1-1 厄年ってそもそも何?年齢ごとの考え方をやさしく解説

「厄年って、本当に何か起こるの?」。そう思いながらも、なんとなく気になってしまう——。とくに川崎大師や寒川神社など、厄払いで有名な寺社がたくさんある神奈川に住んでいると、「一度ちゃんとお参りしておいたほうがいいのかな」と感じる瞬間が出てきます。
この記事では、神奈川で厄払い・八方除をしたい人向けに、基礎知識から人気スポット、当日の流れやマナー、おでかけプラン、よくある疑問への答えまでを、できるだけやさしい言葉でまとめました。
川崎大師や寒川神社、鶴岡八幡宮、箱根神社、伊勢山皇大神宮など、それぞれの特徴や雰囲気の違いも紹介しているので、「自分にはどこが合いそうか」をイメージしながら読んでみてください。読み終わるころには、「今年はここへ行ってみよう」と、自然と行き先が決まっているはずです。
「厄年」と聞くと、つい「不幸が起きる年」と思ってしまいがちですが、本来はもう少し穏やかな考え方です。ざっくり言えば、体や環境の変化が大きく、昔の人が“特に気をつけたほうがいい”と感じていた節目の年のこと。現代でいえば、仕事や家庭で責任が増えたり、体力の変化を実感しやすいタイミングが多く重なる年だと考えるとイメージしやすいと思います。
厄年には「前厄・本厄・後厄」があり、真ん中の年が本番、本厄の前後1年をあわせて3年間続けて注意しましょう、という考え方が一般的です。ただしここで大事なのは、「厄年=必ず悪いことが起きる年」ではないということ。昔は今より病気や事故が多かったので、「この年齢あたりはとくに無理をしやすいから、気をつけよう」と家族みんなで意識するための目安でした。
現代の私たちにとっても、厄年は自分の体や生活を見直すきっかけにできます。忙しさで健康診断を後回しにしていたり、睡眠時間がずっと足りていなかったりしませんか。厄年だからこそ、「この1年は意識して体を大事にしよう」「家族との時間も増やそう」と決めてしまうのは、とても前向きな使い方です。
また、神奈川の寺社では、厄年にあたっていない人が「最近いろいろ重なって不安なので」と厄払いを受けることも珍しくありません。厄年は目安であって絶対ではないので、「気持ちを整えたいタイミング」でお参りしてかまわない、くらいの感覚でとらえておくと楽になります。
1-2 「厄払い」と「厄除け」はどう違うの?
名前がよく似ている「厄払い」と「厄除け」。神社やお寺の案内を見るとどちらも出てきますが、日常会話ではほとんど同じ意味で使われています。もともとのニュアンスだけ、軽く整理しておきましょう。
一般的には、「厄払い」は、すでに身に降りかかっている厄(悪い流れ)を祓い清めてもらうイメージです。たとえば「ここ最近、体調不良やトラブルが続いたので、一度リセットしたい」というとき。
一方で、「厄除け」は、これから起こるかもしれない災いを近づけないように守ってもらうイメージです。「今年は大きなチャレンジがあるので、無事に乗り切れますように」といったお願いが近いかもしれません。
とはいえ、実際の現場では「厄除祈願」「厄除開運」「厄払い祈願」など、ほとんど同じ意味合いで使われています。申し込み用紙にもあらかじめ項目が書いてあるので、そこにチェックを入れるだけでOKですし、迷ったら「厄年なので一般的な祈願をお願いしたいです」と受付で伝えれば、ぴったりの内容を案内してもらえます。
言葉の違いよりも大事なのは、「これからの1年を安心して過ごしたい」という気持ちを形にすることです。神奈川には、そうした気持ちを受け止めてくれる寺社がたくさんありますから、自分に合いそうな場所を選んで、素直な思いを託してみてください。
1-3 男性・女性の厄年早見と、地域差に注意したいポイント
よく目にする厄年の年齢は、だいたい次のようになっています(数え年の表が多いです)。
| 区分 | 男性の本厄とされることが多い年齢 | 女性の本厄とされることが多い年齢 | 代表的な節目のイメージ |
|---|---|---|---|
| 若いころ | 25歳 | 19歳 | 進学・就職・独り立ちなど |
| 中ごろ | 42歳 | 33歳 | 仕事・家庭で責任が増える時期 |
| その後 | 61歳 | 37歳・61歳 | 体力の変化やライフスタイルの転換期 |
ここでポイントになるのが、女性の61歳も厄年として挙げられることが多いという点です。厄年一覧では、男性61歳だけでなく女性61歳も一緒に掲載されていることがよくあります。また、地域や寺社によっては、49歳や62歳などを厄年とする表も存在します。じゃらん
つまり、「全国共通でこの年が厄年です」と1パターンに決まっているわけではありません。そこでいちばん確実なのは、実際に行く予定の神社・お寺の公式サイトで「今年の厄年一覧」を確認することです。多くの寺社では、「○年生まれの方が本年本厄です」と、生まれ年で一覧を出してくれています。これを見れば、自分が前厄・本厄・後厄のどれに当たるか一目で分かります。
また、「厄年かどうか」を厳密に気にしすぎる必要はありません。本厄を少し過ぎてから気づいた人や、前厄のうちからお願いしたい人もたくさんいます。大切なのはカレンダーよりも自分の感覚で、「今のタイミングで一度きちんと整えたい」と思えたときに行動することです。そのうえで、年齢の目安は「気をつけるきっかけ」として軽く参考にしておく、くらいがちょうどよいでしょう。
1-4 厄払いはいつ行く?タイミングとベストシーズン
厄払いのタイミングとしてよく挙げられるのは、年が変わる前後の時期です。具体的には、年末からお正月、節分ごろまで。多くの寺社がこの時期に厄除けや八方除の祈願を集中的に受け付けていて、川崎大師や寒川神社などは特ににぎわいます。
とはいえ、「絶対にこの時期でないとダメ」という決まりはありません。仕事が忙しかったり、人混みが苦手だったりする人は、春や秋の落ち着いた時期を選んでも問題ありません。むしろ混雑を避けたいなら、平日の午前中など、人が少ない時間帯をねらうとゆっくり参拝できます。
タイミングの決め方としては、次のような考え方があります。
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年の変わり目に合わせて、「今年1年をお願いします」と区切りをつける
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誕生日の前後を「自分の年のスタート」として厄払いを受ける
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結婚・出産・転職・引っ越し・開業など、大きなイベントの前にお参りする
どれも正解なので、自分が「ここから気持ちを切り替えたい」と感じる時期を選べば大丈夫です。
なお、受付時間や祈祷の開始時刻、予約の有無は寺社ごと・時期ごとに変わることがあります。必ず事前に公式サイトや社頭の案内で最新情報をチェックしてから出かけるようにしましょう。
1-5 神奈川では神社とお寺どちらでお願いすればいい?
神奈川には、厄払いで有名な場所が神社・お寺の両方にあります。真言宗智山派の大本山として知られる川崎大師(平間寺)や、「全国唯一の八方除の守護神」とされる寒川神社など、それぞれに特色があります。Samukawa-jinja Shrine Official Website+1
とはいえ、厄払いを受けるときに「神社かお寺か」で必要以上に悩む必要はありません。ざっくりとしたイメージとして、神社は神さま、お寺は仏さまにお参りする場所ですが、どちらも「災いから守ってください」という願いを受け止めてくれる場所です。
選び方のポイントとしては、次のようなものがあります。
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通いやすさ:自宅や職場からの距離、交通の便
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雰囲気:落ち着いた静かな場所がいいのか、にぎわいのある門前町が好きなのか
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ご縁や習慣:子どもの頃から家族でお参りしている寺社があるかどうか
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体験したいこと:護摩祈祷の迫力を味わいたい、歴史ある社殿に参拝したい、など
一度訪れてみて、「ここにお願いしたいな」「ここに来ると落ち着く」と感じた場所は、きっとあなたとの相性がいいところです。神奈川は選択肢が豊富なので、このあと紹介する寺社の中から、心が動いた場所を「自分のホーム」として決めてみるのもおすすめです。
第2章:エリア別・神奈川の人気厄払いスポット紹介
2-1 川崎大師(川崎市)護摩祈祷で知られる厄除けの定番スポット
「厄除けのお大師さま」として全国的に名の知られたお寺が、川崎大師こと平間寺です。真言宗智山派の大本山で、毎年初詣では全国有数の参拝者数を誇るほどの人気ぶり。厄除け・家内安全・商売繁盛など、さまざまな祈願で一年中多くの人が訪れます。
川崎大師の特徴は、なんといっても**護摩祈祷(お護摩)**です。僧侶が大きな護摩木を炎にくべながら読経し、不動明王の力で災いを焼き尽くすことを願います。太鼓の音と読経、燃え上がる炎の迫力はかなりのもので、「ちゃんとお願いできた」という実感を与えてくれます。
アクセスも便利で、京急川崎駅から大師線に乗り換え、「川崎大師駅」下車徒歩約8分というのが公式な案内です。JR川崎駅からバスを利用するルートもあり、首都圏各地から行きやすいのが魅力。車の場合は首都高速の大師出口からすぐですが、正月や休日は周辺道路が混みやすいので時間に余裕を持ちましょう。川崎大師+2kawasakidaishi-kanko.com+2
門前町も見どころが多く、名物のくず餅や咳止め飴、だるまなどを売るお店が並びます。厄払いのあとは、参道をぶらぶら歩きながらお土産を選んだり、甘味処で一息ついたりするのも楽しみのひとつです。祈祷の詳細な時間やお護摩札の種類、郵送申込の方法などは年ごとに変わることもあるので、出かける前に必ず公式情報を確認しておきましょう。
2-2 寒川神社(寒川町)日本唯一の「八方除」であらゆる災いから守ってもらう
寒川神社は、相模國一之宮として長い歴史を持つ格式高い神社です。公式サイトでも、「全国唯一の八方除の守護神」として約1600年の歴史を持つと紹介されており、方位や厄年、家相・地相など、あらゆる方向からの災いをまとめて取り除いてくれる存在として信仰を集めています。Samukawa-jinja Shrine Official Website+2Samukawa-jinja Shrine Official Website+2
八方除は、「悪い方角に動いたから不幸になる」というより、環境の変化が多いタイミングで、心と場を整えましょうという考え方に近いものです。引っ越し、家の建て替え、開業・開店、転職、車の購入など、大きな変化があるときにお参りする人が多く、厄年と重なるときは特に人気があります。
境内は広く、整えられた参道や拝殿、神嶽山神苑(有料の神苑)など、静かに歩くだけで気持ちが落ち着く空間です。アクセスはJR相模線「宮山駅」から徒歩数分で、車の場合も周辺に駐車場が整備されています。湘南方面や厚木エリアからも近く、家族連れで訪れやすいのもポイントです。
祈祷の受付は通年行われていますが、正月〜節分の時期は非常に混み合います。初穂料の詳細や、郵送祈祷・オンライン祈祷の申込方法など、仕組みも常に少しずつアップデートされているので、必ず公式サイトで最新の案内をチェックしてから出かけるようにしましょう。
2-3 鶴岡八幡宮(鎌倉)歴史ある社で厄除けと開運を祈る
鎌倉といえば思い出す人も多い、鶴岡八幡宮。源頼朝ゆかりの神社として有名で、観光ガイドブックにも必ず登場する鎌倉の中心的な存在です。地域の人にとっては、厄除けや仕事運、勝負運の祈願をする場所としても親しまれており、「大事な節目には八幡さまへ」という家庭も少なくありません。
若宮大路の参道を歩き、大石段をのぼった先にある本宮からは、鎌倉の町と海の方向を一望できます。歴史の重みのある社殿と景色を前にすると、自然と背筋が伸び、「よし、また頑張ろう」という気持ちになれるはずです。
厄除けの祈祷は、家内安全や安産祈願、商売繁盛などと並んで受け付けていることが多く、申込用紙に名前や住所、生年月日などを書いてから本殿で正式参拝を受ける流れです。初宮詣や七五三と同じ場所で申し込むため、家族そろってお参りする姿もよく見かけます。
JR鎌倉駅から徒歩圏内で、小町通りや若宮大路のショップ・カフェにもすぐ行けるので、「厄払い+鎌倉さんぽ」の組み合わせにぴったり。祈祷の受付時間や混雑具合は季節によって変わるので、事前に最新の案内を確認しておくと安心です。
2-4 箱根神社(箱根)厄落としの階段とパワースポットを巡る
箱根神社は、芦ノ湖のほとりに鎮座する、自然豊かな神社です。公式の案内や観光情報でも、開運厄除・心願成就・勝運守護・交通安全・縁結びなど、多くのご利益で知られるパワースポットとして紹介されています。小田急トラベル+3箱根神社+3rttg-golf.jp+3
第一鳥居から続く参道や、湖に向かって立つ「平和の鳥居」の風景は、写真やSNSでもおなじみ。そこから本殿へと続く石段を一段ずつのぼっていくと、体は少しきついですが、その分「厄を一段ずつ落としていく」ような気持ちになれます。
境内には、九頭龍神社新宮などのゆかりの社もあり、水の神さまへのお参りができるのも特徴です。芦ノ湖周辺には遊覧船やカフェ、土産物店が集まっているので、厄払いと一緒にのんびり散策を楽しめます。
アクセスは、箱根湯本駅からバスで元箱根方面へ向かうのが一般的。休日は道路が混雑しやすいので、時間に余裕を持ったスケジュールか、宿泊をセットにした1泊2日プランにするとゆとりを持って過ごせます。祈祷の詳細や受付時間、ご祈祷料などは公式サイトに一覧がありますので、必ず事前に確認しましょう。
2-5 横浜周辺で行きやすい厄除けスポットの選び方(伊勢山皇大神宮ほか)
「遠くまで行く時間はないけれど、横浜近辺でしっかり厄払いをしたい」という人に人気なのが、伊勢山皇大神宮などの都市部にある神社です。伊勢山皇大神宮は、天照大御神をおまつりし、「関東のお伊勢さま」「横浜総鎮守」として広く親しまれています。横浜総鎮守 伊勢山皇大神宮+3横浜総鎮守 伊勢山皇大神宮+3横浜総鎮守 伊勢山皇大神宮+3
桜木町駅から徒歩圏内で、みなとみらいや野毛エリアとも近く、結婚式や七五三、厄除け・方位除けなど、さまざまな節目で訪れる人が絶えません。境内からは高台ならではの眺めが楽しめ、横浜らしい景色の中でお参りできるのも魅力です。
このほか、成田山横浜別院(横浜成田山)など、真言宗のお寺で厄除け祈願ができる場所もあります。都市部の寺社のメリットは、仕事帰りや買い物ついでに立ち寄りやすいこと。何度か通うことを考えると、アクセスの良さは大きなポイントになります。
横浜周辺で選ぶときは、
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生活圏から行きやすいか
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自分が落ち着ける雰囲気か
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祈祷の受付時間が自分の予定と合うか
といった点を基準に、「ここを自分の拠点にしよう」と思える場所を探してみてください。詳しいご祈祷の内容や初穂料は、必ず各寺社の公式情報で最新の内容をチェックしましょう。
第3章:初めてでも安心!厄払い当日の流れとマナー
3-1 受付から祈祷までの基本的な流れをシミュレーション
初めて厄払いに行くとき、一番ドキドキするのは「当日、何をどうすればいいのか分からない」という部分かもしれません。でも、基本的な流れは多くの寺社でほぼ同じです。ざっくりとシミュレーションしてみましょう。
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到着したら、まず手水舎で手と口を清める
柄杓で左手→右手→口→柄杓の柄の順に軽くすすぐ、という一般的な作法でOKです。 -
本殿や本堂に軽くお参りして挨拶する
「これから祈祷をお願いしに来ました」と心の中で一言伝えるイメージです。 -
祈祷受付へ行き、申込用紙に記入する
名前・住所・生年月日・願いごと(厄除け・八方除・家内安全など)を書き、初穂料(祈祷料)を納めます。 -
待合所で案内を待つ
一定人数が集まると、係の人が本殿・本堂へ案内してくれます。 -
本殿・本堂で祈祷を受ける
神主さんや僧侶の祝詞・読経を受けながら、静かに頭を下げて祈ります。 -
終了後、お札やお守りを受け取る
受け取ったら、もう一度軽くお参りして感謝を伝えましょう。
混雑していない日なら30分〜1時間くらいで終わることが多いですが、正月や土日祝はもう少しかかる場合もあります。トイレは先に済ませ、時間に余裕を持って向かうのがおすすめです。分からないことがあれば、受付の方に「初めてなので教えてください」と一言そえて質問すれば大丈夫。みんな慣れていますから、丁寧に教えてくれます。
3-2 初穂料・祈祷料の相場と封筒の書き方
お金のことは、誰でもちょっと聞きづらい話題ですよね。一般的な厄払い・厄除けの初穂料(祈祷料)は、3,000円〜1万円くらいの間で設定されている寺社が多いです。金額によって授与されるお札の大きさや内容が変わるところもあり、窓口に「○○円以上」と掲示されていることもよくあります。
お金は、のし袋や白い封筒に入れて納めるのが基本です。表書きの例は次のような感じです。
| 場所 | 表に書く言葉の例 | 下に書く名前の例 |
|---|---|---|
| 神社 | 御初穂料 / 御玉串料 | 山田太郎 など |
| お寺 | 御布施 | 山田太郎 など |
| 家族で連名 | 御初穂料 / 御布施 | 山田家 / 山田一同 など |
近年は、受付で現金をそのまま渡す形式のところや、申込の時点で金額を選び、封筒は寺社側で用意してくれるところも増えています。迷ったら、受付で「初穂料はどのようにお納めすればいいですか?」と聞けば大丈夫です。
大切なのは、無理のない金額で、感謝の気持ちを込めて納めることです。金額が高いほど願いが叶う、というような単純な話ではありません。また、金額や支払い方法(クレジットカード可かどうかなど)は、寺社ごと・時期ごとに変わることもあるので、公式サイトに書かれている最新の案内を参考にしましょう。
3-3 服装・持ち物・気をつけたいマナー
厄払いの日の服装は、**「少しかしこまった普段着」**をイメージすると分かりやすいです。ビジネスカジュアルくらいのきちんと感があれば、スーツでなくても問題ありません。
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OKな例
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襟付きシャツやニット+シンプルなパンツ
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丈がひざ前後のスカート+タイツ
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落ち着いた色のワンピース など
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避けたほうがよい例
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露出の多い服(オフショルダー、極端に短いボトムなど)
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ビーチサンダルや、かかとのないサンダル
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大きなロゴや派手すぎる柄の服
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冬場は境内がとても冷えるので、コートやマフラー、手袋などでしっかり防寒を。ただし祈祷中はコートを脱ぐよう案内されることも多いので、脱いだときに困らない程度の服装にしておくと安心です。
持ち物は、財布・スマホのほか、ハンカチ、ティッシュ、小さめのバッグがあれば十分。申込書を書くためにボールペンを1本入れておくと便利です。祈祷中はスマホの電源を切るかマナーモードにし、撮影禁止の表示がある場所では写真は撮らないようにしましょう。
マナーといっても、基本は「大声で騒がない」「走り回らない」「ゴミは持ち帰る」といった、ごく当たり前のことばかりです。必要以上に構えず、ほかの参拝者と神さま・仏さまに失礼がないように、という気持ちを持っていれば大丈夫です。
3-4 一人で行く?家族やパートナーと行く?それぞれのメリット
厄払いは、一人で行っても、家族やパートナーと一緒に行ってもOKです。それぞれに違った良さがあります。
一人で行くメリットは、自分のペースでじっくり向き合えることです。受付の時間も、祈祷のあとに境内を散策する時間も、すべて自分の感覚で決められます。「これからの1年、こんなふうに過ごしたいな」「自分のどんなところを変えていきたいかな」と、心の中を整理する時間をとりやすいのが利点です。
家族やパートナーと一緒に行く場合は、支え合って生きていく仲間としての絆を感じやすいのがメリットです。厄年は、心身ともに負担が増えやすい時期なので、周りの人にも不安が伝わりがちです。一緒にお参りすることで、「みんなでこの1年を乗り越えよう」という気持ちを共有でき、心強さが生まれます。
小さなお子さん連れの場合は、途中で退屈してしまうこともありますから、
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祈祷時間が短めの回を選ぶ
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おやつや飲み物を用意しておく
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無理せず、「今日はお参りだけにして祈祷はまた今度」など柔軟に考える
といった工夫をすると安心です。どうしても難しいときは、郵送祈祷などの仕組みを活用するのも一つの方法です。
3-5 御札やお守りの飾り方と、1年後の納め方
厄払いのあとに授けてもらう御札やお守りは、**「きちんとお迎えして、感謝してお返しする」**という流れを意識すると扱いやすくなります。
御札は、神棚があればそこにおまつりするのが基本です。神棚がない家では、
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リビングや寝室の、目線より少し高い場所
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直射日光やエアコンの風が直接当たらないところ
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できるだけスッキリ片付いている場所
に立てかけるとよいでしょう。壁に寄りかけるだけでも十分です。お守りは、財布やバッグ、定期入れなど、いつも身近にあるものに付けたりしまったりしておきます。
「お守りをトイレやお風呂に持ち込んではいけない」と言われることもありますが、日常生活ですべてを完璧に避けるのは難しいので、そこまで神経質になる必要はありません。万が一濡れたり破れたりしてしまったら、「しっかり守ってくれたんだな」と感謝し、早めに寺社にお返ししましょう。
古い御札やお守りは、1年を目安にお返しするのが一般的です。受けた寺社に返納箱が用意されていることが多く、正月にはどんど焼きとしてお焚き上げしてもらえる地域もあります。遠方の寺社でもらったものを、近所の神社やお寺にまとめて納めることを認めている場合もありますが、気になる場合は事前に公式案内を確認してください。
第4章:厄払いと一緒に楽しむ神奈川おでかけプラン
4-1 川崎大師参拝と門前町食べ歩きモデルコース
川崎大師に行くなら、厄払いだけで帰るのは少しもったいないかもしれません。参拝と一緒に、門前町の雰囲気やグルメも味わえる半日〜1日のプランをイメージしてみましょう。
午前中の早めの時間に到着して祈祷を受けるのがおすすめです。朝のまだ人が少ない時間は、境内の空気もいっそう澄んで感じられます。厄払いの受付をすませ、護摩祈祷を受けたあとは、本堂まわりをゆっくり歩きながら、建物の細かな装飾や境内の像などを眺めてみてください。
祈祷が終わったら、お楽しみの門前町へ。参道には、名物のくず餅や飴、おせんべい、だるまなどを扱う老舗がずらっと並んでいます。店先で実演しているところを見学したり、少しずつ買って食べ歩きしたりすると、あっという間に時間が過ぎてしまうはずです。自宅用や家族へのお土産もここで揃えられます。
午後は、京急やバスで川崎駅方面に戻り、駅ビルや周辺の商業施設でショッピングやカフェ時間を楽しむ流れにすると、1日がきれいにまとまります。映画館や本屋さんでゆっくり過ごしながら、「これからの1年、どんなことを大事にしたいか」を考える時間をとるのもおすすめです。
4-2 寒川神社と湘南エリア(茅ヶ崎・藤沢)をセットで巡る一日プラン
寒川神社で八方除・厄除けの祈願をしたあと、そのまま湘南の海へ向かう1日プランも人気です。神社の清々しさと海の開放感を一度に味わえる、ちょっとぜいたくなおでかけになります。
午前中に寒川神社に到着したら、まずは祈祷の受付をすませます。ご祈祷の時間まで余裕があれば、境内や神嶽山神苑(公開日や拝観時間は要確認)を散策し、木々の緑や水の流れを眺めながら心を落ち着かせましょう。祈祷を終えたら、拝殿にもう一度手を合わせてから駅方面へ。
そこからJR相模線で茅ヶ崎方面へ出るルートが分かりやすいです。茅ヶ崎駅に着いたら、バスや徒歩で海岸へ向かい、砂浜や防波堤をゆっくり歩いてみてください。大きな海を前にすると、日々の細かい悩みが少し小さく見えてくるような感覚になるかもしれません。
ランチは、茅ヶ崎や藤沢、江ノ島周辺のカフェや海沿いレストランで。湘南野菜や地魚を使った料理を楽しみながら、「今年はどんな景色を見に行きたいかな」と、未来のことを考えるのも良い時間です。余裕があれば江ノ電に乗って江ノ島や鎌倉まで足を延ばすのも一案です。
4-3 鎌倉での厄除け参拝と古都さんぽ・カフェめぐり
鶴岡八幡宮での厄除けと、鎌倉の街歩きを組み合わせたプランは、「一日中ゆったりした気分で過ごしたい」という人にぴったりです。
まずは午前中に鎌倉駅へ到着し、そのまま鶴岡八幡宮へ。混雑する前に厄除けの祈祷を済ませると、気持ちにも余裕が生まれます。祈祷のあと、本宮から見下ろす景色や源氏池・平家池のまわりをゆっくり歩き、歴史ある建物の雰囲気を味わいましょう。
そのあとは、小町通りや若宮大路へ。お土産屋さん、和菓子店、雑貨屋、アンティークショップなどがぎゅっと並んでいて、眺めているだけでも楽しいエリアです。ランチは、古民家カフェや、地元食材を使ったレストランなど、ちょっと落ち着いた場所を選ぶと、古都らしい時間が過ごせます。
午後は、自分の体力と相談しながらコースを決めていきましょう。北鎌倉方面へ足を延ばしてお寺巡りをしたり、長谷方面に出て大仏や海を見に行ったり。どの方向に行っても、少し裏道に入ると静かな住宅街や緑の多い道が現れ、歩くだけで気持ちが整っていきます。「厄払いをきっかけに、自分のペースで鎌倉を味わう日」と位置づけると、心に残る一日になるはずです。
4-4 箱根神社と温泉で心身をリセットする開運旅
箱根神社にお参りするなら、思い切って温泉とセットにした1泊2日の旅にしてしまうのも手です。祈って終わりではなく、「しっかり休んで整える」までを一つの流れにすることで、リセット効果がぐっと高まります。
1日目は、午前中に箱根湯本駅へ到着し、バスで元箱根方面へ。芦ノ湖のほとりにある第一鳥居から参道を歩き、石段を上がって箱根神社本殿で厄除け・開運の祈祷を受けます。そのあと、湖畔を散歩したり、遊覧船に乗って風景を楽しんだりすると、神社の雰囲気がより印象に残ります。
夕方には温泉宿にチェックインし、まずはひと風呂。露天風呂から山のシルエットや星空を眺めていると、日常の慌ただしさから一歩離れた気分になれるはずです。夕食のあとは、早めに休んで体をしっかり休めましょう。
2日目は、強羅方面に出て美術館を巡ったり、カフェでのんびり過ごしたりと、あまり詰め込みすぎないスケジュールにするのがおすすめです。「厄払い旅のしめくくりとして、静かに自分のことを考える時間」を意識してとると、帰るころには心も体もかなり軽くなっているはずです。
4-5 電車・車・バスでのアクセスの考え方と混雑をさけるコツ
神奈川の厄払いスポットへ行く手段は、大きく分けて「電車+徒歩」「電車+バス」「車」の3つです。それぞれの特徴を知っておくと、ストレスの少ないルートを選びやすくなります。
電車+徒歩は、川崎大師や鶴岡八幡宮、伊勢山皇大神宮のように駅から歩いて行ける場所に向く方法です。渋滞の心配がなく、時間の読みやすさがメリット。帰りに途中下車して寄り道しやすいのも嬉しいポイントです。
電車+バスは、箱根神社や寒川神社など、駅から少し距離がある場所におすすめです。バスの本数や混雑具合は季節によって変わるため、行きたい日のダイヤは事前に確認しておきましょう。
車は、家族連れや荷物の多い人には便利ですが、正月や休日は駐車場待ちや周辺道路の渋滞が課題になります。駐車場の場所・料金や、周辺のコインパーキング情報を事前にチェックしておくと安心です。
混雑を避けたいなら、
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正月三が日や大安の休日の日中をなるべく避ける
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平日の午前中をねらう
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事前予約制の祈祷がある場合は、必ず予約する
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電車移動なら、始発駅から乗るなどして少し早めに動く
といった工夫が役立ちます。どの方法を選ぶにしても、最新情報は各交通機関や寺社の公式案内で確認することを忘れないようにしましょう。
第5章:よくある疑問Q&Aで不安をすっきり解消
5-1 厄年じゃなくても厄払いして大丈夫?よくある誤解と本当のところ
「今年は厄年ではないけれど、ここ最近ツイていない」「家族の体調不良やトラブルが続いて不安」——そんなとき、「厄年じゃないのに厄払いに行っていいのかな」と迷う人は少なくありません。
結論からいうと、厄年でなくても厄払いをお願いしてかまいません。そもそも厄年は、人生の節目にあたる年齢を「特に気をつけよう」と決めた目安であって、それ以外の年に問題が起こらない、という意味ではありません。
多くの神社・お寺では、
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厄除け
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方位除け
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災難除け
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家内安全
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交通安全
など、さまざまな願いごとの祈祷を受け付けています。受付の申込用紙にも、複数の項目が並んでいることがほとんどです。「厄年じゃないからダメ」ということはなく、「今の自分に必要だと感じたときにお願いする」感覚で大丈夫です。
「厄年じゃないのにお願いしたら失礼では?」と心配する必要もありません。むしろ、「不安な気持ちをそのままにせず、きちんと向き合って行動したい」という前向きな気持ちとして受け止めてもらえます。自分の心が少し軽くなるなら、それはもう十分意味のある一歩です。
5-2 悪いことが続くときはどうする?心の持ち方と参拝のヒント
仕事のトラブルや人間関係のすれ違い、体調不良などが続くと、「自分だけ運が悪いのでは」と感じてしまいがちです。そんなときこそ、心の持ち方がとても大切になってきます。
まず意識したいのは、「全部厄年のせい」「自分だけ不幸」と決めつけないことです。つらいことが続くと、どうしても悪い出来事ばかりに目がいきますが、ゆっくり振り返ってみると、助けてくれた人や、小さなラッキーもきっとあるはずです。紙に書き出してみると、「思ったよりも全部が悪いわけではない」と気づけることもあります。
参拝するときは、「悪いことをゼロにしてください」だけでなく、
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この経験から何を学ぶか
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これから自分がどう行動するか
といったことも、一緒に神さま・仏さまに報告するイメージでお祈りしてみてください。神社やお寺は、単に願いを叶えてもらう場所ではなく、自分自身の気持ちを整理する場所でもあります。
もし心や体の負担が大きいと感じるときは、一人で抱え込みすぎないことも重要です。家族や友人に話を聞いてもらったり、必要なら専門家に相談したりすることも、立派な「自分を守る行動」です。厄払いは、その行動のきっかけになる、大切な一歩だと考えてみてください。
5-3 同じ年に何度も祈祷を受けても問題ない?
「年の初めに厄払いをしたけれど、その後に引っ越しや転職が決まり、もう一度祈祷を受けたくなった」というケースもよくあります。同じ年に複数回祈祷を受けることは、基本的には問題ありません。
たとえば、
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年始に厄除けの祈祷
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家を建てるときに工事安全や家内安全の祈祷
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車を買い替えたときに交通安全の祈祷
といったように、願いごとの内容に応じて何度かお参りする人もたくさんいます。寺社側もそうした事情を想定しており、「今年は何回まで」という制限を設けているところはほとんどありません。
ただし、「回数さえ増やせば何とかなる」という考え方には注意が必要です。祈祷はあくまで心の支えであって、日々の生活や行動を整えることが基本にあります。無理を続けて体を壊してしまっては、せっかくの厄払いも十分に活かせません。
もし気になる場合は、受付で「今年すでに別の願いごとで祈祷していただいたのですが…」と正直に相談してみましょう。そのうえで、「今回はこの内容でお願いしましょう」など、適切な形を一緒に考えてもらえます。
5-4 別の場所でもう一度お願いしたいときの考え方
「今年は地元の神社で厄払いをしたけれど、旅行先の有名な寺社にも行く機会があり、そこで改めて祈ってみたい」——そんな状況もありますよね。別の場所でもう一度厄払いをお願いすること自体は、特に問題ありません。神さま・仏さま同士がケンカするようなこともありません。
ただ、あまりにも不安が強すぎて、「あっちでもこっちでも」と次々に場所だけ変えてしまうと、かえって心が落ち着かなくなってしまいます。おすすめなのは、
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基本的に自分の拠点となる寺社を1つ決める
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旅先やご縁のあった場所では、「ご挨拶とお礼」を中心にお参りする
というスタイルです。
すでに御札やお守りをいただいている場合は、それぞれを丁寧に扱い、感謝の気持ちを忘れないことが何より重要です。古い御札・お守りの返納先に迷ったら、まず受け取った寺社の案内を確認し、それでも難しければ近くの神社やお寺に相談してみてください。
「たくさんお願いしたから大丈夫」ではなく、「お願いした以上、自分もできることをする」という姿勢を持つことが、結果的には一番の安心につながります。
5-5 行けない人向けの郵送祈祷・オンライン祈祷の利用方法(川崎大師・寒川神社など)
仕事や育児、介護、体調の問題などで、どうしても現地に行くのがむずかしい人もいます。そんなときに頼りになるのが、郵送祈祷やオンライン祈祷です。近年は多くの寺社で仕組みが整っており、川崎大師や寒川神社でも、公式サイトから申込方法が案内されています。
一般的な流れは次のようなイメージです。
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寺社の公式サイトで、郵送祈祷・インターネット祈祷の案内ページを開く
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申込フォームに必要事項(住所・氏名・生年月日・願いごとなど)を入力、または申込書をダウンロードして記入する
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初穂料(祈祷料)を、指定された方法(銀行振込・クレジットカード・現金書留など)で納める
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寺社側で通常どおり本殿・本堂で祈祷を行い、そのあと祈祷済みのお札やお守りを郵送してもらう
オンライン祈祷では、「この日時に祈祷を行いますので、ご自宅で心を合わせてお祈りください」と案内されるケースもあります。実際にその場所に行くのとは雰囲気が違いますが、「離れた場所からでも祈りを届けてもらえる」という安心感があります。
注意したいのは、申込方法や受付期間、金額、発送までの日数などが寺社ごとに異なる点です。インターネット上には古い情報も残っているので、必ず公式サイトの最新の案内を読み、その指示にしたがって申し込んでください。
まとめ
神奈川には、川崎大師、寒川神社、鶴岡八幡宮、箱根神社、伊勢山皇大神宮など、厄払い・八方除で頼りになる寺社が数多くあります。それぞれに歴史や雰囲気、ご神徳の特徴があり、「どこが一番」ではなく、「自分や家族にとって一番しっくりくる場所」を選べるのが魅力です。
厄年は、不幸を決めつけるラベルではなく、人生の節目として自分や家族を見つめ直すきっかけにできます。「最近ちょっと無理をしすぎているかも」「ここで一度気持ちを整えたいな」と感じたら、それが行動のタイミングです。
厄払いの流れや服装、初穂料の目安、御札・お守りの扱い方など、基本的なポイントさえ押さえておけば、初めてでも心配はいりません。分からないことは受付の方に素直に聞けば、きっと丁寧に教えてもらえます。
そして、せっかく神奈川の寺社を訪れるなら、小さな旅やおでかけとセットにするのもおすすめです。門前町の食べ歩き、湘南の海、鎌倉の古道、箱根の温泉。どれも、心と体をリセットするのにぴったりの場所ばかりです。
この記事をきっかけに、「自分にとってのホームになる寺社」をひとつ見つけてみてください。きっとこれからの人生の中で、何度も訪れる、大切な拠りどころになってくれるはずです。


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