石川で厄払いをする前に読むガイド|金沢・白山・能登の社寺と準備のすべて

石川 厄年 厄払い 未分類
  1. 1章 石川の厄年をどう捉えるか
    1. 石川県でよく使われる厄年の年齢と「数え年」の考え方
    2. 全国共通の考え方と地域差をどう見分けるか
    3. 前厄・本厄・後厄と「気になる気持ち」との付き合い方
    4. 家族・仕事・暮らしの節目としての厄払い
    5. 神社とお寺、どんな基準で選ぶか
  2. 2章 石川で相談しやすい社寺マップ
    1. 金沢中心部:通勤・通学の途中で寄れる社
    2. 白山エリア:白山比咩神社と周辺の信仰圏
    3. 能登エリア:氣多大社と海辺の社を訪ねる前に知っておきたいこと
    4. 加賀・小松エリア:那谷寺など静かな寺社で心を落ち着ける
    5. 近所の氏神さまを頼りにするメリット
  3. 3章 厄払いに出かける前に整えておきたいこと
    1. 行くタイミングの決め方(年末・節分・誕生日・引っ越し前後など)
    2. 石川の気候を踏まえた服装・持ち物の考え方
    3. 祈祷料の目安と、神社ごとの違いの確認方法
    4. 予約から当日までの流れと注意点
    5. 写真・スマホ・授与品の扱い方
  4. 4章 ライフスタイル別・石川での厄払いプラン
    1. 金沢市民向け「午前だけ」「夕方だけ」プラン
    2. 温泉と組み合わせて心身をゆるめる週末プラン
    3. 子ども・高齢者と一緒に行く家族プラン
    4. Uターン・帰省に合わせた「地元ご挨拶」プラン
    5. 能登方面を訪ねるときの情報収集と心構え
  5. 5章 厄払いのあと一年を穏やかに過ごすために
    1. お札・お守りを家でどう祀るか(賃貸・持ち家別)
    2. 防災・健康・車の安全を見直すチェックリスト
    3. お金・仕事・人間関係をノートに整理する方法
    4. 心が重い日にできる小さなリセット
    5. 次の参拝・お礼参り・お焚き上げのタイミング
  6. まとめ

1章 石川の厄年をどう捉えるか

石川 厄年 厄払い

「石川県で厄払いをするなら、どこに行けばいいんだろう」「厄年って、そもそも何歳が対象なの?」。そんな疑問を抱えたまま、気づけば年末や節分が近づいてきて、あわてて検索している人も多いのではないでしょうか。石川には、白山比咩神社や氣多大社のような古くからの信仰の中心地だけでなく、金沢市内の通いやすい社や、静かに手を合わせられる寺院など、さまざまな祈りの場所があります。

一方で、雪道の運転や仕事・家族の予定、能登方面の道路状況などを考えると、「ちゃんと行けるだろうか」と心配になるのも自然なことです。このガイドでは、厄年の基礎知識から、石川ならではの風習、エリアごとの社寺の特徴、準備とマナー、ライフスタイルに合わせたプラン、一年を穏やかに過ごすための工夫までを、できるだけ分かりやすくまとめました。読み終わるころには、「自分はこの社に行ってみよう」「このタイミングで祈祷をお願いしてみよう」と、具体的な一歩が見えてくるはずです。

石川県でよく使われる厄年の年齢と「数え年」の考え方

最初に、いまの自分がそもそも厄年なのかどうかを整理しておきましょう。全国的によく使われている目安では、本厄は男性が数えで25歳・42歳・61歳、女性が数えで19歳・33歳・37歳・61歳とされています。数え年」は生まれた年を1歳とし、お正月ごとに1歳ずつ増える考え方です。ざっくり知りたいときは「今年の満年齢+1」を計算すれば、数え年のイメージがつかみやすくなります。ただし、これがすべての地域で共通の決まりというわけではありません。

石川県でも、多くの社でこの“定番の年齢”が目安として使われていますが、白山比咩神社のように、地域の慣習をふまえて49歳など別の年齢を加えているところもあります。また、女性の37歳を厄年に含めるかどうかも神社によって違う場合があります。つまり、「ネットで見た厄年表」と「実際に参拝する神社の表」がまったく同じとは限らないということです。不安なときは、参拝先の公式サイトで厄年表をチェックするか、社務所で生年月日を伝えて確認してもらうのがいちばん確実です。


全国共通の考え方と地域差をどう見分けるか

厄年の年齢が書かれているサイトや本を読むと、「男性は○歳・女性は○歳」と断定的に書かれていることが多く、つい「これが絶対なんだ」と思い込んでしまいがちです。ところが、神社本庁などの説明をよく読むと、「地域によって多少の違いがあります」と必ず添えられています。神社本庁+1 その“多少の違い”の中に、石川のやり方も含まれているわけです。たとえば、白山の信仰と縁の深い地域では、白山比咩神社の厄年表を基準にする家庭が多かったり、金沢市内では昔から伝わる年齢の区切りを重視していたりと、細かい違いが積み重なっています。

ここで大事なのは、「どれが正しいか」を競うことではなく、「自分が実際にお世話になる社寺がどう考えているか」を軸にすることです。全国向けの“一般論”は、地図でいうと日本全体のざっくりした輪郭のようなもの。そのうえで、石川という地図の拡大図を見せてくれるのが、地元の神社やお寺の案内です。まずは大まかな年齢を把握し、その後で参拝先の情報を確認する。この二段構えで考えると、「あれ、どれを信じたらいいの?」という混乱が少なくなります。


前厄・本厄・後厄と「気になる気持ち」との付き合い方

「前厄・本厄・後厄の3年間は全部行ったほうがいいのか」「本厄だけでもいいのか」という迷いは、多くの人が通るポイントです。一般的には、さきほどの本厄の前後1年ずつを前厄・後厄と呼び、その3年ほどを“気をつけたい時期”と考えます。ただし、ここでも“必ず3年連続で祈祷しなければいけない”という絶対ルールがあるわけではありません。

一番の目安になるのは、「自分がどれだけ気になっているか」という心の状態です。「厄年と聞いてから、ずっと不安でモヤモヤしている」という人であれば、前厄から毎年きちんと祈祷を受けることで、気持ちが落ち着くかもしれません。一方、「本厄の年だけは区切りとして祈祷してもらい、前後は普段どおりお参りだけにする」という考え方もあります。大切なのは、“カレンダーに振り回される”のではなく、“自分の生活を整えるきっかけとして使う”ことです。

仕事や家族の状況によっても正解は変わります。例えば、転職や結婚、出産のタイミングと厄年が重なっているなら、不安が強くなるのは自然なこと。その場合は、前厄から数年続けて同じ社寺を訪ね、毎年の状況を報告するつもりで祈祷を受けると、変化の大きな時期を落ち着いて過ごしやすくなります。


家族・仕事・暮らしの節目としての厄払い

石川で厄払いの話を聞いていると、単に「自分の年回りが悪いから行く」というより、「暮らしの節目を落ち着いて迎えたいから行く」という人が多い印象があります。たとえば、子どもの進学や独立、親の定年や引っ越し、マイホームの購入など、大きな変化が重なる時期は、それだけで心が揺れやすいものです。そこに「厄年」というキーワードが重なると、「今のうちにきちんと祈っておこう」と背中を押されるような感覚が生まれます。

また、北陸の冬は雪や凍結で道路事情が厳しくなり、車の事故や転倒などの心配も増えます。そのため、「家族の安全運転も含めてお願いしておきたい」「高齢の家族の健康を祈っておきたい」と考えて祈祷を申し込む人も少なくありません。仕事面でも、責任の重いポジションに就く年や、独立・開業の年に合わせて、“お守り代わり”に厄払いを受けるケースが多く見られます。

こうして見ていくと、厄払いは「怖い年を避ける儀式」というより、「これから数年間をどう過ごしたいか」を立ち止まって考えるきっかけと言えます。自分一人の問題ではなく、家族や同僚との関係も含めた“暮らし全体の節目”として捉えると、お願いしたいことも自然に整理されてきます。


神社とお寺、どんな基準で選ぶか

石川県には、白山比咩神社や氣多大社のような大きな神社だけでなく、那谷寺や倶利迦羅不動寺のような歴史あるお寺も多く、どこで祈祷してもらうか迷いやすい土地です。神社では、祝詞を奏上してもらい、鈴や榊で祓い清めてもらうスタイルが中心。お寺では、不動明王や観音さまの前で護摩木を焚き、炎の前で名前と願いを読み上げてもらう祈祷がよく見られます。

どちらが“効く”かという話ではなく、「どちらの雰囲気のほうが自分は落ち着くか」「家のご先祖がどちらと縁が深いか」で選んでよいでしょう。普段から初詣や七五三でお世話になっている場所があれば、厄払いも同じところにお願いすると、その後のお礼参りや相談もしやすくなります。逆に、「今年は思い切って白山比咩神社まで足を延ばし、人生の大きな節目として祈祷を受けたい」というように、“特別な一度”として別の社寺を選ぶのも一つの方法です。

いくつもの場所を巡ってもかまいませんが、祈祷を受ける社寺は1〜2か所にしぼり、あとは通常の参拝にするほうが、体力的にもお財布的にも無理がありません。どこを選ぶか迷ったときは、「一年後、ここにまた無事にお礼を言いに来たい」と素直に思える場所を選ぶと、自然と足が向きやすくなります。


2章 石川で相談しやすい社寺マップ

金沢中心部:通勤・通学の途中で寄れる社

金沢市内で暮らしている人にとって、「行きやすさ」はとても大切なポイントです。尾山神社や石浦神社、金澤神社などは、バス路線や観光ルートと重なっていて、通勤・通学や買い物のついでに立ち寄りやすい社と言えます。尾山神社は加賀藩祖・前田利家と正室お松の方を祀る神社で、和漢洋折衷の神門が有名なスポット。夫婦円満や勝負事のお願いに訪れる人が多く、厄年の節目に合わせて家族で祈祷を受ける家庭も少なくありません。

石浦神社は、奈良時代の創建と伝わる金沢最古の神社で、現在はカラフルな授与品や良縁祈願で人気を集めています。金澤神社は兼六園そばに位置し、学業成就や金運にまつわる伝承もあるため、受験や資格試験のタイミングと厄年が重なる人に選ばれやすい社です。

市街地の社の良さは、「思い立ったときにさっと行けること」です。休日の混雑が気になる場合は、平日の朝や夕方に時間を取り、仕事の前後で参拝するのも現実的な方法です。祈祷が予約制か当日受付か、何時ごろが比較的すいているかなどは、公式サイトや電話で確認できます。無理に有給を取らなくても済む範囲で、生活リズムに組み込んでいけるのが、こうした社の強みです。


白山エリア:白山比咩神社と周辺の信仰圏

白山市の白山比咩神社は、全国にある白山神社の総本宮とされ、「しらやまさん」の名で広く親しまれています。ここでは、人生のさまざまな節目にあわせたご祈祷が行われており、その中に厄払いも含まれています。白山比咩神社の案内では、「前年の年末から節分までのあいだに参拝し、お祓いを受けるのが厄祓い」と説明されており、加賀地方では年末に一足早く祈祷を受けておく慣習も根付いています。

とはいえ、通年で個人の祈祷を受け付けている神社も多く、白山比咩神社でも通常の日に厄除けの祈祷をお願いすることができます。「年末や節分にどうしても行けなかった」と落ち込む必要はありません。大切なのは、「その年の残りの期間を無事に過ごしたい」という気持ちを持って参拝することです。

白山エリアは、山の天候の影響を受けやすく、冬場は道路事情が変わりやすい地域です。雪道の運転に慣れていない場合は、公共交通機関や、雪の少ない時期を選ぶなど、無理のない形での参拝を考えましょう。白山比咩神社の公式サイトでは、年末年始・節分前後の混雑情報や交通規制のお知らせが出ることも多いので、出かける前に一度チェックしておくと安心です。


能登エリア:氣多大社と海辺の社を訪ねる前に知っておきたいこと

能登方面で名が挙がる社といえば、羽咋市の氣多大社です。能登国一宮として知られ、主祭神に大己貴命を祀るこの社は、縁結びや開運で広く信仰を集めてきました。keta.jp+2ホット石川+2 境内の奥には、国指定天然記念物「入らずの森」が広がり、神域として大切に守られているのも特徴です。海に近い場所にあるため、参拝とあわせて日本海の景色を楽しむ人も多く、「節目の年に能登まで足を運びたい」という願いを持つ人も少なくありません。

一方で、能登半島は地震や豪雨など自然災害の影響を受けやすく、道路状況や施設の再開状況が時期によって大きく変わることがあります。参拝を計画するときは、氣多大社の公式サイトだけでなく、石川県や羽咋市の公式情報で、道路・公共交通機関・観光施設の最新状況を必ず確認しましょう。ホット石川+1 宿泊を伴う場合も、現地の受け入れ体制に無理がない時期を選び、混雑する連休や大きなイベント時期に無理をして押しかけない配慮が大切です。

能登の社を訪ねるときは、「観光地に遊びに行く」というより、「この土地のこれからが少しでも穏やかになるよう、一緒に祈らせてもらう」という気持ちで向かうと、自分の厄払いの願いも、より静かに深く整っていきます。


加賀・小松エリア:那谷寺など静かな寺社で心を落ち着ける

石川県南部には、厄除けの祈祷を行っている寺社も多くあります。小松市の那谷寺は、奇岩遊仙境と庭園で知られる古刹で、紅葉の名所としても有名です。護摩祈祷の炎の前で自分の名前や願いごとが読み上げられる時間は、日常のあわただしさから一歩離れて、自分の心を見つめ直すひとときにもなります。

加賀温泉郷や小松空港からアクセスしやすい場所も多く、県外在住の人が里帰りのタイミングで訪ねるにも便利です。寺院での祈祷は、決まった時間にあわせて行われることが多いため、「午前・午後のどちらに護摩があるのか」「受付は何分前までか」を事前に確認しておきましょう。

また、倶利迦羅不動寺のように、山上からの眺めが印象的な寺もあります。4MEEE ただし、山間部は冬場に積雪や凍結が多くなるため、車で向かう場合はスタッドレスタイヤやチェーンの準備が欠かせません。「無理をしてこの日でなければ」と決めつけず、道路状況が落ち着いた時期を選ぶ柔らかさも大切です。


近所の氏神さまを頼りにするメリット

有名な社寺に足を運ぶのも良い体験ですが、「自宅の近くの氏神さま」に相談することには、別の良さがあります。氏神さまとは、その土地を守る神さまのことで、小さな社であっても、その地域の人々の暮らしを長く見守ってきた存在です。毎年の初詣や、子どもの七五三などでお世話になっている社があれば、厄払いの相談もそこでしてみるとよいでしょう。

自分の氏神さまがどこか分からないときは、市役所や公民館に問い合わせるか、神社本庁や各種神社検索サイトで住所から探す方法があります。遠方の大きな社で厄払いを受ける場合でも、「日々の感謝や細かなお願いごとは近所の氏神さまへ」という二本立てにしておくと、普段から手を合わせる習慣が続けやすくなります。

特に小さな子どもや高齢の家族がいる家庭では、車で長距離を移動するより、歩いて行ける範囲に「いつもの社」があることが大きな安心材料になります。体調や天候に合わせて、無理のない距離でお参りの予定を組めるからです。身近な社と、ちょっと遠くの社。その両方を上手に使い分けながら、自分たちなりの“石川での祈りの地図”を描いていくと良いでしょう。


3章 厄払いに出かける前に整えておきたいこと

行くタイミングの決め方(年末・節分・誕生日・引っ越し前後など)

厄払いの相談で必ず出る質問が、「いつ行くのが一番良いですか?」というものです。白山比咩神社のように、「前年の年末から節分までの間にお祓いを受けるのが厄祓い」と案内している社もあり、石川ではこの時期に祈祷を受ける人が多くなります。shirayama.or.jp+1 一方で、新潟の白山神社などでは、年末から新年にかけて厄祓いを受ける習慣があると説明されており、地域によって細かな違いがあることが分かります。

実際には、多くの社寺が一年を通じて厄除けの祈祷を受け付けています。「節分を過ぎてしまったから今年はもう遅い」とあきらめる必要はありません。その年の途中であっても、「ここで区切りをつけたい」と感じたタイミングで祈祷をお願いして大丈夫です。

目安としては、次のような時期を一つの候補にしてみてください。

  • 前年の12月:雪が本格的になる前に済ませたい人向け

  • 年明け〜節分:新年の気持ちの切り替えと合わせたい人向け

  • 自分の誕生日前後:一年のスタートを自分の節目に合わせたい人向け

  • 引っ越し・転職・結婚などの直前:環境の変化と一緒に心を整えたい人向け

「気になり始めたときが、その人にとってのタイミング」と考え、自分と家族の予定、雪道の運転への慣れ、体力などを総合して選ぶと、無理のない日取りが見えてきます。


石川の気候を踏まえた服装・持ち物の考え方

厄払いの日の服装は、「きちんとして見えること」と「その日の天候に合っていること」の両方が大切です。神社本庁などの案内では、「参拝時は失礼のない服装で」とされていますが、必ずしもスーツでなければいけないわけではありません。神社本庁 落ち着いた色味のシャツやブラウスにジャケット、シンプルなパンツやスカートなど、“少しよそ行き寄りの普段着”であれば、多くの社寺で問題なく受け付けてもらえます。

石川ならではのポイントは、雪・雨・強い日差しなど、季節ごとの気候です。冬場はとくに足元が滑りやすくなるので、ヒールの高い靴やソールがつるつるした革靴は避け、滑りにくい靴底のブーツやスニーカーにしましょう。境内で靴を脱ぐ場面があるかもしれないので、靴下は落ち着いた色で、穴や毛玉のないものを選びます。

持ち物としては、

  • 祈祷料用のお金(後で詳しく触れます)

  • ハンカチ・ティッシュ

  • 冬ならカイロやマフラー、夏なら飲み物や日よけグッズ

  • 長時間待つ可能性があるときのための、簡単なお菓子や本
    などがあると安心です。

雨が予想される日は、大きなビニール傘より、折りたたみ傘と撥水アウターの組み合わせが動きやすい場合もあります。服装に迷ったら、「法事に行くとしたら着ていけるか」を基準にすると、大きく外れることはないでしょう。


祈祷料の目安と、神社ごとの違いの確認方法

お金の話は少し聞きづらいものですが、「どれくらい用意しておけばいいのか」は誰もが気になるところです。石川県内の多くの神社・寺院では、個人の厄除け祈祷は5,000円〜1万円程度に設定されていることがよくあります。実際、犀川神社などの案内でも、一般的なご祈祷料として5,000円と明記されている例があります。

ただし、これはあくまで「よく見かける金額の範囲」であって、すべての社寺で同じわけではありません。同じ場所でも、5,000円・1万円・2万円…と複数の金額が用意されていて、金額に応じて授与品の内容が変わる場合もあります。公式サイトに祈祷料が載っていることも多いので、事前に確認しておきましょう。載っていないときは、「厄払いの祈祷をお願いする場合、祈祷料はいくらお納めすればよいですか」と電話で聞けば、ていねいに教えてもらえます。

大切なのは、「金額が高いほどご利益が強くなる」と考えすぎないことです。無理をして高額を納めるより、自分の生活に合った範囲で、感謝の気持ちをこめてお供えするほうが、その後の一年を落ち着いて過ごせます。のし袋が必要かどうかも神社ごとに違うので、「特に指定がなければ白い封筒に入れて持っていき、受付で指示に従う」という程度でも問題ありません。


予約から当日までの流れと注意点

祈祷の申し込み方法は、社寺によってさまざまです。白山比咩神社のように、基本的に予約不要で当日受付のスタイルをとっているところもあれば、混雑期だけ予約制にする社、通年で事前予約をお願いしている寺などもあります。行きたい場所が決まったら、まず公式サイトの「ご祈祷」のページを開き、「予約が必要か」「受付時間は何時から何時までか」を確認しましょう。

一般的な流れは、次のようなイメージです。

  1. 参拝予定日と人数を決める

  2. 予約制の場合は、電話またはWEBフォームで申し込み

  3. 当日、受付時間内に社務所・寺務所に行き、申込書に氏名・住所・生年月日などを記入

  4. 祈祷料を納め、番号札や控えを受け取る

  5. 案内にしたがって本殿や本堂に入り、祈祷を受ける

冬場は道路状況によって到着時間が読みづらくなるので、ギリギリではなく、少し早めに着くつもりで予定を組むと安心です。遅れそうなときや体調不良で行けなくなったときは、必ず電話で相談しましょう。「別の日に改めてお越しください」と柔軟に対応してもらえることがほとんどです。

申込書に書く内容は、家族全員の名前や年齢、祈願内容などです。漢字に自信のない家族の名前は、メモして持っていくと書き間違いを防げます。


写真・スマホ・授与品の扱い方

最近は、神社やお寺でも写真映えのするスポットがたくさんあり、ついスマホを構えたくなります。ただし、どこでも自由に撮影してよいわけではありません。本殿・本堂の内部や、ご神体に向けられた場所は撮影禁止にしているケースも多く、白山比咩神社などでも本殿内は撮影を控えるよう案内があります。入口や境内の掲示で「撮影禁止」「ここから先はご遠慮ください」と書かれている場所では、必ず指示に従いましょう。

祈祷中は、スマホの電源を切るかマナーモードにし、鞄やポケットにしまっておきます。写真を撮るなら、祈祷がすべて終わってから、他の参拝者の邪魔にならない場所で短時間に済ませるのが良いマナーです。お守りやお札の写真をSNSに載せるときも、ほかの人の顔が映りこまないよう注意しましょう。

授与品としていただいたお札やお守りは、袋に入れたまま玄関やテーブルの上に放置しないようにしたいところです。帰宅したらなるべく早めに、あらかじめ決めておいた場所へ移し、軽く手を合わせてから日常生活に戻ると、自分の中でも気持ちの切り替えがしやすくなります。


4章 ライフスタイル別・石川での厄払いプラン

金沢市民向け「午前だけ」「夕方だけ」プラン

まとまった休みが取りにくい人には、金沢市内で半日以内に完結するプランがおすすめです。たとえば、「午前だけプラン」なら、朝9時ごろに尾山神社や石浦神社の受付時間に合わせて向かい、祈祷を受けたあと、境内をひと回りしてから職場に出勤するイメージです。通勤経路と大きく外れない社を選べば、少し早起きするだけで実現できます。

「夕方だけプラン」の場合は、仕事を少し早めに切り上げ、16時〜17時台の祈祷時間に間に合うよう社に向かいます。祈祷が終わったあとは、近くの喫茶店や和菓子店で温かい飲み物を飲みながら、「この一年どんなことがあったか」「これから何を大切にしたいか」をノートに書き出してみると良いでしょう。

半日プランのポイントは、「予定を詰め込みすぎないこと」です。祈祷と通勤だけで一日が終わってしまうと、せっかくの厄払いが“こなすべき用事”になってしまいます。前後に15〜30分だけでも、ゆっくり一人になる時間を用意し、その日に感じたことを整理する余白を残しておくと、心の中に残るものが変わってきます。


温泉と組み合わせて心身をゆるめる週末プラン

石川で厄払いをするなら、温泉とセットにするのも贅沢な過ごし方です。たとえば、小松市の那谷寺や安宅住吉神社に参拝し、そのまま山中温泉や山代温泉に泊まるコース。あるいは、氣多大社への参拝を中心に据えて、和倉温泉や千里浜周辺に宿を取るコースなどが考えられます。

週末プランでは、1日目に祈祷と移動を済ませ、2日目は観光を控えめにして、ゆっくり帰路につくくらいがおすすめです。温泉では、長湯をして疲れてしまうより、短めの入浴を数回に分けて、こまめに水分補給をするほうが体に負担がかかりません。

旅の持ち物として、普通の荷物に加えて「ノートとペン」「封筒1枚」を入れておきましょう。宿でその年の振り返りや、これから挑戦したいことを書き出し、その中から「いまの自分にとっていちばん大切な一つ」を選びます。それを紙に書いて封筒に入れ、翌朝の参拝時に心の中でそっと神さまに預けるイメージを持つと、厄払いの旅が“ただの旅行”ではなく、“ゆるやかな区切り”として記憶に残りやすくなります。


子ども・高齢者と一緒に行く家族プラン

家族みんなで厄払いに行きたいけれど、小さな子どもや高齢の家族がいると、「長時間の外出は大丈夫かな」と心配になります。その場合は、移動時間をできるだけ短くし、段差や階段の少ない社寺を選ぶところから計画を始めましょう。バリアフリー対応の状況は、公式サイトに載っていることが多く、電話で尋ねれば「車いすでも本殿の近くまで行けるか」「ベビーカーを置くスペースがあるか」など、具体的に教えてもらえます。

当日は、子ども用の飲み物や小さなお菓子、静かに遊べるおもちゃを用意しておき、待ち時間の負担を減らします。祈祷中にどうしてもぐずってしまった場合は、無理に押さえつけず、タイミングを見てそっと外に出るのも一つの方法です。高齢の家族には、防寒具やカイロを多めに用意し、移動の途中でこまめに休憩をはさみます。

全員が同じ部屋で祈祷を受けるのが難しい場合、「今年は代表者だけが中に入り、他の家族は別室やロビーで待つ」「名前だけ一緒に読み上げてもらう」といった形も相談できます。「この形でなければならない」と考えすぎず、それぞれの体調や生活リズムに合わせて、“その家族にとって無理のないスタイル”を選ぶことが、結果的に一番の安全対策になります。


Uターン・帰省に合わせた「地元ご挨拶」プラン

石川出身で、いまは他県で暮らしている人の中には、「帰省のタイミングで地元の神社に厄払いをお願いしたい」と考える人も多いでしょう。その場合、まず意識したいのは、帰省期間の中に“厄払い専用の日”を一日確保することです。お正月やお盆は、親戚への挨拶や友人との再会など予定が詰まりやすく、「気づいたら時間がなくて参拝だけで精一杯だった」ということになりがちです。

可能であれば、帰省初日か最終日に、丸ごと半日〜一日を厄払いにあてます。家族と一緒に行く場合は、事前にグループチャットなどで「どの社寺に行きたいか」「誰の厄を祈祷してもらうか」を話し合っておくと、当日の段取りがスムーズです。

また、石川県内は南北に長く、金沢から能登や加賀まで車で1〜2時間以上かかることも珍しくありません。限られた帰省期間の中で、あちこち行こうと欲張るより、「今回は金沢周辺だけ」「次の帰省で白山方面に行く」といった具合に、数年かけて行きたい場所を巡る計画を立てるのも楽しいものです。帰省のたびに、“前回から今回までの一年間の報告”を兼ねて同じ社を訪ねると、地元とのつながりを改めて感じられます。


能登方面を訪ねるときの情報収集と心構え

能登半島は、美しい海や歴史ある社寺が多い一方で、地震や豪雨などの影響を受けやすい地域でもあります。そのため、氣多大社や周辺の社寺への参拝を計画するときは、通常の旅行以上に事前の情報収集が大切です。まずは、石川県や羽咋市の公式サイトで、道路の通行状況や公共交通機関の運行状況、観光施設の再開情報を確認しましょう。ホット石川+1

次に、氣多大社の公式サイトやSNSで、祭事の開催状況や祈祷の受付時間、境内の安全対策などの最新情報をチェックします。「この時期に行ってもよいか」「受け入れに問題がないか」が分からないときは、電話で直接問い合わせてみるのがいちばん確実です。

宿泊を伴う場合も、「現地の負担にならない形」を意識しましょう。被災地に宿泊することで経済的な支援につながる一面もありますが、インフラが十分でない時期に無理に人が集中してしまうと、地元の人の日常生活に影響が出ることもあります。状況に応じて、「少し離れたエリアに泊まり、日帰りで参拝する」などの選択肢も検討してみてください。

自分の厄払いの願いと同時に、「この地域が少しずつ落ち着いていきますように」と祈る気持ちを持つことで、旅そのものの意味も深くなります。


5章 厄払いのあと一年を穏やかに過ごすために

お札・お守りを家でどう祀るか(賃貸・持ち家別)

厄払いのあとで多い質問が、「もらったお札やお守りをどこに置けばいいのか」というものです。本格的な神棚がある家なら、そこにお札を安置し、毎日軽く手を合わせるのが昔ながらの形です。一方、賃貸の部屋やワンルームでは、神棚を置くスペースが取れないことも多いでしょう。その場合は、リビングや寝室など家族がよく過ごす部屋の、目線より少し高い場所を選んでみてください。

たとえば、本棚の最上段の一部に白い紙や布を敷いて、お札立てとお守りを並べる。テレビ台の上に小さな木の台を置き、そこを“ミニ神棚”とする。いずれの場合も、床に直接置かないことと、湿気・ほこりがたまりにくい場所を選ぶことがポイントです。キッチンやトイレ、洗面所などはどうしても湿気が多くなるので、避けたほうが無難です。

お札やお守りをいつ返せばよいかについては、多くの神社で「おおよそ一年を目安に」と案内されていますが、これはあくまで“目安”です。一年ぴったりでなくても、次に参拝できたタイミングで、感謝の気持ちをこめて授与元の社寺にお返しすれば十分です。遠方でどうしても難しい場合は、近くの神社が「古いお札・お守りの納め所」を設けていることもあるので、相談してみましょう。


防災・健康・車の安全を見直すチェックリスト

厄払いは、「悪いことが起きないようにしてもらう」儀式と考えられがちですが、現実の生活を守ってくれるのは日々の備えです。そこでおすすめなのが、「祈祷を受けた日から1週間以内に、具体的な安全対策を一つ以上実行する」と決めてしまうことです。

たとえば、次のようなチェックリストを作ってみましょう。

分野 チェックすることの例
防災 非常持ち出し袋の中身を点検する/飲料水と非常食の賞味期限を確認する/家具の転倒防止金具を追加する
健康 健康診断や人間ドックの予約を取る/歯科検診を受ける/睡眠時間と食生活を1週間だけ記録する
スタッドレスタイヤの溝と空気圧をチェックする/ライト・ワイパーの状態を見る/任意保険の内容を見直す

石川の冬道は、車の運転にとってとくに厳しい環境です。スタッドレスタイヤやチェーンの準備はもちろん、雪の日は時間に余裕を持って出発したり、「今日は天候が悪いので運転を控える」という選択肢を持っておくことも、立派な安全対策です。

「祈って終わり」ではなく、「祈ったからこそ行動する」。その意識があるだけで、厄払いの一年は、ぐっと安心感のあるものに変わっていきます。


お金・仕事・人間関係をノートに整理する方法

厄年のころは、体だけでなく、心の負担も増えやすい時期です。仕事でのプレッシャー、家計の不安、親や子どもとの関係の悩みなど、いろいろな心配事が重なりやすく、「なんとなく落ち着かない一年だった」と感じる人も多いでしょう。そんなときに役立つのが、“ノートに書き出す時間”です。

特別な手帳でなくても構いません。無地や横罫のノートを一冊用意し、次のようにページを分けてみます。

  • 「お金」のページ:毎月の支出で気になっていること、貯金についての不安など

  • 「仕事」のページ:今の職場で気になっていること、今後やってみたい仕事など

  • 「人間関係」のページ:家族・友人・職場でのモヤモヤや感謝したいことなど

それぞれのページに、思いつくまま箇条書きにしていくと、「これはすぐに行動できること」「時間はかかるが向き合いたいこと」「今はどうにもならないこと」に自然と分かれてきます。すぐに動けそうなものには、「今週中に家計簿アプリを入れる」「来月までに上司に相談の時間をもらう」など、具体的な一歩を書き添えます。

厄払いをきっかけにこのノートづくりを始めると、「あのとき書き出したから、その後の一年を落ち着いて過ごせたな」と感じる場面が増えてきます。神社やお寺で手を合わせることと、自分の心と向き合うこと。その二つが組み合わさると、節目の年の意味がより深くなります。


心が重い日にできる小さなリセット

どれだけ準備をしていても、気持ちが沈む日や「今日はついていないな」と感じる日は必ずやってきます。そんなときに、少しだけ気分を切り替えられる“リセットの習慣”をいくつか持っておくと心強いです。ここでは、特別な道具を使わずにできるものを挙げてみます。

  • 机やテーブルの上だけを10分間片づけて、不要な紙を捨てる

  • 夜、湯船に5分だけ浸かり、何も考えずに3回ゆっくり深呼吸する

  • スマホを別の部屋に置き、好きな音楽を一曲だけ静かに聴く

  • 翌朝の自分へのメッセージを小さな紙に書き、「今日はこれだけできればOK」と決めて寝る

どれも大きな変化を生む行動ではありませんが、「何もできなかった一日」にならないことが大切です。心が弱っているときほど、完璧を目指すより、「これだけやれた自分」を積み重ねていくほうが回復が早くなります。

時間に余裕がある日には、近所の氏神さまに数分だけお参りに行くのも良い方法です。「今日はこんなことがあって疲れました」と心の中で報告し、最後に「それでも大きなケガや事故がなかったことに感謝します」と一言添える。そんなささやかな習慣を続けることで、「何かあっても立て直せる」という感覚が少しずつ育っていきます。


次の参拝・お礼参り・お焚き上げのタイミング

厄払いを受けたあと、「次はいつ行けばいいのか」「お礼参りはしたほうがいいのか」と迷う人も多いでしょう。基本的には、年に一度は同じ社寺に足を運び、一年間の報告とお礼を伝えるのがおすすめです。タイミングとしては、お正月の初詣や節分、あるいは自分の誕生日でも構いません。「去年の厄払いからここまで無事に過ごせました」と伝えること自体が、大切な区切りになります。

お札やお守りのお焚き上げは、「一年を目安に」とされることが多いですが、これも厳密な期限ではありません。昨年はどうしても行けなかった、という場合は、次に参拝できたときにまとめてお返しすれば十分です。

また、厄年の間に大きな出来事が無事に乗り切れたときには、そのタイミングでお礼参りをするのも良い習慣です。手術が成功した、転職がうまくいった、家族のトラブルが落ち着いたなど、「結果だけでなく、途中で支えてくれた人や出来事に感謝したい」と感じたときが、お礼参りにふさわしい時期と言えます。

「お願いしたからお返しする」のではなく、「見守ってもらえたから報告に行く」。そのくらいの気持ちで、気負いすぎずに参拝の予定を立てていくと、厄年が過ぎたあとも自然と神社・お寺とのご縁が続いていきます。


まとめ

ここまで、石川で厄払いを考えている人に向けて、厄年の基本的な考え方から、金沢・白山・能登の社寺、出かける前の準備、ライフスタイルに合わせたプラン、一年の過ごし方までを一つずつ見てきました。

厄年の年齢は、男性が数えで25・42・61歳、女性が19・33・37・61歳という“全国的な目安”がありますが、実際には地域差や神社ごとの違いがあります。神社本庁+1 白山比咩神社のように「前年の年末から節分まで」を厄祓いの時期として大切にする社もあれば、通年で祈祷を受け付けている社も多くあります。大事なのは、「このタイミングで区切りをつけたい」と自分が感じたときに、無理のない形で足を運ぶことです。

どの社寺を選ぶかも、正解は一つではありません。白山や能登の大きな社に出かける年があっても良いし、近所の氏神さまを中心に、日々の感謝と合わせて厄払いをお願いする形もあります。祈祷をきっかけに、防災や健康、車の安全対策、ノートでの心の整理といった具体的な行動を少しずつ積み重ねていくことで、「結果的に大きなトラブルの少ない一年だった」と振り返られる確率は高くなります。

厄年だからといって、必ず悪いことが起きるわけではありませんし、厄年でないからといって安心しきっていいわけでもありません。石川という土地で、自分らしいペースで社寺とつながりながら、一年を丁寧に重ねていく。そのヒントとして、このガイドが少しでも役に立てばうれしく思います。

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