段では手をつなぎ、走らない約束を事前に共有しておきましょう。社殿・本堂の中では帽子を取り、スマホはマナーモードに。ベビーカーは段差の少ない動線を事前に調べておくとスムーズです。写真撮影はまわりの参拝者の顔が写り込まないよう配慮し、列の流れを止めないこと。季節柄の寒暖差にも注意し、体調を最優先に行動します。
写真撮影の可否とスマホマナー
境内は撮影可の場所が多い一方、昇殿した社殿内・本堂内は撮影禁止が一般的です。神田明神のように「社殿内の写真・ビデオ撮影はご遠慮ください」と明確に定める寺社もあります。禁止表示がない場所でも、フラッシュや連写音、長時間の動画撮影は迷惑になりがち。祭典や読経の最中はスマホをしまい、静けさを守りましょう。撮影可能な場所では、参拝者の動線を妨げない位置に立ち、三脚の使用は控えるのが無難です。SNSに投稿する際は、他の参拝者の顔やナンバープレートが写っていないかを確認し、地図や時刻などプライバシー情報にも配慮します。ライブ配信や通話は境内の外で。記念撮影は祈祷前に済ませ、祈祷中は電話・通知を必ずオフに。写真よりも、その場の空気を心に刻むことを大切にすると、参拝がより豊かな時間になります。
お酒や食事、喪中のときはどうする?
参拝直前の深酒は厳禁です。前夜に飲んだ場合も節度を守り、当日は十分に水分を取りましょう。食事は匂いの強いものを避け、満腹・空腹のどちらにも偏らない程度に。喪中・忌中の扱いは宗教観や地域慣習によって異なりますが、神道では一般に「忌中(おおむね50日)」は神社参拝を控えるのが基本とされ、忌明け後であれば参拝・厄祓いを受けられます。寺院は忌中でも参拝可能とされることが多い一方、法要日程と重なる場合もあるため、事前の確認が安心です。いずれも最終的には参拝先の指示に従うのが確実。体調が優れないときや、妊娠・出産後間もない時期は、無理をせず郵送・オンライン祈願の活用も選択肢に。家族の事情があるなら、まず電話やメールで相談してみると、柔軟な案内を受けられることが多いです。
お札の祀り方と1年後の納め方(古札のお焚き上げ)
お札は清浄で高い場所に安置します。神棚がある場合は、中央に天照大神の神宮大麻、向かって右に氏神、左に崇敬神社という並びが基本。神棚がない場合はタンスや棚の上に白紙を敷くなどして丁寧におまつりし、直射日光・高温多湿を避けます。お守りは身につける、財布やバッグに入れる、車内に備えるなど日常の場に。お札・お守りは一年を目安に新しいものへ。古いものは受けた寺社の納札所へ納め、可能ならば「どんど焼き」の時季に感謝してお焚き上げしていただきます。燃やせない素材が含まれる授与品やぬいぐるみ等は受け入れが異なるため、掲示を確認しましょう。神棚の掃除は毎月1日・15日など区切りの日に行い、手や口を清めてから布でほこりを払います。家族が自然に手を合わせられる場所と習慣づくりが、日々の安心につながります。
よくある質問(Q&A)と当日チェックリスト
ひとり参拝でもOK?家族同席のポイント
ひとり参拝はまったく問題ありません。むしろ心静かに向き合える利点があり、所作も落ち着いて行えます。家族同席の場合は、代表者が受付を担い、他の人は待合で体力を温存する役割分担が有効。小さな子どもは並ぶ前にトイレ・水分補給を済ませ、座って待てる準備(上着・小さな読み物)を。祈祷中は席を立たないのが基本なので、入場前に上着の着脱や荷物の整理を終えておきましょう。写真は祈祷前に境内で撮影し、昇殿後はスマホを必ずしまいます。祖父母と同行する場合は、段差や待ち時間に備えて折りたたみ椅子や膝掛けを用意。帰路は人出のピークを避けるため、昼食やお茶を境内外の空いている時間にずらすと快適です。無理のない計画にすれば、家族の思い出としても残りやすく、良い一年のスタートになります。
厄年を過ぎた・うっかり行きそびれた場合は?
「節分までに必ず行かないといけない」という決まりはありません。多くの寺社は通年で厄祓い・厄除の祈願を受け付けています。忙しさや体調の事情で時期を逃してしまっても、落ち着いたタイミングで参拝すれば問題なし。むしろ混雑を避けられるため、丁寧に祈りに向き合える利点があります。年齢の数え方や本厄の年にこだわり過ぎず、「気になった時が行き時」という姿勢で大丈夫です。新年度・誕生日・転職・引っ越しなど生活の節目に合わせるのもおすすめ。厄年を終えた後に感謝の参拝をする人も多く、生活習慣の見直しや健康チェックとセットにすると、祈りが日常に根づきます。なお、節分に関心がある場合、2025年の恵方は「西南西やや西(方位角およそ255°)」です。豆まきや恵方巻きは家族の行事として、厄祓いと合わせて楽しむと良い節目になります。
病気・出産・高齢など事情があるときの参拝
外出や長時間の待機が難しい場合は、郵送・オンラインによる祈願を受け付ける寺社を選ぶ方法があります。神田明神は郵送祈祷の窓口を設け、川崎大師はオンライン申込で護摩札を受け取れる体制を整えています。自宅で静かに祈り、後日授与品が届いたら案内に従っておまつりすればOK。高齢の家族と参拝する場合は、休憩の頻度・ベンチの位置・段差の少ない動線を事前に確認し、境内での滞在を短時間に区切るのがコツです。ベビーカーや車椅子の貸出がある寺社もあるため、必要なら事前に問い合わせを。体調に不安があるときは、潔く予定を変更する勇気も大切です。祈りは逃げません。状況に合わせて「今できる形」を選び、無理なく続けることが一番のご利益につながります。
雨・猛暑・大混雑時の対処法
雨の日は参拝客が少なく、落ち着いて祈れる“穴場時間”。滑りにくい靴と折りたたみ傘、タオルを用意すれば快適です。猛暑日は日傘や帽子、飲料、冷感タオルで熱中症対策を。真冬は手袋・カイロ・マフラーで指先の冷えを防ぎます。大混雑時は朝いち到着と代表者の受付を徹底し、待合での席取りや荷物番を分担。迷子対策として集合場所と時刻を事前共有し、スマホはマナーモードにして通知を最小限に。列が動くテンポに合わせて荷物を体の前に持つと安全です。写真撮影は立ち止まらず、流れの外で短時間に。帰りの交通が混む場合は、駅の混雑を避けるため一駅歩く、時差帰宅するなど工夫を。体調を最優先に、無理に計画を詰め込まず「祈る・受け取る・休む」の三拍子で組み立てると、満足度が高くなります。
当日に役立つ持ち物チェックリスト
のし袋(御初穂料/祈祷料/御護摩料)/現金(つり銭の出ない額)/筆記具(油性ペンが便利)/身分証(住所・氏名の確認用)/ハンカチ・ティッシュ/体温調整用の上着・マフラー・手袋/折りたたみ傘・タオル/飲料(冬は保温ボトル、夏は冷たい水)/小さな読み物や子ども用グッズ/スマホはマナーモード設定メモ/車両祓いは車検証・駐車券/靴用の滑り止めや替えの靴下/マスク(混雑時の咳エチケット)/帰路の交通系IC残高メモ。これらをA4封筒や小さなポーチにまとめると、受付から昇殿まで身軽に動けます。忘れ物を防ぐため、前夜に玄関へ置いておくのが実践的です。
まとめ
厄年は「不安な年」ではなく、生活を整え心を新しくする節目です。関東には、神社の清めの祈りと寺院の護摩による力強い祈り、どちらも選べる拠点がそろっています。2025年は節分が2月2日(日)、立春は2月3日(月)。混雑を避けるなら朝いち・平日・雨天がねらい目で、受付の最終時刻を必ず確認しましょう。初穂料の相場は5,000〜10,000円。授与所の支払いは現金が基本ですが、施設によってキャッシュレスの運用が分かれるため現地掲示を確認するのが安全です。お札は清浄で高い場所にまつり、1年を目安に納札へ。家族や体調の事情があるなら、郵送・オンラインの祈願も立派な選択肢です。大切なのは形式にとらわれすぎず、感謝の気持ちと丁寧な所作で臨むこと。今日の一歩が、明日の安心へとつながります。


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