1. 高知で厄払いを受ける前に知っておきたい基礎と「高知ならでは」の特徴

「そろそろ自分も厄年らしい」と聞いて、高知で厄払いを考え始めたものの、どこへ行けばいいのか、いくらぐらい包めばよいのか、仕事や家事の合間にどう予定を組めばよいのか、分からないことだらけで手が止まっていないでしょうか。車がない人や、小さな子ども・高齢の家族がいる人にとっては、「そもそも行ける場所があるのか」という不安もあるかもしれません。
このページでは、高知で厄払いをしたいと考えている人に向けて、「高知ならでは」の特徴を踏まえながら、準備の仕方から当日の流れ、時間やお金の目安、目的別の場所選び、忙しい人向けの半日・一日プラン、そして厄払い後の日常の整え方までを、できるだけ分かりやすくまとめました。
具体的な神社名やお寺の名前も出てきますが、中心にあるのは「どうやって自分の暮らしと心を整えるか」という視点です。高知の海や山、市場や温泉といった楽しみもさりげなく織り込みながら、「厄年=怖い年」ではなく、「これからをちょっと生きやすくするきっかけ」に変えていくための一つのガイドとして、ゆっくり読み進めてみてください。
高知の人が厄年で不安になりやすいタイミングと背景
高知で暮らしていると、親戚の集まりや職場の雑談で「今年あんた厄やろう?」と声をかけられて、急に自分の年齢が気になってくることがあります。特に男性は40代前半、女性は30代前後になると、仕事や家族のことで大きな変化が続きやすい時期です。転職・昇進・独立、結婚や出産、親の体調や介護の問題など、いくつもの悩みが重なりやすいタイミングでもあります。
そこへ「厄年」という言葉が重なると、「この不安は全部厄のせいかも…」と感じやすくなります。高知は台風や大雨も多く、「自然には逆らえない」という感覚を持ちやすい土地柄です。そのぶん昔から、神社やお寺に手を合わせて心のよりどころをつくる習慣が根づいてきました。飲みに行ってストレスを発散する文化もありますが、年齢を重ねるほど「飲んで忘れるだけでは追いつかない」と感じる人も増えてきます。
そこで役に立つのが、「厄年=悪い年」と決めつけるのではなく、「生活を整え直す節目」として利用する考え方です。健康診断や歯医者を先延ばしにしない、保険や家計を見直す、働き方や休み方を調整する、こうした現実的な行動とセットで厄払いを受けると、一つの大きなリセットボタンとして機能しやすくなります。「怖い年だから祈る」のではなく、「これから数年を無事に乗り切る準備をする年」としてとらえると、気持ちの重さがかなり変わってきます。
厄年の数え方と「今年は自分も?」を確かめる方法
厄年の年齢は、一般的には「数え年」で数えると言われています。数え年とは、生まれたときがすでに1歳で、その後は元日ごとに1歳ずつ増える数え方です。神社本庁などの説明では、地域差はあるものの、男性は数え年で25・42・61歳、女性は19・33・37歳(+61歳を加えるところもあり)を厄年とするのが一般的だとされています。
とはいえ、すべての神社・お寺で厄年の考え方がまったく同じ、というわけではありません。高知県内の社寺でも、それぞれの厄年早見表を掲示していたり、年齢の区切り方が少し違っていたりします。ですから、「自分が今年前厄なのか本厄なのか」「そもそも厄年に入っているのか」は、最終的にはお参りする予定の神社・お寺が出している一覧を確認するのが一番確実です。
やり方としては、まずネット検索や神社本庁などの情報でざっくりと自分の年齢を確認し、「どうも怪しいな」と思ったら、行く予定の社寺の公式サイトや電話で聞いてみるのがおすすめです。「今年○歳になるのですが、厄年にあたりますか?」と一言添えるだけで、前厄・本厄・後厄の扱いや祈祷の時期なども、併せて教えてくれることが多いです。「早見表を見てもよく分からない」と悩み続けるより、先に聞いてしまった方がずっと気が楽になります。
神社・お寺・四国霊場が共存する高知の信仰スタイル
高知には、古い歴史を持つ神社と、四国八十八ヶ所霊場のお寺がどちらも身近にあります。たとえば高知市一宮にある土佐神社は、「土佐一ノ宮」として知られる歴史ある神社で、土佐国の総鎮守として古くから崇敬を集めてきました。本殿や拝殿などが重要文化財に指定されており、境内の森を歩くだけで気持ちが落ち着くような、静かな雰囲気があります。
一方で、お寺の側では、四国第三十番札所の善楽寺や、三十一番札所の竹林寺、三十五番札所の清瀧寺などがよく知られています。善楽寺は本尊が阿弥陀如来で、境内には「厄除け大師」と呼ばれる大師像や、首から上の病や悩みにご利益があると伝えられる梅見地蔵が祀られており、厄除けや交通安全、試験合格などの祈願に訪れる人も多いと紹介されています。清瀧寺は、本尊の厄除薬師如来や大きな薬師如来像、胎内めぐりなどが有名で、「厄除けの薬師さま」として親しまれています。
このように、高知では「神社でお祓いを受ける」スタイルと、「お寺でご祈祷を受ける」スタイルが自然に混ざり合っています。どちらが正しい、というよりも、「自分が手を合わせて落ち着ける場所かどうか」が大切です。午前中に神社で厄払いを受け、午後にお寺でお大師さまや薬師如来さまにお礼を言いに行く、といった一日の過ごし方も、高知ではごく自然な形として成り立ちます。
「厄払い=怖い行事」にしないための心の準備
厄払いと聞くと、「名前を大きな声で呼ばれたらどうしよう」「何か特別なことをさせられるのでは」と身構えてしまう人も少なくありません。しかし実際のご祈祷は、多くの場合とても静かで落ち着いたものです。社殿や本堂に入って決められた場所に座り、神職や僧侶の祝詞・読経を一緒に聞き、お祓いや玉串奉奠、焼香などの流れに従って進んでいきます。特別な作法を暗記しておく必要はなく、その場で案内された通りに動けば十分です。
不安を減らすコツは、「当日の流れ」を事前にイメージしておくことです。到着したら、まず手水で手と口を清めてから受付へ。住所や名前、お願いごとを用紙に記入し、初穂料・祈祷料を納めます。その後は待合所で名前を呼ばれるのを待ち、時間になったら案内に従って社殿や本堂へ移動します。全体での所要時間は、おおよそ30分〜1時間前後になることが多いので、「午前中は厄払いに使う」と決めておくと、気持ちに余裕が生まれます。
服装やマナーも、「結婚式ほどかしこまらなくてよいが、人前に出ても恥ずかしくない程度」を目安にすると安心です。スーツでなくても、ジャケットや落ち着いた色のワンピースなど、清潔感のある服装であれば問題ありません。厄払いは、何か恐ろしい儀式ではなく、「これからの一年を整えるために、心を落ち着けて向き合う時間」と考えると、ぐっとハードルが下がってきます。
誰と行くかより「どんな気持ちで行くか」を決める
厄払いに行くとき、多くの人が「誰と一緒に行こうか」で迷います。家族と行くか、友人と行くか、一人で行くか。もちろん一緒に行く相手も大事ですが、それ以上に大切なのが「どんな気持ちでそこへ向かうか」です。同じご祈祷を受けても、「せっかくだから行っておくか」と考えているのと、「今年こそ生活を立て直したい」と強く願っているのとでは、その後の行動が大きく変わってきます。
おすすめなのは、前の日までにノートやスマホに次の3つを書き出しておくことです。
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今年一番守りたいもの
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手放したい不安や癖
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今すでに感謝していること
たとえば、「家族の健康」「仕事での大きな失敗への不安」「助けてくれる同僚への感謝」といった具合に、思いついたことをそのまま書いてみます。これを事前に整理しておくと、当日手を合わせた瞬間に、自然と自分の言葉で祈りや感謝が出てきます。
一緒に行く人がいる場合は、終わったあとに少し話す時間をあらかじめ決めておくのもおすすめです。近くの喫茶店などで、「今年はここを直したい」「ここは大事にしたい」と、お互いの考えをゆっくり話すことで、厄払いが「ただ行っただけの行事」ではなく、「これからの生き方を見直すきっかけ」になっていきます。
2. 目的別に見る高知の厄払いスポットの選び方
仕事や転職の不安を整えたい人に向くエリアの考え方
仕事のことや転職・独立のことで頭がいっぱいになり、「今年は何となく運気を整えたい」と感じる人にとって、厄払いは気持ちを切り替える良いきっかけになります。高知市内で働いている人なら、まず「職場や自宅から動きやすいエリアかどうか」で候補を絞ると現実的です。移動時間が長すぎると、それだけで疲れてしまい、祈祷の時間に集中しにくくなってしまいます。
たとえば、高知市一宮エリアの土佐神社は、土佐国の総鎮守として古くから信仰を集めてきた神社で、厄除けや家内安全などさまざまな祈願を受け付けています。高知市の中心部からも通いやすく、仕事前後に寄ることも不可能ではありません。また、善楽寺や竹林寺、清瀧寺といった四国霊場のお寺も、人生の節目にお参りする場所として知られています。
ここで大事なのは、「仕事運に効く場所」かどうかを過度に気にしすぎないことです。社寺それぞれに由緒やご神徳はありますが、一番のポイントは「自分が落ち着いて今後のことを考えられる雰囲気かどうか」です。参拝が終わったあとに、近くのカフェやベンチで、ノートに今後の働き方や目標を書き出す時間をセットにすると、厄払いが「これからの仕事と向き合うスイッチ」として役立ちやすくなります。
家族や子どもの健康を願いたいときに意識したいポイント
家族や子どもの健康を願って厄払いに行く場合、場所選びでは「ご利益」だけでなく「行きやすさ」もとても重要になります。段差や階段の多さ、駐車場から社殿・本堂までの距離、授乳やおむつ替えができる環境が近くにあるかどうか、といった点をチェックしておくと、当日の負担が大きく変わります。
高知には、四国霊場のお寺や地域に根ざしたお寺で、厄除けや星祭りの祈祷会を行っているところもあります。たとえば善楽寺では、「厄除け大師」や梅見地蔵、子安地蔵堂などがあり、厄除けや安産・子宝などの祈りを捧げる人々に親しまれています。また、星祭りの祈祷会で厄除け・開運を祈るお寺もあり、家族単位での参拝を受け付けているケースも見られます。
小さな子どもや高齢の家族と一緒に行く場合は、必ず事前に電話で確認しておきたいポイントがあります。「祈祷は何分くらいか」「途中で子どもが泣いても大丈夫か」「椅子席はあるか」「階段が多いか」「駐車場からどれくらい歩くか」など、気になることを遠慮なく聞いてみましょう。無理のない動線を考えておくと、「家族でいい時間を過ごせた」という実感が残りやすくなります。
車なし・電車や路面電車で行きやすい高知市内エリア
「車を持っていないから、高知での厄払いは難しいのでは」と感じる人もいますが、高知市内であればJR・路面電車・バスを組み合わせて行ける場所は意外と多くあります。高知駅周辺や、はりまや橋・大橋通などのエリアを拠点にすれば、電車やバス+徒歩での参拝も十分に現実的です。
土佐神社の場合、JR土佐一宮駅から徒歩で向かうルートや、高知駅からバスで「一宮神社前」バス停まで行き、そこから歩くルートが案内されています。距離や坂道の有無など、事前に地図アプリで確認しておくと安心です。高知駅から乗り換えを含めても、片道30〜40分前後で収まることが多いので、「午前中だけ」「午後だけ」の半日プランにも組み込みやすい距離感です。
車なしで動く場合は、「最寄り駅・電停から徒歩15分以内かどうか」「帰りに寄れる喫茶店やバス停付近のベンチがあるかどうか」という視点も持っておくと、当日の疲れがかなり違ってきます。路面電車やバスの本数は時間帯によって変わるので、行きと帰りの時刻をざっくりメモしておくと、慌てずに動けます。
ドライブで行きたい海・山近くの社寺の探し方
車がある人なら、「せっかくならドライブも兼ねて、海や山の景色がきれいな場所で厄払いをしたい」と思うこともあるはずです。高知は海岸線も山あいの道も魅力的なので、どこへ向かうか考えるだけでも少し楽しくなってきます。ただし、景色の良さだけで選ぶのではなく、「運転に無理のないルートかどうか」を最優先にするのが安全です。
たとえば五台山の竹林寺は、高知市内から車で行きやすい札所で、山上から街や海を見渡せる眺望が魅力として紹介されています。また、山あいの清瀧寺は厄除薬師如来で知られる札所ですが、道が細い場所もあり、駐車場の情報や路面状況を事前に調べておいた方が安心だと案内されることもあります。
インターネットの口コミや観光サイトでは、「駐車場の広さ」「運転の難易度」「階段の多さ」などが具体的に書かれていることも多いので、必ず複数の情報を照らし合わせて判断するようにしましょう。長距離ドライブの場合は、往復の運転時間だけでなく、途中の休憩ポイントやガソリンスタンドの位置も確認し、「帰り道も安全に運転できるかどうか」を基準に予定を組むことが大切です。
静かに一人で向き合いたい人のための場所選び
「家族や友人と一緒もいいけれど、厄払いだけは一人で静かに行きたい」と感じる人もいます。一人で行く場合、まず意識したいのは「時間帯」です。どの社寺も、元日や三が日、節分前後はどうしても混雑しますが、平日の午前中や閉門前の少し早い時間は、人が少なく落ち着いた空気になりやすい傾向があります。
大きな神社やお寺でも、人が集まりやすいのは拝殿・本堂の真正面や授与所の周辺です。境内を少し広めに歩いてみると、木陰のベンチや小さな摂社・祠の前など、静かに過ごせる場所が見つかることも多いです。一人で行くときは、スマホをなるべく触らず、「行き帰りの移動も含めて、自分と対話する時間」にしてみると、気持ちの整理がしやすくなります。
具体的には、行きの電車やバスの中では、今年気になっていることや、ここ数年で変わったことをゆっくり振り返り、帰り道では、祈祷中に印象に残った言葉や音、匂いなどを思い出してみます。「こうしてお参りできた自分は、これからどうしたいのか」を少しずつ言葉にしていくと、日常のモヤモヤが少しずつ小さくなっていきます。
3. 予約・時間・お金 高知の厄払いをスムーズに受ける実務ガイド
電話や公式サイトで事前に確認しておきたいこと一覧
厄払いは、「行ってみたら受付時間が過ぎていた」「この日は祈祷をやっていない日だった」という行き違いが起きやすい行事でもあります。高知県内の神社・お寺も、祈祷の時間帯や予約の要・不要がそれぞれ違うため、最低限のポイントは事前にチェックしておきましょう。
たとえば土佐神社の公式サイトでは、祈願の可能な時間を「午前9時〜午後4時(各時間00分と30分から30分おき)」と案内しており、個人の初穂料の目安を「5,000円より」としています。ただし、祭典や行事の都合で時間が変わる場合があるため、来社の期日が決まった時点で事前に問い合わせるよう勧めています。
確認しておきたい代表的な項目を整理すると、次のようになります。
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厄除け祈祷の受付時間
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予約が必要か、当日受付か、その両方か
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祈祷の所要時間の目安
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初穂料・祈祷料の目安(1人分か家族単位か)
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駐車場の有無と台数、混みやすい時間
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階段や坂道が多いかどうか
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古いお札・お守りの返納ができるか
公式サイトに必要な情報がすべて載っていない場合もあるので、不安な点があれば電話で聞いてみるのが一番確実です。「初めての厄払いで分からないことが多いのですが…」と前置きすれば、たいてい丁寧に教えてくれます。
受付時間・所要時間の目安と混みやすい時期の考え方
多くの神社・お寺では、厄除けを含むご祈祷の受付時間を、目安として「朝9時〜夕方4時ごろ」に設定していることが多いです。土佐神社でも、祈願の時間帯は9時〜16時と案内されており、1日に何回かの枠に分けて斎行されていることが分かります。
ただし、これはあくまで一例であり、年末年始や大きな祭礼の期間には時間が変更されることもあります。また、節分の厄除け祈願など、特定の日に参拝者が集中する行事では、臨時の時間設定になるケースもあります。必ずその年ごとの最新情報を、公式サイトや社寺への問い合わせで確認しましょう。
当日の全体の所要時間は、「受付〜待ち時間〜祈祷〜お札受け取り」まで含めて、1時間前後を見ておくと安心です。混雑する時期や時間帯はもう少しかかる可能性もあるため、予定を詰め込みすぎないことも大切です。仕事や家事の合間に無理やりねじ込むのではなく、「この日はここに時間を使う」と決めておくと、心の余裕が生まれます。
初穂料・祈祷料の相場と無理のない決め方
お金の話は、友人や家族にもなかなか聞きづらい部分です。全国的な情報や各神社の案内を見ていくと、個人の厄除け祈祷の初穂料は「5,000円〜1万円程度」を目安にしているところが多く、高知でも同じくらいのレンジで案内されるケースが目立ちます。土佐神社の御祈願案内では、個人の初穂料を「5,000円より」としており、これが一つの参考になります。
ただし、金額はあくまで「お気持ち」であり、社寺ごとに細かな決まりがある場合もあります。公式サイトに金額がはっきり書かれていないときは、「厄除け祈祷の初穂料の目安を教えてください」と電話でたずねてみましょう。家族で複数人分をお願いする場合は、人数分の祈祷料が必要かどうかも合わせて確認しておくと、当日慌てずにすみます。
決め方としては、「この金額なら、今年一年を丁寧に過ごそうと思える」というラインを基準にするのがよいでしょう。生活が苦しいのに無理をして高額を納める必要はありません。白い封筒かのし袋に、「初穂料」または「玉串料」と表書きをし、下に住所と氏名を書いて用意しておけば十分です。現金をそのまま出しても受け付けてくれる場合もありますが、封筒入りの方がお互いにスムーズです。
服装・持ち物・お札を持ち帰るときのちょっとした工夫
服装は、あまり気負いすぎる必要はないものの、「神さま・仏さまの前に出る場」だという意識は持っておきたいところです。清潔感のあるジャケットと控えめな色のパンツやスカート、シンプルなワンピースなど、普段着の中でも少しきちんとした印象の服装がおすすめです。ジーンズやスニーカーでも、破れや極端なダメージ加工がなければ問題ないことが多いですが、迷う場合は落ち着いた雰囲気に寄せておくと安心です。
持ち物で意外と役立つのが、A4のクリアファイルと少し大きめの紙袋、折りたたみのビニール袋です。祈祷が終わると、お札・お守り・お神酒・お菓子など、いくつかの品をまとめて渡されることがあります。そのままバッグに入れると折れたり曲がったりしやすいので、クリアファイルに入れてから紙袋に立てて収納すると、自宅まできれいな状態で持ち帰れます。
古いお札やお守りを持って行く場合は、できるだけ丁寧に扱い、むやみに折り曲げずに持参しましょう。雨の日は、濡らしたくないものを一時的にビニール袋に入れて守ると安心です。また、現金は、賽銭やおみくじ、交通費、飲み物代などを考えて、千円札と小銭を多めに用意しておくと余裕を持って動けます。
写真撮影やスマホのマナーでよく迷うポイント
スマホで写真を撮るのが当たり前の時代ですが、神社やお寺では場所によってルールが違います。本殿・本堂の内部や祭壇、お守り授与所のカウンターなどは、「撮影禁止」「撮影はご遠慮ください」と明示されていることも多いので、まずは掲示や案内板をよく見ましょう。迷ったときは、職員や神職・僧侶の方に「ここは撮っても大丈夫ですか」と一声かけるのが確実です。
祈祷中は、スマホの電源を切るかマナーモードにし、かばんの中にしまっておくのが基本です。他の方の祈りの時間でもあるので、着信音やバイブの振動で集中を妨げないように配慮しましょう。祈祷の様子を無断で撮影したり、他の参拝者の顔がはっきり写った写真をSNSに載せたりするのは、トラブルのもとになります。
風景写真を撮る場合も、人の流れをさえぎらない位置で、短時間で撮影を済ませることが大切です。どうしても写真をたくさん撮りたくなるかもしれませんが、「まずは自分の目と心でしっかり見る」「写真はその次」という順番を意識すると、厄払いの一日がより深く心に残りやすくなります。
4. 忙しい人のための「高知厄払いプラン」半日・一日・帰省ついで
午前中だけで完結させる高知市内半日プランの考え方
仕事や家事でなかなかまとまった時間が取れない人には、「午前中だけ厄払いデー」を作るのがおすすめです。イメージとしては、次のような流れになります。
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8:30〜9:00 自宅出発、高知駅や中心部へ移動
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9:30ごろ 神社・お寺に到着、手水・受付
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10:00ごろ 厄除け祈祷
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10:30〜11:00 境内をゆっくり散策
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11:00〜11:30 近くの喫茶店などで一息つきながら、ノートタイム
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12:00ごろまでに帰宅、または職場へ
このくらいの余裕を持っておけば、多少の待ち時間や交通の遅れがあっても、大きく予定が崩れることは少なくなります。高知市内からアクセスしやすい土佐神社や市内のお寺を一つ選び、移動時間を片道30分前後に収めると、午前中だけで無理なく往復できることが多いです。
ポイントは、祈祷が終わったあとに「10分だけでも自分と向き合う時間」を取ることです。喫茶店や静かなベンチで、ノートやスマホのメモアプリを開き、その日感じたことや、今年大切にしたいことを三つだけ書き出してみましょう。この短い時間をはさむことで、厄払いが「行事」で終わらず、「これからの自分の行動につながるきっかけ」になっていきます。
休日にゆっくり回りたい一日プランの組み立て方
丸一日使える休日があるなら、「厄払い+ごほうび時間」をセットにするプランを検討してみましょう。ただし、欲張ってあちこち回りすぎると、かえって疲れてしまいます。厄払いをする場所は1〜2カ所に絞り、残りの時間を「ゆっくり過ごすための予定」で埋めていくイメージで組み立てていきます。
たとえば、午前中に土佐神社や市内の神社で厄払いや参拝を済ませ、昼は近くの定食屋や市場で、高知ならではの魚料理や野菜料理を味わうコースが考えられます。午後は、高知城周辺の公園や五台山など、自然や歴史に触れられる場所を散策するのもよいでしょう。歩きながら、その年の目標や家族のこと、仕事のことなどをゆっくり話せる時間を作ると、一日の満足度がぐっと上がります。
移動時間は、合計でどれくらいにするかを先に決めておくと、予定を詰め込みすぎずにすみます。車なら往復で2〜3時間以内、公共交通機関なら乗り換えを含めて2時間半以内を目安にすると、散策や食事の時間も十分確保できます。一緒に行く人がいる場合は、「今日は厄払いの日だから、あまりスマホを見ずに話しながら歩こう」と事前に共有しておくと、心の距離も近づきます。
帰省や旅行のついでに立ち寄るときの上手な予定の入れ方
高知出身で今は県外に住んでいる人や、観光で高知を訪れる人が、帰省や旅行のついでに厄払いをしたいと考えることもあります。その場合に一番ネックになるのが、「荷物をどうするか」という問題です。スーツケースを持ったまま長い参道や石段を上るのは、体力的にも大きな負担になります。
そこで、まずはJR高知駅や空港、宿泊先のフロントのコインロッカーや荷物預かりサービスを確認しておきましょう。チェックイン前でも荷物を預かってくれる宿も多いので、到着してすぐに厄払いに向かう場合は、先に荷物を預けて身軽になってから参拝するのがおすすめです。
予定を立てるときは、到着日の午後か帰る前日を候補にし、移動の疲れがたまりすぎていないタイミングを選びましょう。土佐神社のように、高知駅からバスでアクセスしやすい社寺を選べば、長時間の移動をはさまずに参拝することができます。観光メインの旅行であれば、「観光1.5日+厄払い半日」という感覚で計画すると、無理のないスケジュールになります。
雨の日や真夏・真冬に無理なく動くためのアイデア
高知は雨の多い地域であり、真夏は非常に暑く、冬は朝晩が思った以上に冷え込む日があります。天候や季節によって、厄払いの行き方を少し変えるだけで、体への負担をかなり減らすことができます。
雨の日は、駐車場やバス停から社殿・本堂までの距離が短い社寺を選ぶか、屋根付きの回廊や参道がある場所を探すと安心です。滑りにくい靴を履き、レインコートや傘を用意しましょう。スマホやお札を濡らさないようにするため、ビニール袋や防水ポーチを1つ入れておくと便利です。
真夏は、できるだけ朝早い時間帯か夕方を選び、日差しの強い時間帯の移動を避けるようにします。帽子・日傘・水筒・汗拭きタオルなどの暑さ対策は必須です。真冬には、首・手首・足首をしっかり温め、滑りにくい靴を履くことで、境内での転倒リスクを減らせます。
どうしても天候が厳しい日は、「後日に変えてもいい」と自分に言い聞かせておくことも大切です。厄払いは、特定の1日を逃したらアウトというものではありません。自分の体と安全を最優先にしたうえで、できるタイミングを選ぶようにしましょう。
厄払いと一緒に楽しむ高知グルメ・市場・温泉の選び方
高知で厄払いをするなら、その前後の時間でグルメや温泉を楽しむのも良い気分転換になります。高知市中心部なら、日曜日に開かれる日曜市で旬の野菜や果物、土佐ならではの田舎寿司や天ぷらを楽しんだり、商店街周辺の食堂やカフェで定食を味わったりできます。市場や商店街は、参拝後の「現実に戻っていく時間」をゆるやかに作ってくれる場所にもなります。
海の幸が好きな人は、カツオのたたきなどが名物の食堂や、地元の人が通う食事処を調べておくと、一日の満足度がぐっと上がります。食べ過ぎ・飲み過ぎには気をつけつつ、「今日は厄払いの記念日だから」と少しだけ贅沢をするのも、心のリフレッシュにつながるでしょう。
さらに、日帰り温泉やスーパー銭湯を組み合わせれば、心と体の両方をほぐす一日になります。祈祷で気持ちを整え、グルメでお腹を満たし、温泉で体を温めてから帰宅する。そんな流れで過ごせば、「今年もまた頑張ってみよう」と、自然に前向きな気持ちが湧いてくるはずです。
5. 厄払いの後に続けたい「高知流・身のまわりの整え方」
お札やお守りの置き場所・返納のタイミングの考え方
厄払いを受けると、多くの場合、お札やお守りを授かります。家に神棚や仏壇がある場合は、そこにお札をおまつりする形が基本になります。神棚がない家庭では、リビングの棚の上や、玄関の少し高い位置など、「毎日自然に目に入るが、直接手が触れにくい場所」に置くのがおすすめです。直射日光やエアコンの風が直接当たらない場所を選び、周りをあまり物で埋めないようにしておくと、自分の気持ちもすっきりします。
お守りは、普段持ち歩くカバンや財布、通勤用のバッグなど、「大切な時間を過ごす場所」に近いところに入れておくと、ふとしたときに安心感がわきます。ただし、スマホと重ねて傷がついてしまわないよう、布のポーチなどに入れておくと長持ちします。
返納のタイミングは、厄除けの場合、一般的には一年を目安とすることが多いとされています。翌年の初詣や、次の厄払いのタイミングで、古いお札やお守りを社寺の「古札納め所」や「お焚き上げ箱」に納める流れがよく見られます。遠方の寺社で授かったものについては、郵送での返納を受け付けているケースもあるため、各寺社の案内を確認するとよいでしょう。
家や職場の環境を少しずつ整えるためのチェックリスト
厄払いを終えたあとは、「せっかくだから家の中も整えたい」と感じる人が多いものです。しかし、一度に全部やろうとすると、途中で疲れてしまったり、かえって散らかってしまったりします。そこで役に立つのが、「小さく区切ったチェックリスト」です。
たとえば、次のような項目から始めてみると、無理なく続けやすくなります。
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玄関のたたきを水拭きし、靴の数を見直す
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ポストまわりの不要なチラシや郵便物を処分する
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ベッドの周りの床に物を置かないようにする
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机の上の紙類を「今週使うもの」と「それ以外」に分ける
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冷蔵庫の中で賞味期限が切れているものをチェックする
どれも10〜15分程度でできる作業です。厄払いから1週間は毎日1つ、その後は週に2〜3個というペースでも構いません。大事なのは、「完璧を目指さないこと」です。できなかった日があっても、「明日また1つだけやろう」と気持ちを切り替えましょう。
職場でも、引き出しの一段だけ整理したり、パソコンのデスクトップに散らばっているファイルを整えたりすることで、頭の中のモヤモヤが少しずつ減っていきます。生活環境を整えることも、広い意味での「厄落とし」だと考えると、日々の小さな行動に意味が感じられるようになります。
高知の自然や季節行事を“心のリセット”に生かす
高知の魅力は、何と言っても自然の豊かさです。海や川、山が身近にあり、少し移動するだけで大きく景色が変わります。厄払いをきっかけに、「定期的に自然の中でリセットする習慣」を作ってみるのもおすすめです。
たとえば、日曜日の朝に街中の日曜市まで散歩して、旬の野菜や果物、花などを少しだけ買って帰る。季節ごとに、近場の海岸や河川敷、公園を決めておき、「ここへ行くと気持ちが落ち着く」という場所をいくつか持っておく。忙しいときでも、月に一度だけはそうした場所で30分〜1時間過ごす時間をつくるだけで、心の疲れ方はかなり違ってきます。
季節ごとの行事もうまく活用すると、自然と一年のリズムが整っていきます。春は桜や新緑、夏は川や海、秋は紅葉、冬は温泉や星空など、身近な場所を少しだけ意識して巡ることで、「今年もここまで来たな」と実感できます。厄払いで整えた気持ちを、こうした日常のリセット時間で少しずつ支えていくイメージです。
お金・健康・人間関係を見直す簡単ノート習慣
厄年は、体力や仕事、家族関係などが変化しやすい節目と言われています。その変化をうまく乗りこなすためには、「何となく不安」の塊を、少しずつ具体的な言葉に分けていくことが大切です。そこで役に立つのが、「お金」「健康」「人間関係」の三つに分けて記録するノート習慣です。
用意するのは、普通のノート1冊で十分です。ページを縦に三つに区切り、左から順に「お金」「体」「人」と書いておきます。週に一度、5〜10分だけ時間をとって、その週を振り返りながら「良かったこと」「気になったこと」をそれぞれ2〜3行ずつ書いていきます。
たとえば、「お金:外食が多くなっている」「体:寝不足で朝がつらい」「人:職場での雑談が減って少しさみしい」といった具合に、そのままメモします。この段階では、解決策まで考えなくても構いません。数週間続けると、毎回似たことを書いている項目が見えてきます。そこで初めて「ここを少しだけ変えてみようか」と具体的な行動を考えればよいのです。
ただし、体調やメンタル、お金のことで大きな不安が続くときは、寺社へのお参りだけでなく、医師やカウンセラー、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することも大切です。祈りと専門的なサポートの両方を組み合わせることで、厄年の不安をより現実的に軽くしていくことができます。
離れて暮らす家族・友人のためにできる小さな祈り
高知で厄払いをするとき、頭に浮かぶのは自分自身のことだけではありません。離れて暮らす家族や友人、もうなかなか会えない恩人など、大切な人たちの顔が次々に浮かんでくることもあります。そうした人たちのためにできる、小さな祈りの習慣を持つのも、とても心強い支えになります。
お参りのときには、「自分と家族が大きな病気や事故にあわないように」「遠くにいるあの人が、今日も無事でありますように」と、短い言葉で構わないので、相手のことを思い浮かべながら祈ってみます。帰宅後には、「高知で厄払いをしてきたよ。ついでにあなたのこともお願いしておいた」と、さりげないメッセージや手紙を送ってみるのも一つの方法です。
自分自身が高知を離れて暮らしている場合は、今住んでいる地域の神社やお寺にお参りしつつ、心の中で高知の社寺にも感謝を伝えるイメージを持つとよいでしょう。高知で授かったお守りを手元に置き、その土地のお宮に手を合わせる。離れていても、「自分はいつもどこかの社で祈りをつないでいる」と感じられると、日々の不安が少し柔らかくなります。
まとめ
高知で厄払いを受けるとき、つい「どこの神社やお寺が一番効くのか」「どのスポットが有名なのか」といった情報に目が行きがちです。しかし、厄年は本来、「生活や心の状態を見直す節目」として意識されてきたものだと説明されることが少なくありません。
高知には、土佐神社をはじめとする由緒ある神社や、善楽寺・竹林寺・清瀧寺などの札所寺院があり、それぞれに歴史と特徴があります。車がない人でも公共交通で行きやすい場所、家族連れでも動きやすい場所、一人で静かに向き合える場所など、自分の状況に合わせて選べるのが、高知での厄払いの良さでもあります。
予約や受付時間、初穂料の目安、服装や持ち物といった実務的な準備を整えたうえで、「今年はどんな一年にしたいか」「何を大事にし、何を手放したいか」を自分なりに考えてから参拝することで、厄払いの時間はぐっと深い意味を持つようになります。そして、厄払いの日だけでなく、その後の暮らしの中で、家や職場の環境を整え、高知の自然や行事にふれ、ノート習慣や小さな祈りを続けていくことが、「厄をため込まない日々」につながっていきます。
高知の土地と、そこで大切にされてきた神さま・仏さまの力を借りながら、自分のペースで一年を整えていきましょう。


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