静岡で厄年を迎えたら|厄払いの受け方と富士山・お茶・温泉の厄落とし術

静岡 厄払い 未分類
  1. 静岡で「厄年」と言われて不安になったときに知っておきたいこと
    1. 静岡の暮らしと厄年の関係(地震・台風・車社会とどう付き合うか)
    2. 厄年・前厄・後厄の基本と、2025年に自分が当てはまるかの簡単チェック
    3. 「厄払いに行くべきか」迷ったときの考え方
    4. 親やパートナーに言われて迷ったときの、角が立たない伝え方
    5. 厄年の不安を書き出して整理する、かんたんノートワーク
  2. ライフスタイル別に考える、静岡の厄払い場所の選び方
    1. 車がなくても大丈夫かを軸に、静岡駅・浜松駅から行きやすい場所を考える
    2. 小さな子ども・高齢の家族と一緒に行くときに確認しておきたいこと
    3. 仕事が忙しい人のための、半日でできる厄払いプラン
    4. 人混みや大きな音が苦手な人のための、静かな時間をつくる工夫
    5. 静岡の代表的な社寺を「名前だけ」押さえるミニカタログ
  3. 富士山・お茶・海と組み合わせる「静岡ならではの厄落とし」
    1. 富士山が見える場所で、一日かけて気持ちをリセットする
    2. 茶畑とお茶の時間を、心を整える習慣に変える
    3. 駿河湾・遠州灘の海辺で、「手放したいこと」を流していく
    4. 伊豆・寸又峡・梅ヶ島など、温泉と合わせて「一年のスタートのごほうび」にする
    5. 神社・お寺に行けない日でも続けられる、「静岡の日常×厄落とし」チェックリスト
  4. 初めてでも迷わない、静岡で厄払いを受ける当日の流れとマナー
    1. 受付から帰宅までの一連の流れをイメージしておく
    2. 服装・持ち物・靴選びで失敗しないための基本
    3. 初穂料・祈祷料の目安と、のし袋の基本
    4. 家に持ち帰ったお札・お守りをどこに置くか
    5. 「写真は撮っていい?」「終わったあと飲みに行ってもいい?」よくある疑問
  5. 厄払いのあと一年間、静岡で気持ちよく暮らすためのマイルール
    1. 南海トラフ地震への備えを、「防災×厄落とし」として進める
    2. 健康診断・歯科・眼科など、「体のメンテナンス」を習慣にする
    3. 片づけとリサイクルを使って、「モノの厄」を手放す
    4. 「行ってみたかった静岡スポット」リストを作り、厄年をごほうびイヤーにする
    5. トラブルが起きたとき、すべてを厄年のせいにしすぎないために
  6. まとめ:静岡ならではの視点で、厄払いを「安心して暮らすためのひと工夫」に変える

静岡で「厄年」と言われて不安になったときに知っておきたいこと

静岡 厄払い

静岡で「そろそろ厄年だよ」と言われると、南海トラフ地震のニュースや台風、車の運転のことまで頭に浮かんで、何となく落ち着かない気持ちになる人も多いと思います。この記事では、静岡で厄払い・厄除けを考えている人に向けて、神社やお寺の選び方だけでなく、防災や健康、富士山やお茶、海や温泉を活かした「静岡ならではの厄落とし」の考え方まで、やさしい言葉でまとめました。

静岡の暮らしと厄年の関係(地震・台風・車社会とどう付き合うか)

静岡で暮らしていると、「厄年」と聞いたとき、ただ年齢のことだけでなく、地震や津波、台風のニュースまで頭に浮かびやすいと思います。静岡県は、県が公表している「静岡県第4次地震被害想定」で、南海トラフ巨大地震など最大クラスの地震・津波が起きた場合の揺れや浸水を細かく計算している地域です。
国の検討会が示したモデルでは、南海トラフ巨大地震は「千年〜数千年に一度」といった、とてもまれだけれど起きれば被害が大きい地震として想定されています。

さらに、静岡は太平洋側に長い海岸線を持ち、台風や線状降水帯による大雨で、川の増水や土砂災害のリスクもあります。毎年のように、どこかの地域で避難情報が出る時期もあります。だからこそ、「もし大きな災害が来たらどうしよう」という不安が、厄年の話とセットになって重く感じられやすいのです。

もう一つ、静岡らしい特徴が「車社会」です。県の統計によると、令和4年時点の自動車保有台数は約313万台、そのうち自家用乗用車は約221万台で、自動車全体の7割以上を占めています。自家用乗用車1台あたりの人口は1.62人、1世帯あたりの保有台数は1.48台とされています。
通勤も買い物も車に頼る場面が多いので、交通事故への不安もゼロにはできません。

こうした背景があるせいで、「厄年=何か悪いことが起こる年」というイメージが、静岡では特に強くなりがちです。ただ、ここで大事なのは、「厄年だから災害が起こる」「厄年だから事故にあう」と考えるのではなく、「変化が多い年齢だからこそ、災害や事故に備えるきっかけにしよう」ととらえ直すことです。防災グッズをそろえたり、家具の固定をしたり、運転のルールを家族で決めたり。こうした具体的な行動は、厄年かどうかに関係なく、自分たちの安心を増やしてくれます。

厄払いは「災いをゼロにする魔法」ではありませんが、「心のスイッチを切り替える儀式」としてはとても役立ちます。静岡の土地ならではのリスクを知ったうえで、「自分にできる対策」と「神仏へのお願い」を両方やってみる。その二本立てで考えると、厄年の一年が、ただ不安な年ではなく、「備えを進めた年」として記憶に残りやすくなります。


厄年・前厄・後厄の基本と、2025年に自分が当てはまるかの簡単チェック

まずは、自分が本当に厄年に当てはまるのかをはっきりさせておきましょう。一般的に言われる厄年は、「数え年」で数えたときの年齢で、

  • 男性:25歳・42歳・61歳

  • 女性:19歳・33歳・37歳・61歳

が本厄とされています。
その前後の年が、前厄と後厄です。数え年とは、「生まれたときが1歳」で、「元日ごとに一歳ずつ増える」という昔ながらの考え方で、ざっくり言えば「今の満年齢+1歳」が自分の数え年です。

たとえば、2025年(令和7年)に本厄になる年を確認すると、代表的には次のようになります。

  • 男性25歳本厄:2001年(平成13年)生まれ

  • 男性42歳本厄:1984年(昭和59年)生まれ

  • 男性61歳本厄:1965年(昭和40年)生まれ

  • 女性19歳本厄:2007年(平成19年)生まれ

  • 女性33歳本厄:1993年(平成5年)生まれ

  • 女性37歳本厄:1989年(平成元年)生まれ

  • 女性61歳本厄:1965年(昭和40年)生まれ

多くの神社は、こうした早見表を公式サイトや掲示板に出しています。静岡浅間神社のように、年ごとの一覧を載せているところもあります。

ここで覚えておきたいのは、「厄年の年齢や数え方は、神社や地域によって少し違う場合がある」という点です。ある神社では「男女ともに大厄だけ重視する」、別のところでは「4歳や13歳、還暦以降の年齢も厄年として扱う」など、細かな違いがあります。そのため、厄払いを受けたい神社・お寺が決まっている場合は、公式サイトの早見表か、直接電話で確認しておくと安心です。

自分が厄年かどうかを知る一番かんたんな手順は、

  1. 今の満年齢を書く

  2. +1して数え年に直す

  3. 上の年齢に当てはまるかどうかを見る

この三つだけです。「少しでも近い年は全部まとめて祈ってもらう」という考え方もあれば、「早見表にぴったり合う年だけ気にする」という人もいます。どちらが正解というより、「自分と家族が納得できる基準」を決めることが大事です。


「厄払いに行くべきか」迷ったときの考え方

自分が厄年と分かったとしても、「本当に厄払いに行くべきなのか」は人によって迷うところです。ここでは、よくあるパターンごとに考え方のヒントをまとめてみます。

一つめは、「行かないとずっと気になりそう」なタイプです。このタイプの人は、もし厄払いに行かなかった年に何かトラブルが起きると、「あのとき行っておけばよかった」と後悔しやすい傾向があります。迷っている時間そのものがストレスになるので、思い切ってどこか一社を選び、祈祷を受けてしまった方が、気持ちが軽くなりやすいです。

二つめは、「興味はあるけれど、お金や時間がきびしい」タイプです。仕事が忙しかったり、小さな子どもがいたりすると、神社やお寺まで足を運ぶのが大変なこともあります。この場合は、必ずしも本格的な祈祷にこだわる必要はありません。近所の氏神さまにふだんより少し丁寧にお参りしたり、自宅で防災・健康・片づけなどの「厄落としになる行動」を始めたりするだけでも、十分意味があります。

三つめは、「自分はあまり気にしていないが、家族が強く勧める」タイプです。親世代の中には、厄年をとても大切に考える人も多く、「お願いだから行ってきて」と言われるケースもあります。その場合、「自分のため」というより「家族の安心のため」ととらえると、気持ちの整理がつきやすくなります。一緒にお参りに行って、そのあと食事をするなど、家族行事の一つとして楽しんでしまうのも一つの方法です。

最後は、「まったく気にしていない」タイプです。このタイプの人にとっては、無理に厄払いに行ってもピンと来ないことが多いでしょう。ただし、そういう人ほど、体調が悪くても放置したり、忙しさにまかせて無理をしがちです。厄払いを受けるかどうかとは別に、「健康診断だけは受ける」「疲れたらちゃんと休む」といった自分なりのルールを決めておくと安心です。

重要なのは、「行かなきゃいけないから行く」ではなく、「どの選択が自分と家族にとっていちばん落ち着くか」で判断することです。


親やパートナーに言われて迷ったときの、角が立たない伝え方

厄払いをめぐって小さなもめごとになりがちなのが、「自分はそこまで気にしていないが、親やパートナーがとても気にしている」というケースです。ここでケンカになってしまうと、せっかくの厄払いの話が、かえって家族関係のストレスになってしまいます。

大前提として、相手が厄払いを勧めてくるのは、「厄年のルールを守ってほしい」からではなく、「あなたに何かあったら心配だから」という気持ちからだと考えてみてください。そのうえで、次のような言い方を意識すると、話し合いがスムーズになります。

まず、自分もある程度気になっている場合は、「行く気はあるけど、いつ・どこにするか一緒に考えたい」と伝えます。たとえば「お正月は混みそうだから、落ち着いたら二月ごろに行こうと思っている」「どうせならみんなで行って、そのあと近くでご飯を食べない?」と提案すると、相手も安心しやすいでしょう。

一方、「祈祷まで受けるつもりはないけれど、お参りはしたい」というときは、「厄払いも気になるけれど、今は防災や健康診断を優先したくて。お参りだけ一緒に行って、その日は家の片づけもして“厄落としの日”にしない?」といった形で、代わりの案を出すのがおすすめです。「厄払いは行かない」と突き放すのではなく、「こういう形ならやってみたい」と前向きな提案をセットにすると、相手も受け入れやすくなります。

お金の負担が重いと感じている場合も、「気持ちはありがたいけれど、今は子どもの教育費やローンがあって余裕がないから、今回は〇〇円くらいまでにしたい」と、具体的な金額を正直に伝えた方が、後々のわだかまりが少なくてすみます。

逆に、自分の方が厄払いに行きたいときは、「前から行ってみたかった神社がある」「帰りに寄りたいカフェがある」など、お楽しみ要素をセットで伝えると、家族を巻き込みやすくなります。静岡は神社仏閣の周りにお茶どころや温泉、名物グルメが多いので、ちょっとした小旅行感覚で計画してみると、話し合いも前向きな雰囲気になりやすいです。


厄年の不安を書き出して整理する、かんたんノートワーク

厄年のやっかいなところは、「何が不安なのか自分でもよく分からないまま、ずっとモヤモヤしてしまう」ことです。そのモヤモヤを少し軽くするために、おすすめしたいのが、紙一枚でできるシンプルなノートワークです。

やり方は、とても簡単です。まず、ノートやコピー用紙の真ん中に「今年の心配ごと」と書き、その下に思いつくままに不安を書き出していきます。仕事、家族、健康、お金、災害、人間関係など、ジャンルは何でも構いません。「こんなことまで書くのは大げさかな」と思う内容も、遠慮なく書いてしまって大丈夫です。

次に、それぞれの心配ごとの横に、

  • 自分でできる具体的な対策

  • 神社やお寺でお願いしたいこと

の二つを分けてメモしていきます。たとえば、「地震が怖い」という不安なら、「家具の固定」「防災リュックの準備」「家族との集合場所の確認」が自分でできる対策で、「家内安全・無事の祈願」は神社でお願いしたいことになります。

こうして書き分けていくと、「全部が自分の責任」という感覚から、「自分でやること」「神仏に託すこと」の区別がはっきりしてきます。これは、「厄年だから何となく不安」というぼんやりした気持ちを、現実的な行動に変えていくための大事なステップです。

このノートは、厄払いに行く前に一度書いておくと、祈祷の最中に「何をお願いしたいのか」が明確になり、気持ちを込めやすくなります。帰ってきたあと、ときどき見直して「できたこと」に丸をつけていくと、一年の終わりに「ちゃんと自分なりに動けたな」と実感しやすくなります。


ライフスタイル別に考える、静岡の厄払い場所の選び方

車がなくても大丈夫かを軸に、静岡駅・浜松駅から行きやすい場所を考える

静岡は車を持っている世帯が多いとはいえ、最近は駅近くのマンションに住んでいて、あえて車を持たない人も増えています。そうした人にとって、「駐車場が広いかどうか」より、「駅から無理なく行けるかどうか」の方が重要です。

静岡駅周辺で言うと、静岡浅間神社は静岡駅からバスで10分前後の距離にあり、市内のバス路線も多いので、車がなくてもアクセスしやすい場所の一つです。
浜松駅周辺では、浜松市街地からバスやタクシーで行きやすい神社やお寺もいくつかあります。

車なしで厄払いを受けるときに意識しておきたいポイントは、次のようなものです。

  • 公式サイトで、祈祷の受付時間と予約の有無を確認しておく

  • 地図アプリで、駅からの徒歩時間やバスの本数をざっくり把握する

  • 混雑しやすいお正月や節分、大安の日の午前中を避け、平日か午後の時間帯を狙う

  • 雨の日は足元がすべりやすいので、階段や坂道の有無も写真で確認しておく

また、「祈祷は駅から行きやすい神社で」「そのあと電車で少し移動して温泉やカフェに寄る」という組み合わせも考えられます。東海道本線や東海道新幹線沿線、身延線・伊東線など、静岡には列車で行きやすい観光地や温泉地が多くあります。車がなくても、「移動時間そのものを自分へのごほうびタイム」と考えて、あえてゆっくり電車に揺られる一日にするのも良い過ごし方です。


小さな子ども・高齢の家族と一緒に行くときに確認しておきたいこと

家族みんなで厄払いに行くとき、意外と大変なのが「移動と待ち時間」です。特に、小さな子どもや足の弱い家族がいる場合は、階段の多さやトイレの場所など、細かな点まで気にかける必要があります。

まずチェックしたいのは、駐車場から本殿・本堂までの距離と段差です。坂道が多いか、階段が長いか、途中に休めるベンチがあるかどうか。公式サイトの写真や、検索結果に出てくる境内の様子を見れば、だいたいのイメージはつかめます。可能であれば、先に一度だけ親だけで下見に行き、歩きやすさを確かめておくと安心です。

トイレの場所も大切です。おむつ替えスペースがあるかどうか、授乳をしたいときに使える静かなベンチがあるか、といった点も事前に見ておくと当日の慌てごとが減ります。最近は、公式サイトにベビールームや多目的トイレの有無を掲載している神社・お寺も増えています。

祈祷の時間も、子ども連れや高齢者と一緒なら意識しておきたいポイントです。多くの場所では20〜30分程度ですが、お正月や節分の時期は、受付から終わりまで1時間以上かかることもめずらしくありません。途中で子どもがぐずったり、トイレに行きたくなったりすることもあるので、「絶対に最後まで静かに座っていなくては」と身構えすぎず、必要なら途中退出もありだと最初から決めておくと気がラクになります。

時間帯は、冷え込みが強すぎない午前〜昼前がおすすめです。真冬の夕方以降は足元もすべりやすくなるので、無理をしない方が安全です。「今回は代表として誰か一人だけが祈祷を受け、他の家族は境内で待つ」「お参りだけ全員でして、正式な祈祷は別の日に改めて行う」など、柔軟に分けて考えることも大事です。


仕事が忙しい人のための、半日でできる厄払いプラン

「厄払いに行きたい気持ちはあるけれど、休みが少ない」「土日は子どもの予定で埋まってしまう」という声もよく聞きます。そんな人には、半日だけでも実行できるシンプルなプランを考えておくと動きやすくなります。

一つの方法は、「午前休を取って午前中に集中する」パターンです。朝、いつもより少し早く家を出て、9時前後の受付開始時間に合わせて神社かお寺に到着します。受付をして、厄除を含む祈祷を受け、境内を短時間散策しても、だいたい10時半〜11時ごろには終了することが多いでしょう。そのあと近くの喫茶店で軽くお茶を飲み、午後から出勤すれば、心を入れ替えたような気分で仕事に戻ることができます。

もう一つは、「平日の夕方に寄り道する」パターンです。祈祷の受付終了時間は、場所によって14〜16時ごろと差がありますが、仕事を少し早めに切り上げられる日が分かっていれば、その日に合わせて予約することも可能です。夕方から夜にかけての時間帯は、日中よりも人が少なく、静かな雰囲気の中で祈祷を受けられることもあります。終わったら、そのまままっすぐ帰宅し、いつもより早めに夕食と入浴を済ませてゆっくり休む。これだけでも、気持ちのリセット感はかなり違います。

どちらのパターンでも共通して意識したいのは、「一日に詰め込みすぎない」ことです。せっかくの厄払いの日に、買い物や別の予定をぎっしり入れてしまうと、あっというまに疲れ切ってしまいます。「今日は厄払いと、帰り道に一つだけ寄り道をする」くらいにしておくと、心にも体にも余裕が残ります。


人混みや大きな音が苦手な人のための、静かな時間をつくる工夫

大きな神社やお寺での厄払いは、どうしても人が多くなりがちです。中には、「人混みが苦手」「音や匂いに敏感で疲れやすい」といった理由から、行くのをためらってしまう人もいます。そういう場合は、神社・お寺の選び方と、行く時期・時間帯の工夫で、できるだけ静かな環境を用意してあげるのがおすすめです。

まず意識したいのは、「ピーク時期とピーク時間帯を外す」ことです。三が日や節分の前後は特に混雑しやすく、また大安の午前中も人が集中しがちです。あえて平日を選び、開門直後の早い時間か、夕方の祈祷受付が終わる少し前を狙うと、比較的落ち着いた雰囲気の中で参拝できることが多くなります。

次に、「有名どころだけ」にこだわりすぎないことも大切です。静岡県内には、テレビや雑誌に登場するような神社仏閣だけでなく、地域の人に長く愛されている中規模・小規模の社寺も数多くあります。そうした場所は、派手さは少ないけれど、静かな空気の中で落ち着いて参拝できることが多いです。

静かな場所を探すときには、境内の写真をよく見て、「木が多いかどうか」「駐車場が広すぎないか」「登る階段がどれくらいありそうか」などをチェックしてみてください。写真から受ける印象で、「ここなら落ち着けそうだな」と感じる場所を候補にすると、自分との相性が良いことが多くなります。

また、人混みが疲れやすい人ほど、「一緒にいると安心できる人」と行くようにすると、不安が軽くなります。家族や親しい友人など、「無理に話さなくても気まずくならない相手」を選び、当日は「もしきつかったら、途中で引き返してもいい」と最初から決めておくと、心の負担がかなり減ります。


静岡の代表的な社寺を「名前だけ」押さえるミニカタログ

最後に、「まだ具体的な行き先は決めていないけれど、静岡の代表的な厄除けスポットの名前くらいは知っておきたい」という人のために、ごく簡単なミニカタログをまとめておきます。ここでは、細かな由緒やランキングではなく、「どのあたりにあって、どんな雰囲気か」をざっくり把握するための情報に絞ります。

名称 おおよその場所 雰囲気のイメージ
静岡浅間神社 静岡市葵区・市街地北側の丘の上 鮮やかな社殿が連なる、駿河国の総社として知られる神社。厄除祈祷の早見表も公開されている。
富士山本宮浅間大社 富士宮市中心部 富士山信仰の中心的な神社の一つ。境内から富士山を望める日も多く、厄除を含む各種祈祷を受け付けている。
小國神社 森町・遠江国一宮 森林に囲まれた落ち着いた雰囲気の神社。家内安全や商売繁昌、厄除祈願・八方塞除祈願などのご祈祷が「1件5,000円から」と案内されている。
法多山尊永寺 袋井市 「厄除観音」として知られる真言宗の寺院。護摩祈祷の奉納料は3,000〜5,000円程度からの目安が示されており、名物の厄除だんごも人気。
久能山東照宮 静岡市駿河区・駿河湾沿いの山の上 徳川家康を祀る東照宮。ロープウェイや長い石段を登った先に社殿があり、天気の良い日は海の景色が美しい。

ここに挙げた場所以外にも、浜松周辺や伊豆半島など、厄除けや交通安全で知られる寺社は多数あります。初めての厄払いであれば、この中から「自宅や実家から行きやすい場所」「写真を見て好きだと感じた場所」を一つだけ選び、まずは行ってみるのが良いと思います。

なお、祈祷の受付時間や初穂料の金額、事前予約の要・不要などは、毎年少しずつ変わる可能性があります。ここでは代表的な例として紹介しましたが、実際に行く前には、必ず各社寺の公式サイトや問い合わせ窓口で最新情報を確認してください。


富士山・お茶・海と組み合わせる「静岡ならではの厄落とし」

富士山が見える場所で、一日かけて気持ちをリセットする

静岡に住んでいると、「ふとしたときに富士山が見える」という特別な環境があります。富士山は古くから信仰の対象でもあり、実際に登らなくても、ふもとから眺めるだけで心が落ち着くという人は少なくありません。厄年で気持ちがふさぎがちなときこそ、「富士山の見える場所で一日を過ごす」というシンプルな過ごし方が、良い気分転換になります。

たとえば、朝少し早起きをして、富士宮市や富士市方面へ向かいます。静岡市や浜松市からでも、電車や車で日帰り圏内です。富士山本宮浅間大社の境内や周辺の公園では、富士山と湧き水、街の風景を一度に眺められるスポットがいくつもあります。
厄払いを受ける場合は、朝のうちに祈祷をすませ、そのあと境内を歩いたり、湧水を使った名物の料理を味わったりして、ゆっくりと時間を過ごします。

大切なのは、「今日は富士山のふもとで、自分の一年を考える日」と決めて出かけることです。神社やお寺に行かなかったとしても、富士山が見える場所で深呼吸をし、「今年も大きな災害や事故なく、落ち着いて暮らせますように」と静かに心の中で願うだけでも、自分なりの小さな厄払いになります。

帰り道には、温泉施設や道の駅に一つだけ寄り道をして、その日の感想をノートに書き留めてみるのもおすすめです。紙に書くことで、「何を大切にしたい一年なのか」が、自然と整理されていきます。


茶畑とお茶の時間を、心を整える習慣に変える

静岡といえば、お茶を思い浮かべる人も多いでしょう。県の公式資料によると、静岡県は全国の茶園面積の約40%を占めていて、令和6年の統計でも栽培面積で全国1位の「日本一の茶どころ」です。荒茶生産量や茶の産出額でも全国上位に入り、品質の高さも評価されています。

厄年の一年を、「お茶の時間を丁寧に楽しむ年」と決めてみるのはどうでしょうか。たとえば、牧之原台地や金谷、川根本町、藤枝周辺など、茶畑が広がるエリアを訪ねて、軽いウォーキングを楽しむ一日をつくってみます。緑の斜面の向こうに街や川が見える景色は、それだけで心を広げてくれるような感覚があります。

茶畑のそばには、地元の茶葉を使ったカフェや直売所があることも多く、そこでは淹れたての煎茶やほうじ茶、抹茶スイーツなどを味わえます。「今日は厄年の不安を少し横に置いて、お茶の香りと景色を味わう日」と決めて、スマホをかばんにしまい、湯呑みの温かさや湯気の立ち上る様子に意識を向けてみてください。

家でもできる工夫としては、「一日に一回だけ、テレビやスマホを消して、お茶だけを飲む時間をつくる」ことをおすすめします。お気に入りの湯呑みとお茶を準備し、その日の出来事や感謝したいことを三つだけ頭の中で振り返る。これを続けるだけで、心の中のざわざわが少しずつ静まっていきます。

静岡というお茶の産地に暮らしているからこそ、「お茶を飲む」という当たり前の行為を、一段階深い「心を整える習慣」に変えていく。そんな過ごし方も、立派な厄落としの一つです。


駿河湾・遠州灘の海辺で、「手放したいこと」を流していく

静岡は、駿河湾から遠州灘まで長い海岸線を持つ県です。海は、見ているだけで気持ちがゆるみ、考えごとが少し軽くなる場所でもあります。厄年で心が重くなっているときこそ、海辺を歩きながら「手放したいこと」を整理していく時間を持ってみるのも良い方法です。

たとえば、静岡市からなら三保松原や日本平周辺、焼津や御前崎方面。浜松市からなら中田島砂丘や浜名湖周辺。伊豆半島なら伊東・下田・南伊豆など、海が近くにある場所はいくらでもあります。車でも電車でも行きやすい場所を一つ選び、天気の穏やかな日を狙って出かけます。

海辺についたら、まずは数分だけ海を眺めて深呼吸をします。そのあと、波打ち際をゆっくり歩きながら、心の中で「今年は手放したいこと」「これ以上がんばりすぎないと決めたいこと」を一つずつ言葉にしていきます。仕事の不安、過去の失敗への後悔、人間関係でのしこりなど、内容は何でもかまいません。

歩き終わるころに、小さな石や貝殻を一つだけ拾い、「これは、さっき言葉にした“手放したいこと”の象徴」と心の中で決めます。そして、その石を海に投げ込むのではなく、波打ち際の安全な場所にそっと置き、少しだけ手を合わせます。実際に物を海に投げると環境への負担になるので、あくまで自分の中のイメージで「流す」ことが大事です。

最後に、海から少し離れた場所で温かい飲み物を飲みながら、「今日からは、さっき手放すと決めたことについて、自分を責めすぎない」と心の中で宣言してみてください。海のリズムに合わせて、自分の中の重さを少しずつ外に出していく。そんな時間も、立派な厄落としになります。


伊豆・寸又峡・梅ヶ島など、温泉と合わせて「一年のスタートのごほうび」にする

静岡には、伊豆半島の各地をはじめ、寸又峡温泉、接岨峡温泉、梅ヶ島温泉、舘山寺温泉など、個性豊かな温泉地がたくさんあります。日帰り入浴ができる施設も多く、厄払いと温泉をセットで楽しむことも十分可能です。

たとえば、静岡市や焼津市周辺で厄払いを受けたあと、車やバスで梅ヶ島温泉へ足を伸ばし、山あいの静かな宿で日帰り入浴を楽しむ。浜松で岩水寺や方広寺などにお参りしたあと、舘山寺温泉で湖を眺めながら露天風呂に入る。伊豆半島の神社に参拝したあと、そのまま伊東や熱海の温泉街で一泊する。どの組み合わせも、静岡ならではの贅沢な一日になります。

温泉と組み合わせるときに気をつけたいのは、「移動時間を含めて、予定を詰め込みすぎない」ことです。特に冬場は日が短く、山道や海沿いの道路は夕方以降に冷え込むこともあります。神社やお寺の祈祷時間をあらかじめ調べ、余裕を持った行程を組んでおきましょう。

温泉に入る前には、「ここまで無事に来られたこと」と「これからの一年も健康で過ごせるように」という二つに、意識的に感謝の気持ちを向けてみてください。湯船につかりながら、「厄払いに行った日を、一年のスタートラインにしよう」と心の中で決めるだけで、その後の過ごし方が自然と変わっていきます。


神社・お寺に行けない日でも続けられる、「静岡の日常×厄落とし」チェックリスト

厄払いというと、「年に一度、神社やお寺で祈祷を受けるもの」というイメージが強いかもしれません。しかし、実際に心を軽くするのは、日々の小さな行動の積み重ねです。静岡の暮らしの中で実行しやすい、「日常の厄落とし」的な習慣を、いくつかチェックリストの形でまとめてみます。

  • 月に一度、防災リュックと水・食料の賞味期限を確認する

  • 年に一度は、家具の固定やガラスの飛散防止シートなど、防災対策を見直す

  • 車に乗る前に、タイヤの空気圧やライト、ワイパーの状態をさっとチェックする

  • 朝、家を出る前に玄関とベランダを一分だけ掃き掃除する

  • 週に一度、お気に入りの静岡茶を淹れて、ノートに「今週よかったこと」を三つ書く

どれも特別なことではありませんが、「自分や家族を大事に扱う行動」を積み重ねていくことで、厄年の不安は自然と小さくなっていきます。神社やお寺での厄払いは、そのスタートを切るための行事であり、日々の生活の中で続ける小さな行動が、本当の意味での厄落としになっていきます。


初めてでも迷わない、静岡で厄払いを受ける当日の流れとマナー

受付から帰宅までの一連の流れをイメージしておく

初めて厄払いを受けるとき、「当日に何をどうしたらいいのか分からない」という不安が出てきます。ここでは、多くの神社・お寺に共通するおおまかな流れを、静岡での例を想像しながら整理してみます。

  1. 到着したら、まず手水で身を清める
    境内に入ると、ほとんどの神社に手水舎があります。柄杓を右手・左手と持ち替えながら手を洗い、最後に口をすすぐという基本の作法がありますが、細かい順番が少し違っても問題ありません。周りの人の動きを参考にしながら、静かな気持ちで行えば大丈夫です。

  2. 社務所・寺務所で祈祷の受付をする
    厄払いの場合は、「ご祈祷受付」「祈祷受付所」と書かれた窓口に向かいます。申込用紙が渡されることが多いので、厄除、家内安全、交通安全など、お願いしたい内容に〇をつけ、自分の名前・住所・生年月日を記入します。初穂料・祈祷料は、事前に封筒に入れておき、受付の案内に従って納めます。

  3. 待合室やベンチで呼ばれるのを待つ
    受付が終わると、待合室や境内のベンチなどで呼び出しを待ちます。混雑具合にもよりますが、10〜30分ほど待つことが多いでしょう。このとき、スマホの音が鳴らないように設定しておき、できれば画面を見る時間も少し減らして、心を落ち着かせておくのがおすすめです。

  4. 本殿・本堂での祈祷に参列する
    担当の方が案内してくれるので、指示された順番で本殿や本堂に入ります。中では、神職さんや僧侶の祝詞やお経を静かに聞きながら、必要な場面で頭を下げたり、名前を呼ばれたときに軽く返事をしたりします。あらかじめ「ノートに書いたお願い」を思い出しながら、心の中で静かに祈る時間です。

  5. お札やお守り、授与品を受け取る
    祈祷が終わると、厄除けのお札やお守り、縁起物などが授与されます。袋に入った状態で渡されることが多いので、落とさないように受け取りましょう。

  6. 境内をもう一度歩き、感謝を伝えてから帰る
    すぐに帰るのではなく、もう一度本殿の前で軽く一礼したり、境内の木々や景色を眺めたりしながら、自分なりに静かな時間を過ごしてから帰路につきます。

この流れは、静岡浅間神社や富士山本宮浅間大社、小國神社、法多山尊永寺など、多くの社寺で大きくは変わりませんが、細かな作法や待ち方はそれぞれ違う部分もあります。心配であれば、受付のときに「初めてなので、流れを教えてください」と一言添えれば、丁寧に案内してもらえることがほとんどです。


服装・持ち物・靴選びで失敗しないための基本

厄払いに行くとき、「どんな服を着ていけばいいのか」は多くの人が気にするポイントです。結論から言えば、特別な正装でなくても、「清潔感があり、派手すぎない服装」であれば問題ない場合がほとんどです。

男性なら、シャツにジャケット、きれいめのチノパンやスラックス。女性なら、ブラウスにカーディガン、シンプルなスカートやパンツ。色は黒・紺・グレーなど落ち着いたものが無難です。大きなロゴが入ったTシャツや、ダメージが激しいジーンズ、露出の多い服はできるだけ避けましょう。

靴は、歩きやすさと脱ぎやすさの両方を意識します。境内は砂利道や石段が多く、雨のあとは滑りやすくなります。ヒールの高い靴やサンダルより、ローファーやスニーカーなど安定した靴の方が安心です。特に久能山東照宮のように長い階段がある場所では、歩きにくい靴は大きな負担になってしまいます。

持ち物としては、次のようなものがあると心強いでしょう。

  • 初穂料・祈祷料(のし袋に入れておくと安心)

  • 身分証明書(住所・生年月日の書き間違い防止のため)

  • メモ帳とペン(神職さんに聞いたことやお願いごとを書き留める用)

  • ハンカチ・ティッシュ

  • 冬ならカイロ、夏なら汗ふきタオルや飲み物

車で行く場合は、駐車場から本殿までの距離と坂の有無を事前に確認しておき、歩く時間を含めて余裕を持って出発します。電車やバスで行く場合は、乗り換えや本数をあらかじめ調べておき、一本遅れても祈祷に間に合うくらいの余裕を持たせると、当日あわてずにすみます。


初穂料・祈祷料の目安と、のし袋の基本

「厄払いの初穂料はいくら包めばいいのか」は、なかなか人に聞きづらい話題です。静岡県内の主な神社・お寺の例を見ると、厄除けや家内安全などのご祈祷料は、たいてい「〇〇円以上」「お気持ちで」といった形で案内されています。

たとえば、遠江国一宮の小國神社では、「祈願の内容1件につき5,000円より」と案内されています。
法多山尊永寺では、護摩祈祷の奉納料の目安として、3,000円以上・5,000円以上・1万円以上など、いくつかの段階が示されています。
富士山本宮浅間大社の公式案内では、「厄除は6,000円より」といった具体的な金額が書かれています。

こうした例から考えると、個人で厄払いを受ける場合、5,000〜10,000円前後を一つの目安にする人が多いようです。ただし、金額はあくまで「各社寺の決まり」と「自分の無理のない範囲」で決めるものであり、「高ければ高いほどご利益がある」というわけではありません。公式サイトに金額が書いていない場合や、迷うときは、受付で「厄除けのご祈祷料はいくらぐらいからがおすすめでしょうか」と素直に聞いてしまって大丈夫です。

のし袋を使う場合は、紅白の蝶結びを選び、表書きは神社なら「初穂料」、お寺なら「御祈祷料」と書くのが一般的です。下の段には、自分のフルネームを書きます。中袋があるタイプなら、表に金額、裏に住所と名前を記入します。筆ペンやサインペンを使うと、見た目も整います。

ここで紹介した金額や書き方はあくまでも一例なので、実際に参拝する神社・お寺の案内や、受け付けの方の説明を最優先してください。特に初穂料は、物価や運営状況に合わせて見直されることがあります。最新情報を公式サイトで確認してから準備しておくと安心です。


家に持ち帰ったお札・お守りをどこに置くか

厄払いのあと、多くの人が悩むのが「もらったお札やお守りをどこに置けばいいのか」です。難しく考えすぎる必要はありませんが、いくつか基本的な考え方を押さえておくと、迷いにくくなります。

お札は、高い位置で清潔な場所におまつりするのが一般的です。神棚がある家なら、そこにお札を納めれば問題ありません。神棚がない場合でも、リビングや寝室の棚の上、タンスの上など、目線より少し上の位置にスペースを作れば十分です。直射日光やエアコンの風が直接当たる場所は避け、周りをこまめに掃除できる場所を選びましょう。

アパートやマンションなどスペースに限りがある場合は、白い紙や布を敷いた上にお札を立てかけ、小さな花や観葉植物を一緒に飾るだけでも、十分に「おまつりしている」雰囲気が出ます。あまり完璧さを求めすぎず、「自分なりに大切に扱える場所かどうか」を基準に決めてください。

お守りは、目的に合わせて置き場所を変えると良いでしょう。交通安全のお守りなら車の中や免許証ケースに入れる。健康のお守りなら、いつも使うカバンや枕元に置く。厄除け全般のお守りなら、財布や通勤バッグに入れて毎日持ち歩く。こうした形で、自分の生活動線の中に自然に溶け込ませるのがポイントです。

一年が終わったら、お札やお守りは新しいものに取り替え、古いものは授与された神社やお寺、あるいは近くの神社のお焚き上げに納めるのが一般的です。そのとき、「一年間ありがとうございました」と心の中で感謝を伝えることで、厄払いの一年が気持ちよく締めくくられます。


「写真は撮っていい?」「終わったあと飲みに行ってもいい?」よくある疑問

厄払いに行くときにちょっと気になる、細かな疑問も整理しておきましょう。

まず、「祈祷中に写真を撮ってもいいのか」という点です。多くの神社やお寺では、本殿・本堂の内部での撮影や、祈祷中の写真撮影を控えるよう案内しています。境内や鳥居のあたりなら撮影可としている場所も多いですが、「撮影禁止」「カメラマークに斜線」などの表示がないか、必ず確認してください。どうしても分からないときは、社務所で「写真を撮ってもいい場所はありますか」と一言聞くのが確実です。

次に、「厄払いのあとに飲み会に行ってもいいのか」という質問もよくあります。これについては、絶対に禁止という決まりはありません。ただ、せっかく心と体を整えるために厄払いをした日なので、できればその日は暴飲暴食を避け、落ち着いた食事や家でのんびりした時間を大切にしたいところです。どうしても外せない飲み会がある場合は、「今日は厄払いに行ってきたので、少し控えめにしておきます」と自分の中で線を引いておくと良いでしょう。

「子どもが途中でぐずったらどうしよう」という不安についても、多くの神社やお寺は、小さな子どもが泣いたり動いたりすることに慣れています。もちろん、周囲への配慮は必要ですが、必要以上に自分を責める必要はありません。どうしても大変そうなら、家族の代表だけが祈祷に参加し、他の人は境内で過ごすという形にするのも一つの方法です。

服装やマナーについても同じで、「完璧にしなければ」と思い詰めるより、「できる範囲で整えて、あとは素直な気持ちで参拝する」ことの方がずっと大切です。神社やお寺は、決まりを守れなかった人を責める場所ではなく、「これから気持ちを切り替えて生きていこう」と決めた人を受け止めてくれる場所です。


厄払いのあと一年間、静岡で気持ちよく暮らすためのマイルール

南海トラフ地震への備えを、「防災×厄落とし」として進める

静岡で暮らしていると、どうしても頭の片隅に「南海トラフ巨大地震」の心配があります。静岡県がまとめた「第4次地震被害想定」は、東日本大震災の教訓や最新の科学的知見を取り入れ、南海トラフ巨大地震や相模トラフ沿いの地震が起きた場合の揺れ・津波を、最大クラスでシミュレーションしています。

こうした資料を読むと不安が強くなるかもしれませんが、逆に言えば、「どのくらいの被害が想定されているか」が分かるからこそ、具体的な備えを考えやすくなります。厄年の一年を、「自分と家族の防災力を一段階上げる年」と決めてみましょう。

具体的にやりたいことは、次の三つです。

  1. 家具の固定と室内の安全対策
    タンスや本棚、テレビなど、大きな家具が倒れてこないように、金具やベルトで固定します。ガラス戸や窓には、飛散防止フィルムを貼ると安心です。寝ている場所の近くには、大きなものを置かないようにします。

  2. 防災リュックと水・食料の準備
    飲料水、3日分程度の非常食、懐中電灯、ラジオ、乾電池、モバイルバッテリー、簡易トイレ、常備薬などをまとめた防災リュックを人数分用意します。年に一度、賞味期限をチェックし、古いものから普段の食事で使って入れ替えましょう。

  3. 家族との連絡方法と集合場所の確認
    地震が起きたときに、まず自分の身を守ることを最優先すること、そのうえで連絡が取れない場合の集合場所を決めておきます。自宅近くの公園や避難所、少し離れた親戚の家など、状況に応じた選択肢も話し合っておくと良いでしょう。

これらの対策を一つずつ進めるたびに、「また一つ厄を減らせた」と考えてみてください。災害そのものをなくすことはできませんが、「備えをしている」という実感があるだけで、厄年の不安はずっと小さくなります。防災は、静岡に暮らす人にとって、最も現実的で力強い厄落としの一つと言えます。


健康診断・歯科・眼科など、「体のメンテナンス」を習慣にする

厄年の年齢は、ちょうど体の変化や、生活習慣の無理が積み重なりやすい時期と重なります。仕事の責任が増えたり、子育てが忙しくなったりして、自分の体のことを後回しにしがちな年代でもあります。だからこそ、「厄年だからこそ自分の体を整える」と決めてしまうのは、とても現実的な選択です。

まず、年に一度の健康診断を必ず受けることを目標にしましょう。会社の健診や自治体の検診など、利用できる制度は積極的に活用します。血圧や血液検査、心電図、胸部レントゲンなど、基本的な検査を定期的に受けておけば、大きな病気を早めに見つけられる可能性が高まります。

次に、歯科の定期検診もぜひ習慣にしてほしい項目です。虫歯や歯周病は、痛みが出るまで放置してしまうと、治療が長くなってしまいます。3〜6か月に一度のクリーニングを続けることで、口の中のトラブルを防ぎやすくなります。静岡県内には、住宅街にも商店街にも歯科医院が多くありますから、自宅や職場の近くで通いやすい医院を一つ見つけておくと安心です。

また、パソコンやスマホをよく使う人は、目の疲れや肩こり、頭痛などを感じやすいものです。眼科や整形外科、整体など、「一度行こうと思っていたけれど後回しになっていた場所」に、厄年の年に一度だけでも足を運んでみてください。専門の医師や技師からアドバイスをもらうことで、自分では気づいていなかった体の使い方の癖が見えてくることもあります。

「厄年だから体に気をつける」のではなく、「体に気をつける一年にした結果、厄年だったことを忘れてしまった」。そんなふうに振り返られる一年を目指してみてください。


片づけとリサイクルを使って、「モノの厄」を手放す

家の中に使っていない物がたくさんたまっていると、それだけで気持ちが重くなり、疲れやすくなります。厄年をきっかけに、「モノの厄」を少しずつ手放していくのも、心を軽くする大切な行動です。

まずは、一度に家じゅうを片づけようとせず、「今日はクローゼットの右半分だけ」「今週は押し入れの上段だけ」といった具合に、小さな範囲を決めて取り組みます。そこにある物を「使っている」「迷う」「使っていない」の三つに分けていき、「使っていない」グループを中心に手放し方を考えます。

まだ使える服や本、家電などは、リサイクルショップに持ち込んだり、フリマアプリに出品したり、必要としている人に譲ったりして、次の持ち主にバトンを渡します。静岡の各市町には、リサイクルショップや古本屋、寄付を受け付ける団体も多くあります。直接捨てるより、「誰かに使ってもらえるかもしれない」と思える方が、手放しやすいと感じる人も多いでしょう。

壊れているものや明らかに使えないものは、自治体の分別ルールに従って処分します。「いつか直して使おう」と思って何年も放置している物があれば、これを機に、「ありがとう」と心の中でつぶやきながら手放してしまいましょう。

片づけを進めていくと、「ここにお札やお守りを置こう」「ここを家族の写真を飾る場所にしよう」といった新しいスペースが生まれてきます。物理的な空間だけでなく、心の中にも余白ができることで、厄年の不安も少しずつ薄れていきます。


「行ってみたかった静岡スポット」リストを作り、厄年をごほうびイヤーにする

厄年と聞くと、「我慢の一年」というイメージを持つ人も多いかもしれません。でも、せっかくなら逆転の発想で、「自分にごほうびをあげる一年」にしてしまうのも一つの考え方です。

静岡には、富士山、お茶、海、温泉、歴史ある寺社、動物園や水族館、カフェやスイーツなど、魅力的なスポットが数えきれないほどあります。そこで、ノートの一ページを使って、「前から行ってみたかった静岡の場所リスト」を作ってみてください。市内・県内にある行きたい場所を、ジャンル問わず思いつくまま書き出していきます。

例としては、

  • 気になっていたカフェやパン屋

  • 子どものころに行ったきりの動物園や遊園地

  • 行事の時期が合わずに行けていない神社やお寺

  • 情報誌やネットで見て気になった温泉地や絶景スポット

などがあります。このリストから、「厄年の一年で3〜5か所行けたら合格」と、ゆるい目標を決めます。一度にたくさん行こうとする必要はありません。半日あれば行ける場所や、仕事帰りに寄れる場所から一つずつ実行していけば十分です。

大事なのは、「厄年だからこそ、自分を大切にする時間を意識的につくる」ということです。厄払いに行った日を起点に、「次はこのスポットに行こう」と予定を立てておけば、日常の中に小さな楽しみが増え、厄年に対するイメージも自然と明るくなっていきます。


トラブルが起きたとき、すべてを厄年のせいにしすぎないために

どれだけ備えをしていても、厄払いをしていても、人生からトラブルや失敗を完全になくすことはできません。時には、病気やケガ、仕事のミス、人間関係の行き違いなど、つらい出来事が起きてしまうこともあります。そんなとき、「やっぱり厄年だからだ」と考えたくなる気持ちは、ごく自然なものです。

ただ、何でもかんでも厄年のせいにしてしまうと、「自分にはどうしようもない」と感じやすくなり、行動する気力が失われてしまうことがあります。そこで、トラブルが起きたときには、次の三つのステップで気持ちを整えてみてください。

一つめは、「起きた事実」と「自分の感情」を分けて紙に書き出すことです。「仕事で大事な書類をなくした」「上司に怒られて落ち込んでいる」「自分には向いていないのではと不安になっている」といった具合に、できるだけ具体的に書いていきます。

二つめは、その紙を見ながら、「自分にできること」と「自分では変えられないこと」を分けて考えることです。書類の管理方法を見直す、同じミスを防ぐチェックリストを作る、信頼できる人に相談する、といった行動は自分にできること。一方で、相手の性格や天気、経済状況などは、自分ではどうにもできません。変えられない部分は、「仕方がなかった」と認める勇気も必要です。

三つめは、気持ちが少し落ち着いてきたタイミングで、再び神社やお寺に足を運んでみることです。改めてお参りをし、「大きな失敗をしたけれど、ここから立て直したい」「同じことを繰り返さないように見守っていてほしい」と素直に祈ってみてください。厄年だからといって、神社に行く回数が一度だけに限られているわけではありません。つらいときこそ、気持ちを切り替える場所として頼っていいのです。

厄年というのは、あくまで「人生の節目」を意識するための目安にすぎません。その一年を通して、防災や健康、暮らし方を見直し、自分なりの行動を積み重ねることができれば、結果として「決して悪い年ではなかった」と思えるはずです。静岡の土地柄と、自分自身の選択を組み合わせて、「厄年をいい一年に変える」一歩を踏み出してみてください。


まとめ:静岡ならではの視点で、厄払いを「安心して暮らすためのひと工夫」に変える

ここまで、静岡で厄払いを考えている人に向けて、

  • 静岡という土地ならではのリスクと厄年との向き合い方

  • 車の有無や家族構成など、ライフスタイル別の神社・お寺の選び方

  • 富士山やお茶、海、温泉を活かした「静岡らしい厄落とし」のアイデア

  • 初めてでも迷わない当日の流れと、服装・持ち物・初穂料の考え方

  • 厄払いのあと一年間の、防災・健康・片づけ・ごほうび旅・心の整え方

といったポイントを、一つずつ整理してきました。

厄年という言葉は、どうしても不安を呼びやすいものです。しかし、静岡のように、自然も豊かで、防災や医療の情報も整っている地域であれば、「厄年だからこそ、自分と家族の暮らしを見直すチャンス」と考えることもできます。厄払いの祈祷は、そのきっかけをくれる大切な行事の一つです。

大切なのは、「やらなきゃいけないから」ではなく、「自分と家族が落ち着いて暮らせるように、一年を整える」という視点です。神社やお寺で厄払いを受けるかどうか、どこに行くか、どれくらいの頻度で参拝するか。その答えは、人それぞれ違っていて構いません。この文章の中から、自分の性格や生活に合いそうな部分だけを拾い、自分だけのマイルールを作ってみてください。

静岡での厄払いが、あなたと家族の一年を少しでも穏やかに、前向きにしてくれるきっかけになれば幸いです。

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