第1章:新潟で厄払いを考え始めた人へ

「今年、自分は厄年らしい」「新潟で厄払いに行くなら、どこがいいんだろう」。そんなモヤモヤを抱えたまま、雪の降る窓の外をぼんやり眺めている人もいるかもしれません。
このページでは、新潟で厄払いを考えている人に向けて、厄年の基本的な考え方から、新潟市・弥彦・長岡ほかエリア別の社寺、初穂料の目安や服装、当日の流れ、お札やお守りの扱い方、そして厄払いのあとの一年の過ごし方までを、できるだけやさしい言葉でまとめました。
読み終えたときに、「厄年はただ怖がるものじゃない」「この神社に行って、今年のスタートを整えてみようかな」と、少しだけ前向きな気持ちになってもらえたらうれしいです。
厄年ってなんだろう?新潟でも共通する基本の考え方
「今年、自分は厄年らしい」と聞くと、なんとなく落ち着かない気持ちになる人は多いと思います。厄年は、一言でいえば「人生の中で体や環境の変化が重なりやすい年齢を、気をつける目安として区切ったもの」です。昔の人たちは、身の回りの経験を長い年月かけて見てきて、「この年代は病気や転職、家族の変化が起こりやすい」と感じ、それを注意喚起としてまとめたと考えられています。
厄年そのものに、科学的に証明された「不幸を呼ぶ力」があるわけではありません。ただ、たとえば40代前後は仕事の責任が重くなり、親の介護が始まるなど家庭の負担も増え、体力も落ちてくる時期です。そうしたときに、「少し慎重に行動しよう」「生活を整え直そう」と意識するためのきっかけとして、厄年という考え方は今でも生きています。
新潟で暮らしている人にとっては、ここに「雪」や「車での移動」といった要素も加わります。雪かきや雪下ろし、凍結した路面での運転など、他の地域よりリスクの高い場面が多いぶん、「厄年だからこそ、いつも以上に気をつけよう」と自分にブレーキをかけるのは、むしろ現実的な考え方と言えます。
「厄除け」と「厄払い」という言葉もよく耳にしますが、神社ではほぼ同じ意味で使われることが多いです。ニュアンスとしては、厄除けは「これから起こるかもしれない災いを寄せつけないようにする」、厄払いは「すでについてしまった厄や穢れを祓い清める」という違いがあると説明されることもあります。ただ、実際の祈祷の中身は大きく変わらないことが多く、どちらの言葉で申し込んでもほぼ同じ内容だと考えて大丈夫です。
前厄・本厄・後厄と子どもの厄年をざっくり整理する
厄年の話になると、必ず出てくるのが「前厄・本厄・後厄」という三つの区分です。中心になる年が本厄で、その前の年が前厄、次の年が後厄です。この三年間をひとまとまりとして意識し、「急ぎすぎない」「無理をしすぎない」ことを意識する考え方が一般的です。
代表的な厄年の年齢は、数え年で
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男性:25歳・42歳・61歳
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女性:19歳・33歳・37歳(地域によっては61歳も)
とされています。ここでいう「数え年」とは、生まれた年をすでに1歳とみなし、その後は正月を迎えるごとに一歳ずつ増やしていく数え方です。たとえば満年齢で41歳の男性は、その年の1月1日時点で数え年の42歳となり、「42歳本厄」にあたる年とされることが多いです。
ただ、自分で計算しようとすると「今年が本厄なのか前厄なのか分からない」と混乱しがちです。そのため、多くの神社では、生まれ年ごとに前厄・本厄・後厄が一覧になった「厄年表」を掲示しています。参拝する神社に行ったら、まずその表を見て確認するか、社務所で「○年○月生まれですが、今年は厄年に当たりますか」と直接聞いてしまうのがいちばん確実です。
また、大人の厄年だけでなく、神社によっては「子どもの厄年」を設けているところもあります。たとえば、4歳や13歳などを節目とし、その年に「ここまで無事に育ったことへの感謝」と「これからも元気でいられるように」という願いを込めて祈祷を受ける形です。子どもの厄年に関しては、神社ごとに年齢や考え方が違うことも多いので、気になる場合は、行く予定の神社の厄年表や案内を確認しておきましょう。
厄年の年齢や扱い方は、細かな部分で地域差や神社ごとの違いがあります。最終的には、「参拝する予定の神社が出している厄年表や説明を優先する」という意識を持っておくと、迷いが減って安心です。
厄払いを受けた方がいい人・様子見でもよさそうな人
「厄年なんだから厄払いをしなきゃだめ」と言われることもありますが、実際のところ「必ず祈祷を受けなければいけない」という決まりはありません。祈祷を受ける人もいれば、いつもより少し丁寧にお参りをするだけの人もいます。どちらかが正解という話ではなく、「自分がどうしたら一年を落ち着いて過ごせるか」で決めて良い部分です。
ひとつの目安として、ここ1~2年の生活を振り返ってみてください。仕事では、転職・独立・大きな部署異動など、環境が大きく変わることがあったか。家庭では、結婚・出産・子どもの進学・親の介護など、大きな節目が重なっていないか。こうした変化が多いタイミングでは、「一度立ち止まって心を整えたい」と感じる人も多いはずです。その場合、厄払いを受けることで、「これから一年どう過ごしていくか」を考えるきっかけが生まれます。
反対に、「ここ数年は大きな変化もなく、特別な不安もない」という人の場合、厄払いを受けずに「今年はいつもより慎重に、でも普段どおり過ごそう」と決める選び方も十分ありえます。厄払いを受けなかったからといって、必ず何か悪いことが起きるわけではありません。
ただ、「頭の片すみに厄年のことが引っかかったまま一年を過ごすのは落ち着かない」と感じる人もいると思います。その場合は、思い切って祈祷を受けてしまうことで、「きちんとお願いしたから、あとは自分のできる対策をしっかりやろう」と気持ちを切り替えやすくなります。
ここで大事なのは、厄払いはあくまで「心の支え」や「節目の儀式」であって、医療や安全対策の代わりにはならない、という点です。健康が心配なら病院で検査を受ける、雪道の運転が不安なら車の整備とタイヤ交換を早めに済ませる、といった具体的な行動とセットで考えてこそ、厄払いの意味が生きてきます。
雪国・車社会の新潟と厄年の関係
新潟の暮らしを語るとき、「雪」と「車」という二つの要素は外せません。気象庁が公表している1991~2020年の平年値を見ると、新潟市では積雪がみられるのはだいたい12月上旬~中旬にかけてで、積雪がなくなる「終日」は3月中旬~下旬ごろに訪れる年が多いとされています。山沿いや内陸部では、これより早く雪が降り始め、遅くまで残る傾向があります。年によって増減はありますが、「12月から3月いっぱいくらいまでは、いつ雪や路面凍結があってもおかしくない」という意識を持っておくと安全です。
交通手段についても、新潟市が2022年度に行った都市交通特性調査では、通勤・通学など日常の移動手段のうち、自家用車の分担率が約72%と報告されています。公共交通の利用もありますが、全体としては自家用車中心の「車社会」と言われることが多い状況です。
こうした環境をふまえると、厄年は「雪の時期の安全運転と日々の準備を、いつも以上に意識する一年」として考えることができます。具体的には、冬用タイヤへの交換を早めに済ませる、雪道でのスピードを控えめにする、天候が荒れそうな日はそもそも無理な予定を入れない、などです。通勤ルートに坂道や橋が多い人ほど、「早めの準備」と「予定にゆとりを持つこと」が、自分や家族を守る大事なポイントになります。
厄払いは、そのような「具体的な行動」の上に重ねることで、より意味を持ってきます。「祈祷を受けたから、あとは何をしても大丈夫」という考え方ではなく、「祈祷をきっかけに、生活の安全対策を見直そう」と意識すると、厄年をプラスに活かしやすくなります。
不安を軽くするための心の持ち方
厄年の話を聞けば聞くほど、「何か良くないことが起きるかもしれない」と不安ばかり大きくなってしまうことがあります。そんなときに役立つのが、「自分でコントロールできることに集中し、できないことは抱え込みすぎない」という考え方です。
まず、「自分で変えられる部分」を一つずつ整えてみましょう。たとえば、就寝時間を30分早くする、寝る前のスマホ時間を短くする、週に一度はゆっくり休む日を作る、といった小さな工夫です。これだけでも、翌日の体調や気持ちの安定度が変わってきます。
次に、不安を一人で抱え込まないことも大切です。家族や友人に「今年、厄年らしくて少し気になっている」と話してみると、「自分もその年はこうして過ごしたよ」「こういうことに気をつけたら安心だったよ」といった実体験が返ってくることがあります。同じような気持ちを経験した人の話を聞くだけでも、心が軽くなることがあります。
そして、厄年のあいだは「悪いこと」にばかり目が行きがちですが、日常の中には必ず「うまくいったこと」「助けてもらったこと」もあります。ノートやスマホに、「今日うれしかったことを三つ」書く習慣をつけてみると、最初はなかなか思いつかなくても、続けるうちに小さな喜びを見つけるのが上手になっていきます。
厄払いは、医療や安全対策の代わりではありませんが、「これからの一年、自分と周りを大切にして過ごそう」という決意を固めるきっかけになります。厄年をただ怖がるだけでなく、「自分の暮らし方を整えるタイミング」として捉え直すことで、不安は少しずつ扱いやすくなっていきます。
第2章:新潟で厄払いに行きやすい社寺をエリア別に見る
新潟市エリア(白山神社・新潟縣護國神社・古町周辺)
新潟市で厄払いを考えたとき、多くの人が候補として名前を挙げることが多いのが、新潟総鎮守・白山神社です。市役所や白山公園のすぐそばにあり、バスや電車からのアクセスもしやすく、普段から散歩や通勤のついでに前を通る人も少なくありません。境内は緑が多く、季節ごとに雰囲気が変わるので、日常の中の「ほっとする場所」として親しまれています。
白山神社では、個人や家族の厄除け・家内安全などのおはらいは、基本的に予約不要で受け付けられていることが多いです。案内では、朝9時ごろから夕方4時40分ごろまでの時間帯に、20分おきくらいで祈祷が行われることが多いとされています(正月や行事の時期は変動する場合があります)。初穂料は一件6,000円からで、小祈祷・普通祈祷・特別祈祷など、金額によって区分されています。会社や団体向けの新年祈祷は別枠になっており、申込書や受付時間が異なるため、該当する場合は専用の案内を確認しておくと安心です。
同じ新潟市内の日本海側の高台には、新潟縣護國神社があります。県内の戦没者の御霊をおまつりしている神社ですが、厄除けや家内安全、商売繁盛など、一般の祈祷も幅広く執り行われています。ここでは、小祈祷(1日祈祷)や、二日間・三日間・五日間といった連続祈祷のコースが用意されていることが多く、特に五日間連続の祈祷は、新潟県内では特徴的な存在として紹介されることがよくあります。初穂料はコースによって異なりますが、「何日間祈ってもらいたいか」を目安に選ぶことができます。
古町や寄居町周辺には、古町神明宮や蒲原神社など、街中の生活に根づいた神社もいくつかあります。仕事帰りや買い物のついでにふらりと立ち寄りやすく、「大きな神社での昇殿祈祷はまだ少し緊張する」という人にとって、まず足を運びやすい場所になっています。自宅や職場からの距離、公共交通機関の本数、境内の雰囲気などを比べながら、「自分にとって通いやすい神社」を一つ見つけておくと心強いです。
なお、祈祷の受付時間や初穂料の金額、連続祈祷のコース内容などは、年度や状況によって変更される可能性があります。出かける前に、必ず公式サイトや社務所で最新の情報を確認するようにしてください。
県央〜西蒲原エリア(彌彦神社とその周り)
新潟県全体で見ても、厄払いの参拝先として名前が挙がることが多いのが、越後一宮・彌彦神社です。弥彦山の麓に広がる森の中の境内は、杉の木立に囲まれ、四季を通じて独特の静けさと力強さを感じる場所として紹介されることがよくあります。JR弥彦駅から続く参道や、門前町の温泉街も含めて、のんびり一日過ごしやすいエリアです。
参拝作法については、多くの神社で「二礼二拍手一礼」が基本ですが、彌彦神社では「二礼四拍手一礼」が慣例として案内されています。初めて訪れる人でも、境内の案内板やパンフレットに書かれているので、それを見ながらゆっくり行えば問題ありません。御祈祷は随時受付されていることが多く、厄除けだけでなく、家内安全・商売繁盛・交通安全・安産祈願・合格祈願など、さまざまな願いに対応しています。
初穂料は、並祈祷が5,000円以上、中祈祷が1万円以上、大祈祷が2万円以上といった区分になっている例が多く、金額によって授与されるお札や神楽の内容が変わることがあります。服装については、Tシャツや短パン、サンダルなどラフすぎる格好は避け、露出をおさえた落ち着いた服装をすすめられることが一般的です。冬場は、雪や路面凍結も考えて、滑りにくい靴と十分な防寒対策をして行くと安心です。
彌彦神社の良さは、祈祷だけで終わらず、「祈って・歩いて・温泉に入って帰る」という一日の流れを作りやすいところです。午前中に祈祷を受け、門前町でお昼ご飯や甘味を楽しみ、午後は弥彦温泉で体を温める。時間に余裕があれば、ロープウェイで弥彦山頂に上り、日本海や越後平野を一望する。そんな過ごし方をする人も少なくありません。厄払いを「我慢する行事」ではなく、「心と体を整えるための一日」にしてしまうと、気持ちも前向きになりやすくなります。
彌彦神社についても、祈祷の受付時間や初穂料の金額、服装の注意などは、その年の状況によって変わる可能性があります。参拝前には、かならず公式サイトや社務所の案内で最新情報を確認するようにしてください。
中越エリア(長岡・見附周辺と宝徳山稲荷大社)
中越エリアで厄払いを考えるとき、候補に挙がることが多いのが長岡市の宝徳山稲荷大社です。長岡市飯塚の小高い丘の上に位置し、JR越後岩塚駅から徒歩圏内、車では長岡ICから30〜40分ほどと案内されることがよくあります。全国に多くの崇敬者を持ち、商売繁盛や開運、家内安全などの祈願で訪れる人が一年を通じて絶えない神社です。
一般参拝は朝7時ごろから夕方5時ごろまで、祈願・祈祷は9時から15時前後が目安とされ、年中無休で受け付けていると紹介されることが多いです。基本的には予約不要で、当日社務所で申し込み、待合室で順番を待つ流れになります。ただし、正月三が日や春秋の大祭期間中は、一部の祈祷を受け付けない日があったり、受付時間が変更されたりする場合があります。そのため、出かける前に公式サイトや電話で、その日の受付時間や内容を確認しておくと安心です。
境内は広く、朱色の鳥居や社殿が山の斜面に連なっているのが特徴で、ゆっくり回るだけでもかなりの運動量になります。特に冬場は、階段や坂道が雪や氷で滑りやすくなるため、滑りにくい靴と十分な防寒対策が欠かせません。時間に余裕を持ち、日没前に山を降りられるように計画しておくと、安全面で安心です。
長岡市内や見附市、小千谷市などにも、それぞれの土地に根づいた神社がいくつもあります。遠くの有名な神社だけでなく、「自分の生活圏から無理なく通える神社」を一つ見つけておくと、厄年以外の節目にも足を運びやすくなります。
宝徳山稲荷大社を含め、中越の神社についても、祈祷の受付時間や内容、駐車場の状況などは変わることがあります。必ず最新の公式情報を確認してから出かけるようにしましょう。
下越・上越エリアと地元の氏神さまという考え方
新潟県は南北に長く、下越・中越・上越で地形や雰囲気も少しずつ違います。下越では、加茂市の青海神社や村上市の西奈彌羽黒神社など、城下町や山のふもとにたたずむ神社が印象的です。上越では、上杉謙信公をまつる春日山神社など、歴史と結びついた社が知られています。こうした神社は、観光地としても紹介されることが多く、「いつか行ってみたい場所」として名前が挙がることが多い存在です。
ただ、厄払いを考えるときに忘れたくないのが、「氏神さま」という考え方です。氏神さまとは、その地域を守る神さまのことで、昔から「まずは自分の住んでいる土地の神さまにお参りする」という感覚が大切にされてきました。今でも、地元の祭りや年末年始の行事を中心になって支えるのは、地域の氏神さまであることが多いです。
厄払いというと、どうしても有名で大きな神社に意識が向きますが、実際には「自宅から徒歩や短時間の車移動で行ける神社」で厄除けの祈祷を受ける人もたくさんいます。大きな節目の年には白山神社や彌彦神社のような社に行き、それ以外の年や日常の区切りでは地元の氏神さまに参拝する、という組み合わせも自然な選び方です。
特に冬場や体調がすぐれないときには、無理な遠出は避けたいものです。そんなとき、住んでいる地域の氏神さまの場所を知っていると、「今日は近くの神社で静かに手を合わせよう」と選べます。自分の住んでいる地区がどの神社の氏子区域に入っているかは、自治体の広報や神社の掲示、地域の人の話などから分かることが多いので、一度調べてみると良いきっかけになるかもしれません。
神社とお寺、どちらに行くか迷ったときの決め方
厄払いは、神社だけでなくお寺でも行われています。神社では、神職が祝詞を読み上げ、大幣や鈴で祓い清める形式が一般的です。一方、お寺では、本堂で護摩木を焚き、炎の前で願いを込める「護摩祈祷」などが代表的なスタイルとしてよく行われます。燃え上がる炎や読経の響きに心が落ち着くと感じる人も多く、「厄払い=神社」というイメージだけでなく、「お寺でお願いする」という選択をする人も少なくありません。
どちらに行くか迷ったときは、次の三つのポイントを考えてみると決めやすくなります。
一つ目は、「自分や家族が昔から親しんできた場所はどこか」です。七五三や初詣、法事やお盆の行事など、これまでの人生の節目で足を運んできた場所があれば、そこに厄払いも合わせると自然です。なじみのある場所の方が、落ち着いた気持ちで祈祷を受けられることが多いでしょう。
二つ目は、「通いやすさ」です。雪道の運転やバス・電車の本数なども含めて、無理なく行き来できるかが大切です。厄年の間に何度か参拝したいと考える場合は、距離や移動時間も重要な要素になります。
三つ目は、「雰囲気や祈祷のスタイルが自分に合うかどうか」です。静かで落ち着いた空間で祝詞を聞くのが心地よいと感じる人もいれば、護摩の炎や太鼓の音に背中を押されるように感じる人もいます。どちらが正しい、ということはありません。「自分が素直な気持ちで手を合わせられるかどうか」を基準に選べば大丈夫です。
なお、「今年は神社で祈祷を受けたから、お寺には行ってはいけない」といった決まりは特にありません。新潟のように社寺が生活に溶け込んでいる地域では、自然に両方に手を合わせている人も多くいます。大切なのは、「健康診断や安全運転など、現実的な対策をきちんと行った上で、その心の支えとして厄払いを受ける」というバランスです。
第3章:予定を立てるときのチェックポイント
いつ行く?新潟の天候と混雑事情から考える時期選び
厄払いは、多くの神社やお寺で一年を通じて受け付けていますが、新潟で予定を立てるときは「混雑」と「雪」の二つを意識しておくと動きやすくなります。
まず混雑について。年末年始から節分にかけては、初詣や新年祈祷の参拝客が集中し、白山神社や彌彦神社のような大きな社はかなり混み合う傾向があります。特に三が日や大安の午前中は、境内の行列や駐車場待ちが長くなりやすいと言われることが多いです。一方、同じ1〜2月でも、三が日を外した平日の午前中や、午後の少し遅い時間帯は、比較的落ち着いて参拝しやすいことが多いです。
次に雪について。1991〜2020年の平年値を見ると、新潟市では12月上旬〜中旬ごろに積雪が見られることが多く、3月中旬〜下旬ごろにかけて雪がなくなる年が多いとされています。山沿いや内陸部では、これより早く積もり、長く残る傾向があります。もちろんその年の天候によって変動はありますが、「12月から3月いっぱいは雪や路面凍結の可能性がある」と考えておいた方が安全です。
こうした事情を踏まえると、次のようなタイミングを検討候補に入れてみると良いでしょう。
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三が日を避けた1〜2月の平日午前
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雪が落ち着き始める3〜4月の晴れた日
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観光もしやすい秋の週末や連休前後
厄年だからといって、「節分までに必ず厄払いを済ませなければいけない」と決めつける必要はありません。自分や家族の体調、天候、仕事や学校の予定などを総合的に見て、「無理なく安全に動ける日」を選ぶことの方が大切です。
初穂料・祈祷料の相場とのし袋の書き方
厄払いを考えるときに、ほとんどの人が気になるのが初穂料・祈祷料の金額だと思います。新潟県内の主な神社では、個人の厄除け祈祷の初穂料は、おおむね5,000円〜1万円前後に設定されていることが多いです。
たとえば、彌彦神社では、並祈祷が5,000円以上、中祈祷が1万円以上、大祈祷が2万円以上といった区分になっていて、金額によって授与されるお札や神楽の内容が変わることがあります。白山神社では、小祈祷6,000円、普通祈祷8,000円、特別祈祷1万円、さらに上の金額帯として2万円・3万円以上の祈祷も案内されることがあります。新潟縣護國神社では、小祈祷(1日祈祷)7,000円、二日間祈祷1万円、三日間祈祷1万5千円、五日間祈祷3万円といった連続祈祷のコースが用意されている例があります。
どの神社でも、多くは「○○円以上」と書かれていて、その範囲で自分が無理なく出せる金額を選べば大丈夫です。初めてで迷う場合は、受付のときに「厄払いの場合、どのくらいの金額でお願いする方が多いですか」と聞いてみると、目安を教えてもらえることが多いです。
のし袋は、白無地の封筒タイプか、紅白の蝶結びが印刷された祝儀袋を使うのが一般的です。表書きには「初穂料」または「玉串料」と書き、その下に自分のフルネームを記します。裏面の左下あたりに金額を書いておくと、社務所の方が中身を確認しやすくなります。なるべく新札を用意できると丁寧ですが、難しい場合は折り目の少ないきれいなお札を選びましょう。
会社や団体で祈祷を受ける場合は、個人とは別の金額体系や申し込み方法になっていることがあります。特に新年祈祷は、事前の申込書が必要なケースが多いので、公式サイトや電話で早めに確認しておくと安心です。
冬の服装・靴・持ち物(車移動の注意も)
新潟の冬に厄払いへ行く場合、服装と足元の準備はとても大切です。上半身は、シャツやカットソーの上にニット、その上からコートというように、温度に合わせて脱ぎ着しやすい重ね着スタイルがおすすめです。外で待つ時間はしっかり防寒し、拝殿や待合室の中では一枚脱いで調整できるようにしておくと、寒暖差で体調を崩しにくくなります。
下半身は、厚手のタイツやインナーにパンツやロングスカートを重ねると、足元の冷えを防ぎやすくなります。靴は、ソールに滑りにくい素材が使われているブーツやスニーカーが安心です。ヒールの高い靴や、裏がツルツルした革靴などは、雪道や石畳では滑りやすいので避けた方が安全です。拝殿に上がる際に靴を脱ぐ必要がある神社もあるため、脱ぎ履きしやすい靴を選ぶとスムーズです。
持ち物としては、使い捨てカイロ(特に背中とお腹に貼るタイプ)、ハンドタオル、予備のマスク、折りたたみ傘やフード付きのコートなどがあると安心です。車で向かう場合は、ブランケット、小型のスコップ、ブースターケーブル、簡易チェーンなどを積んでおくと、思わぬ雪やトラブルがあったときの助けになります。
スタッドレスタイヤへの交換時期は、平年値や道路管理者の情報などを参考にしながら、「雪の便りが聞こえてから」ではなく、「そろそろ降りそうだ」と感じた段階で早めに済ませておくのがおすすめです。とくに山あいの神社に行く場合は、街中より少し早めの交換を意識すると安心度が違います。
一人・夫婦・家族で行くときの違い
厄払いに誰と行くかによって、当日の段取りや注意ポイントは少し変わります。一人で行く場合は、自分のペースでゆっくり参拝できる一方で、雪道で転びそうになったときに支えてくれる人はいません。スマホの充電が切れないようモバイルバッテリーを持っていく、暗くなる前に行き帰りを終えられる時間帯を選ぶといった工夫をすることで、安心感がぐっと増します。
夫婦やパートナーと一緒に行く場合は、事前に「今年をどんな一年にしたいか」「特に気をつけたいことは何か」を話しておくと、祈祷のあとに気持ちを共有しやすくなります。「無理をしすぎない」「お互いの体調を早めに気づき合う」「雪の日はどちらが運転するか事前に話しておく」など、小さな約束を決めておくと、その年の過ごし方に芯が通りやすくなります。
家族で行く場合、小さな子どもは待ち時間に退屈しやすいので、おやつや飲み物、静かに遊べる本やおもちゃなどを持っていくと助かります。高齢の家族と一緒の場合は、エレベーターの有無や階段の段数、トイレの場所、待合室の暖かさなどを事前に確認しておくと安心です。状況によっては、「祈祷を受けるのは本人だけで、他の家族は近くで待つ」「参拝のみで短時間にとどめる」といった対応も必要になるかもしれません。
誰と行くにしても、「全員が無事に帰ってこられること」が何より大切です。天候や体調、道路状況をよく見て、「今日はやめて別の日にしよう」という判断も、厄年の一年を守る大事な選択の一つです。
公式サイトや電話で事前に確認しておきたいこと
当日になってから「祈祷の受付が終わっていた」「駐車場が使えなかった」と気づくと、残念な気持ちになってしまいます。そうならないために、出かける前に公式サイトや電話で確認しておきたいポイントを整理しておきましょう。
チェックしておくと安心な項目は、たとえば次のようなものです。
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厄除け・厄払いの受付時間と最終受付の目安
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個人祈祷が予約不要かどうか(団体のみ要予約の場合もあります)
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初穂料の目安と、「○円以上」といった条件の有無
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駐車場の場所・台数・年末年始や大祭期間の利用制限
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雪の季節の注意点(坂道・チェーン規制・公共交通の運行状況など)
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お札やお守りの郵送対応、遠方からの申込みが可能かどうか
白山神社・彌彦神社・新潟縣護國神社・宝徳山稲荷大社など、主要な神社はそれぞれ公式サイトを持ち、祈祷や行事の案内を掲載しています。ただし、行事の日や天候などの要因で予定が変わることもあるため、「行く直前にもう一度確認する」というひと手間を大切にしたいところです。
電話で問い合わせる場合は、「厄払い(厄除け)の祈祷を検討しているのですが、個人の場合の受付時間と初穂料の目安を教えていただけますか」といった形で、知りたい内容を簡潔に伝えるとスムーズです。「初めてなので、少し勝手が分からなくて」と一言添えると、丁寧に教えてもらえることが多い印象です。
第4章:当日の流れをイメージしておく
到着してから受付までの基本の動き方
当日の流れをイメージしておくと、「次はどこへ行けばいいんだろう」と不安になる時間が減り、気持ちに余裕が生まれます。多くの神社やお寺では、次のような流れで動くことが一般的です。
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鳥居や山門の前で一礼してから境内に入る。
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手水舎で手と口を清める。
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本殿・本堂の前で、まず通常の参拝をする。
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社務所・寺務所で祈祷の受付をする。
手水舎では、柄杓を右手で持って左手を洗い、持ち替えて右手を洗い、そのあと左手に少し水を受けて口をすすぎ、残った水で柄の部分を流す、という一連の流れがよく紹介されます。細かな手順は神社ごとに案内が少しずつ違うこともありますが、周りの人の様子を見ながら落ち着いて真似すれば問題ありません。
参拝の作法についても、一般的には神社は「二礼二拍手一礼」、彌彦神社のように「二礼四拍手一礼」としているところもあり、お寺では合掌して静かに一礼する、という違いがあります。どれが正解かと緊張しすぎず、各社寺の案内板やパンフレットに書かれている方法に従えば大丈夫です。
参拝が済んだら、社務所や寺務所に向かい、「厄除け(厄払い)の祈祷をお願いしたいのですが」と声をかけます。用意された申込用紙に、住所・氏名・生年月日・願いごと(厄除け・家内安全・交通安全など)を書き込み、初穂料を納めます。そのあと、待合室で呼び出しを待ち、時間になったら係の人の案内に従って拝殿や本堂へ移動する、という流れになることが多いです。
祈祷の進み方と、よくあるアナウンスの意味
祈祷の内容や順番は社寺によって少しずつ違いますが、おおまかな流れは多くの場所で似ています。
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拝殿・本堂に入り、案内された席に座る。
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神職や僧侶が祝詞やお経を読み上げる。
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参列者一人ひとりの名前や住所、願いごとが読み上げられる。
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大幣や鈴によるお祓いを受ける。
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玉串や線香をささげて拝礼する。
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授与品(お札・お守り・記念品など)を受け取る。
途中で、「ご起立ください」「ご着席ください」「前の方から順番にお進みください」といったアナウンスが入ります。初めてでも、これらの声掛けに従っていれば基本的に困ることはありません。玉串をささげる作法が不安な場合も、係の人が簡単に説明してくれたり、前の人の動きを静かに真似するだけで十分です。
祈祷の時間は、祝詞やお経の長さや参列者の人数によって変わりますが、拝殿や本堂に入ってから30分前後で終わることが多いです。受付や待ち時間も含めると、全体で30〜60分程度を目安にしておくと余裕があります。お正月や大安など特に混雑する日には、さらに時間を多めに見ておくと安心です。
祈祷の最中は、スマホの電源を切るかマナーモードにし、バイブレーションもできればオフにしておきましょう。途中で音が鳴ると、自分も周りも集中しづらくなってしまいます。撮影や録音が禁止されている場所も多いので、写真を撮って良い場所・時間かどうかは事前に確認しておくとよいです。
写真・スマホ・お守り選びのマナー
厄払いの日を記念として残したくて、写真を撮りたいと思う人は多いでしょう。ただし、どこでも好きに撮って良いわけではありません。一般的には、鳥居の前や境内の広場、参道など、周りの人の迷惑にならない場所での撮影は問題ないことが多いですが、拝殿や本堂の中は撮影禁止としている社寺が多くなっています。祈祷中の撮影や動画撮影は、厳粛な雰囲気を壊してしまうので控えましょう。
スマホについては、祈祷が始まる前に必ずマナーモードにし、できればバイブレーションもオフにしておくと安心です。ポケットの中で振動しているだけでも、自分の集中が途切れてしまうことがあります。
お守りを選ぶときは、つい「あれもこれも」と増やしたくなりますが、種類が多すぎると自分でもよく分からなくなってしまいます。基本的には、厄除けのお守りを一つ選び、今特に気になること(健康、交通安全、仕事、学業など)があれば、そこからもう一つ選ぶくらいにしておくと、気持ちが整理しやすくなります。車のお守りは、運転中の視界をさえぎらず、それでいて自然に目に入る位置に付けるとよいでしょう。
御朱印をいただきたい場合は、参拝が終わったあとに授与所でお願いするのが基本です。混雑しているときは、並び方や受付時間が張り紙などで案内されていることが多いので、その指示に従いましょう。御朱印帳を預けるとき・受け取るときには、小さく一礼しながらやり取りすると、相手にも丁寧な印象を与えられます。
授かったお札やお守りを家でどう扱うか
祈祷を受けると、お札やお守りを授かります。これを家に持ち帰ったあと、どこに置けば良いか分からず、そのまま玄関や机の上に置きっぱなしにしてしまうケースも少なくありません。基本的なポイントを押さえておくと、迷わずに済みます。
お札は、本来であれば神棚を設けて、南向きか東向き、目線より少し高い位置にまつるのが一般的です。神棚がない場合は、タンスや棚の上などに白い紙や布を敷き、その上に立てかけるように置きます。水回りや火の近く、トイレや浴室などは避け、なるべく静かで清潔な場所を選びましょう。
お守りは、いつも使うカバンや財布、仕事机の引き出し、寝室の枕元など、自分にとって身近で目に入りやすい場所に置くとよいです。通勤や通学に使うカバンに入れておけば、日々の生活の中で自然と「気をつけよう」と思い出すきっかけになってくれます。
お札やお守りを返納するタイミングについては、「授かってから一年を目安に、感謝してお返しする」と説明されることが多いです。また、願いがかなったと感じたときや、引っ越しなどで生活環境が大きく変わったときも、一つの区切りとして返納するタイミングとされています。ただし、これはあくまで「目安」であり、「必ず一年ぴったりで返さないといけない」という意味ではありません。
いちばん大切なのは、「授与品をいただいた神社・お寺の案内を優先すること」です。お札やお守りに説明書きが添えられている場合もありますし、公式サイトで返納の方法や時期が説明されていることもあります。遠方で直接返しに行けない場合は、郵送での返納を受け付けている神社や、近くの神社に相談して対応してもらえる場合もあります。
お礼参りのタイミングと伝え方
厄年の期間を無事に過ごすことができると、「お礼参りに行った方がいいのかな」と考える人も多いと思います。お礼参りは義務ではありませんが、自分の中で一区切りをつける意味で、とても良いきっかけになります。
お礼参りのタイミングとしてよく選ばれるのは、後厄が終わるころや、大きなトラブルもなく一年を過ごせたと感じたとき、仕事や家族の節目(転職・卒業・引っ越しなど)が落ち着いたときなどです。そうしたタイミングで、厄払いを受けた神社やお寺に足を運び、「この一年、大きな事故や病気もなく過ごせました」「心配だったことも、何とか乗り切ることができました」と、心の中で報告します。
お礼参りだからといって、必ず新たな祈祷を受ける必要はありません。通常の参拝で「ありがとうございました」と手を合わせるだけで十分です。もし、新しい願いごとが生まれていれば、その場であらためて祈祷をお願いしてもよいでしょう。
遠方でどうしても直接行けない場合は、自宅のお札の前で手を合わせ、「見守っていただきありがとうございました」と言葉にするだけでも、自分の心の中で区切りがつきます。大事なのは、「お願いしっぱなし」にせず、一度立ち止まって感謝の気持ちを確認することです。
第5章:厄払いのあとを整える一年の過ごし方
厄払いはスタート地点という考え方
厄払いの祈祷を受けて社殿を出たとき、「これでひと安心」と肩の力が抜ける人は多いと思います。ただ、本当に大事なのは、そのあと1年間をどう過ごすかです。厄払いはゴールではなく、「ここからの一年、自分と周りを大切にして暮らしていこう」と決めるスタート地点だと考えてみましょう。
まず、生活のリズムを簡単なチェック項目で振り返ってみます。
| チェック項目 | 自分の状態 |
|---|---|
| 平日の睡眠時間は平均6〜7時間以上ある | □できている □見直したい |
| 1日1回は外に出て歩く時間がある | □できている □見直したい |
| 健康診断をここ1〜2年のうちに受けている | □できている □見直したい |
| スマホを見ない時間を意識して作っている | □できている □見直したい |
| 月に1回はまとまった片づけをしている | □できている □見直したい |
全部に丸を付けようとすると苦しくなるので、「今月は睡眠だけ」「来月は運動だけ」といった具合に、一つずつ整えていくのがおすすめです。厄年だからこそ、「自分を雑に扱わない一年にする」と決めてしまうと、自然と休みの取り方や働き方も変わってきます。
祈祷は、そのためのスイッチを入れる儀式です。その後の一年でどんな選択をするか、どんな休み方をするかが、本当の意味で自分を守ることにつながります。
仕事・人間関係・健康で意識したい小さな行動
厄年のテーマとして意識しておきたいのは、「無理をしすぎないこと」と「感謝や謝罪を早めに伝えること」です。仕事では、目標を高く持つこと自体はとても大切ですが、体調を崩してしまうまで頑張り続けてしまうと、結果として周りにも迷惑をかけてしまうことがあります。忙しい時期ほど、「週に一日は早く帰る日を作る」「休日のどちらかは予定を入れない」といった自分なりのルールを決めてみてください。
人間関係では、「ありがとう」と「ごめんね」を少し早めに口にするだけで、トラブルの多くは大きくなる前におさまることが多いです。厄年の一年は、「相手の話を最後まで聞く」「言い過ぎたと思ったらその日のうちに一言謝る」といった基本的なコミュニケーションを意識的に大事にしてみましょう。
健康面では、新潟ならではのポイントとして「冷え」と「雪道での転倒」があります。家の中でもスリッパや厚手の靴下を履き、腹巻きやレッグウォーマーを取り入れると、全身の冷え方がかなり変わります。外を歩くときは、滑りにくい靴を選び、時間に余裕を持って家を出ることで、「急いで走った結果、転んでケガをした」というリスクを減らせます。
こうした小さな行動は、すぐに劇的な変化を生むわけではありませんが、積み重ねることで「大きなトラブルを避けられた一年だった」と感じられる土台になります。「厄だから慎重に」という気持ちを、生活の中の具体的な行動に変えていくイメージです。
家族やパートナーと決めておきたい「守り方」ルール
厄払いに家族で行くと、それぞれがお札やお守りを持ち帰ることになります。そのときに大切なのが、「家の中でどう扱うか」を家族で共有しておくことです。何も決めていないと、同じ場所にお守りがたくさん集まりすぎたり、いつ返納したら良いか分からなくなってしまったりします。
たとえば、次のようなルールを一緒に考えてみると、迷いが減ります。
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車のお守りは、よく使う車に一つだけ付ける
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学業のお守りは机のど真ん中ではなく、少し横に置いてプレッシャーを和らげる
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毎年の年末か新年に、古いお守りをまとめて返納に行く日を家族で決める
お札やお守りの返納時期については、さまざまな解説で「一年を目安」とされていますが、最終的には「授かった神社・お寺の案内に従う」ことが基本です。お守りに添えられた説明書や、公式サイトの案内を家族で一度読んでおくと、「これは次の初詣で返そう」「これは受験が終わるまで持っていよう」といった判断がしやすくなります。
また、夫婦やパートナー同士で、「今年はどんなことを大事にしたいか」を紙に書き出して共有してみるのもおすすめです。「雪の日の運転は無理をしない」「疲れている様子に気づいたら、家事をすぐ代わる」「どちらかが体調を崩したら、遠慮なく病院へ行くよう勧める」など、具体的な約束にしておくと、日々の中で実行しやすくなります。
温泉・グルメと組み合わせた新潟らしい一日プラン
新潟で厄払いをするなら、せっかくなので温泉や食事もセットにして、「心と体を整える一日」にしてしまうのも良い方法です。いくつかイメージしやすいプランを挙げてみます。
一つ目は、「彌彦神社+弥彦温泉+寺泊」のコースです。午前中のまだ人が少ない時間帯に彌彦神社で祈祷を受け、そのあと門前町でお昼ご飯や甘味を楽しみます。午後は弥彦温泉でゆっくり体を温め、時間と体力に余裕があれば寺泊方面まで足を伸ばして日本海を眺めてから帰る、という流れです。天気の良い日なら、ドライブも気持ちよく感じられるはずです。
二つ目は、「白山神社+新潟市内散歩+カフェタイム」のコースです。白山神社で厄払いを受けたあと、白山公園を散歩し、古町の商店街や萬代橋周辺をゆっくり歩きます。途中で気になるカフェに入り、温かい飲み物を飲みながら、一年の目標や不安をゆっくり話す時間を持つのも良いでしょう。市内中心部で完結するので、公共交通も使いやすく、雪の日でも比較的動きやすいのがメリットです。
三つ目は、「宝徳山稲荷大社+長岡の温泉・グルメ」の組み合わせです。長岡方面まで足を伸ばして祈祷を受けたあと、近くの温泉施設で体を温め、市内の飲食店で地元の料理を楽しむ一日。冬場はとくに、山道の運転時間に余裕を持たせ、夕方の早い時間には山を降りておけるように計画しておくと安心です。
どのプランでも共通しているのは、「祈祷で心を整え、温泉で体を温め、おいしいものを食べて帰る」という流れです。厄払いを「こなすべき行事」としてではなく、「自分と家族をねぎらう一日」として捉えると、思い出としても良い形で残りやすくなります。
不安になったときに思い出したいヒント
厄年の一年を過ごしていると、ちょっとした失敗や体調不良でも「やっぱり厄年だからかな」と感じてしまうことがあります。そんなときに思い出してほしいヒントを、最後に三つだけ挙げておきます。
一つ目は、「何でもかんでも厄年のせいにしない」ということです。思うようにいかない出来事が重なると、理由を一つにまとめたくなりますが、冷静に振り返ってみると、自分の準備不足や疲れ、コミュニケーションの行き違いが原因のことも多いものです。同時に、その年の中にも必ず「うまくいったこと」や「誰かに助けてもらったこと」があります。その両方を見るように意識してみてください。
二つ目は、「自分で変えられること」と「自分では変えられないこと」を分けて考えることです。健康診断を受ける、睡眠時間を増やす、雪の日は早めに家を出る、疲れたら早めに休む、といったことは、自分の工夫で変えられます。一方で、天候や他人の性格・行動など、自分の力ではどうにもならない部分もあります。後者に悩みすぎるほど、心も体もすり減ってしまうので、「変えられる部分」に意識を向ける練習をしてみましょう。
三つ目は、「行き詰まったときは、もう一度参拝してみる」という選択肢を持っておくことです。最初に厄払いを受けた神社に、用事がなくてもふらりと立ち寄り、静かに手を合わせて深呼吸するだけでも、気持ちが少し軽くなることがあります。白山神社や彌彦神社、新潟縣護國神社、地元の氏神さまなど、「ここに来ると落ち着く」と感じる場所を一つ持っておくと、厄年の一年が少し心強く感じられるはずです。
厄年は、「悪いことが起こる年」というより、「自分の暮らし方や働き方、人との付き合い方を見直す年」と考えてみてください。雪が溶けて春が来るころ、「思っていたより悪くなかったな」「むしろいろいろ整えられた一年だった」と感じられたなら、その厄年はきっと意味のある時間だったと言えるはずです。
まとめ
新潟で厄払いを考えるとき、一番大切なのは「どの神社の方がご利益が強いか」を競うことではありません。大事なのは、「自分と家族が安心して一年をスタートできる場所と方法を選ぶこと」です。
厄年は一般的に、数え年で男性が25歳・42歳・61歳、女性が19歳・33歳・37歳(地域によっては61歳)とされ、その前後一年を合わせた三年間を慎重に過ごす目安とされています。神社によっては、4歳や13歳といった子どもの厄年を案内しているところもあり、地域差も少なくありません。最終的には、「参拝する神社が出している厄年表を優先する」という姿勢が大切です。
新潟市には白山神社や新潟縣護國神社、古町周辺には街中の神社があり、県央には彌彦神社、中越には宝徳山稲荷大社、下越・上越には青海神社や春日山神社など、それぞれの土地で親しまれている社があります。雪国であり、自家用車の利用割合も高い新潟では、タイヤ交換や服装、移動時間なども含めて安全を確保することが、厄年の一年を無事に過ごす大切なポイントになります。
厄払いは、医療や安全対策の代わりではなく、あくまで「心の支え」としての役割を持つものです。健康診断や生活習慣の見直し、雪道での安全運転、人とのコミュニケーションなど、現実的な対策を土台にした上で、その気持ちを整えるために祈祷を受ける。そんなバランスで考えると、厄年を過度に恐れずに済むはずです。
一年を振り返ったときに、「大きな事故や病気もなく、いくつかのことをきちんと見直せた」と感じられたなら、その厄年は静かに自分を成長させてくれた時間だったと言えるでしょう


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