茨城で巡る蛇と弁才天｜静神社・真浄寺・牛久沼（泊崎／七浦）を1日で回る方法

巳年と蛇の信仰をやさしく解説

2025年は巳年。脱皮をくり返す蛇のように「古い殻を脱いで整える」一年にしませんか。茨城には白蛇や弁才天、宇賀神の伝承が色濃く残る社寺が点在します。本記事は、筑波山の小祠白蛇弁天、白蛇で知られる高萩八幡宮、白蛇の伝承が語られる静神社、銭洗い弁財天がある牛久成田山 真浄寺、湖畔の**泊崎・七浦弁財天（所在地：つくば市泊崎）**などを、作法・アクセス・1日モデルコースとともに整理しました。宇賀弁才天の基礎もやさしく触れます。地図アプリと合わせて、あなたの巳年参りの相棒にしてください。

巳年ってどんな年？十二支の基本と相性

巳（み）は十二支の6番目で、草木の成長が一段落し「実がこもる」段階を表すとされます。暮らしに当てはめると、積み上げてきたことを形にする年、計画を仕上げる年というイメージです。蛇は脱皮をくり返すことから、民間信仰では再生・厄落とし・財の巡りの象徴として語られてきました。占いでは丑・酉との三合が有名ですが、科学的根拠の話ではありません。節目の合図として「学び直し」「家計・財布の整え」「持ち物の見直し」など、続けるほど効く行動を始めるタイミングにするのが現実的です。予定や決断を“少し前倒し”するだけでも、巳年のイメージと重なって気持ちが前へ動きます。

日本で蛇が神聖視される理由（弁才天・宇賀神・白蛇の話）

日本には水や田畑を守る蛇の物語が各地に残ります。仏教の弁才天（弁財天）は水の女神で、芸能・学問・財の流れにご利益があると信じられてきました。中世以降は人頭蛇身の宇賀神と習合し、弁才天の頭上に宇賀神をいただく「宇賀弁才天」という日本的な像容が広まります。福徳・豊穣・財宝守護の性格が強まり、「白蛇」はその象徴として尊ばれてきました。こうした習合の基礎説明は総説でも確認でき、弁才天と蛇の結びつきが日本で強まった経緯が整理されています。

神社とお寺で見かける“蛇”のしるし（像・紋・絵馬など）

白蛇や宇賀神の像、蛇文様の絵馬、弁才天の御札などは、その社寺に蛇の伝承が伝わるサインです。茨城では、たとえば筑波山の小祠「白蛇弁天」に“白い蛇を見た者は財を成す”という伝承が掲示で知られています。こうした意匠や掲示は信仰の核心部分なので、近くで眺めても触れたり寄りかかったりしないのが礼儀です。

参拝前に知っておきたい縁起の良い日と時間帯

大安・一粒万倍日・天赦日などの“良い日”は背中を押してくれます。ただし混雑や移動の無理はさけ、朝の静かな時間に参拝するのが実用的。授与や御朱印を受けたいなら、多くの社務所が開く9〜16時台に到着できる計画が安心です。筑波山の白蛇弁天は白雲橋コース途中の小祠。午後遅い入山は避け、滑りにくい靴・水・雨具を備え、天候と時間に余裕を持ちましょう。公式コース案内でも白蛇弁天の位置と伝承が明記されています。

準備しておくと良い開運アイテム（財布・白い布・小銭）

賽銭・おみくじ・授与で必要になる小銭を多めに。銭洗いができる寺社ではハンカチや小袋があると硬貨を持ち帰りやすく、財布も清潔に保てます。蛇の脱皮にちなみ、白い布で財布を包むと気持ちが切り替わります。牛久市の「牛久成田山 真浄寺」には銭洗い弁財天があり、境内案内でも紹介されています（ご利益は信仰上のもの）。静かな所作で周囲に配慮しながら体験しましょう。

茨城で行きたい“蛇ゆかり”スポットの選び方

選定基準：ご利益・アクセス・混雑・授与品

訪ねる場所は、①蛇・弁才天・宇賀神に関する伝承の明確さ、②公共交通と駐車場など行きやすさ、③祭礼・限定授与・御朱印など体験の濃さ、④登山や山道の有無など安全性と所要時間、を軸に選ぶと失敗が少なくなります。巳年は授与所が混みやすく、頒布時間や数量限定の有無、直書き／書き置きの別、撮影可否を事前に確認しましょう。筑波山の白蛇弁天のように登山道途中の祠は、歩行時間と装備を必ず見積もるのがコツです。

白蛇・蛇神・弁財天の社寺を探すときの確認ポイント

検索の基本は「地名＋白蛇／弁財天／宇賀神」。表示結果から、公式・自治体・新聞など信頼度の高い情報で裏取りします。例として、筑波山の白蛇弁天は白雲橋コースの分岐付近にあり、“白い蛇を見た者は財を成す”という伝承が公式ページに記されています。高萩市の高萩八幡宮は白蛇をモチーフにした御朱印が2025年に紙面で紹介されました。牛久市の真浄寺は銭洗い弁財天を案内。こうして「伝承／史実の区別」「現在の参拝可否」「授与の有無」を整理しておくと迷いません。

御朱印・限定授与・祭礼情報のチェックリスト

出発前に①頒布日・時間②直書き／書き置き③限定や特別版の有無④初穂料⑤撮影可否、の5点をメモ。高萩八幡宮では2025年、白蛇モチーフの御朱印が報じられており、時期により内容は変わります。限定頒布は数に限りがあるため、早い時間帯や平日が無難です。現地の掲示と案内を尊重し、静かに待つ姿勢が大切です。

県央・県北・県南のエリア別アクセス早見

県央（水戸・那珂）は鉄道と高速道路の選択肢が多く便利。静神社（那珂市）は「JR水郡線『静駅』から徒歩約20分」「常磐自動車道『那珂IC』から車で約15分」が公的案内で明記され、JR水戸駅から列車約30分も併記されています。渋滞状況によっては水戸駅から車で約30分ほど要する場合もあります。県北の高萩八幡宮は常磐道・高萩ICから市街方面へ、県南は筑波山・牛久エリアが点在し、筑波山はつくばセンター発の路線とケーブル等の組み合わせが一般的です。

朝〜夕で回る効率的な順路の作り方

混雑と歩行負担を避けるなら、**朝に山の小祠（白蛇弁天）→昼に市街地の社（静神社／高萩八幡宮など）→夕方に水辺の弁天（牛久沼・泊崎／七浦）**という並べ方がおすすめ。牛久沼は2024年に「日本の夕陽百選」に登録され、夕景がとても美しい場所です。受付時間を逆算し、授与と参拝を日中に終え、最後に湖畔で余韻を楽しむ流れにすると満足度が上がります。

茨城の“蛇ゆかり”主要スポット早見表（保存版）

茨城1日モデルコース（はじめてでも迷わない）

水戸・大洗エリアコース（海景色と社寺を満喫）

【9:00】水戸駅→【9:40】那珂市・静神社。まず本殿を拝し、境内の掲示や地域資料に触れて「白蛇が神使」という伝承の背景を知ります。御朱印を希望する場合は社務所の時間を確認。次に【11:30】水戸で昼食（常陸秋そばなど）。午後は【13:00】大洗方面へ移動し、海辺で気分転換。磯前の海鳥居で太平洋の眺めを楽しみ、心身の切り替えに。帰路【16:00】水戸へ戻ってお土産や休憩を。静神社は公的案内で「JR水郡線 静駅から徒歩約20分」「那珂ICから車で約15分」「水戸駅→列車約30分」と整理されており、組み込みやすいのが魅力です。

鹿嶋・神栖エリアコース（古社をしっかり参拝）

【9:00】鹿島神宮の社叢で古社の空気を味わい、【10:30】神栖市の般若寺へ。境内には宗像三女神の一柱「市杵島姫命（いちきしまひめ）」を祀る小社（市杵島神社）があることが参拝データベース等で確認できます。市杵島姫は弁才天と習合することが多い神で、水辺と芸能・財の祈りが重なります（信仰上の位置づけ）。昼は【12:30】鹿島灘で海の幸、午後は【14:00】息栖神社へ。東国三社を合わせて巡ると、広域で信仰の層を体感できます。

つくば・土浦エリアコース（山の恵みと学問の地）

【8:30】筑波山神社から白雲橋コースを歩き、分岐近くの白蛇弁天にお参り。ここに伝わる“白い蛇を見た者は財を成す”は伝承であり、公式コース案内に記述があります。滑りやすい区間があるため装備と時間に余裕を。下山後【12:30】つくばで昼食、【14:00】牛久沼へ移動し、泊崎弁財天・七浦弁財天（所在地：つくば市泊崎）を拝観。近隣の守徳寺には「弘法大師の千座修行の護摩の灰で作られた弁天像」という伝承があり、本堂で拝観できます。夕暮れは「日本の夕陽百選」に登録された牛久沼の光景を楽しみながら締めくくりましょう。

笠間エリアコース（陶の街と祈りの空間）

【9:00】笠間稲荷神社（芸事・商売繁盛の祈りでも知られる）へ参詣。弁才天信仰と親和性の高いテーマなので、巳年の旅とも相性が良いです。続いて【10:30】工芸の街で陶芸体験。手を動かして“形にする”時間は、巳年の「実を結ぶ」イメージと重なります。昼は【12:30】笠間グルメ、午後は【14:00】水戸へ戻り、時間が合えば再び静神社を訪ねてもよいでしょう。移動は無理のないルートと休憩計画を優先して、心と体の余裕を保ちます。

日立・高萩エリアコース（海と森の癒やし時間）

【9:30】日立駅周辺の海風でリフレッシュ→【11:30】高萩八幡宮へ。境内で白蛇の物語に触れ、静かに参拝します。2025年には白蛇モチーフの御朱印が紙面で紹介されました（内容は時期により変動）。昼は【13:00】地元の海山の幸、午後は【14:30】花貫渓谷などで自然浴。夕方に再び境内を歩くと、森の香りが深まり心が落ち着きます。夜の長距離歩行や山道運転は避け、早めの行動が安全です。

参拝の作法・服装・写真マナー

はじめてでも安心の参拝手順（手水・拝礼・おみくじ）

鳥居で一礼→手水舎で左手・右手・口を清める→拝殿で賽銭→鈴→二拝二拍手一拝（寺院は合掌が多い）→住所氏名と感謝、最後に願いごと。境内の摂社・末社や御神木にも丁寧に一礼します。おみくじは結果の良し悪しより、今日からの行動に活かすメモとして扱うのがコツ。蛇・弁才天の意匠をいただいた授与品は日常で目に入る場所に置き、行動のアンカーにすると続けやすくなります。混雑時は列を詰め、受け取り後はすぐに脇へ寄るなど、周囲への配慮を忘れずに。

ご神木・像への接し方：OKとNGの境目

白蛇・宇賀神の像や説明板は、触れない・またがない・乗らないが基本。結界・ロープ内に入らない、供物を勝手に置かない、自撮り棒を像へ近づけ過ぎない、など細かな配慮が境内全体の安心につながります。写真は短時間で、通路をふさがない立ち位置から。保護されている大木や古い建物は見えないところで傷みが進んでいることがあります。距離を取り、静かにその場の空気に身を置く姿勢が、信仰の場所へのいちばんの敬意になります。

御朱印のお願いの流れとマナー

参拝をすませたら授与所で「御朱印をお願いします」とひと言。直書きか書き置きか、初穂料、待ち時間を確認し、現金を準備してから列に並びます。受け取り後の確認は脇に移動してから。撮影の可否は寺社ごとに異なるので、掲示や神職・寺務の案内に従いましょう。高萩八幡宮の白蛇モチーフ御朱印のような限定頒布は混みやすいため、早い時間帯か平日が安全です（頒布内容は時期で変動）。追い立てられず、気持ちを整えることを最優先に。

季節別の服装＆持ち物チェック（雨・寒暖差対策）

春秋は薄手の上着で温度調整、夏は帽子と虫対策、冬は手袋とカイロを。山の祠や古い石段は滑りやすいので、滑りにくい靴と両手が空く小型リュックが安心です。白雲橋コースは急傾斜や岩場があり、雨天後は特に注意。飲み物・雨具・モバイルバッテリー、紙の地図やメモがあると電波が弱い場所でも安心です。午後は天候が崩れやすい季節もあるので、余裕ある下山時刻を設定しましょう。

写真・SNSの注意点（撮影禁止や配慮が必要な場所）

社殿内や授与所は撮影禁止のことが多く、掲示を確認して従います。祈祷や行事、他の参拝者のプライバシーに配慮し、人物は原則として映さない・顔が分からない構図を選ぶのが安全です。位置情報のリアルタイム公開は、防犯や混雑の観点から控えめに。白蛇や銭洗いなど伝承に関わる場所は、茶化さず丁寧な言葉を選ぶと、見る人にも気持ちよく届きます。

開運を長続きさせる“あとケア”

いただいたお守り・御札の扱い方と置き場所

お守りはカバンの内ポケットや、毎日目に入る場所に。御札は清潔な棚に南向き・東向きで安置するのが一般的です。白蛇の抜け殻や白蛇モチーフの守りは財布や仕事机など「使う場」に置くと意味がつながります。高萩八幡宮では白蛇をテーマにした授与が紙面でも紹介されたことがあり、願意に合わせて選ぶ楽しみがあります（頒布内容は時期で変動）。節目には社寺で納め直し、新たな気持ちで受け直すと心のリズムが整います。

お清め・片づけで運を受け取りやすくするコツ

参拝後は玄関・水回りを中心に「拭く・捨てる・整える」。蛇の脱皮になぞらえ、不要なものを手放すほど心の余裕が生まれます。財布はレシートを抜き、硬貨・紙幣の向きをそろえるだけでも扱いが丁寧になり、無駄遣いが減ります。白い布や封筒で「種銭」を区分し、むやみに使わないルールを決めると、行動がぶれません。気分が乗らない日は、靴をそろえる・鞄を空にするなど30秒で終わることから始めると続けやすいです。

財布の使い始め日と一粒万倍日の活用法

新しい財布は都合の良い“良い日”に下ろすと心の切り替えになります。一粒万倍日や天赦日が人気ですが、暦よりも無理のない予定が大切。銭洗い弁財天で清めた小銭を「種銭」として入れるのは巳年らしい始め方です（信仰上の習わし）。牛久市の真浄寺には銭洗い弁財天が案内され、落ち着いた所作で多くの人が体験しています。日常に戻ってからも、財布を清潔に保ち、感謝の気持ちでお金を扱う習慣を続けましょう。

お礼参りのタイミングと次の計画づくり

「願いが叶った」「無事に過ごせた」と感じたら、時期を問わずすぐにお礼参りを。大きな願いごとでなくても、節目に感謝を伝えるだけで心が軽くなります。次は半年の区切り（夏越・年越）や誕生日、巳の日に合わせて軽く参拝すると、日常にリズムが生まれます。遠方の社寺は旅行と組み合わせ、移動や食も含めて楽しむ視点にすると、無理なく続けられます。行先に迷ったら、伝承が明確・案内が丁寧・写真が心に響くの三条件で選ぶと後悔が少なくなります。

よくあるQ&A（白蛇の夢・縁のサイン・迷ったとき）

白蛇の夢は昔から吉夢と語られますが、解釈は人それぞれ。現実の蛇や野生動物に遭遇したら刺激せず距離を置きましょう。どこへ行くか決められないときは、筑波山の白蛇弁天（白雲橋コースの小祠／伝承あり）、白蛇で知られる高萩八幡宮、白蛇の伝承が語られる静神社、銭洗い体験ができる真浄寺、湖畔の**泊崎・七浦弁財天（所在地：つくば市泊崎）**から始めると、物語の手がかりが多く理解が深まります。宇賀弁才天の背景も踏まえて回ると、社ごとの意味が立体的に見えてきます。

まとめ

2025年の巳年は、茨城に残る「蛇」の物語を手がかりに、信仰と暮らしの重なりをていねいに感じる旅がよく似合います。筑波山の登拝で小祠白蛇弁天の伝承に触れ、那珂の静神社で地域に息づく白蛇の伝承をたどり、高萩の高萩八幡宮で白蛇モチーフの授与・御朱印（時期で変動）に出会い、牛久の真浄寺で銭洗い体験を通して“整えて循環させる”所作を学ぶ。夕刻は「日本の夕陽百選」に登録された牛久沼の景色で一日を締めくくる。宇賀神と弁才天が結びついた宇賀弁才天の背景を軽く頭に入れて巡ると、社ごとの姿と意味が立体的に見えてきます。歩く・祈る・整える——その積み重ねが、新しい一歩の背中を押してくれます。