滋賀で厄払いするならどこへ行く？日吉大社・賀茂神社・田村神社ほか徹底ガイド

1章　滋賀で厄払いに行く前に：「そもそも何をする年？」をやさしく整理

「どうやら自分は厄年らしい」と聞いても、何から手をつければいいのか、すぐにはわからないものです。滋賀には日吉大社や立木観音をはじめ、賀茂神社・田村神社・長濱八幡宮・白鬚神社など、厄除けにゆかりの深い社寺が多くありますが、「どこに行くべきか」「いつ行くべきか」「いくら用意すればよいのか」といった具体的な疑問が次々に出てくる人も多いでしょう。

この記事では、そうした不安や疑問を少しでも軽くできるように、「滋賀で厄払いをする前に知っておきたいこと」を一つひとつ整理しました。厄年の考え方や年齢の目安から、エリア別の社寺の特徴、初穂料や受付時間の「2025年11月時点の例」、雪やアクセスの注意点、当日の流れや持ち物、厄年の3年間をどう整えるかまでを、できるだけ具体的かつ現実的にまとめています。

読み終えるころには、「この社寺なら自分に合いそうだ」「この時期に行ってみたい」「この一年をこんなふうに過ごしてみよう」といった、自分なりの答えが少しずつ見えてくるはずです。滋賀で厄払いを考えている方の、小さな道しるべになれば幸いです。

1-1　厄年の年齢だけじゃない「変化の3年間」という考え方

まず、「そもそも厄年とは何か」を落ち着いて整理しておきましょう。一般的によく見かける厄年の表では、男性は数え年で25歳・42歳・61歳、女性は19歳・33歳・37歳・61歳が「大きな節目」とされています。　ここで大事なのは、「これは全国共通の絶対ルールではなく、代表的な目安」という点です。神社や地域によって、前後の年齢が追加されていたり、数え方に違いがあったりします。

たとえば、ある神社では4歳や13歳を子どもの厄年として掲げていたり、70歳や80歳などの「年祝い」を厄年と同じタイミングでお参りしましょうと案内しているところもあります。　つまり、「この年齢だけが厄年です」というより、「このあたりの年齢は、昔から節目として大切にされてきた」というくらいの捉え方をしておくとちょうどよいイメージです。

もう一つ押さえておきたいのが、「厄年は3年間続く」と言われる理由です。前厄・本厄・後厄という言い方は、「急にガラッと変わるというより、緩やかに変化が現れやすい数年が続く」という経験則から来ています。社会的な立場が変わりやすい年齢、生活のリズムが大きく変わりやすい年齢にあたっているため、「この時期は意識的に慎重に過ごそう」「体調や人間関係を整えなおそう」と、自分に言い聞かせる目印として使われてきました。

科学的なデータで「厄年になると災難が増える」と証明されているわけではありませんが、神社本庁などの解説でも、「人生の節目の年に、感謝と祈りをもって自分を見つめ直す機会」として厄年が説明されています。　そう考えると、厄年は恐れるだけのものではなく、「立て直すきっかけ」として前向きに付き合える存在だとわかります。

1-2　滋賀の人はいつ厄払いに行っている？よくあるタイミング

次に、「実際いつ行けばいいのか」というタイミングの話です。滋賀に限らず、多くの地域で厄払いの申込がぐっと増えるのは、（1）年明け〜1月中、（2）節分前後、（3）厄年に入った誕生日の前後、の3つです。

たとえば、大津市坂本の「日吉大社」では一年を通してご祈祷を受け付けていますが、やはり1〜2月は厄除け・方除けの申し込みが多くなります。受付時間は例年9:00〜16:00ごろ、初穂料は「1願意5,000円以上」と公式サイトに案内されています（2025年11月時点）。　一方、甲賀市土山町の「田村神社」では、毎年2月17〜19日の3日間に「厄除大祭（田村まつり）」が行われ、その期間は早朝7:00から夜20:00までご祈祷の受付が続きます。

「いつ行かないとダメ」という決まりはありませんが、生活の区切りと合わせて決めると動きやすくなります。たとえば、「厄年に入る年の最初の休日」「転職や引っ越しの前後」「家族みんなの予定が合う日」。混雑が苦手な人は、三が日や節分の日そのものを避けて、1月中旬〜2月中旬の平日午前を狙うなど、自分の性格に合わせてタイミングを選んでいる人も多いです。

1-3　神社とお寺、どちらでお願いするか迷ったときの決め方

滋賀は、神社もお寺も古くから信仰の厚い土地です。厄払いの相談先としてよく名前が挙がるのは、日吉大社や立木神社、賀茂神社、田村神社、長濱八幡宮などの神社と、立木観音（立木山安養寺）などの寺院です。

神社では「厄除祈願」や「方除け」、寺院では「厄除け祈祷」や「護摩供」が行われますが、「厄払いは神社でなければいけない」「お寺はダメ」といった決まりはありません。多くの神社・お寺が、「厄年でなくても不安を感じる人はいつでも相談してください」「家族や職場の状況に合わせて参拝してください」と案内しています。

選ぶときの大まかな基準としては、（1）これまでご縁のある場所かどうか、（2）今後も通いやすい距離かどうか、（3）自分が落ち着ける雰囲気かどうか、の3つを重視すると失敗しにくくなります。たとえば、「初詣は毎年ここ」「祖父母が檀家になっているお寺」「仕事帰りに寄りやすい最寄り駅近くの社」などです。

どうしても決めきれないときは、「厄年に受ける大きなご祈祷は神社で」「日々の心の整理や先祖供養はお寺で」というように、役割を分けてみるのも一つの方法です。どちらが正しい・間違いという話ではなく、「自分にとって続けやすい形」を見つけることが大切だと考えておきましょう。

1-4　「行くかどうか迷う人」がチェックしたい3つのサイン

厄払いに行くかどうか迷っている人は、「自分にとって必要かどうか」を判断する材料がほしいと思うかもしれません。そこで、あくまで目安として、次の3つのサインにどれくらい当てはまるかを考えてみてください。

一つ目は、「ここ数年で大きな変化が重なっているかどうか」です。転職・独立、結婚・離婚、出産・子育て、親の介護、家の購入など、大きな出来事がいくつか続いていると、人はどうしても疲れや不安を抱えやすくなります。二つ目は、「理由ははっきりしないけれど、不安感やイライラが続いているかどうか」。健康診断の結果は問題なくても、心だけが落ち着かない時期というのは、誰にでもあります。

三つ目は、「家族や身近な人から『一度お祓いに行ってみたら？』と言われたことがあるかどうか」です。自分では平気だと思っていても、周りから見ると少し疲れがにじんでいることもあります。「心配してくれている人がいる」という事実を大事にして、一度だけでも行ってみようかな、と考えてみるのも一つです。

もちろん、これらに当てはまらないからと言って「行ってはいけない」わけではありません。逆に、すべて当てはまるからと言って「絶対に行かなければならない」わけでもありません。大切なのは、「自分で考えて決めた」という感覚を持つことです。その過程で、「せっかくだから一度きちんとお参りしてみよう」と思えたなら、その気持ちを大切にして準備を始めればよいのだと思います。

1-5　厄払いをお願いする前に家族と話しておきたいこと

厄払いを受ける前に、家族やパートナーと少しだけ話しておくと、当日のバタバタを減らせます。まず確認しておきたいのは、「誰の名前でお願いするか」です。厄年に当たる本人だけなのか、配偶者や子ども、同居している家族の名前も一緒に書くのか。社寺によっては「家内安全」や「一族繁栄」など、家族全体の祈願として受けてくれるところもあるので、事前に方針をそろえておくとスムーズです。

次に話しておきたいのが、「予算」です。日吉大社のように「1願意5,000円以上」と明示している神社もあれば、賀茂神社のように「8,000円〜（以上御心持ち）」と幅を持たせて案内しているところもあります。　田村神社や長濱八幡宮、立木神社も、個人祈祷はだいたい5,000〜1万円台を目安に案内しているため、「この範囲なら無理なく出せる」という金額を家族で共有しておくと安心です。

最後に、「その日一日をどう使いたいか」も話しておくとよいでしょう。厄払いだけしてすぐ帰るのか、近くで昼食をとるのか、温泉や観光も組み合わせるのか。子ども連れや三世代で動く場合は、「途中で休憩を挟む」「階段の多い場所なら、無理に全員上まで行かない」などの約束をあらかじめ話し合っておくことで、当日の小さなトラブルを減らせます。「どう過ごしたいか」を事前に言葉にしておくこと自体が、厄払いをきっかけに家族のコミュニケーションを整える時間にもなります。

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2章　エリア別にチェック：滋賀で厄払いをお願いしやすい社寺の選び方

2-1　大津・湖西エリア：日吉大社や比叡山周辺を中心に考えるときのポイント

大津・湖西エリアは、京都からのアクセスもよく、厄払いと小さな旅を組み合わせやすい地域です。なかでも日吉大社は、全国に約3,800社ある日吉・日枝・山王神社の総本宮とされ、古くから都の表鬼門を護る社として信仰を集めてきました。　方除け・厄除けのご祈祷も盛んで、公式サイトでも代表的なご祈願の一つとして紹介されています。

アクセス面では、JR湖西線の比叡山坂本駅や京阪石山坂本線の坂本比叡山口駅から徒歩圏内で、京都駅からでも電車で約30分前後と、県外からの日帰り参拝にも向いています（ダイヤや乗り継ぎにより変動）。　冬場は琵琶湖からの風が冷たく、比叡山方面は雪が積もる日もありますが、大津市街や坂本の町中は、湖北ほどの豪雪になることは多くありません。それでも朝晩は路面凍結することがあるため、車で行く場合は時間にゆとりをもたせると安心です。

日吉大社の境内は広く、拝殿や社殿に加えて、苔むした石橋や杉の木立など見どころが多いため、厄払いの前後に散策の時間を少し取っておくと、気持ちが自然と落ち着きます。少し足を伸ばせば、おごと温泉や大津市街の湖畔エリアにも行きやすいので、「午前に厄払い、午後は琵琶湖を眺めながら過ごす」という一日の組み立ても無理なくできます。

2-2　湖東エリア（彦根・近江八幡など）で厄除けをお願いするときの見方

湖東エリアには、彦根城や近江八幡の町並みなど、歴史的な風景とセットでお参りできる社寺が点在しています。その代表格が、近江八幡市に鎮座する「賀茂神社」です。奈良時代の天平8年（736年）に、聖武天皇が国の災いを鎮めるため、陰陽道の見立てでこの地を選び創建させたと伝えられ、「日本の災厄封じの神社」として紹介されています。

賀茂神社のご祈祷は、個人の場合「8,000円〜（以上は御心持ち）」がひとつの目安とされており、受付時間はおおむね9:30〜16:00、予約不要・随時奉仕と公式サイトに案内されています（2025年11月時点）。　初詣や厄除けの時期は参拝者も多くなりますが、近江八幡駅からのバスやタクシーを利用すれば、公共交通でも十分アクセス可能です。

湖東一帯の冬は、湖南よりやや降雪が多い傾向がありますが、湖北や湖西の豪雪地帯ほど深く積もる年は多くありません。　そのため、雪道運転に不安のある人は、「大津〜近江八幡までJRで移動し、駅からバスやタクシーで社寺に向かう」というスタイルを選ぶこともできます。厄払いを済ませたあと、八幡堀のあたりまで足を延ばして町歩きを楽しめば、「心のリセット」と「ちょっとした観光」を一度で味わえる一日になります。

2-3　甲賀・湖南エリアの「静かにお参りしやすい」お寺と神社の探し方

甲賀・湖南エリアには、落ち着いた雰囲気の中でお参りできる社寺が多くあります。甲賀市土山町の「田村神社」は、坂上田村麻呂の鈴鹿峠の鬼退治の伝説と結びついた厄除の神として知られ、特に毎年2月17〜19日に行われる厄除大祭（田村まつり）が有名です。　この3日間は、厄年にあたる人や家族連れが途切れなく訪れ、参道には露店が並びます。

湖南側では、草津市の「立木神社」が厄除開運・交通安全の神として親しまれています。ご祈祷は原則として電話による事前予約制ですが、11月の土日祝は予約不要・随時受付の日が設けられるなど、時期によって運用が変わります（2025年11月時点）。　初穂料は5,000円以上が目安とされ、「お気持ちに応じて」と案内されているケースが多いです。

また、大津市の瀬田川沿いにある「立木観音（立木山安養寺）」は、「厄除けの観音さま」として知られる寺院です。　本堂までは約800段といわれる石段をのぼる必要があり、体力は少しいりますが、その道のり自体を「厄落とし」や「心と体を鍛え直す時間」として大切にしている人も多いようです。

甲賀・湖南エリアの社寺は、観光地のようなにぎやかさよりも、静かで落ち着いた空気を求める人に向いています。候補を調べるときは、地図アプリや公式サイトで「駐車場の有無」「公共交通でのアクセス」「階段の多さ」などを確認し、自分や家族の体力と相談しながら選ぶとよいでしょう。

2-4　自宅・職場から30〜40分圏内で候補を洗い出す簡単な方法

「どこの神社やお寺が一番ご利益が強いか」を探し始めると、キリがなくなってしまいます。そこで、実際の生活と両立しやすい選び方としておすすめしたいのが、「自宅や職場から30〜40分圏内で候補を絞る」という方法です。気になったときにふらっと手を合わせに行ける距離かどうかは、長い目で見たときの安心感につながります。

神社やお寺を探すには、地図アプリに加えて、全国の社寺情報をまとめた検索サイトも便利です。たとえば、「ホトカミ」は日本最大級の神社・お寺検索サービスで、十数万件規模の社寺情報と大量の写真・参拝記録が掲載されています。　エリアやご利益、行きたい市町村などで検索できるので、「滋賀県」「厄除け」といった条件で絞り込めば、今まで知らなかった氏神さまや地域の寺院が見つかるかもしれません。

候補がいくつか出てきたら、次のような簡単な表を作ってみると、比較しやすくなります。

家族で話し合うときも、こうしたメモがあると、「ここならおばあちゃんも行けそう」「仕事帰りに寄れるからここにしよう」と、具体的な検討がしやすくなります。

2-5　子ども連れ・三世代で動く日の社寺選びチェックリスト

子ども連れや三世代で厄払いに行くときは、「どこが有名か」以上に、「安全に、無理なく過ごせるか」を優先して選びたいところです。ここでは、場所を選ぶときにチェックしておきたいポイントを整理しておきます。

まず、「駐車場から受付・本殿（本堂）までの距離と段差」です。立木観音のように長い石段が続く場所や、坂道の多い場所では、高齢の家族には負担が大きくなります。　次に、「トイレと休憩スペース」。境内や隣接施設にきれいなトイレがあるか、待ち時間に座っていられる場所があるかを、写真や口コミから確認しておくと安心です。

赤ちゃんがいる家族の場合は、「授乳室やおむつ替えスペースの有無」も重要です。神社やお寺自体には用意がなくても、近くの道の駅や商業施設で代わりに利用できる場合もあるので、事前に地図で周辺施設をチェックしておきましょう。冬場に湖西・湖北方面へ向かう場合は、雪と風の強さも考慮して、「外で長く待たない」工夫も必要になります。

三世代で動くときのコツは、「全員で完全に同じ行動をしようとしない」ことです。たとえば、拝殿に上がってご祈祷を受けるのは代表者だけにして、体力に不安がある家族は待合室や車の中で休んでもらう。その場合でも、申込書に全員の名前を書き、お札やお守りに家族の名前を入れてもらえば、「一緒に祈ってもらえた」という感覚を分かち合うことができます。

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3章　当日の流れと準備：滋賀の厄払いを無理なく受けるための実務メモ

3-1　受付時間・予約の有無を公式情報から読み取るコツ

厄払い当日に慌てないためには、「受付時間」と「予約の要・不要」を事前に確認しておくことが大切です。ここでは、2025年11月時点の公式情報をもとにした「例」として、いくつかの社寺の概要を整理します（実際に行かれる際は、必ず最新の情報を公式サイト等で確認してください）。

この表だけを見ると単純に見えますが、実際には「祭典日」「七五三シーズン」「年末年始」などで受付時間や予約方法が変わる場合があります。また、「受付時間」と「祈祷の最終開始時間」が異なることもあり、「16:00まで受付」とあっても、実際の祈祷は15:30まで、というケースもあります。

そのため、「この時間なら間に合うだろう」と自己判断するのではなく、行く日が決まり次第、公式サイトの最新のお知らせや、電話での問い合わせで確認しておくことをおすすめします。特に、遠方から来る場合や、小さな子ども・高齢の家族と一緒に行く場合は、「無理なく間に合う時間」を選ぶことが、心の余裕につながります。

3-2　初穂料・お布施の考え方と、無理のない金額の決め方

初穂料（神社）やお布施（寺院）は、「いくら包めば失礼にならないか」という不安がつきまといやすいポイントです。先ほどの表で見たように、滋賀の主な社寺では個人の厄除け祈祷がだいたい5,000〜1万円台を一つの目安として案内されていることが多く、特別な大祭時には金額の幅が広く設定されることもあります。

ただし、金額が高いからご利益が増える、という考え方はされていません。ほとんどの神社・お寺は、「無理のない範囲でお気持ちを」といったニュアンスで案内しており、生活を圧迫するほどの無理をしてしまっては本末転倒です。大事なのは、「感謝と祈りの気持ちを、自分なりに形にした金額」であることです。

実際に決めるときは、「今回は自分ひとりの厄除けだからこのくらい」「家族全体の厄除けと家内安全を一緒にお願いするからこのくらい」というように、内容とのバランスを考えながら決めると納得感が出やすくなります。のし袋を使うか、白封筒に「初穂料」または「玉串料」と書くだけにするかは、各社寺の案内に従えば大丈夫です。不安であれば、「初めてでよくわからないのですが、平均的にはどのくらいが多いですか？」と受付で尋ねてみてもよいでしょう。

3-3　服装・持ち物はこのくらいで十分：冬の琵琶湖まわり編

冬の滋賀で厄払いに行くとき、悩みやすいのが服装です。まず押さえておきたいのは、「神さま・仏さまの前に出る場なので、派手すぎず清潔感のある服」を基本にしつつ、「屋外でしっかり寒さ対策をする」という二つのポイントです。目安としては、「この格好で職場の上司や初対面の人に会っても違和感がないかどうか」を考えると、大きく外れることはありません。

男性なら、落ち着いた色のニットやシャツにジャケット、チノパンや濃い色のジーンズなど。女性なら、膝丈前後のスカートやパンツスタイルに、コートやマフラーを合わせるイメージです。靴は、滑りにくいスニーカーやローヒールのブーツが安心です。境内は砂利道や石畳が多いため、かかとの高いヒールや、底がツルツルの革靴はできるだけ避けた方がよいでしょう。

滋賀県の気候資料によると、湖北や湖西は特別豪雪地帯を含み、冬には数十センチ単位の積雪になる年もあります。一方で、大津や草津など湖南の市街地は雪の量自体は比較的少なく、道路に積もらない日も多いものの、冷え込みはきつめです。　そのため、ダウンコートや厚手のコートに、手袋・マフラー・カイロを組み合わせるなど、「一枚多め」を意識しておくと安心です。

持ち物としては、初穂料を入れた封筒、健康保険証（万一のケガに備えて）、ハンカチ・ティッシュ、折りたたみ傘、申込書を書くためのペン、小さなメモ帳などがあれば十分です。子ども連れの場合は、おやつや飲み物、予備の着替えも忘れずに準備しておきましょう。

3-4　申込書記入からご祈祷終了までをイメトレしておく

初めて厄払いを受けるときは、「中で何をするのかわからなくて緊張する」という声もよく聞きます。そこで、一般的な神社での流れを、あらかじめ頭の中でイメージしておきましょう。細かな作法は神社によって違いますが、おおまかな流れは次のような形が多いです。

1. 鳥居の前で一礼して境内に入る

2. 手水舎で手と口を清める

3. 本殿の前で、まず日頃の感謝を伝える

4. 社務所・授与所で厄除け祈祷の申込書を受け取る

5. 氏名・住所・生年月日・数え年・祈願内容（厄除け・家内安全など）を記入する

6. 初穂料を納め、番号札や案内を受け取って待合所で待つ

7. 名前が呼ばれたら拝殿に上がり、ご祈祷を受ける

8. お札やお守り、お神酒などを受け取り、退出する

寺院の護摩祈祷でも、受付で申込書を書き、お布施を納め、時間になったら本堂でご祈祷を受けるという基本の流れは似ています。立木観音のように境内が山の中にある場合は、「ご祈祷の時間に間に合うよう、石段を上る時間も見込んで到着する」必要があります。

ご祈祷の最中は、神職や僧侶の動き、周りの人の動きに合わせて立ったり座ったりすれば大丈夫です。儀式そのものを完璧にこなすことよりも、「名前を読み上げてもらったときに、心の中で静かに願いを重ねる」ことの方がずっと大切です。流れを一度イメージしておけば、当日は案内に従うだけで自然と体が動きます。

3-5　厄払いのあと一日に何をする？帰り道の過ごし方アイデア

厄払いは、ご祈祷そのものだけでなく、「その日一日をどう過ごすか」も含めてひとつの体験になります。あれもこれも詰め込みすぎると、帰るころには疲れ切ってしまうこともあるので、「いつもより少しゆっくりめ」を意識して予定を組むのがおすすめです。

日吉大社で厄払いを受けた日なら、午前中にご祈祷と境内散策を済ませ、昼食は坂本の町で落ち着いてとる。そのあと、大津市街の湖岸で琵琶湖を眺めながら散歩し、「今年一年、どんなふうに過ごしたいか」を頭の中で整理してみる。そんな一日の使い方もよいでしょう。

田村神社の厄除大祭に行く場合は、早朝の比較的空いている時間にご祈祷を受け、昼前後は少し離れた場所で休憩してから再び参道を歩く、というように、人の流れを見ながら動く工夫が必要になります。　大祭のにぎわいを味わいつつ、静かな時間も確保したいなら、参拝後に甲賀・湖南のカフェや温泉に立ち寄ってから帰るプランを組むと、心と体の両方が整いやすくなります。

一人で厄払いに行く人は、帰りの電車の中でスマホを見続けるのではなく、あえて何もせず、車窓の景色をぼんやり眺めてみるのも一つの方法です。頭の中で、「不安なこと」「ありがたいこと」「今年やってみたいこと」を静かに並べているうちに、「何から手をつければよいか」が少しずつ見えてきます。そうした時間を持つために、厄払いの日の予定はいつもより一つ減らしておくくらいがちょうどよいのかもしれません。

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4章　厄払いだけで終わらせない：「滋賀暮らし×厄年」の整え方

4-1　湖と山のお社を「月1ペース」で回すミニ巡礼のススメ

一度厄払いを受けたら、それで終わりにしてしまうのは少し惜しいところがあります。せっかく「変化の3年間」と向き合うなら、この期間を利用して、「月に一度くらいのペースで、滋賀のいろいろな社寺に足を運んでみる」という小さな巡礼をしてみるのもおすすめです。

湖西の高島市にある「白鬚神社」は、琵琶湖に立つ朱塗りの大鳥居と、湖岸の社殿で知られる古社です。「近江の厳島」とも呼ばれ、延命長寿・開運招福・縁結びなどのご利益で有名です。　早朝や夕暮れどきに訪れると、湖面と鳥居と空の色がゆっくり変わっていく様子が、自然と気持ちを落ち着かせてくれます。

月に一度の参拝は、必ずしも遠くまで出かける必要はありません。近所の氏神さまでも、立ち寄る頻度が増えると、自分の中での「安心感」が変わってきます。「今月は大津方面」「来月は湖東方面」「その次は湖西の白鬚神社」といった具合に、少しずつエリアを広げていけば、厄年の3年間で滋賀の社寺にかなり詳しくなるはずです。参拝のたびに短いメモを残しておくと、あとから振り返ったときに、自分の変化の記録にもなります。

4-2　交通安全・防災・健康診断を“日常の厄落とし”に変える

厄払いで祈りを捧げたあとは、日常生活の中でできる「具体的な厄落とし」にも目を向けてみましょう。その代表例が、交通安全・防災・健康診断の3つです。滋賀は車での移動が生活のベースになっている人も多く、冬場は湖西や湖北で積雪・凍結のリスクが高まります。

厄年のタイミングで、自動車のお祓いを受けたり、車検やタイヤ交換のタイミングを見直したりするのは、とても現実的な「厄落とし」です。ドラレコの録画状況や保険の補償内容、車内の非常用品（毛布や飲み物など）も、この機会に整理しておくと安心です。防災面では、琵琶湖沿いの低地や山あいの地域で、それぞれ水害・土砂災害のリスクが異なるため、自治体のハザードマップを確認し、「避難経路」と「連絡方法」を家族で話し合っておくとよいでしょう。

健康面では、厄年の3年間を「毎年必ず健康診断を受ける」「年に一度は血液検査やがん検診も検討する」といった具体的な行動目標に変えてしまうのが有効です。厄払いをきっかけに、自分の体と本気で向き合う時間を作る。このように、「目に見えない災いは神さま・仏さまに祈り、目に見えるリスクは自分の行動で減らす」という役割分担を意識してみてください。

4-3　片づけ・お金・働き方を見直すときのシンプルな順番

厄年は、単に年齢の節目というだけでなく、「暮らし方そのものを見直す」チャンスでもあります。ただ、一度にすべてを変えようとすると疲れてしまうので、次のようなシンプルな順番で少しずつ取り組んでみることをおすすめします。

最初に手をつけたいのは、「物の片づけ」です。毎日必ず目に入る場所、たとえば玄関・リビング・寝室などを優先して、不要な物を減らしていきます。視界からごちゃごちゃした物が減るだけで、驚くほど気持ちが軽くなることがあります。次に、「お金の流れ」をざっくりと把握します。家計簿アプリや銀行の入出金履歴をもとに、「毎月必ず出ていくお金（固定費）」と「月によって変わるお金（変動費）」に分けて眺めるだけでも、「どこを見直せば余裕が生まれそうか」が見えてきます。

最後に、「働き方」や「時間の使い方」です。残業が続きすぎているなら、「週に一度は必ず定時で帰る日を作る」など、小さなルールを自分に課してみる。逆に、時間はあるけれど何となく過ごしてしまっている人は、資格の勉強や趣味の時間をスケジュールに組み込んでみる。厄年の3年間は、「今までのやり方を一度棚卸しして、自分に合うペースを作り直す」ための期間と考えると、少し前向きになれるかもしれません。

4-4　気持ちがざわついた日にできる3分のリセット習慣

厄払いを受けたあとでも、仕事で大きなミスをしたり、家族とケンカをしたり、気持ちがざわつく日はどうしても出てきます。そんなときに試してほしいのが、3分でできる「心のリセット習慣」です。特別な道具はいりません。

一つ目は、「呼吸に集中する1分」です。椅子でも床でもよいので背筋を軽く伸ばし、鼻から4秒かけて息を吸い、口から6秒かけてゆっくり吐く。これを数回繰り返すだけで、自律神経が少し整い、頭の中のモヤモヤが薄れていきます。二つ目は、「今いちばん気になっていることを一つだけ言葉にする1分」です。「仕事での◯◯が不安」「家族との△△が気になっている」など、できるだけ具体的に言葉にしてみます。紙に書くのもよい方法です。

三つ目は、「今できる一歩を一つだけ決める1分」です。「明日上司に相談する」「今週中に病院の予約を取る」「友人に話を聞いてもらう」など、小さな行動でかまいません。この3つを3分ほどで行うだけでも、「何から手をつければいいかわからない」という感覚が、「まずはこれをやってみよう」に変わります。厄払いでいただいたお守りを見ながら、この3分の習慣を実践するのも、心を整える良いきっかけになります。

4-5　お札・お守りの祀り方と「お礼参り」を気楽に続けるコツ

厄払いのあとに授与されるお札やお守りをどこに置くかも、気になるポイントです。神棚や仏壇がある家では、そこにお祀りするのが基本ですが、最近の住宅事情ではそうしたスペースがない家も少なくありません。その場合は、「家族がよく過ごす部屋の、目線より少し高い場所で、落ち着いて手を合わせられる位置」を探してみてください。

直射日光やエアコンの風が直接当たらないようにし、周りをこまめに掃除しておくことができれば十分です。古くなったお札やお守りは、基本的には授かった神社・お寺に返納しますが、遠くて行けない場合は、地元の氏神さまが「古札納所」を用意していることもあります。その際は、「別の神社のお札も受け付けていますか」と確認してからお預けすると丁寧です。

「お礼参り」も、難しく考える必要はありません。一年間大きな事故や病気がなかったなら、「おかげさまで無事でした」と報告に行くだけで十分です。賀茂神社のように、「厄が明けた翌年に“おかげ参り”として再びお参りする」ことを勧める社もあります。　うまくいった年でも、そうでない年でも、「ここで祈りを込めた一年がどうだったか」を振り返りに行く場所があること自体が、心の支えになっていきます。

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5章　県外からの人向け：滋賀で厄払い＋小さな旅を楽しむプラン集

5-1　JR・京阪・近江鉄道で回す「公共交通メイン」のモデルルート

県外から滋賀へ厄払いに来る場合、車がなくても公共交通だけで十分に回れます。ここでは、京都や大阪方面からの日帰りをイメージしたモデルルートを一例として紹介します（具体的な時刻は年ごとに変わるため、必ず最新のダイヤを確認してください）。

たとえば、朝に京都駅からJR湖西線の普通・新快速に乗り、比叡山坂本駅まで向かいます。所要時間は概ね20〜30分程度です（列車種別や時間帯により変動）。駅からは徒歩かバスで日吉大社へ向かい、午前中の早い時間に厄除けのご祈祷を受けます。参拝後は坂本の門前町を少し散策し、比叡山の山麓の空気を味わいながら昼食をとる流れにすると、慌ただしさが少ない一日になります。

午後は大津市街へ移動し、琵琶湖畔の公園やカフェでゆっくり過ごすか、時間に余裕があれば近江八幡方面に向かい、賀茂神社に立ち寄るプランも考えられます。　ただし、一日に複数の社寺を連続して回ると、心身ともに疲れてしまうこともあるので、「厄払いは一か所、あとは景色と食事をゆっくり味わう」というくらいの気持ちでスケジュールを組むとよいでしょう。

5-2　車で動くときに知っておきたい渋滞・駐車場の考え方

車で滋賀の厄払いスポットを巡る場合、渋滞と駐車場の状況をあらかじめ想像しておくと安心です。田村神社の厄除大祭のように、短期間に多くの人が集まる行事では、周辺の道路が午前中から混み始め、駐車場が満車になる時間帯が出てきます。　早朝や夕方など比較的空いている時間帯を狙う工夫が必要です。

湖岸道路や琵琶湖大橋周辺は、観光シーズンや連休中に交通量が増えやすい区間です。白鬚神社の近くは、湖中大鳥居を撮影しようとする人の路肩駐車が問題になることもあり、安全確保のためにも、案内に従って指定の駐車場を利用することが重要です。　長浜市街のように、神社の駐車場に加えて周辺にコインパーキングが複数ある場所では、事前に地図アプリで候補をいくつかピックアップしておくと、満車でも慌てずにすみます。

冬場は特に、渋滞だけでなく路面状況にも注意が必要です。湖北や湖西の一部地域は特別豪雪地帯に指定されており、年によっては平地でも数十センチの積雪や凍結が発生します。　スタッドレスタイヤやチェーンの準備はもちろん、「天気予報で雪マークが続く日は無理をしない」「場合によっては公共交通に切り替える」という柔軟さも、安全な厄年を過ごすための大事な選択です。

5-3　季節ごとの服装・気温イメージと、雪道になりやすいエリア

厄払いは冬に行くイメージが強いかもしれませんが、実際には一年を通して受け付けている社寺がほとんどです。季節ごとのイメージを知っておくと、自分に合った時期を選びやすくなります。

冬（12〜2月）の滋賀は、湖北・湖西で雪が多く、湖南・湖東は雪の量は少なめでも冷え込みが強い、という傾向があります。　特に湖北の一部は特別豪雪地帯となっており、山間部ではかなりの積雪になる年もあります。一方、春（3〜4月）は雪の心配はだいぶ減りますが、湖からの風が冷たい日も多いので、薄手のコートやカーディガンがまだ活躍します。

夏（7〜8月）は、日中の気温が高く、湿度も上がりやすいため、帽子や日傘、飲み物の準備が欠かせません。朝夕は琵琶湖からの風が心地よく、日中を避けて早朝にお参りする人もいます。秋（10〜11月）は、紅葉の名所も多く、日吉大社や比叡山、湖東三山などで観光とお参りをセットにする人が増える時期です。　ただし、朝晩は一気に冷え込むこともあるので、ストールや薄手のダウンなどで調整できる服装を選ぶと安心です。

5-4　厄払いと一緒に立ち寄りたい琵琶湖ビュー＆温泉スポット

厄払いをきっかけに滋賀を訪れるなら、その前後で琵琶湖や温泉も少し楽しみたいところです。大津や雄琴エリアには、琵琶湖を眺めながら入れる温泉やスパ施設がいくつもあり、日帰り入浴を受け付けているところもあります。　日吉大社や立木観音での参拝後に温泉で体を温めると、「厄払いで心を、温泉で体をほぐした一日」になり、心身ともにリセットされる感覚を持ちやすくなります。

長浜方面では、長浜城周辺の湖岸エリアや、竹生島へのクルーズと組み合わせるプランも人気があります。竹生島には、弁才天を祀る宝厳寺や都久夫須麻神社があり、「水の神さま」「芸事や財運の神さま」とのご縁を結べる場所として知られています。　ただし、船の運航時間や天候に左右されるため、厄払いの当日に無理に詰め込むのではなく、別の日の観光として計画するのも一つの方法です。

いずれにしても、「厄払い＋ご褒美」のセットで一日をデザインしておくと、思い出に残りやすくなります。温泉や絶景スポットはあくまでおまけですが、「ここにも行けた」という小さな満足感が、「また一年がんばろう」という気持ちにつながっていきます。

5-5　また来たくなるような「次の一年」の過ごし方をメモして帰る

最後に、厄払いの旅のしめくくりとしておすすめしたいのが、「次の一年をどう過ごしたいか」を短くメモしてから帰ることです。これは、特別なノートや道具がなくてもできる、小さな習慣です。

やり方は簡単で、「健康」「仕事・学び」「家族・人間関係」の三つのテーマについて、それぞれ一つずつ「こうなっていたらいいな」と思う姿を書いてみます。たとえば、「健康：一年に一度は健康診断を受ける」「仕事：今の職場で一つ新しい役割に挑戦する」「家族：月に一度は家族で外食かお出かけをする」といった具合です。完璧な計画である必要はなく、「これならできそうだ」と自分が思えることを書けば十分です。

このメモを、スマホのメモアプリや手帳、あるいは御朱印帳の空いているページに残しておき、半年後や翌年の厄払いのときに見返してみます。すると、「全部はできなかったけれど、これは意外と続いている」「ここはまだ途中だな」と、自分の歩みが客観的に見えてきます。厄年の3年間を、「ただ何となく不安で過ごす時間」から、「自分の人生を少しずつ整える時間」に変えていくために、この小さなメモの習慣は力になってくれるはずです。

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まとめ

滋賀で厄払いを考えるとき、まず頭に浮かぶのは日吉大社や立木観音かもしれませんが、実際には賀茂神社・田村神社・長濱八幡宮・立木神社・白鬚神社など、厄除けにご縁の深い社寺が県内各地に点在しています。

厄年は男性25・42・61歳、女性19・33・37歳（＋地域によって61歳など）といった年齢がよく知られていますが、これはあくまで代表的な目安であり、4歳・13歳・70歳・80歳などを節目とする神社もあります。　大切なのは、「この年齢だけが危ない年だから特別」というより、「人生の流れの中で、体や環境が変わりやすい時期に注意しよう」という考え方です。

本記事では、滋賀のエリアごとの特徴を踏まえつつ、代表的な社寺のご祈祷の目安や受付時間（2025年11月時点の情報）、雪やアクセスの注意点、当日の流れや持ち物、厄年の3年間の過ごし方までを、できるだけ具体的に整理しました。

最終的に、どこで厄払いを受けるか、いつ行くかを決めるのは本人と家族です。どの神社・お寺を選んでも、「ここなら自分の気持ちを素直に預けられる」と感じられる場所であれば、それが最良の選択になるはずです。そして、厄払いはゴールではなくスタートです。交通安全や防災、健康診断のような現実的な備えと、月に一度の小さな参拝、3分のリセット習慣などを組み合わせながら、自分なりのペースで厄年の3年間を整えていってください。

滋賀の社寺と、琵琶湖と山の風景が、これからの一年を静かに支えてくれる場所になりますように。